【秋田・大仙市】東北三大地主が築いた名園|旧池田氏庭園の見どころ

東北三大地主が築いた名園で、格別な庭園美に触れてみませんか?大仙市にある旧池田氏庭園は、池田家の財力と文化への深い愛情が生み出した傑作。東京ドームほどの広大な敷地には、24トンの巨大雪見灯籠や大正時代の洋館が点在し、まさにインスタ映えの宝庫!

四季折々に表情を変える庭園美と、地域に愛された池田家の物語が織りなす特別な空間で、日常を忘れる散策体験を楽しめます。

目次

旧池田氏庭園とは?

庭園入り口
<庭園入り口>

秋田県で初めて国の名勝に指定された「旧池田氏庭園」。東北三大地主として名を馳せた池田家が、文化と地域への深い愛情を込めて築き上げた傑作です。

庭園の設計を手がけたのは、近代日本庭園の名匠・長岡安平。亀甲型(六角形)の敷地4万2千㎡に、池や小道、石橋を絶妙なバランスで配置した回遊式庭園は、歩くたびに新たな発見があります。

水路は川を、池は海をイメージして造られており、洋館や雪見灯籠も庭の雰囲気に自然に溶け込んでいます。計算し尽くされた美しさと、池田家の想いが込められた特別な空間なんです。

必見!庭園散策の見どころスポット5選

1. 威厳ある正門から始まる美しい庭園

旧池田氏庭園 正門
<正門>

池田家の家紋である亀甲桔梗
<池田家の家紋である亀甲桔梗>

総ケヤキ造りの薬医門をくぐれば、もうそこは別世界。細部まで凝った装飾に注目してください。桔梗模様の「飾り座」や「入り八双」金具、そして隠された亀の彫刻を見つけられるでしょうか?門だけでも写真撮影スポットとして十分魅力的です。

2. 圧巻のスケール!米蔵と味噌蔵

米蔵
<米蔵>

米蔵内観
<米蔵内観>

味噌蔵の六尺桶
<味噌蔵の六尺桶>

100畳分の広さを誇る米蔵は、約6,000俵もの米俵を収納していた秋田県内最大級の建物。味噌蔵には直径1.8m、高さ2mの巨大な六尺桶が残っており、6トンもの味噌を一度に仕込んでいたとか。池田家の財力と生活の豊かさに、思わず驚嘆の声が漏れることでしょう。

3. 心安らぐ奥庭の水音

主庭園にある西の滝
<主庭園にある西の滝>

ゆっくりと腰を下ろして鑑賞できます
<ゆっくりと腰を下ろして鑑賞できます>

静寂に包まれた奥庭では、段々状に造られた小さな滝の水音が心を癒してくれます。苔むした石や緩やかな小道が織りなす風景は、まさに日本の美意識の結晶。ここでゆっくり時間を過ごせば、日々の喧騒を忘れられるはず。

4. 写真映え抜群!巨大雪見灯籠

国内最大級の雪見灯篭
<国内最大級の雪見灯篭>

離れていても存在感を放つ雪見灯篭
<離れていても存在感を放つ雪見灯篭>

庭園のシンボルともいえる雪見灯籠は必見です。高さ約4m、笠の直径4m、総重量24トンという圧倒的な存在感!男鹿石を手彫りで仕上げたこの灯籠は、季節や時間によって異なる表情を見せてくれます。飛び石を渡って雪見灯籠の真下まで行くと、想像以上の大きさを体感できます。

5. 地域との絆を感じる公園エリア

広場
<広場>

滑り台跡
<滑り台跡>

庭園の一角には、地元の人々の憩いの場として親しまれた広場があります。滑り台やプール跡があり、レクリエーションも開催されていたそう。池田家が地域とどれほど密接な関係を築いていたかが伝わってきます。

大正ロマン薫る洋館の見学ポイント

洋館入り口
<洋館入り口>

大正11年竣工の洋館は、秋田県最初期の鉄筋コンクリート建築として貴重な存在。全国から集められた職人と最高級資材で建てられた、まさに当時の最先端技術の結晶です。

玉突き室
<玉突き室>

食堂兼音楽室
<食堂兼音楽室>

食堂兼音楽室
<金唐革紙の壁紙>

24金メッキのシャンデリア
<24金メッキのシャンデリア>

2階の食堂兼音楽室では、池田家の優雅な生活ぶりを想像できるでしょう。玉突き室や金唐革紙で装飾された壁など、細部まで凝った意匠は見応え十分。

館内の一部は公開図書館として地域の子どもたちに開放されており、池田家の文化的な志の高さも感じられます。洋館を歩きながら、大正時代の上流階級の暮らしに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

池田家の歴史と地域への想い

池田家の歴史と地域への想い

東北三大地主と称されて、国内有数の千町歩地主であった池田家。しかし、第13代当主・池田文太郎氏は、ただの大地主ではありませんでした。学校や保健衛生施設、農村共同施設の建設に私財を投じ、高梨村(現・大仙市)の発展に大きく貢献した地域のリーダーだったそうです。

<弁当箱>
<弁当箱>

米蔵に展示されている小学校で使用された弁当箱を見れば、池田家の子どもたちへの愛情が伝わってきます。白米だけでなく、味噌漬けなどのおかずもしっかりと詰められた十分な内容で、当時としては贅沢な学校給食だったことがうかがえるでしょう。

水道用木管
<水道用木管>

大正時代の水道工事で使用された木管も展示されており、これも池田家による地域貢献事業のひとつ。稲刈り後の冬季農閑期における雇用対策として実施されたもので、農家の人々の生活を支える配慮が込められていました。

調理場跡
<調理場跡>

調理場では1日2俵のお米をスチーム釜3台で炊き、余ったご飯は正門前でおにぎりにして地域の子どもたちに配っていたエピソードも。池田家の温かい人柄と地域愛が、こうした具体的な形で今も残されているんです。

庭園や洋館の豪華さは、単なる富の象徴ではなく、文化や地域社会への深い関心の現れ。展示されている弁当箱や水道管を見ながら散策すると、池田家がいかに地域の人々の暮らしに寄り添っていたかを実感できるはずです。

まとめ

秋の景色
<正門から見た秋の風景>

秋田県初の国名勝指定を受けた旧池田氏庭園は、東北三大地主・池田家が築いた傑作庭園です。近代日本庭園の名匠・長岡安平が設計した4万2千㎡の回遊式庭園には、24トンの巨大雪見灯籠や大正時代の洋館は必見。総ケヤキ造りの薬医門、100畳分の米蔵、心癒す奥庭の滝など見どころ満載です。

池田家は単なる富豪ではなく、学校建設や水道工事など地域発展に私財を投じた文化的リーダー。子どもたちへおにぎりを配るなど温かい人柄も伝わります。

アクセスは、大曲駅から車で約10分。バスでも訪れることができます。紅葉の見頃は11月下旬ごろで、庭園がひときわ華やかに彩られます。また、開園期間中には、日程を定めて無料の庭園ガイドも実施されています。

庭園美と地域愛が織りなす特別な空間で、大正ロマンと日本の美意識を堪能してはいかがでしょうか?

旧池田氏庭園     

  • 所在地:秋田県大仙市高梨字大嶋1
  • 電話:月〜金曜(大仙市文化財課)0187-63-8972 土・日・祝(大仙市観光情報センター)0187-86-0888 公開期間中(本家庭園受付棟)0187-62-6257          
  • 開園時間:9:00~16:00(15:30最終受付)
  • 公開期間:毎年4月下旬〜11月中旬(毎週月曜休園 祝日の場合は翌日休園)   
  • 入館料:300円(高校生以下無料)団体割引240円(20人以上)洋館特別見学料200円(入園料と別途、電話予約制、ガイド案内公開中のみ)
  • 大仙市公式サイト:旧池田氏庭園

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