たびこふれ

大好きな光の画家「フェルメール」について

記事投稿日:2020/05/18最終更新日:2022/07/04

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チューリップ

旅をしていると様々な国の美術館を訪れ多くの傑作に出会う機会に恵まれますが、その中でも私の大好きな光の画家「フェルメール」をご紹介したいと思います。

目次

画家について

小径

本名はヤン・ファン・デル・メール・ファン・デルフト。

17世紀、オランダの黄金時代にデルフトで生まれ育ち結婚。
妻の実家が裕福だったことや、彼の作品を購入していた支援者との出会いなど・・・わりと恵まれた環境で制作にあたっていたようです。
しかしパトロンの死、イギリスとの戦争、新しい画風への時代の変化などが重なりどん底の生活を余儀なくされ、家族も十分に養えないという苦悩の中、43歳という若さで亡くなっています。

そして死後およそ200年を経て19世紀に入り、再び脚光を浴びることとなります。作品数は35点前後と少なく、また彼が描いたものかどうか研究者の間で意見が分かれる作品も数点あります。

アメリカのワシントンにあるナショナルギャラリー所有の「赤い帽子の女」「フルートを持つ女」などはその例です。

フェルメールブルー

真珠の耳飾りの少女

真珠の耳飾りの少女

「真珠の耳飾りの少女」又は「青いターバンの少女」とも呼ばれるこの作品。

呼ばれて振り返ったのでしょうか?イヤリングと瞳に光が反射し艶やかなくちびる。さすがは光の画家です。

でも少し寂し気に見えるのは気のせいでしょうか。
少女が頭に巻いている青いターバン。フェルメールブルーといわれるこの青は非常に高価なウルトラマリンが顔料に使われています。
ウルトラマリンは鉱石ラピスラズリを原料とし、アフガニスタンから文字通り海を超えてもたらされた顔料です。フェルメールはこの高価な顔料を惜しげもなくふんだんに使っています。

手紙

窓辺で手紙を読む女

私が「手紙を読む女」と勝手に題名を変えていた絵(笑)
(※注)「手紙を読む女」という題名の絵はなく「窓辺で手紙を読む女」はあります。

絵の中に窓は描かれてはいませんが、光がさしこんでいることから窓があることが想像できます。窓を描いていないまれな作品です。

少しお腹のあたりがふっくらしているので妊娠しているようにも見えますが、当時のオランダ女性の一般的な服装だったという説もあるようです。

気になるのは誰からの手紙を読んでいるかということですが、絵の中に手掛かりがあります。

絵の奥の壁に、地図が掛かっているのがわかります。

当時のオランダは東インド会社の経営などで成功し黄金時代でした。商売で外国に行っている夫からの手紙を読んでいるのかもしれません。

牛乳

牛乳を注ぐ女

「牛乳を注ぐ女」

この絵のオランダ語の題名は「ミルクメイド」。牛乳を搾る女中さんという意味で、牛乳を注ぐという何気ない動作を描いた作品。牛乳を搾るだけではないこの家の女中さんがモデルのようです。

左の窓から柔らかい光が差し込み、素焼きのポットから注がれている牛乳の音が聞こえてきそうです。
この牛乳は点描画(点、点、点で描く方法)という技法を使っているようです。パンは硬そうです。牛乳に浸すのでしょうか。

風景

デルフトの眺望

女性がモデルの作品が続いたところで風景画。

2枚しかないといわれているうちの1枚で、画家が暮らした街デルフトを描いた「デルフトの眺望」。

オランダを旅すると実感する空模様、少し遠くに見える街並み、川の水面に映る建物、手前の川岸にいる人々の四部構成で見るとおもしろいと思います。

絵の奥に描かれている白っぽい色の塔はフェルメールが洗礼を受けたとされる新教会の塔で、今も旧市街に佇んでいます。

この絵を描いたと思われる場所が街の南側にあり、絵の面影を少し感じることができます。

盗まれた「合奏」

1990年3月18日 二人組の警官を装った強盗がアメリカのボストンにあるイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館からフェルメールの「合奏」を含むレンブラント、ドガ、マネの作品など13点を盗み出しました。

フェルメールの作品は過去にも盗難に遭ってはいますが取り戻しており、現在も行方不明なのはこの作品のみで今も捜索中です。

何が目的で盗むのでしょうか。

コレクターが買い取り個人で楽しむ、例えば美術品には保険が掛けれていることが多いので保険金を狙った金銭目的。例えば犯罪者の釈放を要求するなどに利用されたこともあります。盗まれてから30年、フェルメールの「合奏」はどこにあるのでしょうね・・・。

あとがき

⑧横.jpg

画家フェルメールの絵をほんの少しご紹介させて頂きました。

「真珠の耳飾りの少女」「デルフトの眺望」はオランダのハーグのマウリッツハイス美術館に、「牛乳を注ぐ女」「青衣の女」に風景画のもう一点「小径(小道)」はアムステルダムの国立美術館 に展示されています。

いつの日か会いに行ってみて下さい!

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きたみ ようこ
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