新しく「スペインでもっとも美しい村々」に認定された15の村

ビヌエサ

有名な観光都市だけでなく、素朴な小さな村も魅力的なスペイン。2019年10月の記事で、スペインでもっとも美しい村々のひとつについて書きましたが、2019年末に新たに15の村が認定され、合計94になりました。今日は新しい15の村をご紹介します。

>>「スペインでもっとも美しい村々のひとつアラゴン地方の中世感漂うルビエロス・デ・モラ」はこちら

目次

スペインでもっとも美しい村々とは?

スペインでもっとも美しい村を名乗るには、2011年に設立された"スペインでもっとも美しい村々協会"に認定されなければいけません。

人口は基本として1万5,000人以下、文化遺産的な建築物や自然に恵まれていることなどの条件を満たしていないといけないとのこと。小さいがゆえ予算がなかったり発信力がなかったりする村にとって、この協会に認定されることは町おこしにも繋がりますが、これまで多くの申請があった中で認定されたのは約20%のみとなかなか狭き門のようです。

では、15の村をアルファベット順に見ていきましょう。

サンティアゴ巡礼路にある時間の止まった村

1. アルクディア(バレアレス諸島県マジョルカ島)

Alcudia(Mallorca, Islas Baleares)
マジョルカ島北部に位置。城壁に囲まれた旧市街は保存状態がよく、古い家も残っています。城壁には、一部上に登ってぐるっと歩ける場所も。また紀元1世紀につくられた円形劇場などローマ時代の遺跡もあります。美しい海から1km少々しか離れていないことも嬉しい。パルマ・デ・マジョルカからは約55km、バスで1時間の距離です。

2. アティエンサ(グアダラハラ県)

Atienza(Guadalajara)
グアダラハラ県の北部にある、石造りの家が中世を彷彿させる小さな村。人口はおよそ450人だそうです。丘の上にはお城があったものの、今は塔だけが残っています。毎年聖霊降臨祭の日曜日(※移動祝日。5月下旬から6月上旬)には、何百年もの歴史がある馬のお祭りが開催されることで知られています。

アティエンサ

3. ベタンクリア(ラス・パルマス県フエルテベントゥラ島)

Betancuria(Fuerteventura, Las Palmas)
中央部の山にある白い村で、今は750人程度しか住んでいませんが、1834年まではカナリアス諸島の首都でした。カナリアス最初の大聖堂だったサンタ・マリア教会や考古学民族博物館などの見どころがあります。

ベタンクリア

4. カステジャール・デ・ラ・フロンテラ(カディス県)

Castellar de la Frontera(Cádiz)
イベリア半島の南端近くにあるParque Natural Los Alcornocales(コルク樫自然公園)に位置します。12~15世紀にかけてつくられたカステジャール・デ・ラ・フロンテラのお城と白く小さな村は、町から10kmほど離れたダムの近くにあります。

5. カストリージョ・デ・ロス・ポルバサレス(レオン県)

Castrillo de los Polvazares(León)
アストルガから8km弱離れた、サンティアゴ巡礼路にあります。赤っぽい石畳の道と同じ色の石の家が特徴で、時間が止まったような村です。100人くらいしか住んでいない村ですが、有名な郷土料理のマラガト風コシードを食べさせるレストランが何軒かあるのでぜひ食べたいですね。

カストリージョ デ ロス ポルバサレス

北部グリーンスペインにはハイジが住んでいそうな村も

6. クジャ(カステジョン県)

Culla(Castellón)
カステジョン県内陸部の緑の山の中にある村です。アラブ時代の要塞だったお城がありましたが、19世紀の王位継承戦争時に無残にも壊されてしまったそうで、その跡が残っています。中世の香りが漂う村で古い教会や病院、牢獄などが残っています。

7. モグロベホ(カンタブリア県)

Mogrovejo(Cantabria)
スペイン北部のグリーンスペインとよばれる緑深い地方の、高い山々の連なるピコス・デ・エウロパ自然公園の近くにあります。日本人のイメージするスペインとは異なる、まるでアルプスのような雰囲気を持つ村です。

モグロベホ

8. モンテアグード・デ・ラス・ビカリアス

Monteagudo de las Vicarías(Soria)
日本人にはなじみのないソリア県の端の荒涼とした土地に位置します。城壁が残っているほか、中世の要塞だったお城やゴシック様式の教会などがあります。

9. オリベンサ(バダホス県)

Olivenza(Badajoz)
ポルトガルとの国境から13kmほど離れた白い村で、1801年まではポルトガル領でした。驚くことにポルトガルは今も領有権を主張しているのだとか。16世紀建造のマグダレナの聖マリア教会には、ポルトガル風のアスレホ(ポルトガル語ではアズレージョ)が残っています。

10. パストラナ(グアダラハラ県)

Pastrana(Guadalajara)
グアダラハラ県南部に位置します。スペインのTVドラマにもなった片目のエーボリ姫が幽閉されていた公爵屋敷やアビラの聖テレサが16世紀に設立した修道院があり、14世紀建造の教会の中には、ポルトガルのアルフォンソ5世王のコレクションだったというゴシック期のタペストリーも。毎年"公爵祭り"が開かれることでも知られています。

パストラナ

なんと火山のクレーターのへりに建てられた要塞

11. ポレンサ(バレアレス諸島県マジョルカ島)

Pollença(Mallorca, Islas Baleares)
先ほどご紹介したアルクディアから10km少々しか離れていない町です(どちらも村というよりは町と言った方がしっくりきます)。石畳の道や石造りの古い家が並ぶかわいらしい雰囲気。ゆるやかな365段の階段を登ったところにある聖堂からは、町を一望することができます。

12. ポンテ・マセイラ(ア・コルーニャ県)

Ponte Maceira(A Coruña)
キリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラからフィニステレ岬を結ぶ巡礼路にあるので、昔から多くの巡礼者が立ち寄った村です。タンブレ川にかかる13世紀につくられた石の橋がシンボル。

ポンテ マセイラ

13. ロブレディージョ・デ・ガタ(カセレス県)

Robledillo de Gata(Cáceres)
緑多い山間にある人口90人の小さな村。粘板岩と木、土を使った特徴のある家々が見られます。中世から20世紀後半まで使われていたオリーブオイルの搾油所が、オリーブオイル博物館になっています。村のまわりではトレッキングを楽しむことも。

ロブレディージョ デ ガタ

14. テギセ(ラス・パルマス県ランサロテ島)

Teguise(Lanzarote, Las Palmas)
ランサロテ島の内陸部に位置。15~19世紀は島の首都でした。旧市街から1kmほど離れたグアナパイ火山の上、ちょうどクレーターのへりに、15世紀に建てられた要塞のサンタ・バルバラ城があります。Santa Barbara Lanzaroteで検索し、Google Mapを航空図で見てみると面白いですよ。

テギセ

15. ビヌエサ(ソリア県)

Vinuesa(Soria)
聖母ピノ教会、17世紀に建てられたビルエーニャ侯爵邸などの見どころがあります。ダウンのせいで水没している2世紀建造のローマ橋は、水位が低くなると姿を現すそうです。ポルトガルのオポルトで大西洋に注ぐドゥエロ川は、この村の近くの山が水源で、村の横を流れています。この記事のTOP画像がこの村です。

最後に

この新しい15の村以外にも、既に認定されていた79の村があります。>>こちらのサイトから確認できます

近くの都市や町へ行く機会があれば、ぜひスペインでもっとも美しい村にも足を延ばしてみてくださいね。

※写真提供:Los Pueblos más Bonitos de España(スペインでもっとも美しい村々協会)

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田川敬子(Keiko Tagawa)

1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。

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