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【新潟】ものづくりに触れる旅〜歴史の奥深さと匠の技を満喫〜
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
新潟県の中央部に位置する弥彦・燕三条エリアは「ものづくり」で発展、そして世界的に有名な「伝統産業」が集中している地域でもあります。実は以前よりこの地域にとても興味があり、一度訪問してみたいなと思っていたところに、新潟県観光協会よりモニターツアーのお誘いを受け、参加してきました。
今回は、燕三条の鍛冶・金属洋食器産業と加茂の伝統産業を中心に見学してきました。ただ、伝統産業が発達していると一言では言い切れないものもあり、記事に起こしてみましたので、ぜひご覧ください。
目次
- 弥彦・燕三条エリアの基本情報
- ものづくり文化の歴史
- スタートとゴールはJR燕三条駅
- 燕市産業史料館(見学・体験)【燕市】
- 釜めし松月(昼食)【燕市】
- 三条鍛冶道場(体験)【三条市】
- 湯田上温泉 ホテル小柳(宿泊)【田上町】
- 加茂紙 漉場(見学)【加茂市】
- 諏訪田製作所(昼食・見学)【三条市】
- 道の駅 燕三条地場産センター(見学)【三条市】
- 最後に
弥彦・燕三条エリアの基本情報
弥彦・燕三条エリアと一口に言っても、構成する市町村は、1. 三条市、2. 加茂市、3. 燕市、4. 弥彦村、5. 田上町に渡ります。特徴は、世界的に注目を集めている燕三条の鍛冶・金属洋食器産業、小京都と呼ばれる加茂市の町並みなど、歴史を感じるスポットが数多く点在しています。また、金属加工産業はもちろん、肥沃な土壌を生かした県内有数の多品目産地として有名です。そして、毎年10月に期間限定で普段は公開していない工場の雰囲気を体感できる「燕三条 工場の祭典」や、越後三大紅葉の1つに数えられる「弥彦公園もみじ谷」のライトアップなど、毎年多くの観光客が訪れています。今回訪問したのは、1. 三条市、2. 加茂市、3. 燕市、5. 田上町の3市1町。それぞれ特徴ある町並みを紹介しましょう。
1. 三条市(さんじょうし)
「ものづくり」の町に息づく職人たちの情熱。世界に誇る金属加工技術がここにあります。三条市のものづくり魂は代々受け継がれ、職人たちの試行錯誤でさらに磨きがかかり、最先端を歩み続けています。
2. 加茂市(かもし)
「北越の小京都」と称される加茂市は、町の中心を京都の鴨川のように加茂川が流れています。また加茂市は山峡の盆地に静かに佇む町。そして長い歴史を誇る伝統産業があります。特に加茂の桐タンスは日本一の桐タンスの産地として有名です。
3. 燕市(つばめし)
輝きに満ちた金属洋食器で知られ、みんなに愛される「良寛さん」ゆかりの地である燕市。江戸時代中期に誕生した伝統工芸品・鎚起銅器(ついきどうき)を見れば職人技の凄さを実感できます。
5. 田上町(たがみまち)
田上町は、新潟市の南東に位置し、山と田園、そして信濃川に囲まれた町です。自然豊かでゆったりした時間が流れているのが魅力。ここには、おいしい「食」あり、興味深い「歴史」あり、リラックスできる「自然」や「温泉」もあり、見どころいっぱいの癒しの里です。
ものづくり文化の歴史
大河と共に歩み育まれてきたものづくり文化
信濃川とその支流に囲まれたこのエリアでは、度重なる氾濫などで農作物が育ちづらい環境にありました。こうした中、江戸時代、農民の副業として和釘づくりが始まりました。これが現在に続く金属加工産業のルーツと言われています。大正11年に大河津分水(おおこうづぶんすい)が通水したことで、水害が減少し、このエリアは新潟県内でも屈指の穀倉地帯に生まれ変わりました。肥沃な土壌がもたらす多彩な食材は、金物加工・洋食器産業と結びつき、独自の食文化を形成していきました。
北越の小京都で受け継がれる伝統産業
古い町並みや風情が京都に似ていることから「小京都」と呼ばれる加茂市には、名産の桐を使用した木工製品や400年以上前から受け継がれる和紙など歴史ある伝統産業が息づいています。近年では、伝統技術を活かしつつ、現代のニーズに合わせた製品の開発にも取り組んでいます。
(引用:新潟県観光協会の資料より)
スタートとゴールはJR燕三条駅
JRの燕三条駅は燕市と三条市にまたがる上越新幹線の駅。モニターツアーはここから始まります。時は2022年2月17日。まだまだ雪が降りしきる寒い日でした。駅名は「燕三条駅」ですが、高速道路のインター名は「三条燕インター」です。
JR燕三条駅の面白いところは出口。右に出ると三条口(三条市)、左に出ると燕口(燕市)になります。
燕市産業史料館(見学・体験)【燕市】
まず最初に訪れたのが燕市産業史料館。ここは燕市の金属加工技術400年の歴史を最新映像や実物展示で紹介している施設です。ここは燕市のことを知るうえで重要な施設でもあります。
入口で学芸員の齋藤さんが出迎えてくれました。
本館
まず本館へ移動します。本館は「起源を紐解く」がテーマです。
本館では、江戸時代から続く燕の鎚起銅器(ついきどうき)、鈩(やすり)、煙管(きせる)、彫金(ちょうきん)といった伝統的金属工芸技術について、製作工程や作業場の復元の展示を通して紹介しています。
1階の展示室から。燕の金属産業「歴史と技術」です。入口右の案内板に注目。鈩(やすり)や煙管(きせる)などのディスプレイが埋め込まれています。遊びココロも散りばめられているのです。さらにここで重要なのが、入室すると目の前のスクリーンで流れる映像。これはこの展示室を見る上で、とても大切な映像になりますので、必ず視聴してください。
映像を観た後、齋藤学芸員が『燕でなぜ金属産業が発達したのか?』を歴史年表の前で説明してくれます。
「実はここが転換期だったのです!」と説明に熱がこもります。齋藤学芸員の説明は、とても丁寧なので、分かりやすかったです。
この作業場は何の作業場か分かりますか?何かの作業場だろうとしか分からないものです。
しかし、横には作業場と同じイラストを描き、何がどのような役目をしているのかを簡潔に説明書きがあるので、思わず「なるほど~」と唸ってしまいました。この作業場は鎚起銅器(ついきどうき)の作業場だったのです。鎚起銅器とは、鎚(つち)で銅を打ち延ばしたり打ち縮めたりする錬金技術でつくられる、継ぎ目のない銅製品のことです。
こちらは鈩(やすり)の作業場の写真とイラストです。
こちらは煙管(きせる)の作業場です。煙管の漢字を初めて知りました...。
こちらは彫金(ちょうきん)の作業場です。彫金とは、タガネを使って金属の表面を切ったり押したりして模様をつける技術です。
2階へ上がりましょう。2階は燕の金属工芸「銘品ギャラリー」です。
まず燕の職人と銘品の部屋を見てみましょう。鎚起銅器食品と銘品が展示されています。
燕の鎚起銅器職人の系譜。初代の玉川覚兵衛氏(左端)から続いているのです。
そして鎚起銅器の美の世界へと続きます。人間国宝・玉川宣夫氏の木目金作品です。
木目金花瓶...思わず「うわぁぁぁ...」とため息が出てしまいます。
別館・丸山コレクション矢立煙管館
続いて本館を出て、別館の丸山コレクション矢立煙管館へ入ります。
丸山コレクションは丸山清次郎氏(1900~1982)が生涯をかけて収集した、江戸から明治にかけての煙管(きせる)と矢立(やたて)の一大コレクションです。丸山清次郎氏は1900年燕市生まれ。家業の煙管造りを手伝いながら20歳で上京し、煙管の販売を東京で始め、それが今日、ライターを業とするウインドミル株式会社の基礎杖を作った人物です。
煙管(きせる)は、日本の刻みたばこ用の喫煙具の一種で、パイプのようなもの。矢立(やたて)は、筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具です。
煙草入れ、煙管各部の名称を分かりやすく図解されています。
著名人の煙管と煙草入れの展示です。それぞれ人によって煙管のデザインも異なりますし、煙草入れも千差万別です。
こちらは清水次郎長愛用品です。今では煙管はほとんど見なくなりましたが、飾っておくのも絵になりますね。
新館
最後の展示室は新館です。本館、別館(丸山コレクション矢立煙管館)、新館と巡るのがベストです。
新館は最初に『日本の金属洋食器展示室』から。燕の金属洋食器が時代の変遷に合わせて展示されています。展示室は明るく、女性や子供が親しめるような可愛さを強調した雰囲気です。
この展示室は『01日本のスプーンのはじまり⇒02日本の近代化と洋食⇒03洋食文化の普及⇒04戦争と食文化⇒05食の欧米化⇒06心地よい「食」をめざして』の6つのテーマに合わせて、それぞれ金属洋食器を展示しています。
このようにポップ調な解説になっていて、楽しい展示室になっています。
特に「04戦争と食文化」に展示されているこのフォーク。戦時中は軍事機密とされていたので、とても珍しいものだそうです。木箱には横須賀海軍軍需部と書かれていました。
続いて『一般展示室』です。展示室は、日本の金属洋食器展示室に対し「職人の技」をモチーフに重厚な雰囲気になっています。燕の江戸時代から続く金属産業の歴史を一望できます。和釘から始まり、金属洋食器・金属ハウスウェアを経て、新素材、新技術を活かした金属加工地へと変わり行く地場産業の歩みを紹介しています。
ジャパン・ツバメ・インダストリアルコンクールを受賞した製品が展示されています。
ジャパン・ツバメ・インダストリアルコンクールとは、金属製品や金属ハウスウェアをはじめとする燕産地が生み出す様々な製品に対し、革新性、審美性、機能性、市場性、社会・環境性について、専門的視点により評価・発信することで、産地としての競争力を高め、持続的発展を目指すコンクールです。
>>ジャパン・ツバメ・インダストリアルコンクールについてはこちら
燕の地場産業の歩みを展示品と一緒に解説しています。
特に職人の技を詳しく解説しています。和釘から始まった燕の金属産業の歴史の深さを知ることができます。
続いて『ものづくり発見室』です。スプーンのできるまでを、洋食器工場での映像で紹介しています。アルミ・真鍮・銅・ステンレス・チタンで作った木琴があります。叩いて、音の違いを発見してお楽しみください。また、燕の現在の金属加工技術を紹介しています。
齋藤さんの説明が続きます。
壁に貼り出されたスプーンの型。なかなか見ることができないものや、知らなかった技術をわかりやすく紹介されています。
精密板金加工で作られたグランドピアノの模型。実に精巧に作られています。
ご存知ですか?「ノーベルカトラリー」と呼ばれるノーベル賞晩餐会で使われている金属洋食器は燕市で作られているのです。僕もいつかこのカトラリーを使ってみたいと夢見ています!
最後は『伊藤コレクション世界のスプーン館』です。『世界に一つしかない伊藤豊成氏のスプーンコレクションを展示。展示室に足を踏み入れるとそこは伊藤氏のコレクションルーム。約5,000本の世界のスプーンが収蔵展示されています。アンティークな輝きを放つスプーン、歴史的に貴重なスプーンなどに出会うことができます。』
展示室使用にスプーンがこれでもかと展示されています。「え?これがスプーン?」というものまでスプーンのワンダーランドです。
他には世界一大きなスプーンとフォーク(ギネスブックに登録済み)があったり...
ピカピカに研磨されたスバルのR1も展示されていたり...
映画「曲がれスプーン」で使われた長澤まさみさんのサイン入りスプーンベンチも展示されています。
体験工房館
まだまだ燕市産業史料館は続きます。体験工房館は、スプーン作り体験、チタン発色、伝統工芸技術などの体験メニューがあり、子どもから大人まで楽しめる体験施設です。作った作品はそのまま持ち帰って使うことができます。
体験工房館内はこのような雰囲気。明るい室内で各種体験を楽しむことができます。
僕が体験したのは純銅タンブラー鎚目入れ体験です。純銅タンブラーの表面を金鎚で叩きながら鎚目模様を入れていき自分だけのオリジナルタンブラーを完成させます。体験に必要な道具はすべて用意されています。
ひたすらタンブラーを金槌で叩きます。簡単そうに見えるけど、均等に同じ力でトントン打ち続けないといけないので結構難しいです。
動画でご覧ください。
完成状態です。どうでしょう。いい具合にできあがったと思います。
左側が僕が作ったタンブラー。右側が体験工房館のスタッフが作った見本です。時間が経つとこのように色が変化していくそうです。
子どもにはチタン製スプーン酸化発色体験がおすすめです。
チタンに電流を流し、酸化被膜を施すことで色がつきます。
チタンの色は電圧の強弱によって変わるそうです。
燕市産業史料館を見学・体験してみての僕の感想
産業史料館と名前だけで見るとおかたい施設だと思っていたが、大きく期待を裏切られ、めちゃくちゃ楽しかった施設。時間を1時間以上とってじっくりと見学したいところです。今回は見学と体験で含め90分滞在しましたが、時間が足りませんでした。次回は解説をしっかり読みながら再訪したいと思っています。
燕市産業史料館の詳細
- 所在地:新潟県燕市大曲4330-1
- 電話番号:0256-63-7666
- 開館時間:9:00〜16:30 ※入館は閉館の30分前まで
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 入館料:大人400円、小・中・高校生100円 ※体験料は別途必要です
- 駐車場:あり(無料)
- 公式サイト:燕市産業史料館
釜めし松月(昼食)【燕市】
釜飯なんてどこでも食べられると言うなかれ!
昭和30年代から燕市に根付き、金属加工産業の旦那(経営者)たちに愛された釜飯が燕市のもの。お祝いごとなどの「ハレの日」に食べられるようになり、町のごちそうの定番になりました。燕市内で約10店舗が提供していますが、「釜めし松月(しょうげつ)」はその先駆け的存在です。
店内は1階がテーブル席と座敷、2階は座敷になっています。
待ってました!と出てきた釜飯がこちら。このフタを開けるときのドキドキ感がたまりません!でもすぐにフタを開けてはいけません。しばらく待つとおこげが付くそうです。
スタンダードな「五目釜めし(990円)」です。
釜飯の楽しみは、時間の経過とともにおこげが付くこと。そして燕市の釜飯は味変でバターを入れるそうです(55円追加)。想像してみてください。熱い釜の中でバターが溶け出し、ご飯と相まっていく様子を...。新たな味の発見です。
燕市では、酒席のお土産は釜飯だそうです。折詰で買って帰ることで家庭の子ども達にも釜飯が浸透していったそうです。
1階の厨房で二代目の遠藤社長が釜飯の作り方を実演してくれます。釜飯は注文を受けてから作り始め、1個1個手作りです。
釜飯を火にかける時は慎重に行うそうです。
こうやって目線の高さで火加減を見ているそうです。こうやって美味しい釜飯が作られているのですね。
積み上げられた釜。ところで、釜飯のルーツは関東大震災の炊き出しを見て着想。大正15年頃に浅草で釜飯が提供されたのが元祖とされているそうです。釜飯と言えば1人用の釜。昭和28年頃、東京の合羽橋道具街で考案、製造されたそうです。
釜めし松月の釜飯を食べてみての僕の感想
作り置きをしない釜飯は炊きあがるのに25分くらいかかるそうです。なので事前に到着時間を電話しておくことをおすすめします。釜飯専門店だけに色んな種類の釜飯をいただくことができます。僕が食べたのは五目釜飯ですが、味付けがしっかりしていて美味しかったです。バターを入れるのは意外でしたが、味変を楽しめたのがひとつの収穫。齋藤学芸員の話によると「釜めし松月」では、実はカツ丼も美味しいのだとか(笑)。齋藤さんは店でカツ丼を食べ、釜飯をテイクアウトするそうです。
釜めし松月の詳細
- 所在地:新潟県燕市桜町227
- 電話番号:0256-62-4075
- 営業時間:11:00〜14:00、17:00〜21:00
- 定休日:月曜日
- 予算:ランチ釜飯定食1,500〜2,500円程度。釜飯の単品は1,000円前後
- 駐車場:あり(無料)
☆余談
釜飯が好きすぎて燕市観光協会では釜飯マップを作られました!
三条鍛冶道場(体験)【三条市】
現在も広く三条に根付く鍛冶(かじ)の技術。その鍛冶技術を知るとともに、技術の継承と産地の活性化を目的とした施設です。
越後三条打刃物の技術を紹介した常設展示です。常設展示では、名工による逸品、現役職人による国指定伝統的工芸品「越後三条打刃物(計10品目)」、笠堀砥石などを展示しています。
三条鍛冶道場では、伝統技術とものづくり精神を次世代に継承する「ものづくり体験研修」を行っています。
開館時間中、いつでも体験可能な常設講座である「ペーパーナイフづくり」を体験しましょう。ペーパーナイフづくりは、叩く、削る、磨くが基本的な作業になります。
まずは洋釘をつかみばしではさみ、火床(ほど)に投入して熱します。熱する温度は850~900℃です。
適度な温度になったら、火床から取り出して、金床に置き、釘の頭の丸い部分を半円状に平たくつぶします。
熱しては打ち、熱しては打ちを続けていると、丸かった洋釘が平べったくなってきます。打ち延ばす範囲を広げていきます。
熱したばかりの洋釘は真っ赤になっています。打ち続けていると釘がどんどん延びていきます。
動画でもご覧いただきましょう!
三条鍛冶道場では、地元の鍛冶職人が立ち会って作業を進めてくれます。
かなり平べったくなったところで、手前の部分をぐるぐると回転させていきます。
鉄が熱して打ち延ばしていくとこんなに簡単にぐるぐると曲がります。
ある程度、打ち延ばしたところで、鍛冶職人が角を磨いてくれます。
さらに鍛冶職人によって刃部をベルトサンダーにあて、削って形状を作ります。
さらに全体的に磨いていきます。
およそ40分後、このような形に整いました。
ペーパーナイフですので、紙の切れ味を確認します。
最後に三条鍛冶道場の刻印を入れて完成です。
できあがったペーパーナイフです。真ん中の洋釘がこのようなペーパーナイフに生まれ変わりました。
アップで見ますととても味わいが出ていますね。
最後に、長谷川館長が三条の鍛冶の魅力についてお話ししてくださいました。
体験を終え、外に出るとしんしんと雪が降っていました。三条市は、1年の半分くらい鉛色の空に覆われます。そのような日は昼間から暗いので、このような鍛冶の仕事が発展したそうです。
三条鍛冶道場で体験してみての僕の感想
日本の金属加工の原点である「鍛冶」を体験できる施設。ただ産業の基礎である鍛冶技術を知ってもらうだけでなく、技術の継承と産地の活性化を図ることを目的としています。熱した鉄を繰り返し打ち叩いて鍛え上げ、伸ばして練り上げ、研ぎ澄ます体験はまさに職人気分です。鍛冶職人が一緒に作業してくれますので、安心して体験することができます。
三条鍛冶道場の詳細
- 所在地:新潟県三条市元町11番地53
- 電話番号:0256-34-8080
- 開館時間:9:00〜17:00(体験受付は15:30まで)
- 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 入館料:無料 ※体験料は別途必要です
- 駐車場:あり(無料)
- 公式サイト:三条鍛冶道場
湯田上温泉 ホテル小柳(宿泊)【田上町】
護摩堂山の中腹にある湯田上温泉(ゆたがみおんせん)は開湯から280年。かつて山伏が修行の身を癒したのが始まりと言われています。効能の高さから、地元では昔から「薬師の湯」と親しまれています。今回宿泊したのは「遠くの名湯より近くのいい湯」をキャッチコピーに人気を博するホテル小柳(おやなぎ)です。
ダンディな野澤社長と美人の野澤若女将が出迎えてくれました。まさにベストカップルでした。
フロント
玄関より入館し、まず目に入るのがフロント。ホテルの顔と言われているフロントだけに重要なチェックポイントです。
燕市「玉川堂」と加茂市「渡辺建具店」による美しい色彩の銅版と名工の手による組子の「匠」の技が融合した素晴らしい作品が目を引きます。
フロント横にはさりげなく選べる浴衣が置いてあります。このサービスは全国の旅館で採用されていますが、ただ無造作に置かれているのでなく、調度品にもこだわりを感じます。
コーヒー&ミュージックラウンジajisai
フロントから右手奥に、コーヒー&ミュージックラウンジajisaiがあります。
燕市「玉川堂」「山崎金属工業」、三条市「諏訪田製作所」「マルナオ」の製品を、そして自然や緑を感じる空間として、「アクアデザインアマノ」、「富田造園」の作品、さらに田上町の陶芸家石田一平の作品を展示しています。
飲物は湯田上温泉の飲める温泉水を使ったプレミアムな雪室温泉コーヒーなどで憩いの空間を演出しています。
加茂市「オトノハコ」プロデュースによるヴィンテージオーディオによる質の高い音響システムにて、週に1回アナログレコード鑑賞会を開催しています。
ちょうどこの日はアナログレコード鑑賞会を開催していました。参加はもちろん無料です。
館内にはところどころに椅子(座る場所)があります。ちょっとした休憩に便利です。
売店
こちらは売店。7:30から21:00(17:30〜19:00はクローズ)まで営業しています。ひと目で人気商品が分かるように見やすくディスプレイされていました。
レクリエーションスペース
"匠"にこだわった大人も子どもも楽しめるレクリエーションスペースです。
定番の温泉卓球ですが、ここにあるのはリオ・オリンピックで採用された「infinity(インフィニティ)」。
プロダクトデザイナーの澄川伸一氏がデザインし、天童木工の職人技で製作されています。
お子様コーナーに敷かれているのは、茂野タンス店制作の無垢の桐板のフローリング。玩具も安全で木のぬくもりや優しさが伝わる無垢の桐製品を使用しているので、子供も安心して遊ぶことができます。
めちゃくちゃ大きなオセロ台。真剣に持って帰ろうかと思いました(笑)。
高品質のキャンプ・登山用アイテムやアパレルを提供している三条市のスノーピークのチェアも配置されています。
こんな揺りかごのような椅子に座って読書も良いですね!
新潟県加茂市の名産、桐玉を用いた足浴です。こんな足浴は初めてみました。
客室
ホテル小柳には、露天風呂付客室、人気のツインベット付き客室、バリアフリー対応客室など、様々な趣をこらした全12タイプの客室があります。また、各階ごとの客室を、2階「花」、3階「鳥」、4階「川」、5階「山」の名前になっています。
それでは見学しましょう!【全室禁煙です】
3階の318号室「かり」です。露天風呂付き桐和モダンツインルームです。広さは50平方m、定員は2名です。シモンズ社製のベッドを2台完備しています。
3階の317号室「ちどり」です。スタイリッシュ6帖+リビングです。広さは38平方m、定員は2名です。シモンズ社製のベッドを2台完備しています。
3階の305号室「きじ」です。和洋室ツインベッド+和室4.5帖です。広さは26平方m、定員は3名です。シモンズ社製ポケットコイルマットレスを採用しています。
味彩厨房 ゆごや
食事会場となる「ゆごや」は創業100周年を記念してリニューアルされた食事処です。オープンキッチン方式となっており、調理風景を見ることができるので、ライブ感があり食事の時間をより一層楽しむことができる仕掛けになっています。バリアフリーに対応した仕切りのある椅子テーブル席、赤ちゃん連れにも対応した完全個室(和室)など、様々なニーズに対応できる食事環境となっているのが特徴です。
新潟といえば地酒。地酒もたくさんの種類が揃っています。
右奥はオープンキッチンです。
バーカウンターもあり、ここから希望のドリンクをサービスされます。
各個室への通路。スタイリッシュな空間が食事への期待感を抱かせてくれます。
夕食
夕食は「新潟うまいもん会席」。地元新潟の「フード・ブランド」を使用したスペシャル会席です。重箱の一の重には、「佐渡えご、紅鮭糀漬、胡麻豆腐、鱈親子漬、旬の物」が、二の重には「水蛸とサーモンのハーブサラダ」が入っています。温物は「新潟和牛せいろ蒸し、旬野菜、胡麻だれ」、造りは「旬のお刺身、妻一式」、焼物は「のど黒塩焼き、はじかみ」、揚物は「柳カレイ天ぷら、野菜二種」、蒸物は「茶碗蒸し」、釜飯は「越後こしひかり、漬物、味噌汁」、水菓子は「ル・レクチェを使ってアイス、チーズケーキキャラメル」となっています。【土田料理長より】
<画像提供:ホテル小柳>
このお重を前にした時のワクワク感がたまりません!
お重を開けた時のワクワク感。左が一の重、右が二の重です。
右は釜飯、左は温物の新潟和牛のせいろ蒸しです。
釜飯はお米の状態から炊き上げます。お米は越後コシヒカリです。
温物は新潟和牛のせいろ蒸しです。脂っぽくなく、もっちりしたお肉でした。
せいろ蒸しはこの自家製の胡麻だれをつけていただきます。胡麻の風味はもちろんですが、一工夫されていると思いました。
「米どころ新潟」は同時に「酒どころ新潟」でもあります。3種の日本酒の飲み比べもメニューにあります。
ぐい呑もガラスか陶器かを選ぶことができます。
高級魚ののど黒の塩焼きです。僕はのど黒は塩焼きと炙りの刺し身が好きです。
ホテル小柳自慢のスイーツプレートです。すべて手作りです。
ごちそうさまでした!
大浴場と露天風呂 ※浴場は許可を得て撮影しました。通常は撮影禁止です
6階でエレベーターを降りると湯上りラウンジがあります。待ち合わせ時間を過ごせる漫画コーナーもあります。
冷水が置かれていますので、入浴前と入浴後にいただきます。また飲泉口があります。新潟県内でも珍しい飲泉許可を得ている温泉です。
大浴場は最上階の6階にあります。越後平野の四季を一望できる展望大浴場になっています。
まず履き物入れ。シールに名前を書いてスリッパに貼っておくと間違えて履いていくこともなくなります。そしてこちらに置いておくと殺菌されますのでとても安心して置いておけます。
貴重品ボックスもあります。部屋の鍵はこちらに入れておきましょう。
湯田上温泉の由来と歴史をしっかり読んで確認しましょう。
温泉施設には必ず温泉分析書が掲示されています。意外と見ていない人が多いのですが、入浴に際し、適応症と禁忌症があります。こちらもしっかり確認しましょう。
大浴場入口に置かれている歩行器。それも異なるサイズを置いていました。旅館のこだわりを感じます。
展望大浴場はとても広いのが特徴。洗い場も仕切りがあり、広めのスペースが取られています。
サウナです。サウナは窓が付いていて眺望が広がります。
露天風呂です。夜間でも照明がついているので安心して利用することができます。
露天風呂から越後平野の夜景を見ることができます。
湯船に柵のないインフィニティスタイルの露天風呂です。お湯に浸かると目線に景色が広がります。
翌朝。朝から展望大浴場へ!
まずは露天風呂で気分をリフレッシュしましょう。
うーん、インフィニティ風呂は障害物がないので視界が広く、とてもリラックスできます。
越後平野の眺望です。
展望大浴場と露天風呂の画像をホテル小柳から提供してもらいました。こちらは展望大浴場です。男性も女性もほぼ同じ作りです。
<画像提供:ホテル小柳>
展望露天風呂からの昼景です。
<画像提供:ホテル小柳>
展望露天風呂からの夕景です。
<画像提供:ホテル小柳>
男性用サウナ。男性用はボナサウナです。オートロウリュ式のサウナで約80℃の室温に加え、乾式サウナより湿度があり、発汗作用も良く、心地よいマイルドな熱波がダイナミックに対流するそうです。
<画像提供:ホテル小柳>
男性用の水風呂です。水風呂の水温は15℃~16℃。サウナと水風呂を無理のない程度に繰り返し、温冷交代浴をすることにより、肉体疲労の回復、肩こりの解消、自律神経を整える効果があると言われています。
<画像提供:ホテル小柳>
こちらは女性用サウナ。女性用サウナはセルフロウリュウサウナです。セルフロウリュ用サウナストーンは香花石を使用しました。90℃の室温で 肌に優しい心地よい温度とサウナストーンにアロマ水をかけたときの"ジュゥ..."という音と湿度を楽しめるそうです。
<画像提供:ホテル小柳>
女性用の水風呂です。水風呂の水温は17℃~18℃。
<写真提供:ホテル小柳>
朝食
朝食はバイキング形式です。型にはまった定食ではなく、好きなものを好きなだけ、そして自分の好きな時間から食事ができる。これはとてもポイント高いです。
天気と気候がいい時はテラスで朝食を摂ることができます。
<写真提供:ホテル小柳>
翌朝、出発時に外観を撮影。お世話になりました!
玄関前には懐かしの赤い郵便ポストがありました。今でも現役だそうです。
ホテル小柳を宿泊してみての僕の感想
脱温泉旅館というのが最初の印象です。社長と若女将が考え抜いて今の旅館の形態に変化させているのだなと感じます。旅館も時代と共に変わるのも利用する側も使いやすくなるものです。館内はスタイリッシュ、温泉は眺望が良い大浴場とインフィニティ露天風呂が完備。そして食事は美味しい...。とくれば人気の宿だというのもうなづけます。予約の際にはぜひこだわりの部屋を指定して利用してくださいね!
湯田上温泉 ホテル小柳の詳細
- 所在地:新潟県南蒲原郡田上町大字田上乙1322-1
- 電話番号:0256-57-5000
- 駐車場:あり(無料)
- 公式サイト:湯田上温泉 ホテル小柳
加茂紙漉場(見学)【加茂市】
江戸時代から加茂市で作られていた和紙「加茂紙(かもがみ)」は、明治から大正にかけて県内随一の和紙の生産額を誇っていました。加茂紙漉場(かもがみすきば)では、この和紙の伝統的な製造技法を見学、体験することができます。(※要予約:体験設定日は公式サイト参照)
加茂紙の伝統を受け継いた鶴巻さんに加茂紙の歴史と作り方を教えていただきます。
昭和20年代までは地場産業の一角を保っていた加茂紙ですが、洋紙が普及するようになると紙漉き農家は減退し、平成4年(1992年)に加茂紙は製造を終了してしまいました。しかし平成24年(2012年)に加茂市が継承事業としてはじめました。
壁には和紙のできるまでを写真で解説しています。
和紙の材料となるのは楮(こうぞ)です。5月から10月にかけて適時下草を刈り、しっかりと楮が育つように補助。11月下旬から12月初めにかけて株元にちかいところから一気に刈り取ります。
刈り取り後、枝の方向を揃え、一定の長さに切り、束ねておきます。
それを蒸し、熱いうちに皮を剥ぎます。
それを専用の包丁を使って黒皮と甘皮を削ぐように剥いでいきます。
皮を剥いだら水に漬けこみます。
こうやって伸ばしてみて汚れがないかを1つ1つ確認していきます。
このような黒い斑点(汚れ・キズ)を取り除きます。
この作業は真水なので冬場の作業はとても辛いそうです。
この石とたたき棒の出番です。
野球ボールほどの大きさに丸めた皮を水気を取り、石の上でたたき棒を使って叩きます。平べったくなったところで、さらに繊維をほぐしていきます。
ここで和紙作り体験で必ず目にする紙漉きとなります。ここまでの行程がいかに大変かと説明を聞きながら実感しました。
最後は乾燥です。水抜きをしても紙は湿っているから、紙付け板に張り付けてしっかりと乾かします。
できあがった和紙です。汚れが混じっていない和紙が高級和紙として取り扱われます。
和紙作りに使用する小道具です。
加茂紙を使った作品です。右上の御朱印は青海神社の御朱印。加茂紙を使っての御朱印です。
加茂紙を使った紙袋。
加茂紙を使って花瓶に巻いたり、お皿にしたりと使い方は色々あります。
このように雛人形にもアレンジができます。
加茂紙 漉場の目の前は雁木通りが続いていました。
加茂紙漉場で見学してみての僕の感想
一度、廃れた加茂紙を加茂市がバックアップして見事復活。担当する鶴巻さんはそれまでは主婦。まったく紙漉きに関しては素人だったそうです。ここまでの道のりは大変だったとお伺いしました。使い方は無限大の和紙を再度見直した体験でした。
加茂紙漉場の詳細
- 所在地:新潟県加茂市上町1-22
- 電話番号:0256-52-4184
- 開館時間:9:00〜16:00
- 定休日:土、日、祝日
- 見学料:無料 ※体験料は別途必要です
- 駐車場:なし ※近隣の駐車場を利用
- 公式サイト:加茂紙漉場(加茂市)
- 公式Instagram:加茂紙漉場
諏訪田製作所(昼食・見学)【三条市】
グッドデザイン賞など多数受賞している「SUWADAつめ切り」。日本だけでなく、海外の美容・医療・介護関係者からの高い支持を受けて注文が殺到しているそうです。その訳は熟練職人が一点一点丁寧に手仕上げする匠の技だからです。
外観
諏訪田製作所は、1926年にニッパーの前身とも言える釘の頭を切るための『喰切(くいきり)』と呼ばれる道具の製造により創業した歴史ある企業です。
黒を貴重とした斬新な建物が目に飛び込んできます。
エントランスホール
建物に入るとどーんと大きなアメ車のオープンカーが展示されています。
横から見ても大きさが分かると思います。車の後ろには元所有者のシルエットが...。
車の所有者はプロレスラーのジャイアント馬場(新潟県三条市出身)さん。ジャイアント馬場さんがハワイで愛用していたキャデラック・エルドラド(1970年式)です。
さらに職人が作り上げたというモニュメントと王様が座るようなゴージャスな椅子が置かれています。まずは何だここは!という驚きがあります。
このモニュメントですが、近くで見るとつめ切りを製作する際に不要になった材料を組み合わせて作り上げています。
諏訪田製作所のメイン商品
最初に迎えてくれたのは水沼課長。スタッフのユニフォームも黒を基調としています。
諏訪田製作所のメイン商品はつめ切り。つめ切りひとつとっても用途によってたくさんの種類があります。
ニッパー型のつめ切りは珍しいようですが、美容関係やネイリストのほとんどの方がこのニッパー型のつめ切りを使っているそうです。
ペット用(ねこ・小型犬用)のつめ切りもあります。
SUWADAショクドウ・レストラン・クイキリとカフェ・スミス
諏訪田製作所にはレストランとカフェが併設されています。
基本的に諏訪田製作所では職人が利用するレストランを一般の人にも開放しています。まずは職人が利用し、一般用の営業時間は12:30〜14:00までとなります。
この日のランチメニューは、
- 日替わりランチ(1,100円)※この日は鰆の西京焼き
- パスタランチA:アマトリチャーナ(1,320円)
- パスタランチB:サルシッチャのラグー(1,320円)
- カレーランチ(1,100円)※この日は骨付きバターチキンカレー
- ステーキ丼ランチ(1,045円)
でした。
利用方法は、席を確保。次にテーブル上に置いているオーダーシートに記入してカウンターへ。代金を支払い、料理ができるのを待ちます。
奥はSUWADAショクドウ・レストラン・クイキリです。
手前はカフェ・スミスです。
今回はカフェ・スミスを利用。カフェ・スミスでもクイキリのランチメニューをいただくことが可能です。
カフェ・スミスではイタリア産の豆にこだわった香り高いエスプレッソをいただくことができます。
さらにカフェ・スミスではカヌレやアフタヌーンティも用意されています。
さらにさらにカフェ・スミスでは軽食も用意されています。
さて、ランチをいただきましょう。僕が注文したのは本日の「カレーランチ(1,100円)」です。セットドリンクは「エスプレッソ・シングル」です。この日は骨付きバターチキンカレー。基本的に社員食堂なのですが、めちゃくちゃ本格的な内容。職人さんが羨ましいです。
他の参加者のランチも撮影させていただきました。「パスタランチA:アマトリチャーナ(1,320円)」です。セットドリンクは「エスプレッソ・シングル」です。
「パスタランチB:サルシッチャのラグー(1,320円)」です。セットドリンクは「エスプレッソ・シングル」です。
「ステーキ丼ランチ(1,045円)」です。セットドリンクは「エスプレッソ・シングル」です。
最後に別腹の定番・デザート。「スワスワソフト(374円)をいただきました。これおすすめです!ごちそうさまでした!
工場見学
ここからは鈴木店長の案内になります。
諏訪田製作所の原点は、1926年にニッパーの前身とも言える釘の頭を切るための『喰切(くいきり)』と呼ばれる道具の製造により創業したこと...。
この左手に持つ『喰切(くいきり)』が、以来90余年、「刃と刃を合わせて切る」ニッパー型刃物の製造に特化し、右手に持つ『つめ切り』などの製品を作り出しています。
様々な雑誌やテレビの取材を受け、諏訪田製作所は発信されているのです。
インテリアは全て統一されています。このライトなどは全て販売しているそうです(受注生産)。
このような車やバイクがさりげなく展示されています。
エントランス、ショップ、レストラン&カフェは2階にあります。階段を降りると1階の工場へ通じています。
諏訪田製作所によると『閉じられた空間であった従来の工場。それは関係者以外立ち入ることの出来ないブラックボックスです。お客様はそのブラックボックスから出来上がった商品を見ることでしか、その価値、品質を判断できませんでした。対して SUWADA OPEN FACTORY とは 文字通り「開かれた工場」を指します。』とあります。
工場内も黒を基調としています。これにも大切な意味が込められています。ぜひ工場見学の際に聞いてみてくださいね。
作業現場は全面ガラスで仕切られているので安全に、職人の仕事ぶりを見ることができます。右手には諏訪田製作所の商品や会社の歴史などを実物やパネル展示、モニターで分かりやすく紹介しています。
各セクションに分かれて作業が行われています。女性の姿を多く見かけました。
ここでは研磨・研削作業が行われています。この作業だけでも約30工程行われるそうです。
全体の形状は特殊なサンドペーパーを使用し、目の粗いものから徐々に細かい研磨材料に変えながら少しずつ完成に近づけていきます。
細かいところは手作業となります。削っては...。
目視による確認を繰り返します。
合刃・刃付け作業ができるのは熟練職人のみです。これはダイヤモンドヤスリを駆使し、両刃を合わせていく作業です。繊細で丁寧な仕事が、刃物に命を吹き込みます。
目視による確認。気の遠くなるような作業工程を経て1つずつ作っていきます。
これも余った材料による職人の手作りオブジェです。
次の部屋では検品作業です。
たくさんの職人たちがリレーしてきたつめ切りの出来を見極める検品作業です。
製造業では珍しい全数検査が行われています。
切れ味を厳しく見極めています。
職場の雰囲気もよく、熟練職人が若手の指導を行っています。若手も熟練職人に積極的に声をかけ、教えてもらっています。
ファクトリーショップ
1階から2階へ戻ります。工場見学をした後にショップを見ると製品の素晴らしさが伝わってきます。
諏訪田製作所の製品だけでなく、良いものを厳選して販売しています。
料理するのが楽しくなるようなキッチン製品も充実しています。
レストランで使用しているお皿も販売しています。実際にレストランで使ってみて感触を確かめられるのも良いことですね。
スワダアートラボと呼ばれる「大人のためのプラモデル」。買おうか真剣に悩んでいました。
僕が特に気になったのがこのシェービングキット。めちゃくちゃカッコいい!こんなキットが洗面所にあったらお洒落だろうなと妄想してしまいました...。
そしてこのトラベルセット。右側のカミソリを思わず一目惚れして買ってしまいました。カミソリの刃は市販のもので取り替えが可能です。もちろんつめ切りも買ってしまいました!
これ何だかわかりますか?「ひとひらのおろし金」です。ちょっと大根をおろす時とかに重宝しそうですね。
最後にお手洗い場。めちゃくちゃ綺麗です。トイレを借りに寄りたい(笑)。
諏訪田製作所で昼食・見学してみての僕の感想
工場見学というとどこか古臭く、地味なイメージがありますが、この諏訪田製作所の工場見学はその名の通り「オープンファクトリー」です。ガラス張りにして安全に配慮し、自社製品がどのようにして作られていくのかを行程を追って見ることができるので購入する際はとてもありがたいです。またレストランとカフェはとても素敵。わざわざ立ち寄りたい施設でもあります。僕もトラベルセットとつめ切りを購入しましたが、つめ切りは何十年も使うことができ、メンテナンスも可能。一生モノのつめ切りに出会いました。
諏訪田製作所の詳細
- 所在地:新潟県三条市高安寺1332
- 電話番号:0256-45-6111
- 公式サイト:諏訪田製作所
★諏訪田製作所 工場見学
- 見学可能時間:10:10〜12:10, 13:00〜17:00
- 定休日:日、月、祝日、4月1日、年末年始
- 見学料:無料
★レストラン・クイキリ
- 営業時間:12:30~14:00(日曜日のみ11:30~14:00)※限定数に達し次第終了
- 定休日:毎週月曜日、祝日、年末年始、4月1日
★カフェ・スミス
- 営業時間:10:00~17:00(軽食提供の時間帯は10:00~16:00)
- 定休日:年末年始、4月1日
- 駐車場:あり(無料)
道の駅 燕三条地場産センター(見学)【三条市】
燕三条で生産された優れたデザインと高品質な商品を紹介しています。物産館では伝統的な職人技から最先端の技術を駆使した製品まで約1万点もの洋食器・刃物・キッチン用品・鍋などが圧倒的なスケールで並んでいます。
燕三条地場産業振興センターは「道の駅 燕三条地場産センター」が館内にあります。館内は石本課長がご案内してくれました。
館内には燕市と三条市の地域文化の活性化を図るために地元企業の紹介を行っています。
ものづくりの町ならではの特産品の紹介は目を見張るものがあります。
物産館へ行ってみましょう。
職人の伝統の技が造りあげた品々を800平方mの大即売場となっています。
これだけの商品を燕三条で作っているのはすごいことです!
こちらはキッチン用品コーナーです。気になる商品を見つけながら店内を探索するのも楽しいものです。
越後鍛冶職人が鍛え上げた包丁を家庭用から本職用まで500種類以上ラインアップされています。
例えばこの「ツボエ」の極上おろし金。片手で大根をおろすことができます。
このおろし金、少しお高め(撮影時8,800円)ですが、飛ぶように売れていて、次回の納品が未定なのだそうです。
そしてこのスプーン。ただのスプーンではありません。カレー専用のスプーンです。カレーを食べる力加減や角度を人間工学的に考えて作られた逸品です。こちらはお手頃な価格。やはり常に品薄だそうです。
燕市だけに新潟燕市PR隊鳥としてプロ野球・東京ヤクルトスワローズのつば九郎が任命されています(笑)。
猫関連のグッズまで...。
こちらでは「スプーン磨き体験」ができます。5分程度の体験で300円とリーズナブルです(要予約)。
このスプーンが磨く前のものです。
こうやって磨きますと、
こんな感じに磨き上がります。すごい!僕の顔が映っていますね!
道の駅 燕三条地場産センターで見学してみての僕の感想
とにかく広い!燕三条製品がこんなにあるんだと感動しました。made in Japanにこだわる、製品にこだわる、逸品にこだわるのなら、燕三条地場産センターをおすすめします。掘り出し物を見つけたり、自分のお気に入りを見つけたりと思い思いの時間を過ごすことができます。逆にじっくりと時間を取らないと時間が足りなくなるかもしれませんのでご注意ください!
道の駅 燕三条地場産センターの詳細
- 所在地:新潟県三条市須頃1-17
- 電話番号:0256-32-2311
- 開館時間:9:30〜17:30(スプーン磨き体験10:30~15:30まで、要予約)
- 定休日:毎月第1水曜日、年末年始
- 料金:無料 ※体験料は別途必要です
- 駐車場:あり(無料)
- 公式サイト:道の駅 燕三条地場産センター
最後に
今回お世話になったのは「公益社団法人新潟県観光協会」です。新潟県の情報を常に発信されています。新潟県に関する情報は『にいがた観光ナビ』をご覧いただくと、素敵な情報や欲しい情報が満載です。
一緒に同行した「株式会社昭文社」の吉田さんは『まっぷる』や『にゃっぷる』の編集を担当されています。地図で有名な昭文社。日本各地のガイドブック『まっぷる』は私もよく利用させていただいています。『にゃっぷる』はねこパロディな本でとても楽しいです。ぜひ書店でお手に取ってご購入ください!
もう1人の同行者は、新潟県観光協会公式ブログ『たびきち』のライターの中林さん。フリーライターとして、観光や地元情報を自分の足で訪ね歩き、記事にされています。たびこふれよりさらに地元情報に特化していますので、ぜひ私の記事と見比べてください(笑)とても好青年で、記事もとてもうまくまとめられていますよ!
- ものづくりに触れる旅〜歴史の奥深さと匠の技を満喫〜参加レポート(前編)
- ものづくりに触れる旅〜歴史の奥深さと匠の技を満喫〜参加レポート(後編)
- 中林さんの記事一覧
- 新潟県観光協会公式ブログ『たびきち』
皆さん、ありがとうございました!
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。