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市場とグルメの両方が楽しめる!メルカド・アグリコラ・デ・モンテビデオ
ウルグアイの首都モンテビデオには、19世紀末から20世紀初頭にかけて建設された3つの歴史的市場があります。いずれも当時建築素材としてはまだ珍しかった鉄骨をふんだんに使った贅沢な構造で、国の歴史的建造物に指定されています。
そのうちのひとつは前回ご紹介した旧市街のMercado del Puerto(メルカド・デル・プエルト)」、もうひとつはモンテビデオ市役所のすぐ近くにある「Mercado de la Abundancia(メルカド・デ・ラ・アブンダンシア)」、そして3つ目が今回ご紹介する「Mercado Agrícola de Montevideo(メルカド・アグリコラ・デ・モンテビデオ=略称:MAM)」です。
パリーシャ専門店がひしめくフードホールと化したメルカド・デル・プエルトと違い、MAMには肉や野菜を始めとする生鮮食品販売店やパン屋などが揃っています。市場本来の雰囲気もしっかり残っているMAMは、地元の人々の食生活を垣間見ることができる上に、飲食店や土産物店も入っているため観光客にも人気。
食べることだけでなく、その国の食文化に興味のある人には特におすすめの、メルカド・アグリコラ・デ・モンテビデオ(MAM)をご紹介しましょう。
目次
MAMの前にちょっと立ち寄りたい「カガンチャ広場」と「国会議事堂」
まずは新市街の北側に広がるラ・アグアダ地区へ向かいましょう。タクシーを利用すれば旧市街からでもすぐですが、今回は運動がてらのんびり歩いていきました。
旧市街からMAMへの道すがら、独立広場を起点にモンテビデオの中心を貫くAv. 18 de Julio(7月18日通り)を通って、「Plaza Cagancha(カガンチャ広場)」へ。
ここは19世紀半ばに始まったモンテビデオの都市開発の中心となった場所で、市内道路網の基準点、いわばゼロKm地点になっています。広場に面した7月18日通りには、街のシンボルである「平和の女神像」が行きかう人々を見守っています。
カガンチャ広場から北へ進み、ラ・アグアダ地区を貫くAv. del Libertador Brigadier General Juan Antonio Lavalleja(解放者フアン・アントニオ・ラバジェハ准将通り)に沿ってまっすぐ進むと、「Palacio Legislativo del Uruguay(ウルグアイ国会議事堂)」が見えてきました。大きなロータリーの中心に建っているので、その威厳に満ちた堂々たる姿が更に際立ちます。
1906年着工、1925年8月25日の独立100周年記念日に落成したというウルグアイ国会議事堂。国産の大理石がふんだんに使われた立派な建物を左手に眺めながら裏側へ回ってみたところ、議事堂周辺はとても開放的で警備員の姿もなく、一介の旅行者が敷地内に入っても咎められることはありませんでした。それだけモンテビデオの治安が落ち着いているということなんでしょうね。
国会議事堂の裏手に延びるAv. General Flores(ヘネラル・フローレス通り)には、ウルグアイ大統領を二期務めたホセ・バッジェ・イ・オルドニェスの銅像がありました。ここから目的のMAMまではあともう少しです!
まずはメルカド(市場)らしく生鮮食品売り場から
正面玄関はCalle Martín García(マルティン・ガルシア通り)に面していますが、建物は1ブロック全体を占めているため、4本の道に囲まれ入り口も4か所あります(ただしCalle Dr. Juan José de Amezaga/ドクター・フアン・ホセ・デ・アメサガ通りの入り口は、搬入専用になっています)。
一番フォトジェニックなのは、Calle José L. Terra(ホセ・L.テラ通り)に面した入り口。妻壁の上部を飾る花模様のタイルが素敵ですね。
まずは八百屋さんを覗いてみましょう。メルカド内には複数の八百屋や果物屋が入居し、鮮度抜群の商品が並べられています。バナナやリンゴ、イチゴなど、ホテルですぐ食べれそうなフルーツはいかがですか?計り売りなので、好きなものを必要な分だけ購入できます。
AJI PICANTE(辛いトウガラシ)とありますが、どれくらい辛いんでしょう?私が暮らすペルーでは見かけない品種なので、興味津々です。
ウルグアイといえばやっぱりお肉。こちらのお店では牛肉を中心に鶏肉やラム、ソーセージなどの加工品を販売しています。仕入れルートの問題でしょうか、ラムがあるのに豚肉を扱っていないところがおもしろいですね。
写真中央に鎮座するのは、Asado corte Ingles(アサード・コルテ・イングレス)という部位。背骨を十字にカットすることで、ジューシーな赤身肉とアントルコートと呼ばれる最高級の部位を一緒に楽しむことができるのだとか。
kgあたりのお値段は$609(USD15.83)。
一瞬高い!と思ってしまいましたが、1kg単位ですからやはりウルグアイは牛肉が安いですね。レストランでいただくとどうしても3~4倍の値段になってしまうので、信頼できるお店で買って自宅でパリーシャを楽しむのが一番かもしれません。
こちらはチーズやオリーブオイル、缶詰など加工品のお店。
パンやスイーツのお店もあります。
このエンパナーダ屋さんも種類がたくさん!サイズもちょっと大きめで、食べ応えがありそうです。
MAMには土産物店や雑貨店、本屋、キッチン用品店、花屋、そして薬局までありました。また「Ta-Ta(タタ)」というスーパーマーケットも入っているので、日常の買い物はこの建物内で完結できそう。モンテビデオの観光名所の1つでありながら、地元の人が多いのも頷けます。
グルメエリアもチェックしよう!
MAMにはレストランやバー、カフェなど23の飲食店があり、いわゆるフードコートとしても人気。アサードやシーフード、パスタなどの食事をしっかり楽しむもよし、買い物の合間にひと休みするもよし。アイスクリームやフレッシュジュースのお店もあるので、気負いなく利用できるのがいいですね。
喉が渇いたのでコーヒーでも・・・と思っていたのに、思わず「Chopería(チョペリア=ビールバー)」の文字に目が釘付けに。奥の壁にはビアサーバーのタップ(注ぎ口)が並んでいます。
「よく歩いたし、とりあえず一杯!」ということで、店主オススメのビールを注文。
ピルスナー系のすっきりとした味わいのビール。爽やかなどの越しで、散歩の後にぴったりでした。
その街の人々の食生活を垣間見ることができる市場ってやっぱり面白いですね。旅の途中で生鮮食品を買うことはできなくても、その土地の食材を知ればレストランで食事をするのがさらに楽しくなります。そこにグルメゾーンも併設されていれば、なおさら!注文した料理に入っていた見知らぬ野菜を、その味や食感を忘れないうちに八百屋さんで確認する、なんてこともできちゃいます。
異国の食文化に興味のある方にはもってこいの、メルカド・アグリコラ・デ・モンテビデオ(MAM)のご紹介でした。
Mercado Agrícola de Montevideo/メルカド・アグリコラ・デ・モンテビデオ(略称:MAM)
- 住所:José L. Terra 2220, Montevideo
- 電話: (598)2200-9535
- 営業:9:00~22:00、飲食店は11:00開店の店が多いので注意 無休
- 公式サイト:Mercado Agrícola de Montevideo
- 当日のレート:$1=約USD0.026、約3.54円
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。