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【ボリビア】娯楽が少ないウユニで3ヶ月を楽しく過ごすコツ

<TOP画像:列車の墓場、ワクワクしないわけがない>
ウユニ塩湖に行くための起点となる街ウユニはとても小さく、中心から4ブロックも歩けば足元からアスファルトは消え、ぽつぽつと民家があるだけになる。ショッピングモールや映画館などはもちろんない。
カフェはあるにはあるがお洒落な店は少ない。ディスコテカと呼ばれる、いわゆるディスコのようなクラブのような小箱が数件存在するが、観光客がそこを訪れることはあるのだろうか......。
ではこのウユニで、ウユニ塩湖に行く以外、何をして過ごすのか?毎年約3ヶ月、わたしは写真を撮るためここに滞在する。
>>【ボリビア】天空の鏡、ウユニ塩湖とは
>>【ボリビア】ウユニ塩湖で天然のプラネタリウムのような星空を見る4つの条件
当然、一般的な旅行者より飽きているし、その分知っていることも多い。今回はそんなわたしの日常のお話。
目次
朝食
<旧バスターミナル付近の飲食店>
朝食は摂らない日も多いが、摂る日はいくつかのレパートリーを持っている。ひとつ目はパパレジェーノ――。ゆで卵を、マッシュポテトで包んで揚げた球のような食べもの。サラダもつけてくれるのが嬉しい。
自家製の辛いソースをかけて食べる。メインストリートでおばちゃんが朝早くから午前中いっぱいまで屋台を出している。
次にサルテーニャ――。揚げ餃子を大きくしたような見た目で、中には鶏肉や野菜が入っている。
これもおばちゃんが小さなリヤカーみたいなもので店を出しているのだが、おばちゃんによって随分と味が違う。美味いのもあれば、たいしたことないのもある。人気のあるおばちゃんのところは午前中もたないくらい、人気のないところは午後まで店を出している。
メルカド......市場のことなのだが、メルカドの2階に軽食スタンドが並ぶ。そこで簡単なサンドウィッチを食べることもある。パンにアボカドやトマトを挟んでくれる。きれいなアボカドを提供してくれる店に通う。
前日の晩から「明日は朝からがっつり食うぞ」と決めているときもある。そんなとき決まっていくのが旧バスターミナル付近に屋台を並べているエリア。表のホワイトボードなどにメニューが書かれていて、それを見てアルボンディガがある店に入る。
これはミートボールを大きくしたような食べもので、わたしはボリビアのハンバーグだと思っている。朝からとにかくお腹いっぱいになる。
昼食
昼食は月曜から土曜まで決まった食堂に通う。リーズナブルで且つ美味しい。だから地元の人で毎日賑わっている。
行く時間を誤ると食べられない。店内は清潔でWi-Fiまである。料理のボリュームはないがわたしにはそれで十分。特に美味しいのはスープ。日曜定休なのがとても残念だ。
暇な時間
<ウユニの街並み 右側がメルカド>
撮影がない日ははっきり言って暇だ。毎日あっても疲れてしまうが、ない日が続くと自分の存在意義に疑問を持ち始める。撮影がある日もない日も朝は決まって近所の旅行会社に顔を出す。忙しければ店の手伝いをし、たいていは午後までいる。
夕方、再び旅行会社を訪ねる。以前はスペイン語を学ぶために話し相手を求めてよくここに入り浸っていたが、旅行者が集まってくるここは、現在わたしの営業活動の場でもある。
ハンバーガー屋
誰かと食事に行くとか、そういうイレギュラーなことがない限りは夕食はたいていハンバーガー。路面でおばちゃんたちが営むハンバーガー屋さんに立ち寄る。このハンバーガー屋というのは結構いろんなところにあり、狭いウユニの街でも数ヵ所点在している。
小さなプレハブ小屋のような店構えで、たいていは軒を連ねている。昼間は営業しておらず、夕方以降店を開けるところが多い。本当は夕方から撮影に出る際にも持っていきたいのだが、16時前に開いているところは見かけない。
ハンバーガーの特徴は一緒にポテトフライも挟まってくるところ。その構造上先にポテトフライを食べることになる。店によって味やトッピングに多少の違いはあるが、個人的に一番大事にしているのはお店の人の人柄。やっぱり感じのいい人から買いたいものだ。
木曜日と日曜日
<フェリア(街頭市)の日はメインストリートが急に賑やかになる>
木曜日と日曜日にはフェリアと呼ばれる街頭市が開催される。ウユニの住人だけでなく街の外からも商人がやって来て路面に店が並べられる。野菜、果物、お菓子、玩具、衣料品や日用品、それらが地元のものより安く買えたりする。そこで毎週クッキーを買うと決めている。値段はこの街の半値以下。この日に買わない手はない。
ボリビアでは多くの女性が民族衣装を着ている。そしてたいてい飲食店は女性が切り盛りしている。フェリアにも飲食店が並ぶのだが、それを見ると今でも初めてウユニを訪れた日のことを思い出す。
その日、ここより少し都会的なチリからやって来たわたしは、この様子にとてもワクワクした。初めて来たのにどこか懐かしい......。だからかもしれない、それから毎年ここを訪れているのは。
列車の墓場
<夜空に飛んでいきそうな列車の墓場の列車>
やることがない日は、ウユニの街から3キロ離れたところにある列車の墓場に遊びに行くことをすすめたい。写真をやる人ならきっと好きだ。ここを訪れるだけのツアーを作りたいほど、フォトジェニックな写真が撮れる場所だと思っている。
わたしはたまに人を誘ってここを訪れる。時間帯は午後か夜。実は午前中は多くの旅行会社のツアーにこの場所が組み込まれているので訪れる人も多い場所だ。ただ、人が多いその時間に訪れても、この場所の本当の魅力は分からない。
そもそも列車の墓場とは何か? ちなみにこれは和訳ではなく、英語でもスペイン語でも同じ意味の単語が用いられている。列車の墓場――。廃棄された古い列車がそこら中に無造作に置かれた、文字どおり墓場のような場所だ。
そうは言っても別に心霊スポットとかではない。そういう怖さはない。ここでは野犬のほうが怖い。南米の野良犬はいったい何のミックスなのか体格はいいし、狂犬病の恐れも充分にあるので本当に怖い。狂犬病は発症したら致死率100%......シャレにならない。
行き方はウユニ駅から延びる線路の上を西にずっと歩くだけ。やがて列車が見えてくるのでそこからが列車の墓場だ。全部回ると案外広いことに驚く。列車の上に乗ったり中に入ったり、バリエーション豊かな写真が撮れるだろう。晴天の日もいいが、曇天も廃墟感が増してまたいい。
一番すごいのは夜。困ったことに星空がとてつもなくきれいに見られる。困ったことに、と言うのは夜中こんなところまで来るのは怖いからだ。野犬が現れやしないかと冷や冷やしながら懐中電灯を手に線路の上をなるべく賑やかに歩く。
ひとりでは絶対行かないし、夜はかなり億劫だが、誰かを誘ってだったら、やはり来てしまうだろう。
列車の墓場
- 住所:G596+9R2, Uyuni, ボリビア
贅沢したいとき
ちょっと贅沢をしたいとき、そんなときはステーキ屋に行く。店主の感じがいいことで最近気に入っている店だ。ボリビアのステーキは基本スーパーウェルダンなのだと思う。どんな高級店でもガッチガチに硬い肉が出てくる。
そんな中でここは比較的、もしくは奇跡的に柔らかい肉を出してくれる(ときがある)これがまだ難しくて、結局部位なのだと思うが、柔らかい部分がどれなのか、それがちょっとまだ分かっていない。だから毎回店の前のバーベキューグリルで試食をさせてもらっては慎重に決めることにしている。
普段の食事が安すぎるということもあるが、その6~12倍の金額を出す日は特別だ。店内で食べるならビール、持ち帰るならワインと一緒に楽しみたい。
ここまで書いてみて本当によく分かるが、娯楽が少ない......。
しかし、ここにウユニ塩湖の絶景という要素を加えるなら、トントン......いや、かなり贅沢な時間を過ごしていると言えるかもしれない。
さて、今年も頑張ろうか。
La Chapaquita
- 住所:ferroviaria " a lado del Coliseo, Av. Camacho, Av. Potosí y, Uyuni, ボリビア
- 営業日:月・水曜 16:00~23:30 火・木曜 16:00~24:00 金~日曜 12:00~24:00
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Rio
- カメラ片手に世界中を旅する写真家×旅人。 毎年1月から4月の雨季、ボリビアのウユニに滞在、天空のウェディングフォトを撮影。 ウユニ塩湖でウェディングフォトの他、おひとり様からグループフォト、家族写真まで撮っています。