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イギリスには公用語が4つある! それぞれの概要について紹介します
<トップ:写真はイメージです/Photo by Pixabay>
イギリスの公用語と言えば英語、というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか?
しかし、イギリスの英語はアメリカのそれとはさまざまな点で異なっており、さらに英語以外にも公用語とされる言語が複数あるのです。このような異なる言語がなぜ存在するのかを知ることは、イギリスという国の成り立ちを知ることでもあります。
この機会にイギリスで使われている言語について情報収集してみましょう。
イギリスの公用語と言えば英語...でもそれだけじゃない!?
イギリスの公用語は英語ですが、特定の地域では第二言語として他の言語も公用語とされています。それはなぜなのでしょう?
イギリスで英語以外の言語も公用語になっているわけ
イギリスの正式な国名が「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国)」であることはご存知の人も多いでしょう。「イギリス」や「英国」は日本語での略称、「United Kingdom」と「UK」が英語での略称です。
イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドからなる連合国家です。それらの地域(国と呼ばれることもあります)は民族が異なっていて、それぞれのアイデンティティを有していて、独自の言語も存在します。
英語はイングランドの言語です。他に、スコットランドにはスコットランド語、ウェールズにはウェールズ語、北アイルランドにはアイルランド語があります。英語以外にも公用語が存在するのはそのためです。
イギリス英語の特徴とアメリカ英語との違い
ところで、インターネットの検索などでイギリスとアメリカのサイトを見比べてみると、いわゆるイギリス英語には、アメリカ英語とは異なる点が意外に多くあります。例えば、休暇はイギリス英語では「holiday」がよく使われ、「vacation」はほぼ使われません。
イギリス英語の「holiday」は仕事や学校の休み、祭日やクリスマスなどの休み、海外旅行という意味で使われます。アメリカ英語では旅行など余暇のための休みを含め、基本的に長い休みは「vacation」、クリスマスなどの特別な休みに「holiday」を使用します。
下記の一覧を見てください。同じ単語なのにスペルが違うこともあります。
「劇場」
イギリス英語:theatre
アメリカ英語:theater
「色」
イギリス英語:colour
アメリカ英語:color
「飛行機」
イギリス英語:aeroplane
アメリカ英語:airplane
「エレベーター」
イギリス英語:lift
アメリカ英語:elevator
そして、文法も違います。例えば「本を持っています」と表現する場合、イギリス英語では「have got」を使って、「I have got a book.」と表現しますが、アメリカ英語では「I have a book.」になります。
また、アメリカ英語で「take」を使う場面で、イギリス英語ではよく「have」を用います。「休憩したい」はアメリカ英語では「I want to take a break.」と言うのが一般的ですが、イギリス英語では「I want to have a break.」と表現します。
もうひとつ、時間の表現の違いも覚えておく必要があるでしょう。
「2時15分」はアメリカ英語なら「two fifteen」で分かりやすいのですが、イギリス英語では「quarter past two」と言うことがあります。
さらに2時30分は「half past two」または「half two」、2時45分は「quarter to three」などと表現します。15分刻みでquarter、halfと表現しているのですね。このあたりは日本語で時間を表現する際「2時半(2時30分)」と呼ぶ感覚に近いと言えるでしょう。また、past,toを使い分けることで、「2時を(少し)過ぎている」、「(あと少しで)3時に向かっている」というニュアンスで、時間を表現しているのも興味深いポイントです。
海外旅行者にとって、出国やホテルのチェックイン(アウト)などをスムーズに行うには時間の把握が欠かせません。イギリスならではの表現は、ぜひ覚えておいてください。
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イギリス英語以外の公用語について
イギリス英語とアメリカ英語の違いを理解した上で、ここからはイギリス英語以外の、イギリス内の公用語についても見てみましょう。特殊な発音やスペルを持ち、英語を話す人でも通じない言語もあります。
スコットランド語
スコットランド語はもともと英語と近い関係にある言語です。スコットランドおよびアイルランドのアルスター地方で使われていて、「スコッツ語」とも呼ばれます。
ローランド(低地)地方のゲルマン語派の言語であり、英語とはスペルなどが異なる部分があります。なお、スコットランドではケルト語派言語である「スコットランド・ゲール語」も使われています。
ウェールズ語
ローマ人がグレートブリテン島を支配する以前に、大陸からやってきたケルト人が話していた言語がルーツと言われるケルト語派の言語です。
もともとウェールズ語は文字を持たず、公式文書ではラテン文字が使われていました。歴史の中では、ウェールズの公用語は英語のみとされていた時代があり、その頃は学校などでウェールズ語を話すことは禁止されていたのです。
しかし、1993年には公用語認定され、現在は第二言語として学校教育も行われています。ウェールズ語には英語にも日本語にもない発音があり、他国の人がそれを再現するのはかなり難しいと言われています。
アイルランド語
アイルランド語もケルト語派の言語です。「ゲール語」または「アイルランド・ゲール語」とも呼ばれ、もともとアイルランド人の固有の言語でした。現在では会話にはあまり使用されていませんが、交通標識などには英語と併記されていることがあります。
アイルランド語に使用されるアルファベットはA~IまでとL~Uまでの合計18文字で、これにVを加えた19文字が日常的に使用されています。
イギリスで使われている公用語で、英語以外の言語をマスターするのはなかなか難易度の高いものです。しかし、そのような言語が存在することと、それぞれの違いについて知れば、イギリスの文化や歴史に対してより深い興味が湧いてくるでしょう。イングランド以外を訪れるときには、それぞれの地域の言語にも注目してみてください。
もし、上記の記事でご興味を持たれた方は、イギリス英語はもちろん、その他の公用語についても学び、使いこなしてみてはいかがでしょうか?
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