

ドイツのお土産を日本の家族に送ったところ、「ドイツのお菓子って、健康的なものが多いんだね」という感想が寄せられました。
いつも自分たちが食べているものを送っているだけなんだけどなー、と思いながらパッケージを見ると、オーツ麦、キビ、スペルト小麦...。たしかに、穀物を使った商品がたくさんあります。
そういえば、ドイツで子どもを出産したとき、離乳食にはキビやオート麦のお粥があり、赤ちゃん用のお菓子にも雑穀などが使われていました。パン屋さんを見ても、ライ麦やスペルト小麦、オーツ麦、ヒマワリの種、カボチャの種など、さまざまな穀物や種子を使ったパンがズラリ。さらに近年では、キヌアやアマランサスといった海外発のスーパーフードもすっかりおなじみになりました。
そこで今回は、ドイツの雑穀文化をひもときながら、赤ちゃんから大人まで親しまれている身近なヘルシー素材を紹介します。
目次
1. ヘルシー素材がドイツの日常に根付いている理由
「パンを買うとき、白パンより黒パンを選ぶし、カボチャの種入りを手に取ることが多いかな」と話してくれたドイツの友人。もちろん白パンを買うこともあるそうですが、無意識のうちに健康的な素材をチョイスしてしまうのだとか。
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<ライ麦の全粒粉を使った黒パン。ニンジンのかけらやヒマワリの種も入っており栄養満点。バターをたっぷりつけると、黒パンの素朴な味わいが引き立ちます>
こうした食文化の背景には、ドイツで古くからさまざまな穀物を栽培し、主食として利用してきた歴史があります。
中世のドイツでは、冷涼な気候や土地の条件に適したライ麦が広く栽培され、ライ麦パンが主食となりました。また、オーツ麦や大麦、キビなども地域や時代によって食生活を支える穀物として利用されてきました。
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<ライ麦の全粒粉と小麦をミックスしたパンは酸味がマイルド。亜麻仁やヒマワリの種のプチプチ食感も魅力的>
現在では、こうした伝統的な穀物に加え、キヌアやアマランサスといった南米由来のスーパーフードも普及しています。全粒穀物や種子を使った商品も多く、さまざまな形で日常の食卓に取り入れられています。
つまり、ドイツのヘルシーな素材は、近年の健康ブームによって突如現れたものばかりではありません。昔から続く穀物文化に現代の健康志向が重なり、食材の選択肢がさらに広がっているのです。
2. 赤ちゃんの離乳食はキビやオート麦のお粥が定番
筆者がドイツの雑穀文化を強く意識したのは、出産・育児のときでした。
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<ビタミン、ミネラル、炭水化物など産後の体に必要な栄養素がたっぷり。ただ、お味はなかなか甘かったです...>
産後すぐ、助産師さんから栄養補給にとすすめられたのが、まさかの「麦芽ドリンク」!「Karamalz」という大麦を使ったノンアルコール飲料でした。数回しか飲みませんでしたが、これが家にあるというだけで、安心感が半端ではありませんでした(笑)
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<オート麦のお粥。左は手間のいらない瓶詰めタイプ、右はフレークタイプ>
そして、赤ちゃんの離乳食の定番といえば、キビやオート麦などを使ったお粥です。朝や昼には野菜や肉類のペースト、夜には穀物のお粥を与えるスタイルが一般的です。お粥は腹持ちが良く、夜の食事として定着しています。
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<フレークタイプの中身。赤ちゃんのお腹の減り具合に合わせて、作りたい分だけ作れるのがうれしいポイント>
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<フレークタイプは、ミルクやお湯でふやかしたら約2分で出来上がり!>
調べてみると、ドイツでは古くから穀物のお粥が消化の良い食事として乳幼児の食事に取り入れられてきたのだそうです。今でもスーパーには、赤ちゃん向けのオート麦やキビなどの穀物製品が豊富に並んでいます。
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<スペルト小麦のスティック菓子はほんのり素朴な甘さ。17歳となった娘は今でも大好きです>
成長に伴い、乳幼児のおやつも必要になってきますが、こちらも雑穀入りがたくさん発売されています。
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<クッキーやワッフル菓子、ミューズリーバーなどバラエティに富んでいます>
我が家でまず与えたのは、友人が大絶賛していたスペルト小麦のスティック菓子。「ある程度の長さと太さがあって、歯がなくても歯茎でかみかみできるから間が持つのよ」という言葉通り、外出時の必須お菓子となりました。
3. 大人も嬉しい!スーパーで買えるバラエティ豊富な穀物製品
雑穀や穀物は離乳食としてだけでなく、昔から日常の食事を支える食材として利用されてきました。現在では黒パンはもちろん、雑穀入りのパスタやミューズリー、焼き菓子など、スーパーにさまざまな商品が並びます。
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<オーツ麦を使ったミューズリー。ドライフルーツやチョコが入ったものなどバリエーション豊富!>
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<オーツ麦やカボチャの種が入ったミューズリーバー。学校や会社におやつとして持っていくのに便利>
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<キヌアやキビ、ヒヨコ豆のクスクスなどの単品売り。キヌアはご飯に混ぜたりサラダにしたり用途が広いです>
面白いのが、商品だけでなく穀物そのものも単品で買えること。例えばオーツ麦なら500g入りの商品が0.69ユーロ程度から見つかることもあり、日常的に使いやすい価格帯で手に入ります。
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<ライ麦やスペルト小麦など6種類がブレンドされた全粒穀物ミックス。店内にある機械で自分で挽きます>
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<挽いたものがこちら。粗挽きにしたので、しっかりとした歯ごたえがあります>
お店によっては購入した全粒穀物をその場で挽くこともできます。穀物は粉にすると空気に触れる面積が増えるため、時間とともに風味が変化しやすくなります。
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<市販のミューズリーに自分で挽いた穀物をミックス。ヨーグルトと冷凍フルーツも添えて栄養価アップ>
粒の状態で保存し、必要な分だけ挽いて使うことで、新鮮な香りと風味を楽しめるメリットがあります。
4. お役立ち!穀物・ヘルシー素材のドイツ語一覧
スーパーなどで気軽に買える穀物やヘルシー素材について、いざドイツで探す際に役立つドイツ語を一覧にまとめました。パンに使われている素材も多いので、パン屋さんで選ぶ際にも参考にしてみてくださいね。
穀物・粉類
- Hirse(ヒァゼ)/キビ類、ヒエなど
- Goldhirse(ゴルトヒァゼ)/黄キビ
- Roggen(ロッゲン)/ライ麦
- Dinkel(ディンケル)/スペルト小麦
- Hafer(ハーファー)/オーツ麦
- Vollkorn(フォルコーン)/全粒、全粒穀物
- Couscous(クスクス)/クスクス
- Grieß(グリース)/セモリナ、セモリナ粉
種子・スーパーフード
- Quinoa(キノア)/キヌア
- Leinsamen(ラインザーメン)/亜麻仁、フラックスシード
- Chiasamen(チーアザーメン)/チアシード
- Amaranth(アマランス)/アマランサス
- Mohn(モーン)/ケシの実
- Sesam(ゼーザム)/ゴマ
- Kürbiskerne(キュアビスケァネ)/カボチャの種
- Sonnenblumenkerne(ゾンネンブルーメンケァネ)/ヒマワリの種
- Kümmel(キュンメル)/キャラウェイ
5. まとめ
健康を意識して無理に穀物を取り入れようとしなくても、ふと手に取ったものが穀物を使った食品だった――。そんなことがよくあるのも、穀物を日常的に取り入れてきたドイツの食文化があってこそ。今回あらためて、その身近さを実感しました。
赤ちゃんの離乳食から、大人の朝食のミューズリー、ランチのパンやサラダまで、年齢やシチュエーションを問わず登場する穀物。スーパーやパン屋さんをのぞけば、ライ麦やスペルト小麦、さまざまな種子など、見慣れない素材に出会えるのもドイツならではの魅力です。
ドイツに旅行でいらした際には、ぜひお店で「これは何の穀物かな?」とパッケージを眺めてみてください。いつもの旅とはひと味違う、ドイツの豊かな食文化を感じる発見があるかもしれませんよ。
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大越理恵
- ドイツ生まれの日本人夫にくっついてドイツへ移住!したものの、何年住んでもドイツ語初級なフリーライター。おさんぽ旅が得意。街の匂いや雰囲気、ちょっと傾いた建物、へんてこな模様、かわいいマンホールのフタなどなど。果てしない寄り道をしながら見つけた、ドイツの風景や日常、あれこれをお届けします。
































