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ご縁を通して新しい出会いあり【尾道】
一人旅は私の中でとても大切な時間です。心向くまま気の向くまま自由に時間を過ごして、感動の景色に泣いたりするのも悪くないですよね。そして、私が大切にしてるのはとご縁と感謝。
さて、今回の旅は広島です。いったいどんな出来事があったのかごらんください。
目次
ご縁に導かれて、尾道
「尾道は、駅が近くてこじんまりしてていい街だよ。だから今日は、尾道に泊まることにしたんだ。」
前日に『仙人が酔うほど美しい島』といわれる仙酔島へ行ったのですが、船で一緒になった方にこう言われました。旅先で知り合った人におすすめされるなんてこれも何かのご縁。明日は尾道に行こう、と、もともと宮島に行く予定だったのを尾道に予定を変更しました。一人旅のいいところはこうして予定の変更を気軽にできるところだと思います。誰かに気を遣うことも遠慮することもなく、好きに時間を使うことができます。反対に一人旅の残念なところは、夕食などで色々食べたいと思ってもすぐにおなかがいっぱいになってしまうことです...(笑)
宮島に行く目的の一つの某グルメ雑誌にて星を獲得したあなごめしは、また次回のお楽しみにすることにしました。ちなみに、仙酔島の記事もありますのでぜひ読んでくださいね。
>>仙人が酔うほど美しいといわれる島で人生感が変わる?!フォトジェニックな寺・耕三寺【生口島・仙酔島】はこちらから
尾道って...
朝食をとったあとチェックアウトし、2日間お世話になった三原の町ともここでお別れです。『楽しかったし、おいしかったよ。三原』少し切ない気持ちになりながら電車に揺られ尾道まで行きます。 車窓から見える景色は瀬戸内独特の島々の風景と温かい空気感・太陽に反射してキラキラ光る海。
何も知らない尾道はいい旅になりそうだなと、ワクワクしました。
尾道ってどんな町?
尾道といわれて思い出すのは、大林宣彦監督の尾道三部作でした。(皆さん知っていますか?)一番なじみのある作品は『時をかける少女』ではないでしょうか?
坂の町のイメージそしてノスタルジックな雰囲気を想像させる尾道。 駅はやっぱり木造かな...などと想像してたら尾道駅は思いのほか近代的な建物でした。そりゃ、時代は進むよねと時代の移り変わりを再実感しました。
時刻はまだ8時。もちろん、観光案内所も開いていません。
天気が良くて気持ちよかったので、駅の前にある公園のベンチで一人作戦会議をすることにしました。 さてこの町はどんな街なのだろう...と、周りを見渡してみると競技用のような自転車を持った人が、あちらこちらで挨拶を交わしていました。地図を見ながら目の前に流れるのは川ではなく、海だったんだと知りました。泳いで渡れそうなほど隣の島と近いこの海は、尾道水道といいます。◯◯海という名前ではないので、本当に海なのか?と信じがたいところですね(笑)
尾道の地図を片手にじっくり見ると、坂手の方から【古寺めぐり】、下手の【商店街巡り】、そして【しまなみ海道の起点】の3つが主な観光スポットなのだなと分析しました。
朝から自転車の人が多い理由は、しまなみ海道を自転車で渡るためなのかと納得しました。四国と本州を結ぶ橋は3つ。明石海峡大橋、瀬戸大橋、そしてこのしまなみ海道。唯一いつでも自転車で渡ることができるしまなみ海道は、サイクリングマニアの中では有名な様で海外からの観光客も多いのだそうです。レンタル自転車もありますので、訪れた際はぜひレンタルして走ってみてくださいね!たくさんの明るい声がこだましてきますよ。
古寺巡り
尾道名物"坂"
早朝ですと商店街も開いていませんので、まずは、古寺巡りを楽しみます。普通に古寺巡りを楽しむのではなく、携帯に頼らず、観光マップの地図を片手に持ちながら楽しむようにしています。これも一人旅ならではの醍醐味かもしれません。
早速尾道名物の"坂"のお出ましです。それもかなり急な坂。坂の町、尾道とは聞いていたけれどもそれにしても急度合は想像以上でした。少し歩いただけで息が上がるほどです。運動不足の方にはかなりいいトレーニングになると思いますよ~。
尾道の坂の洗礼を受けながらたどり着いたのは天寧寺。ここから古寺巡りが始まります!本堂らしき建物の前で手を合わせ3回大きく深呼吸すると、自然と心が落ち着きました。
旅モード開始です!さぁ古寺巡りを始めよう。
知らない町、尾道
天寧寺を通りすぎて地図を見ながら道を前に進めると、腰の高さほどの石に『古寺巡り』の文字とともに矢印がついている案内板を見つけました。とても古い案内板だったので案内板にしてはちょっと頼りない気がしたけれど、地図と同じ方向なので大丈夫でした。家と家の間や細い道がたくさんあるため、この道が本当に合っているのかと不安になるほどでした。
石の案内板がところどころにあってもこの道で正しいのだろうかと、とても不安になります。この町にはこんなに坂があるのかと嫌になるくらい坂道を永遠に登ります。道があっているのかと不安になりますが、携帯を見るのは最終手段なのでギリギリまで見ないことにしました。
いつの間にかあの頼りなかった石の案内板を見つけるたび、この道で合っていたのか、と、とても安心する存在に変わり不安でたくさんだった私は案内板のおかげで心が少しだけ軽くなりました。
猫さん
"にゃお~~"
何の声かと思えば猫の鳴き声。突然の鳴き声にびっくりしましたが、少しだけ残ってた不安が一気に吹き飛ぶ。古寺巡りで初めてであったのはこの猫でした。
"おはにょ~~"
挨拶を返してみました。自慢というか自虐といいますか...私、猫に会うと必ずと言っていいほど逃げられるんです。以前、近所の猫を手懐けるために鰹節をいつもカバンに忍ばせ会うたびに渡していましたが、懐くことはなく泣く泣く諦めた苦い思い出があるほどです。
今回ももちろん逃げられるのを覚悟して近づいてみました。そーっと近づいていき、かなり至近距離まできても猫は逃げませんでした(嬉)猫のおかげでなんとなくこの町に認められたような受け入れられたような...そんな気分になってきました。猫がいたところにまた、石の案内板が!私は思いました。石の案内板に誘導してもらおう...と。そして、石の案内板に誘導してもらうべく私は地図を見るのをやめました。一人旅なのでまだまだ時間はたっぷり!
パン屋さんとコーヒーカップ
ぽつんとパン屋さん、ネコノテパン
石の案内板に誘導してもらい、町をぶらり。途中こんな看板を見つけました。
すごいレトロな看板ですよね!本当にこのお店は存在しているのかな...と思いながらネコノテパンというお店をキョロキョロ探しました。
...ありました!坂道の途中に。アニメの中からでてきたようなお店の外観でした。もし、地図を見ながら歩いてたら出会わなかったようなお店でした。
店内は、1人入るのがやっとというほど小さな小さなパン屋さん。中に入ってみるとたくさんのパンやビスコッティが並んでいました。"ネコノテパン"と名前にネコが入っている通り、猫の額ほどいや手ほどの広さのパン屋さん。これも記念の一つに、とパンを何個か買いました。
『古寺めぐりをしてるんですが、近くのお寺だとどう行くのがいいですか?』
と、パン屋さんで聞いてみました。 買ったパンを一つ口にほおばりながら近くの寺に向かいます。いつしか鼻歌を歌っていた自分に気づいて苦笑いしてしまった。 途中神社にたどり着きました。どうやらこちらの神社は、尾道の奇祭といわれるベッチャー祭が始まった聖地である吉備津彦(一宮)神社でした。
ベッチャー祭りは毎年11月初めに行われ、面を付けた氏子と獅子が神輿とともに街を練り歩き子供を見つけると追い回し、《祝棒》で頭を叩いたり体をついたりする祭りです。叩かれると頭がよくなるという言い伝えがあるとのこと。そんな奇祭があるなんて一度見てみたいものだと思いながら次の寺へ向かいました。 次の寺には、びっくりするぐらい無骨なコーヒーカップが4つもありました!
【ネコノテパン工場】
- 営業時間:10:00~夕方まで
- 定休日:毎週火曜日、水曜日(店頭のみ)、年末年始(12/28~1/8店頭、通信)
- TEL:050-6864-4987
- 営業形態:店頭販売、通信販売
【ベッチャー祭り】
- 期間:毎年11月1日~3日
- 場所:吉備津彦(一宮)神社/広島県尾道市東土常町9-16
謎のコーヒーカップ
『ご自由にお持ち帰りください』
コーヒーカップの横にそう書いてありました。このコーヒーカップは尾道焼であり、このお寺のご住職が作ったものらしいです。なんて素敵な出会い?!』と、 感激した私は4つの中から慎重に時間をかけて自分の気持ちに合うものを選び、横にある箱にお気持ちを入れました。無骨なコーヒーカップは今、私の家のアクセサリー入れになっています。この無骨なコーヒーカップはとても暖かく、毎朝見るたびにあの尾道の出来事を思いだします。
ご当地グルメを食べて、飲んで
またまた歩き進めると前方にロープウェイが見えてきました。このロープウェイは山の上にある千光寺へ向かうみたいでした。せっかく来たから、ということでロープウェイの麓(ふもと)へ。乗り場はなんと!民家と民家の間!こんなところにロープウェイの乗り場が!?珍しすぎてびっくりしてしまいました。
ロープウェイに乗っての移動はとても気持ちいいものでした。海が目の前に広がり、しまなみ海道がくっきり見えます。町を見下ろそうと高台にある展望台に登りました。ここまででたくさん歩いて疲れたので、甘いものをチャージ!
ご当地ソフト『瀬戸内レモンソフトクリーム』
レモンソフトクリームという事でシャーベット状のソフトクリームを想像していたのですがとっても滑らかなあま~いソフトクリームでした。レモンのさわやかさと相性抜群!高台で瀬戸内の景色を見ながらのソフトクリームは最高です! 帰りは、下りなので麓まで歩いて戻ることにしました。
そろそろ商店街が開く時間帯になってきたので尾道の観光の目的の一つ、商店街散策をします。坂の町の良さは、迷ったらとにかく下ると海に出るというところでしょうか。知らない道ですが、不思議と不安はまったくありませんでした。迷ったら海に出よう、そんな気持ちでいると気分も晴れやかになりました。
商店街に着いてお酒屋さんにふらっと寄ってみると...?
じゃじゃん!瀬戸田レモンサワーが!
これは飲んでおこうとレジまでもっていくと「冷えてるのもありますよ!」とお声がけいただき、冷え冷えのを購入しました。店先でギューーーーーーっと飲む。
さて、水分補給もし、いよいよ商店街散策の開始です。いろいろなお店に入っては物色しながら出ていく。かまぼこやさん・帆布屋さん・お土産屋・スイーツ専門店にパン屋さんに...いろいろ見て回っているともうお昼過ぎに!
最後に昼食は"尾道ラーメン"にしようと思い、『日の出食堂』というお店に入りました。
お店に入ると尾道ラーメンのメニューの隣ににこんな言葉が書かれてました。
『昔懐かし中華そば尾道ラーメン。昭和20年創業『日の出食堂』の幻の味を再現した背油たっぷりなのにあっさりしたラーメン』
昭和20年といえば終戦の年。そして、8月6日8時15分、広島県に原爆が落とされた年。その同じ年にほど近いこの尾道では食堂が創業され、人々が食堂を求めるほどの日常があったという事実。それを目の当たりにしました。突然やってきた原子爆弾。今でもまるで地獄のようだったといわれ、たくさんの人を一瞬にして飲み込んだ原子爆弾。その後黒い雨が降り未だ苦しむ人がいます。原爆が落とされてから75年は草木も生えないといわれた広島でしたが、その近くで人々は食堂を創業し、前向きに生きていたんだと思いました。
「尾道ラーメン1つください」
色々考えていたので、そう言葉にするのが精いっぱいでした。ちょうど私が訪れた年は、その75年を迎えていました。草木も生えないといわれた広島は、緑広がるビルがたくさんある平和な都市になっています。私が何かできるかといわれても何もできないのが現状だけれども、せめて思う事だけは忘れないようにしようと思いました。
話がだいぶ逸れてしまいましたが、尾道ラーメン、言葉通りあっさりしていておいしかったです。
【日乃出食堂】
- 営業時間:11:00~20:00
- 定休日:月曜日
- TEL:0848-25-3644
最後に
今回の尾道一人旅は、たくさん歩いてたくさん発見した旅でした。また、歴史を振り返っていろいろなことを考えることもできました。
携帯を使わずにマップを片手に持つ一人旅。みなさんもやってみたらいかがですか?
すてきな出会いがあるかもしれませんよ?
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