南米一幸せな国 ウルグアイ訪問

のんびり過ごす人

南米大陸の東側、日本のほぼ裏側に位置する「RepúblicaOrientaldelUruguay(ウルグアイ東方共和国=ウルグアイ)」。国土の広さは日本の約半分、人口はおよそ348万人という小さな国です。

しかしながら教育水準は高く福祉も充実、世界有数の再生可能エネルギー大国として知られています。また日本でウルグアイといえば、"世界一貧しい大統領"として知られるホセ・ムヒカ元大統領を思い浮かべる人も少なくないでしょう。彼が2016年に来日した時はマスコミにも大きく取り上げられましたが、一方でウルグアイを訪れる日本人は、まだそれほど多くはありません。

南米一幸せな国と呼ばれる南米の小国ウルグアイ。日本人にはあまり知られていないウルグアイの魅力と最新情報をお届けしていきます。

目次

ウルグアイの物価は高い!

ウルグアイ通貨はペソ($)で、訪問時のレートは$1=約USD0.026、約3.54円。南米の中でももともと物価の高い国でしたが、近年の物価上昇は特に激しく、数年前にウルグアイを訪れた時より、何もかも値上がりしていて驚きました。

昨今は為替の変動が激しいため、このシリーズではウルグアイの物価がイメージしやすいよう米ドル(USD)での換算値も並記しておきます。

ウルグアイのスペイン語は「シャ・シュ・ショ」

国民の9割がスペイン、イタリア系移民という白人国家のウルグアイでは、ラ・プラタ川対岸のブエノス・アイレス同様、「リオプラテンセ・スペイン語」と呼ばれる独特のスペイン語が話されます。

特にsheísmo(シェイスモ)と呼ばれる発音は特徴的。yo(ヨ、またはジョ=私)は"ショ"、llamada(ジャマーダ=電話する、呼び出す)は"シャマーダ"、parrillada(パリジャーダ=炭火焼き、バーベキュー)は"パリーシャ"となります。慣れるまでちょっと混乱しますが、聞くうちにだんだん心地よい響きに感じてくることでしょう。

ウルグアイの空の玄関「カラスコ国際空港」

モンテビデオ

機内から眺めたウルグアイの首都モンテビデオの様子。写真中央左手の岬付近が旧市街、中央から右手には新市街が広がっています。新市街は区画整備が進んでおり、どの通りにも青々とした街路樹が植えられています。

ウルグアイ唯一の国際空港であるカラスコ国際空港。小さいながら設備はひととおり整っており無料Wi-Fiも完備で、とても過ごしやすい空港です。

>>カラスコ国際空港

空港から市内への移動手段は空港タクシーかシャトルバス、一般のバスのほか、ホテルの送迎や自分でAppタクシーを利用することもできます。空港タクシーの場合、空港から旧市街までは$2,200(USD57.2)、シャトルバスはUSD13、バスは$90(USD2.34)、宿泊予定のホテルに送迎料金を尋ねたらUSD50との回答でした。

荷物が少なく、時間に余裕のある人はバスやシャトルバスが経済的ですが、降車場からホテルまでの距離が近くないとちょっと大変かもしれませんね。今回は2人旅だったのでAppタクシーのUberを利用、料金は$1,100(USD28.6)でした。

運賃表

モンテビデオのタクシーに提示されていた運賃表。タクシーメーターと料金の関係が一目でわかるので安心です。モンテビデオの中心部なら流しのタクシーもあまりトラブルはなさそうでしたが、言葉の問題もあるので、ホテルで呼んでもらうか、Uberなどアプリタクシーを使うほうがいいでしょう。

モンテビデオ旧市街の入り口「独立広場」

独立広場

7月18日通りの起点であり、旧市街と新市街の境に位置する「Plaza Independencia(独立広場)」。広場の中央には、ウルグアイ独立戦争(1811年)の英雄ホセ・アルティガス将軍の騎馬像があります。彼の視線の先にそびえる建物は「Palacio Salvo(サルボ宮殿)」、その向こう側が新市街になります。

ホセ・アルティガスの騎馬像

写真右手、ホセ・アルティガスの騎馬像の背後にある「Edificio Ciudadela(シウダデラ・ビル)」は、モンテビデオを代表する建物の一つ。1958年建造の26階建てで、オフィスと住居が混在しています。また写真左手には、「Torre Ejecutiva(エグゼクティブ・タワー)」と呼ばれる共和国政府庁舎があります。

城塞門

18世紀に建造された「Puerta de la Ciudadela(プエルタ・デ・ラ・シウダデラ/城塞門)」。

現在ウルグアイのある地域はもともとスペインの支配下にありましたが、17世紀にブラジルから南下してきたポルトガルがラ・プラタ川上流に「Colônia do Sacramento(コロニア・ド・サクラメント/ポルトガル語)」を建設。それに対抗する目的でスペイン人により建都されたのが、城塞都市モンテビデオです。プエルタ・デ・ラ・シウダデラは当時の城塞門跡で、もともとは違う場所にありましたが、後に現在の場所に移設されました。

ソリス劇場

1856年に開場した「Teatro Solís(ソリス劇場)」は、南米大陸で最も古い劇場。ガイド付きツアーがあるので、時間のある方は参加してみてはいかがでしょう。

ソリス劇場 ガイドツアー

  • 開催日:月曜を除く毎日16:00~ 
  • 料金:$150(USD3.9)※水曜無料、支払いはウルグアイペソの現金のみ
  • 公式サイト:ソリス劇場

独立広場から憲法広場まで

サランディ通り

旧市街を散策するなら、まずは「Peatonal Sarandí(サランディ通り)」へ。歩行者専用道路になっており、通りの両側にはレストランやカフェが軒を並べています。

憲法広場

「Plaza de la Constitución(憲法広場)」は市民の憩いの場。緑が生い茂る公園には噴水とベンチがあり、周囲には土産物や骨とう品を売る屋台が並んでいます。

マテ茶

ウルグアイの人々はマテ茶が大好き!自前のマテ壺とポットを手にした人をあちこちでみかけました。「マテ壺は自分の好みで選ぶのが一番だけど、ボンビーシャ(フィルター付きストロー)の素材には注意して」と店の主人。錆びやすいものもあるそうなので、どんな素材か、フィルター部分は分解できるか(洗いやすいか)などを確かめてから購入しましょう。

マトリス教会

憲法広場の西側にあるモンテビデオのカテドラル。正式名称は「Catedral Basílica Metropolitana de la Inmaculada Concepción y San Felipe y Santiago(カテドラル・バシリカ・メトロポリターナ・デ・ラ・インマクラーダ・コンセプシオン・イ・サン・フェリペ・イ・サンティアゴ)」と大変長いですが、市民の間では「Iglesia Matriz(マトリス教会)」の名で親しまれています。

マトリス教会

1740年に現在の場所にレンガ造りの小さな教会があり、その後1790年に改めて礎石が置かれ、大がかりな建設が始まりました。1804年に完成、1897年にローマ教皇レオ13世によってメトロポリタン大聖堂に昇格しました。無原罪の聖母(インマクラーダ・コンセプシオン)と、モンテビデオの守護聖人であるサン・フェリペ、サンティアゴを祀っています。

カビルド歴史博物館

憲法広場の東側には、「Museo Histórico Cabildo(カビルド歴史博物館)」もあります。"カビルド"とはスペイン植民地時代の政庁のことで、1830年7月18日にこの広場で憲法の発布が行われました。現在はモンテビデオ市立博物館・歴史資料館として、さまざまなコレクションを展示しています。

カビルド歴史博物館

  • 開館:月~金 12:00~17:45、土、祝日 11:00~17:00
  • 入館料:無料
  • 公式サイト:Constitution Plaza

歴史的地区には壁画アートがいっぱい

壁画アート

歴史を感じさせるコロニアル建築の美しい建物と、現代的な壁画アートが同居するモンテビデオの旧市街。『Yo ♡ Mi Barrio(私の街が好き)』って、いいですね。

壁画アート

モンテビデオ名物、世界最長のカーニバル「シャマーダス」の様子を描いた壁画アート。伝統音楽「カンドンベ」のリズムに合わせて踊る人々、賑やかなメロディーが聞こえてきそうです。

壁画アート

無人と思われる建物の壁にも壁画が。ブルーを基調とした現代風アート、なかなか個性的です。

サバラ広場からプエルト市場まで

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市の創設者であるブルーノ・マウリシオ・デ・サバラにちなんで名づけられた「Plaza Zabala(サバラ広場)」。中央にはサバラの銅像があります。

Wi-Fi

モンテビデオは至るところに無料Wi-Fiコーナーが!公共の場でもインターネットにアクセスできるとは、さすが福祉の国ウルグアイ。いちいちカフェやレストランに入らなくてもいいのは、旅行者にとっては本当に助かりますね。

散歩

マテセット持参で愛犬を散歩させる男性。ウルグアイ人は本当にマテ茶が大好きです。

ぺレス・カステシャーノ通り

サランディ通りを西に進むと、「Calle Pérez Castellano(ぺレス・カステシャーノ通り)」と交差します。この小路も歩行者専用道路になっていて、おしゃれなレストランの多いエリアです。

ぺレス・カステシャーノ広場

「Plaza Pérez Castellano(ぺレス・カステシャーノ広場)」は旧市街の中心地ともいえる場所で、インフォメーションセンターを始め、ウルグアイ各地の民芸品やアートが集まるスーベニールショップのほか、ウルグアイ名物のparrilla(パリーシャ/炭火焼き)レストランが集結する「Mercado del Puerto(プエルト市場)」と呼ばれる市場(いちば)があります。

※プエルト市場はまた別途ご紹介します!

旧市街で人気のアイスクリーム屋さんでひと休み

ピウォ・エラードス・アルテサナレス

旧市街散策に疲れたら、こちらのアイスクリーム屋さんでひと休みしてはいかがでしょう。「Piwo Helados Artesanales(ピウォ・エラードス・アルテサナレス)」は保存料・着色料不使用の手作りアイスが人気。ちょっとしたサンドイッチやタコス、コーヒーやフレッシュジュースなんかもあります。

アイスクリーム

イチゴとピスタチオ、オランダチョコレートの3種類を注文、砕いたピーナッツやチョコスプレーなどのトッピング付きで$280(USD7.28)でした。

ピウォ・エラードス・アルテサナレス

  • 住所:Sarandí 340, Montevideo
  • 公式SNS:Instagram

夏の夕暮れはラ・プラタ川で

ラ・プラタ川

まるで大海のように大きく雄大なラ・プラタ川。その風景は河川敷というより、海岸といったほうが適切なように思えます。モンテビデオの旧市街には、18世紀に建造された要塞の跡がぽつぽつと残っています。

ラ・プラタ川

ウルグアイではラ・プラタ川沿いに延びる大通りのことを、「rambla(ランブラ)」と呼びます。遊歩道やランニングコースとしてだけでなく、家族や友人らとの時間を思い思いに過ごすための大切な場所でもあります。旧市街の南、ランブラ・スールと呼ばれるこの辺りでは、スポーツフィッシングが盛ん。汽水域に当たるので、きっといろんな魚が釣れるんでしょうね。

ラ・プラタ川

古い灯台のようなこの建造物、実はモンテビデオ市内の下水道の換気のための煙突なんだとか!

ラ・プラタ川

お気に入りの椅子とマテセットを持参して、夕暮れ時をのんびり過ごす老夫婦。何気ない日常に、ウルグアイの人々の心の余裕を感じます。

ラ・プラタ川

ムヒカ元大統領は日本でのスピーチでモノを所有することの弊害や、本当に必要なモノだけを持つことの大切さを説いたといいます。家族や友人とランブラに集い、ゆったりとした時間を過ごすモンテビデオの人々を見ていると、その意味が分かるような気がしますね。

ラ・プラタ川に沈む見事な夕陽。今日も穏やかな1日が終わろうとしています。

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原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。

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