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日本の有名な滝まとめ~滝観光のポイントや滝とは何かも紹介~
自然現象のなせる絶景が楽しめる滝。ハイキングや登山、ドライブなどの途中で目にすることができ、観光における1つのポイントとなりやすいのが特徴。名前が付けられていない滝もあり、日本に全部でいくつあるのかははっきりとわかっていません。
滝はそれぞれに個性があるのも面白く、いくつかの滝を巡って歩くのも楽しいものです。
では日本にどんな滝があるのか、どんな滝が有名なのかご存じですか? 参考にいくつか有名な滝、そして滝がたくさん見られる地域についてもご紹介していこうと思います。
目次
1. そもそも「滝」って何?
滝がどんなものかはみなさんご存じでしょうが、改めて言葉で説明する際には「川や湖に段差があって、そこから水が落下している場所」などとなります。大きさについては特に定義がなく、小さいものから大きいものまで、一律に「滝」と呼ばれています。ただし、滝ではなく「瀑布(滝と同様の意味で用いられる言葉)」と呼ぶ場合は、どちらかというと大きな滝を指して用いられることが多いようです。
ではどうやって滝が誕生するのかですが、火山の噴火、地殻変動などにより段差のある地形が生まれたり、川の水による浸食が続いたりすることが滝の誕生影響しているようです。滝ができやすいのは山岳地帯や渓谷など、川の急な傾斜が多い場所ということになります。そういった場所に観光に行くと、観光マップのどこかに滝の紹介があるケースが多いでしょう。
2. 滝を見に行くときの注意点やポイント
滝を見にいくときは、以下のような点を意識しておきましょう。
安全に配慮した服装にし、天候に気を付ける
前述のように滝は山岳地帯や渓谷などに多く、安全には十分に配慮しなくてはいけません。
また、滝にたどり着くまでに険しめの道を歩く必要がある滝もあります。最低限、動きやすい服装で、歩き慣れた靴を履いて行きましょう。
滝によっても必要な服装や装備は異なりますから、事前に滝がどんなところにあるのか、どんな服装で行けばいいのか確認しておきます。
観光当日の天候にも注意しましょう。川の増水の危険がないかもチェックしておかないといけません。滝周辺に水遊びができそうな場所もあるかもしれませんが、残念ながら水難事故が発生することも多く、周辺での遊泳などは控えるようにしましょう。
マナーを守ろう
飲んだ後のペットボトルをゴミ箱以外に捨てる、入ってはいけない場所に立ち入るなど、自然景観を台無しにするようなことはやめましょう。滝周辺にある注意書きなどもよく読むようにします。また、観光客が多く集まる滝もあり、他の人たちへの配慮も必要です。良いアングルで眺められる場所の長時間ひとり占めなどはせず、譲り合いの精神で楽しみましょう。
周辺スポットも合わせて観光する
滝へたどり着くまでに時間がかかることはありますが、滝自体を見るのにはそこまで時間はかかりません。周辺のスポットもよく調べて、自分なりの観光ルートを作っておきましょう。周りの渓谷での散策を楽しんだり、近くのグルメスポットや史跡、それに温泉地に寄ってみたりすると楽しいものです。また、滝の近くに別の滝があることもあります。いくつかの滝を巡って比べてみるのもいいでしょう。
四季折々の姿を楽しむ
滝は季節によってもその景観を変えます。春には新緑がきれいですし、夏は水の流れが清涼感を与えてくれます。秋は紅葉と共に楽しむことができます。そして冬は、滝によっては氷瀑(凍った状態の滝)という珍しい姿を見ることもできるかもしれません。一度行ったことのある滝でも、違う季節に訪れればまた新鮮な景色が楽しめることでしょう。
3. 日本の有名な滝
多くの人が名前だけでも知っているような、日本の有名な滝をいくつか紹介しましょう。この中で紹介する「華厳の滝」「袋田の滝」「那智の滝」は日本三名爆としても有名です。
華厳の滝(栃木県)
<出典:写真AC>
華厳の滝は、およそ15,000年前に起こった男体山(なんたいさん)の噴火が原因で生まれた滝と言われています。流れ出した溶岩が川をせき止めたことでできた中禅寺湖の湖水が、大岸壁から流れていったことで今の姿になったそうです。
華厳の滝には、なんとエレベーターがあります。「華厳滝エレベーター」に乗って下におり、しばらく歩くと観瀑台が。華厳の滝、滝つぼを目前に見ることができ、感動の時間が味わえるでしょう。
- 住所:栃木県日光市中宮祠
袋田の滝(茨城県久慈郡)
<出典元:写真AC>
袋田の滝は、高さ120m、幅73mもあります。さらに岸壁が4段になっているという、かなり規模の大きな滝。春夏の新緑や秋の紅葉、冬場に凍結した「氷瀑(ひょうばく)」の姿など、いつ訪れても四季折々の美しい眺望が楽しめます。
一年に一度ですが、期間限定で袋田の滝がライトアップされるイベントもあります。日没から20:00まで滝がライトに照らされ、いっそう神秘的な景色になります。袋田の滝トンネルもライトアップで彩られ、美しい光の空間を楽しむこともできますよ。
- 住所:茨城県久慈郡大子町袋田3-19
濃溝の滝・亀岩の洞窟(千葉県君津市)
<出典:写真AC>
洞窟に差し込む光が水面に反射してハート型に見えることからSNSなどでも話題になった「濃溝の滝・亀岩の洞窟(のうみぞのたき・かめいわのどうくつ)」。幻想的かつロマンティックな光景を目にできる場所です。
「濃溝の滝」としてハート型に見える写真がよく取り上げられていますが、実は該当の場所は「濃溝の滝」ではなく、「亀岩の洞窟」となっています。しかし濃溝の滝としての方が有名になり、「濃溝の滝・亀岩の洞窟」と並べて表記されることもあります。
ハート型に見えるのは3月と9月のお彼岸の時期であり、早朝がベストな時間帯であるとされています。いつでも見られるというわけではないので、タイミングを合わせて訪れるようにしましょう。
- 住所:千葉県君津市笹
那智の滝(和歌山県東牟婁郡)
<出典:写真AC>
熊野三山の一社、熊野那智大社に祀られたご神体でもあるのが「那智の滝」。高さが133m、幅が13m、滝つぼの深さが10mもあり、日本一の落差を誇る滝としても知られています。
手前に青岸渡寺の三重の塔、奥に那智の滝が映っているアングルの写真が有名ですが、より間近で見られるのは、飛龍神社(熊野那智大社の別宮)にある「御滝拝所舞台」からとなります。
- 住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山
原尻の滝(大分県)
<出典元:写真AC>
「東洋のナイアガラ」とも呼ばれる、横120mある滝です。滝に近づく方法が多数あり、さまざまな角度から滝の絶景を楽しめます。滝つぼを歩くもよし、滝の上を通って見下ろしてみるもよし。滝の前にかかる吊り橋「滝見橋」の上から、滝全体を正面にして眺めるのもおすすめです。天気がいい日に滝見橋から滝を見ると、奥に日本の百名山に登録されている祖母山が見え、さらなる絶景を楽しむことができます。
- 住所:大分県豊後大野市緒方町原尻410
鍋ヶ滝(熊本県阿蘇郡)
<出典:写真AC>
約9万年前の巨大噴火でできたといわれる鍋ヶ滝。幅20メートル、落差10mほどの滝は、まるで無数の絹糸をたらしたカーテンのようで、繊細で優美な姿を見せてくれます。
そしてこの鍋ヶ滝には、「裏見の滝」という別名があります。文字通り、裏側に回って鑑賞ができるという珍しい滝です。表側から見るのとは違う風情を味わってみましょう。
- 住所:熊本県阿蘇郡小国町黒渕
4. 滝を見に行くのにおすすめの地域
日本には、たくさんの滝が楽しめる地域がたくさんあります。同じ地域内にあれば複数の滝を1日で巡ることも可能です。どんな地域に滝が多いのか、いくつかおすすめの地域を挙げてご紹介しましょう。
茨城の滝
<出典:写真AC>
広大な太平洋に面し、豊かな自然に囲まれた茨城。関東平野が広がり平地のイメージが強いものの、日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子市などを有する茨城県北部には、「袋田の滝」をはじめ多数の名爆があります。それぞれの滝ごとに多彩な魅力にあふれ、見どころポイントも異なります。
茨城には「袋田の滝」の他にも、「月待の滝(つきまちのたき)」「生瀬の滝(なませのたき)」「七ツ滝」「汐見滝」といった滝があります。
茨城の滝についての記事はこちら
日光の滝
<出典:写真AC>
昔から栃木県の日光は「四十八滝」や「七十二滝」と称されるほど、滝が多いエリアです。日光の中でも特に、「奥日光三名瀑」と「日光三名曝」として選ばれている滝もあります。
奥日光三名瀑は、「華厳の滝(けごんのたき)」「竜頭の滝(りゅうずのたき)」「湯滝(ゆたき)」の3つ。標高約1,478mの湯ノ湖、標高約1,400mの戦場ヶ原、標高約1,269mの中禅寺湖がひな壇のように続き、それぞれ標高の高い場所から水が流れ落ちることで滝を形成しています。
日光三名瀑には、奥日光三名瀑にも登場する「華厳の滝」の他、繊細で美しいと評判の「霧降の滝(きりふりのたき)」と、滝の裏側に回って滝を眺められたことからその名が付いた「裏見の滝(うらみのたき)」(2023年5月現在は落石の影響により裏見の滝遊歩道が通行止めで見にいくことができません)が選ばれています。
日光の滝についての記事はこちら
千葉の滝
<出典:写真AC>
千葉には170以上もの滝があるとされており、それぞれのスポットで幻想的かつ美しい景観を楽しめます。特に景勝地として有名なものは養老渓谷周辺に多く、マイナスイオンを感じながら四季折々の風景を堪能できることでしょう。例えば、長さ100m、落差30mで水しぶきをあげて岩肌を流れ落ちる「粟又の滝(あわまたのたき)」、すぐ前に鳥居があって風情ある景観が楽しめる「金神の滝(こんじんのたき)」などがあります。
また君津市や鴨川市など千葉県南部のほかの市にも、フォトジェニックな景観が特徴的だったり、秘境と呼ぶにふさわしかったりする滝が点在しています。例えば本記事でも紹介した「濃溝の滝・亀岩の洞窟」は君津市にあります。
千葉の滝についての記事はこちら
大分の滝
<出典:写真AC>
別府温泉でも有名な大分県ですが、美しい滝が流れるスポットも数多く存在します。豊かな自然が残る大分県南部の豊後大野市や、別府市に近い東部の宇佐市、福岡県からもほど近い西部の日田市など、いたるところに滝の名所が点在しているのです。「原尻の滝」や「東椎屋の滝(ひがししいやのたき)」など、「日本の滝百選」に数えられるものもあります。
縦に落差の大きな滝から、ナイアガラの滝のように横に幅広く流れる滝まで(原尻の滝だけでなく「沈堕の滝(ちんだのたき)」も幅が広く「大野のナイアガラ」と呼ばれます)、その特徴はさまざま。周辺には手付かずの自然が残っているエリアもあり、見どころが満載です。
大分の滝についての記事はこちら
伊豆の滝
<出典:写真AC>
自然豊かな伊豆半島には滝がたくさんあり、広範囲に滝が点在していますが、中でも天城連山(あまぎれんざん)に囲まれた、半島中央部の中伊豆エリアに見ごたえのある滝が集中しています。代表的なのは、狩野川上流にかかる「浄蓮の滝(じょうれんのたき)」で、高さ約25m・幅約7mの伊豆半島最大級の滝です。また、天城連山から流れる渓流にある大小7つの滝の総称である「河津七滝(かわづななだる)」も有名です。
伊豆には、「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されている、ジオ(地球や大地)に関わるさまざまな自然遺産からなる「伊豆半島ジオパーク」があります。浄蓮の滝など一部の滝は「伊豆半島ジオパーク」のジオサイトに指定されており、滝そのものはもちろん、太古からの地球の営みを物語る岩盤など、周囲の自然景観も含めて楽しめるのが伊豆の滝の魅力なのです。
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伊豆の有名な滝10選~滝周辺の観光スポットや穴場な滝も紹介~
群馬の滝
<出典:写真AC>
日光白根山や浅間山など、標高の高い山々に囲まれた群馬県。利根川などの大きな河川の水源となっている山々もあり、滝が生まれる好条件が揃っています。「東洋のナイアガラ」と称される「吹割の滝」をはじめ、見ごたえのある滝が多数あります。
「名瀑(めいばく)」と呼ばれるような滝が多く、「日本の滝百選」に選ばれた滝は3本と、関東ではトップの数を誇ります。
群馬県の中でも特に滝が集中しているのが、草津白根山、榛名山、赤城山など多数の山脈が点在する北部エリア。美しい湖や渓谷、温泉などの観光スポットも多く、自然あふれる群馬の魅力がぎゅっと詰まったエリアだといえるでしょう。
群馬の滝としては「吹割の滝」の他、「鱒飛の滝(ますとびのたき)」「棚下不動の滝」「しゃくなげの滝」「滝沢の不動滝」などがあります。
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熊本の滝
<出典:写真AC>
熊本県の阿蘇山は、世界有数のカルデラ(火山活動で形成されたくぼみのこと)を擁します。古くからの火山・噴火活動により、人の手では作ることのできない雄大な自然美を築き上げてきました。滝もそのひとつで、「絶景」と呼ぶにふさわしい滝が県内にはいくつも名を連ねています。
熊本県内の滝として真っ先に名前が挙がることの多い「鍋ヶ滝(なべがたき)」は小国町にあります。「下城滝(しもんじょのたき)」もすぐ近くにあります。小国町から南小国町をはさんだ阿蘇市に位置するのが、鍋ヶ滝とともに名の挙がる「古閑の滝(こがのたき)」です。
その他、「夫婦滝(めおとだき)」「竜宮滝(りゅうぐうだき)」「せんだん轟の滝(せんだんとどろのたき)」などあり、名前がユニークなのも特徴です。
熊本の滝についての記事はこちら
鹿児島の滝
<出典:写真AC>
活火山の桜島のほか、「薩摩富士」とも呼ばれる開聞岳(かいもんだけ)、日本で初めて世界自然遺産に登録された屋久島など、雄大な自然を誇る鹿児島。名瀑が生まれる条件が揃った鹿児島県には、見ごたえのある滝がたくさんあり、幻想的なエメラルドグリーンの滝つぼを持つ滝や、温泉の混じった珍しい滝など、個性的な滝も少なくありません。
鹿児島県の滝は県内の広いエリアに点在していて、あちこちで迫力ある滝を見ることができますが、なかでも名瀑の宝庫として知られているのが、鹿児島県東部の大隅エリア。
曽於市(そおし)の「桐原の滝」「三連轟の滝(さんれんとどろのたき)」、肝属郡錦江町(きもつきぐんきんこうちょう)の「神川大滝」、南大隅町の「雄川の滝(おがわのたき)」など、鹿児島の力強い自然にふれられる滝が揃っています。
鹿児島の滝についての記事はこちら
このように日本には多くの素晴らしい滝があります。中には行くまでがなかなか大変......といった滝もありますが、苦労して訪れた分感動も大きくなるでしょう。
迫力ある滝に圧倒されるもよし、神秘的な滝に感動するもよし、美しい滝に心癒されるのもよし、安全やマナーには配慮しつつ、日本各地に数ある名瀑を訪れてみてください。
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