目次

• 世界中からキリスト教徒が集まるベツレヘム
• パレスチナ自治区を分断する分離壁
• 世界最大？の野外ミュージアム
• 覆面アーティスト バンクシーの作品も
• ギャラリーやカフェも併設しているバンクシーホテルは必見！

世界中からキリスト教徒が集まるベツレヘム

イスラエルや、その自治区にあたるパレスチナの観光情報を調べると「ベツレヘム」という街の名前をよく見ると思います。

キリスト教となじみの薄い日本では、あまり聞くことはないかもしれませんが、イエス・キリストが生まれた街として知られ、日々世界中からキリスト教を信仰する人が多く訪れます。

イエスが生まれたとされる場所には、聖誕教会（英語では、チャーチ・オブ・ネイティビティ）という教会が建っています。その他にも、キリスト教にまつわるものがたくさんあります。

筆者がいくつかのキリスト教のスポットを訪れた際も、念願かなって涙を流している方も多くいらっしゃいました。

パレスチナ自治区の中にあるのですが、ベツレヘムに住むパレスチナ人には、キリスト教を信仰している方も多いです。

パレスチナ自治区を分断する分離壁

ベツレヘムが有名なものは、キリスト教に関するものだけではありません。

分離壁と呼ばれる（アパルトヘイト壁や安全壁などとも呼ばれます）高い壁が建設されているのです。

イスラエル側によって建設された壁は、高さ8メートルのコンクリート壁は、「テロ対策」「安全対策」を理由にイスラエル側によって作られました。

この壁の建設は、1949年のイスラエルとパレスチナの停戦ラインである「グリーンライン」を超えてパレスチナ自治区側に建てられており、いくつかのパレスチナ人の村がイスラエル側に残されたり、壁の建設によって学校や病院、職場への移動が困難になったり、農地が分断された方がいたり、パレスチナ人の生活に大きな支障が出ています。

イスラエルとパレスチナ、人種によって分断するものなので、1994年まで南アフリカで行われていた人種隔離政策である「アパルトヘイト」のようだと批判されることもあります。

そして、このベツレヘムも例外ではなく、コンクリート壁で囲まれているのです。

世界最大？の野外ミュージアム

ベツレヘムに関わらずパレスチナ自治区にある分離壁には、世界中からアーティストが訪れ、この分断と占領に対して抵抗のアート作品を残しています。

日々新しい作品が作られているので、訪問のタイミングによって違うアート作品を鑑賞することができます。

筆者は2019年に3度ベツレヘムを訪れましたが、毎回新しい作品ができており驚きました。

パレスチナ人のガイドの聞いたところ、分離壁の近くにはイスラエル兵が監視していることが多いのですが、多くの制作活動は黙認されるものの、中には妨害にされることもあるそうです。

覆面アーティスト バンクシーの作品も

分離壁のアートによる抵抗は、ベツレヘムに限らず、パレスチナの多くの地域で見られます。

そんな中、ベツレヘムのアートをとりわけ有名にしたのは、世界的に有名な覆面アーティスト、バンクシーの作品です。

バンクシーは、イギリスを拠点に活動しているアーティストで、政治的なメッセージが込められた風刺的な作品が有名です。ステンシルと言われる手法で描かれたスプレーアートで知られていて、世界中にゲリラ的に作品を制作・発表しています。

ベツレヘムにも、いくつかのバンクシーの作品があります。

ベツレヘムの中を自分が歩いて探すのは時間もかかりますし（レプリカもあります）、それぞれ距離が離れているので、地元のガイドにお願いすると彼らの収入源にもなりますし、効率的です。

タクシードライバーにも「バンクシーの作品がみたい」というと、連れて行ってくれますよ。

ギャラリーやカフェも併設しているバンクシーホテルは必見！

さらに、「世界一眺めの悪いホテル」としても知られる、バンクシープロデュースのホテルがあります。分離壁の目の前に建てられているので、眺めは最悪。ですが、その壁にはいくつものグラフィティがあるので、アート好きにとっては最高かもしれません。

ホテルの一回にはカフェも併設されています。ちょっとした軽食やビールを楽しむこともできますし、カフェ自体がアート作品のようになっていて、中にはさまざまな仕掛けがあります！

ホテルは予約困難だそうですが、素敵な内装と料理のカフェは、割といつも空いていて穴場です！

また、1階にバンクシーの作品のギャラリー、2階にパレスチナ人アーティストのギャラリーがあるので、ベツレヘムにお越しの際はぜひ訪れてみてください。

The Walled off Hotel

• アドレス：182 Caritas Street Bethlehem, Palestine
• 電話：+970 2 277 1322
• Webサイト：http://walledoffhotel.com/