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日本で3番目に大きい大仏が東京にあるってホント???乗蓮寺「東京大仏」
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
東京の板橋区に大仏さまがいらっしゃるのをご存じでしたか?その大仏は乗蓮寺(じょうれんじ)の「東京大仏」といいます。今回その大仏さまに会いに行ってきました。
目次
東京大仏(乗蓮寺)へのアクセス
東京大仏(乗蓮寺)は駅からちょっと不便な場所にあります。最寄り駅は東武東上線の下赤塚駅か成増駅でバス利用の便がありますが、個人的には下赤塚駅から歩く(約20分)ルートが好きなので、今回はそのコースをご紹介しましょう。
駅からほぼ1本道でわかりやすく歩道も整備されて歩きやすいので、初めての方にもおっすめの東京大仏散策コースです。(都営三田線の西高島平駅からも徒歩約20分でアプローチできます。)
東武東上線の池袋駅から各駅停車で約18分、下赤塚駅で下車します。
南口改札から出て左へ進みます。
突き当りの道を左に曲がると踏切が見えます。
踏み切りを渡ったらずっとずっと1本道です(赤塚中央通り)のどかな住宅街といった風景が続いています。
15分くらい歩くと「松月院前」交差点に着きますが、突っ切って更に進みます。目的地の乗蓮寺(東京大仏)はもうすぐです。
通りの名前が「赤塚中央通り」から「東京大仏通り」に変わっていました。
松月院前交差点から約100m位歩くと左側に麺工場が見えますのでそれを左に折れます。
そうするとすぐ乗蓮寺の看板が見えます。到着!
東京大仏(乗蓮寺)の歴史
乗蓮寺のご本尊は阿弥陀如来。浄土宗赤塚山慶学院(せきちょうさんけいがくいん)と称する寺院です。
乗蓮寺は応永年間(西暦1394~1428年)に了賢無的(りょうけんむてき)が山中村(現仲町)で人々に教化したことに始まり、後に板橋の中宿(現仲宿)に移転したと伝えられています。
天正19年(西暦1591年)に徳川家康から十石の朱印地を与えられて以来、代々の将軍から朱印状を与えられました。寛保3年(西暦1743年)8代将軍吉宗が鷹狩りの際に乗蓮寺に雨宿りしたのが縁となり、それ以来将軍家の鷹狩りの小休所や御膳所となりました。
昭和46年から7年の歳月をかけて現在の地に移転しましたが、その際に天災戦災等の無縁仏の供養や恒久平和を祈願して青銅製の東京大仏が建立されました。(板橋区教育委員会の案内板より一部抜粋)
乗蓮寺はとても堂々とした門構えです。お寺に来たな~と感じます。
東京大仏(乗蓮寺)は「板橋十景」でもあり「新東京百景」にも選ばれているそうで、インスタ映えしそうな寺院ですね。
石段を登り、門をくぐって、さらに石段を登ると乗蓮寺本堂が現れます。ここは赤塚城の二の丸が元あった場所だそうです。なるほど、元お城だったからこんなに堂々とした入口になっているのかもしれませんね。
階段を登っていくと・・・いよいよ東京大仏のお出ましです。ではお待たせしました。ここからは動画でご覧ください。
東京大仏は日本で三番目に大きい大仏???
おお~っ!想像していたよりも大きくてとても立派な東京大仏です。これが奈良、鎌倉に次いで大きい大仏なの?
この東京大仏は住職二十三世正誉隆道(しょうよりゅうどう)が昭和49年に88歳にて発願し、延べ3,500人の手によって約3年かけ、昭和52年4月に創建されました。千葉氏の居城であった赤塚城の二ノ丸跡に乗蓮寺が建てられ千葉氏一族、戦没者、そして有縁無縁の霊を弔い、世界平和と万民救済の願いがこの東京大仏には込められているそうです。
青銅(ブロンズ)製、32t、高さは12.5m(蓮台、基壇含む)で頭部だけでも3mあるそうです。
では、東京大仏の周りをぐるっと回ってみましょう。この角度、大仏さまの大きさがよくわかりますね。
東京大仏の背中です。で、でかい、頼りがいがある、すべてを背負ってくれるような、優しい背中でした。
私が訪れたのは平日の朝でしたので人影もまばらでしたが、お正月の初詣の時、この乗蓮寺は多くの人で賑わうそうです。
しかし・・・確かに立派な東京大仏ですが、奈良や鎌倉に比べるとあまりに知名度が低い・・・そこで「大仏 大きさランキング」を調べてみると、以下の通りでした。
- 1位:牛久大仏 120.0m
- 2位:日本寺大仏 31.0m
- 3位:琵琶湖大仏 28.0m
- 4位:白馬大仏 23.5m
- 5位:昭和大仏 21.35m
- 6位:聚楽園大仏 18.79m
- 7位:御嶽薬師尊 18.0m
- 8位:兵庫大仏 18.0m
- 9位:越前大仏 17.0m
- 10位:愛子大仏 16.0m
- 10位:東大寺大仏 16.0m
ん?奈良(東大寺)の大仏が10位?なにこれ?
改めてよく調べてみると、「座像で青銅製の鋳造(ちゅうぞう)大仏」というカテゴリーでみると1位:奈良、2位:鎌倉、3位:東京大仏なのだそうです。確かに大仏さまは座っているものだけではないですよね。
※編集部追記:平成30年東京西多摩郡に鹿野(ろくや)大仏(像高約12mが建立され、鎌倉の大仏を追い抜き第2位になったそうです。現在、東京大仏は4位になりました。
東京大仏以外の乗蓮寺のみどころ
乗蓮寺には東京大仏以外にも寺院内に見どころがいくつかあります。
天保飢饉の供養塔
天保飢饉は江戸三大飢饉のひとつと言われ、天保4年に凶作、疫病の流行で多数の餓死者や行き遅れの者が出たそうです。乗蓮寺の供養塔は当時板橋宿の中宿にあった乗蓮寺の住職・撮誉上人が宿内の死体を寺内に埋葬し、その菩提を弔う為に建立しました。どれだけ大変な状況だったのかが偲ばれます。
旧藤堂家染井屋敷石造物
境内にある石造物のいくつかは、現在の豊島区駒込付近に所在していた津藩 藤堂家 江戸下屋敷(染井屋敷)に置かれており、当時から特色ある石造物として知られていたことが各文献に記載されているそうです。戦後これらの石造物は個人宅に置かれていましたが昭和42年に乗蓮寺に移され、その後乗蓮寺の赤塚への移転に伴って現在の場所に移設されました。
▼文殊菩薩
「3人寄れば文殊の知恵」って言葉がありますよね。あの文殊とは文殊菩薩のことだそうです。文殊菩薩は「智」を司る菩薩さまで学業向上、合格祈願にご利益があるそうです。
▼奪衣婆(だつえば)
奪衣婆とは、三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼のことです。閻魔さまと必ずセットになっています。
▼役の小角(えんのおずぬ)
飛鳥時代の呪術者で修験者(行者)の開祖です。えんのおずぬとは面白い読み方ですね。
▼がまんの鬼
津藩主 藤堂家は浅井、織田、徳川と三代にわたり仕えましたが、その心持ちはまさに我慢のし通しだったことを表しているそうです。
今も昔も主従関係は大変だったんですねえ~。それにしても、どの石造物もユーモアがあり、かわいらしくて憎めない感じです。
乗蓮寺の門の右側には「閻魔堂(えんまどう)」があります。
閻魔さまと、その左に座っているのは・・・そう、奪衣婆です。いましたね、ここにも奪衣婆が。境内の石像とはずいぶん違います。
境内には池があり、鯉が泳いでいました。乗蓮寺(東京大仏)はたっぷりの緑に溢れた素敵なお寺です。
東京大仏(乗蓮寺)周辺の見どころ
東京大仏(乗蓮寺)から徒歩圏内には観光向きの見どころが集結していました。いくつかご紹介しましょう。
板橋区郷土資料館(入館無料)
板橋区内で出土した土器、古文書、民俗資料などを収蔵、展示してある施設で板橋の歴史を学ぶことができます。郷土資料館の敷地内には古民家もあります。
屋根は茅葺の寄せ棟造りの農家建築で、江戸時代後期の建物です。納屋は切妻、瓦葺で1階の床は板張りです。
赤塚溜池公園
園内には約200本の梅が植えられており、3月の梅の時期には梅まつりが催されて、それは大変な賑わいだそうです。暑い時ではありましたが、池の周りには木陰で涼みながら釣りを楽しむシニアの方々が集っていました。
赤塚城址公園
郷土資料館の横には小高い丘があり、木段で上がれるようになっています。
その木段を上がったところには・・・
こんなに広々とした原っぱがありました。ここが赤塚城の本丸があった場所で、今は赤塚城址公園になっています。
武蔵千葉氏と赤塚城跡
下総国の守護千葉氏は、足利成氏(しげうじ)と上杉家の争いに巻き込まれ、攻められた千葉実胤・自胤(これたね)兄弟は、市川城を逃れて赤塚城と石浜城へ入城しました。
寛正4年(西暦1463年)に兄の跡を継いだ自胤は太田道灌に従って各地を転戦、今の和光市や旧:大宮市(現:さいたま市)、足立区内に所領を獲得するなど、武蔵千葉氏の基盤を築きました。
その後、千葉氏は赤塚の支配の強化に努め、豊臣秀吉に滅ぼされる天正18年(西暦1590年)まで勢力を振るいました。城は荒川低地に面し、東と西に大きく入り込んだ谷に挟まれた台地上にあります。(板橋区教育委員会 案内板より抜粋)
赤塚城址公園内にも梅林があります。
梅林
梅の季節にはさぞきれいでしょうね。
東京大仏(乗蓮寺)周辺のグルメスポット
東京大仏通り沿いに「大仏そば 萬吉禎(まんきちてい)」があります。
外観は大きめの民家風という感じですが、「大仏そば」と謳っているからには食べないわけにはいかないでしょう。私が注文したのは平日限定ランチ(日替わり丼とそばのセット)1,080円(税込)です。(この日はかき揚げ丼)
そばつゆは東京風の辛めというより、やや甘めで優しい味。麺は細めで私好みの食感でした。
真っ黒(?)のセブンイレブン
一瞬「あれ、目が悪くなったかな?」と思いました。あの三色のセブンイレブンではなくブラックなんです。調べてみると「景観条例」によるものだそうで、景観を考慮して落ち着いた色彩の看板を掲げているそうです。
奈良や鎌倉に比べて知名度は低い東京大仏(乗蓮寺)ですが、なかなかどうして威風堂々とした立派な大仏さまでした。
都心からこんなに近いのに乗蓮寺(東京大仏)の周辺は緑豊かな自然が残っており、郷土資料館、赤塚城址公園、溜池公園、板橋区美術館、赤塚植物園など見ごたえのある施設や公園がたくさんあります。
乗蓮寺(東京大仏)だけでなく半日程度の散策旅にちょうどよいコースです。私は3月の梅の季節にもぜひ訪れてみたいと思いました。皆さんも次の週末、おでかけになってみてはどうですか?ぜひ!
東京大仏(乗蓮寺)の所在地
- 住所:東京都板橋区赤塚5丁目28-3
- 時間:8:00~16:00
- 駐車場:乗蓮寺檀信徒専用と参拝者専用の駐車場あり
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。