日本との国交が増え、今アジア圏の新しい旅行先として最も注目されているミャンマー。2012年全日空（ANA)が成田空港からヤンゴン空港へ直行便を就航したことにより、旅行もぐっとしやすくなりました。

見所も多く、魅力あふれる観光スポットが点在するミャンマーですが、その中でも圧倒的な存在感を誇るのが首都ヤンゴンにある黄金の仏塔「シュエダゴンパゴダ」です。高さはなんと約100ｍ！全体が金箔で覆われいて、上部には6,000を超えるダイヤモンドやルビーなどの宝石がちりばめられた豪華絢爛な仏塔です。昼間の姿も鮮やかな金色が青空に映えてとても美しいのですが、夜はライトアップされて一段と眩しく華やかに光り輝き、見るものの心を圧倒させます。

仏教に信仰の深いミャンマー人にとってシュエダゴンパゴダは聖地のような存在。祈りを捧げる参拝者たちでいつもにぎわっています。多い人では1日に2度も3度も訪れては熱心にお祈りをするのだそう。あまりに真剣なその姿に「何を祈っているの？」と聞いてみると、「家族の幸せを祈っているよ。」「妹の病気が治るようにお願いしているんだ。」というような返答が。それは全て"自分以外の存在へ向けた祈り"だったのです。

子供の頃から変わらず他人を思いやり、深く祈り続けてきたミャンマーの人々。自分の事ではなく、身近な大切な人の幸せを一番に願うというのは当たり前の事で、それこそがこの国の優しく暖かな国民性を作り出しているのでしょう。その熱く祈りを捧げる光景は、同じ仏教の心を持つ私たち日本人を、厳かで神聖な気持ちにさせてくれます。あなたもミャンマーで、大切な人の事を祈ってみてはいかがですか？

文：南まい