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「世界で最も美しい海岸線」世界遺産・アマルフィ海岸の魅力とは?
※編集部註:2019年10月、加筆修正をいたしました。
映画でも有名な「アマルフィ海岸」は、ダイナミックとロマンチックな感情が入り混じる、南イタリアのリゾート地。複雑に入り組んだ海岸線、陽光にきらめく紺碧の海、断崖に張り付くように並ぶカラフルな建物、たわわに実るレモンの木々......。アマルフィ海岸の景観には、"世界で最も美しい海岸線の一つ"と讃えられるだけの理由があります。その魅力について、この記事で紐解いていきましょう。
※以下、一部写真はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき掲載しています。
目次
- 1. アマルフィの魅力は海岸線にあり
- 2. アマルフィ海岸沿いの町「ポジターノ」
- 3. アマルフィ海岸の名産品「リモンチェッロ」とは
- 4. 楽園のような景観が出迎える「アマルフィ」
- 5. 散策に疲れたらパスティチェリア(菓子店)で休憩
- 6. アマルフィ海岸で最も海抜の高い町「ラヴェッロ」
1. アマルフィの魅力は海岸線にあり
<険しい断崖も、絶景をつくり出す要素(※写真はイメージです。Photo from AdobeStock)>
アマルフィの名前を冠した映画作品によって、日本でも一躍有名になったアマルフィ海岸。イタリア南部のティレニア海を臨むソレントから、サレルノまでの約40㎞に渡る海岸線のこと。
300以上のカーブを持つといわれる複雑な海岸線は、半島に横たわる山地が急峻な崖となり、真っ青な海へと落ち込むダイナミックな景観を生み出しています。海岸線にそって白い家々がポツポツと点在するロマンチックな街並みは、夏になると眩しく輝く太陽のもと、世界屈指のリゾート地へと早変わり。
アマルフィ海岸の魅力を味わうには海岸線を車で走り、そこに点在する町を訪れるのがポイントです。カーブを曲がる度に変化する美しい風景を眺めながら、レモン畑の合間に現れる、色とりどりの街へと立ち寄ってみましょう。
2. アマルフィ海岸沿いの町「ポジターノ」
アマルフィ海岸沖には、たくさんの小島が浮かんでいます。そのうちの一つに、美しい歌声で船人を惑わせ船を難破させたという神話上の妖精「セイレーン」が棲んでいたという島リ・ガッリ(Li Galli)の姿が。この島が見えてきたら、ポジターノの街はすぐそこです。
<写真はイメージです。Photo by Pug Girl [Positano] CC-BY 2.0>
細い路地の両側には洒落た店が並び、頭上には葡萄棚。少し急な坂を下りきったところには、有名映画の舞台となった砂浜が広がっています。ここから眺める青い海はもとより、振り返って斜面に張り付くように集まっているポジターノの街並みを眺めてみて下さい。おもちゃのようにカラフルな街並みと山肌のコントラストは筆舌に尽くし難く、きっと忘れられない風景の一つとなるでしょう。
3. アマルフィ海岸の名産品「リモンチェッロ」とは
ここでチェックしておきたいのが、レモンを使ったお土産の数々。名産品のリモンチェッロは、レモンを用いたリキュールの一種で、爽やかな香りと酸味、ほんのり漂う苦味を楽しめるのが特徴です。また、レモンを使ったドロップや香水、石鹸なども見逃せません。旅の思い出に、ぜひ買い求めてみては。
<シチリア島に同じく、アマルフィもレモンの産地。(写真はイメージです。Photo by scerpica from AdobeStock>
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4. 楽園のような景観が出迎える「アマルフィ」
<風光明媚な光景にうっとり。(写真はイメージです。Photo by Boss Tweed [The town of Amalfi as seen from the water.] CC-BY 2.0>
海岸線から細い路地を抜けて少し奥へと入ったところには、印象的な佇まいのドゥオーモ(大聖堂)や、パラソルの開いた楽しげなカフェやショップが肩を並べる、秘められた楽園のような広場が待っています。そう、ここが「アマルフィ」です。
この美しくこぢんまりとした町は、中世にはアフリカやアラブ、ビザンチンとの海洋貿易によって巨万の富を得ることができ、海洋王国としてその名を馳せました。アラブとの交易が盛んだった名残は、広場に存在感を放つドゥオーモの装飾に見てとることができます。
ちなみに、アマルフィ海岸はお天気の良い日ばかりかと思いきや、訪ねる時期によっては雨模様になることも。しかし、そんな天気でも幻想的な風景となりうるのがアマルフィの魅力です。その時の様子は関連記事にありますので、ぜひご覧ください。
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アマルフィ大聖堂 Googleマップ:
5. 散策に疲れたらパスティチェリア(菓子店)で休憩
アマルフィ海岸沿いの散策は楽しいものですが、石畳が敷かれているため歩き続けると疲れてしまうことも。高低差もあるため、適度に休憩を挟むことをオススメします。
アマルフィ大聖堂と広場の間にある「Pasticceria Caffetteria Pansa(パスティチェリア・カフェテリア・パンサ)」は、楽しげな町の雰囲気にぴったりの老舗パスティチェリア。こちらでは、コーヒーと共にさまざまなお菓子を楽しめます。名産のレモンを使ったケーキや、南イタリアの伝統菓子スフォリアテッラなども。
散策に疲れたら、一杯のエスプレッソか、甘いレモンチェッロをキュッといただきながらスフォリアテッラを味わう小休憩はいかがでしょう?
基本情報
- 名前:「Pasticceria Caffetteria Pansa(パスティチェリア・カフェテリア・パンサ)」
- 住所:Piazza Duomo 40 Amaifi Salerno
- 営業時間:7:30-24:00
- 定休日:火曜日
- 公式サイト:http://www.pasticceriapansa.it/
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路地裏散策もお忘れなく
賑やかな広場も魅力的ですが、アマルフィの神髄は広場のさらに奥に入った路地裏にあります。喧騒から離れて入り組んだ白壁の路地を探索すれば、一大リゾート地の奥でひっそりと繰り広げられる、地元の生活を垣間見みることができるでしょう。
<撮影:ライター 藤井麻未>
地図を捨て、ひんやりとした路地裏に迷い、ゾクッとするほど神秘的な小路を見つけると、アマルフィの街にまた新しい魅力を見出すことができるはずです。
一度は泊まりたい、アマルフィ最高峰のホテル
<写真はイメージです。Photo by Ivan Kovpak [View from the restaurant at the Santa Caterina Hotel, Amalfi] CC-BY 2.0>
アマルフィに来たら一度は泊まってみたいのが、アマルフィ最高峰のホテル「サンタ・カテリーナ」。アマルフィの中心部から海岸沿いに西南へ1キロメートルほど南下したところにある、キラキラと輝くティレニア海を望む五つ星ホテルです。こちらは記事の冒頭でも触れた有名映画のロケ地にもなっています。
海に面したオープンテラスでは黄昏時にアペリティフを、夜は街の夜景と広大な海に映る月を見ながらのディナーを堪能できます。ここでの滞在は、アマルフィでの思い出をより印象深くしてくれること間違いありません。
基本情報
- 名前:Santa Caterina Hotel(サンタ・カテリーナ・ホテル)
- 住所:S.S Amalfitana 9 Amalfi Salerno
- 定休シーズン:年末年始を除く11月~2月>
- 公式サイト:http://www.hotelsantacaterina.it/
6. アマルフィ海岸で最も海抜の高い町「ラヴェッロ」
<写真はイメージです。Photo from Pixabay CC0>
アマルフィ海岸沿いの街で、最も海抜の高い位置にある街が「ラヴェッロ(Ravallo)」。標高約350mと物凄く高い場所にあるわけではないのですが、近隣の町よりも空に近いからか、ここにはまるで天空の楽園のような雰囲気が漂っています。
遙か眼下には紺碧のティレニア海が広がり、バラの花咲く美しい庭園を備えた瀟洒(しょうしゃ)なヴィラ(カントリーハウスの一種)は、ラヴェッロ名物といっても良いでしょう。
そして、ここはとても洗練された高級リゾート。ツーリスティックな匂いから離れ、ゆるやかなリゾートウェアで、暮らすように時を過ごしたいところ。ショップに並ぶ品々もお洒落でなくてはなりません。
お土産チックになりがちな伝統陶器の絵柄も、ラヴェッロの名店にかかればたちまち華麗なルックスに。彩られた大判の皿には魚介たっぷりのパスタを豪快に盛って、帰国後も南イタリア気分を味わえます。
さらに、ラヴェッロは"音楽の町"とも言われ、毎年夏にはヴィラのテラスや野外の特設ステージで音楽祭が開かれています。イタリアで最古の音楽祭とも言われており、贅沢なバカンスを過ごされたい方にとっても見逃せません。
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<夜景もロマンチック。(写真はイメージです。Photo from Pixabay CC0>
今回ご紹介したアマルフィ海岸の魅力は、まだほんの一部。通りが陶器で飾られた町「ヴィエトリ スル マーレ」など、可愛いものが好きな方にはたまらないスポットも存在します。陽光降り注ぐ恵みの南イタリアへ、さあ旅に出ましょう。
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