毎週開催!インラインスケートイベント「Tuesday Night Skating」|ドイツ

"シャー、シャー、シャー"。夜、突如聞こえてきた謎の音。思わず窓から外を見ると、インラインスケート集団が音楽をかけながら車道を滑走していました!
パトカーが伴走しているので、公的なイベントなのだろうと思いつつ、21時を過ぎているのに、一体何のイベントなのだろうと不思議に思いました。

じつはこれ、ヨーロッパのサマータイム期間(3月の最終日曜日~10月の最終日曜日)に開催される「Tuesday Night Skating(チューズデー・ナイト・スケーティング)」というイベントです。

毎週火曜日の夜、何百人ものインラインスケート愛好家たちが集まり、フランクフルトの街なかを滑走するというもの。車道を通行止めにして、インラインスケートを優先するイベントが毎週行われているなんて!インラインスケート初心者ながら興味を持った筆者が、実際にイベントを見学してきました。

目次

「Tuesday Night Skating(TNS)」は個人の宝探しイベントから始まった

「チューズデー・ナイト・スケーティング(通称:TNS)」の様子
<「チューズデー・ナイト・スケーティング(通称:TNS)」の様子>

「チューズデー・ナイト・スケーティング(通称:TNS)」の始まりは、現在も主催を務めるディルク・マイ氏が、1997年に友人とインラインスケートによる宝探しイベントを開催したことです。参加者は約50人でしたが、その後、毎週火曜日に集まって滑ることが恒例になると、参加者は100人、多いときには1,000人へと、口コミを通じて回を重ねるごとに増えていきました。

ドイツの道路交通法では、インラインスケートは歩行者用道路を走行しなければなりません。しかし、大人数での走行は難しく、安全面を考慮して、市の行政や警察が協力体制を敷くようになりました。1999年には、フランクフルト市スポーツ局主催のイベントに認定。イベント開催時は道路を一時的に通行止めにし、約80人のボランティアスタッフや警察、救急隊が同行することで、参加者は車道を走行できるようになったのです。

警察バイクの先導で街を滑走。これが毎週行われる無料イベントとは驚きです
<警察バイクの先導で街を滑走。これが毎週行われる無料イベントとは驚きです>

反射ベストを着たボランティアスタッフと一緒だから心強い
<反射ベストを着たボランティアスタッフと一緒だから心強い>

安全上の問題がなく参加者もいれば、雨天でも開催されます
<安全上の問題がなく参加者もいれば、雨天でも開催されます>

フランクフルトはドイツのインラインスケートイベントの先駆け

大勢で滑走するため、しっかりブレーキをかけられるなど、安全に走行できることが大前提です。その条件を満たしていれば、申し込み不要で気軽に参加できるのが魅力。参加者はおよそ20~60代と幅広く、フランクフルト市民だけでなく、遠方から訪れる人もいます。

このようなインラインスケートイベントは、ベルリンやデュッセルドルフなど、ドイツ各地で開催されています。その中でもフランクフルトは、早い段階から大規模なイベントとして発展し、多い日には3,000人以上が参加。毎週の開催を実現していることから、ドイツのインラインスケートイベントの先駆け的存在といわれています。

フランクフルトの玄関口、フランクフルト中央駅前も颯爽と滑走
<フランクフルトの玄関口、フランクフルト中央駅前も颯爽と滑走>

1880年にネオ・ルネサンス様式で建造された旧オペラ座の横も通過
<1880年にネオ・ルネサンス様式で建造された旧オペラ座の横も通過>

フランクフルトの高層ビル群と夕焼けのコンビネーションが美しい
<フランクフルトの高層ビル群と夕焼けのコンビネーションが美しい>

フランクフルトの「Tuesday Night Skating(TNS)」を見学!

まだ参加できるほどのスケーティング技術はありませんが、雰囲気だけでも味わいたいと思い、スタート地点で参加者を見送ることにしました。

スタート地点のハーフェンパークへ向かい、マイン川沿いを歩いていると、TNSに向かうスケーター、散歩やジョギングをする人、ベンチで談笑する人など、多くの人がドイツの明るい夜を楽しんでいるようで、どこかほのぼのとした雰囲気です。

ハーフェンパークでは、サッカーやスケートボードなどのスポーツを楽しむ人たちでにぎわっていました。そこへ続々とTNSの参加者が集まり、スタート時刻が近づくと、会場のにぎわいは最高潮に。どの参加者も、この日の滑走を心待ちにしている様子が伝わってきます。

パトカーなどが待機し、いよいよスタート。音楽やアナウンスに包まれながら、道路からあふれんばかりの人の波が一斉に走り出す姿はまさに圧巻。集合時間に間に合わなかった人も、勢いよく集団に合流していきます。

装備を整えたベテラン、おしゃべりを楽しむ女性グループ、父親と参加する子供、スタート前から転んでいる人など、年齢や見た目、スケーター歴もさまざま。そんな人たちが同じコースを一緒に滑走していく様子が印象に残りました。

ハーフェンパーク沿いには欧州中央銀行もあるが、周辺はのんびりとした雰囲気
<ハーフェンパーク沿いには欧州中央銀行もあるが、周辺はのんびりとした雰囲気>

安全のため、ヘルメットやプロテクターなどの着用が推奨されています
<安全のため、ヘルメットやプロテクターなどの着用が推奨されています>

<音楽に合わせて盛り上がるTNSの参加者たち>

まとめ

インラインスケートで颯爽と風を切る気持ち良さだけではなく、観光スポットから住宅地、狭い路地まで、フランクフルトのあらゆる面が見られるのもうれしいポイント。

インラインスケートのレンタルはないため、旅行中に参加するのは難しいかもしれません。
しかし、火曜日の夜にフランクフルトを訪れれば、イベントに遭遇するチャンスはあります。20:30~23:00頃に外を歩く際は、どこからともなくインラインスケートの集団が近づいてこないか、耳を澄ませてみてください。

Tuesday Night Skating(チューズデー・ナイト・スケーティング)

  • 集合場所:Hafenpark(Mayfarthstraße/Honsellbrücke, 60314 Frankfurt)
  • 開催日時:毎週火曜20:30~23:00頃
  • 走行距離:通常27~34km ※毎月第1火曜日は、「TNS Light」と称して、比較的短くゆったりしたコースが設定されます。
  • 申し込み:不要 ※ブレーキ操作や方向転換など基本走行ができることが必須条件です。
  • インラインスケートのレンタル:なし
  • 公式サイト:Tuesday Night Skating(チューズデー・ナイト・スケーティング)
  • 公式Instagram:tnsfrankfurt

※この情報は2026年7月の取材に基づくものです。

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大越理恵

ドイツ生まれの日本人夫にくっついてドイツへ移住!したものの、何年住んでもドイツ語初級なフリーライター。おさんぽ旅が得意。街の匂いや雰囲気、ちょっと傾いた建物、へんてこな模様、かわいいマンホールのフタなどなど。果てしない寄り道をしながら見つけた、ドイツの風景や日常、あれこれをお届けします。

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