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カトマンズ盆地でネパールの雨季のお祭り、ジャナイプルニマとガイジャトラを楽しもう!
ナマステ!ネパール・カトマンズ近郊在住のヒヅメです。
ネパールの雨季は大体日本の5月頃から始まり、11月頃までと言われています。雨季の間は足元が悪くなるのでトレッキングに向かないのですが、一方で、町中でネパール文化を感じることができるお祭りがたくさん開催されています。
というのも、雨季は田植えの時期。農耕が盛んなネパールでは、昔から一年の豊作を祈るお祭りが雨季に集中しているんです。また、ネパールの新年は雨季の始まりにあるので、一年の健康を祈願する時期でもあります。
今回は、外国人でもきっと楽しめる雨季のお祭り、『ジャナイプルニマ』と『ガイジャトラ』についてご紹介します!
目次
- ジャナイプルニマとは?
- ジャナイプルニマの日、田んぼにもお供え物をする
- ジャナイプルニマが終わると次はガイジャトラが始まります
- ガイジャトラの盛り上げ役『ラケー』が激しく踊る!
- お祭りをとおしてネパールのディープな世界を体験してみよう!
ジャナイプルニマとは?
ジャナイプルニマは、一年の健康を祈願して、腕に赤と黄色の紐を巻き付けるお祭りです。毎年、大体8月ころに行われます。この日は、朝からヒンドゥー教の寺院に参拝客が押しかけます。
参拝客は各々お祈りを終えたあと、寺院から赤と黄色の紐を持ち帰り、家族に右手の手首に巻いてあげるのです。(ラクシャ・バンダンというおまじないの儀式です)
<みんなで右手首に紐を巻く>
この紐はドゥロと呼ばれていて、しばらく後にあるお祭り、ティハールまでつけているようにします。ティハールの際に雌牛の尻尾に縛り付けると、自分が亡くなった後、良い輪廻転生をすることができる、という言い伝えです。
朝のお祈りを終えた後は、お家で9種類の豆が入ったスープカレーを食べます。私の家は、ネワール族という民族で、この民族特有の水牛のテールスープベースの味付けです。田植えが終わり、雨季の真っ只中の今の時期は寒暖差があり体が冷えます。そんな時に、豆のスープで体を温めて健康に過ごそう、という意味が込められたレシピだそうです。
<ネパールの伝統メニュー、ダルバート。写真下のボウルが豆のスープ>
<いつもはダルというスープだが、この日は特別。9種の豆が入っている>
また、カトマンズの中にあるパシュパティナートや、ダルバールスクエアなどの大きな寺院では、多くのネパール人が参拝している姿を見ることができます。
大きな寺院では観光客でも、ドゥロを巻いてもらえます。寺院で座っている僧侶がたくさんいるので、お布施として10〜20ルピーほどを払うとティカ(おでこの赤い印)と一緒にドゥロを巻いてくれますよ。
特にパシュパティナートではサドゥ(修行僧)たちの姿を見ることができます。他にも猿の姿をした神様のハヌマンとも会えるかもしれません!サドゥも、ハヌマンも、お布施(10ルピー程度)を払えば一緒に写真を撮ってくれます。
パシュパティナート
ネパールで一番大きなシヴァ神を祀るお寺。ガートと呼ばれる火葬場があることでも知られる。
ヒンドゥ教徒以外は寺院の中に入ることはできないが、境内でも十分に観光を楽しめる。
ジャナイプルニマの日、田んぼにもお供え物をする
この儀式については、行う民族と、行わない民族に分かれているようです。私が住む農村では、ジャナイプルニマの日に、田んぼのカエルに一年の豊作をお願いします。
<カエルにお供えするための小さなダルバート。赤いのはお祈りをした印のティカ。>
小さな葉っぱのお皿にご飯と豆のスープ、野菜を盛り付けて田んぼに持っていきます。
<自分の田んぼについたら、マントラを唱えながら四隅にお供え。カエルは田んぼの神様といわれているそう。>
ジャナイプルニマが終わると次はガイジャトラが始まります
ガイ(牛)ジャトラ(お祭り)は、亡くなった人の魂を慰霊して送り出すお祭りです。実際に現地で見てみると、日本のお盆に近いお祭りに感じられます。
ジャナイプルニマがネパール人みんなが行うお祭りなのに対して、ガイジャトラはネワール族のお祭りです。ネワール族が多く住む旧王宮周辺で見ることができます。旧王宮があるのは、カトマンズ(ダルバールスクエア)、パタン(パタン・ダルバールスクエア)、バクタプールの3つが有名。他にも、ネワール族が住むエリアでは盛大にお祭りが開かれます。
この記事では、筆者が住んでいるカトマンズ近郊の農村(ラリトプール群レレ村)のお祭りの様子をご紹介します。
<ラケーという鬼。太鼓などの音に合わせて激しく踊りながら村を練り歩く。>
ガイジャトラの盛り上げ役『ラケー』が激しく踊る!
初見は完全に「(秋田の)なまはげだ!!」と思いました。ちょっと怖い顔をしたラケーは、悪い子供を食べてしまう人食い鬼です。また、盗みをはたらくこともあるそう。
ガイジャトラの日は、村人の太鼓とネパール版シンバルの音に合わせて、かなり激しく踊ります。
<衣装は地域によって様々。髪の毛を振り乱す様子がかっこいい。>
ラケーの踊るリズムや衣装のデザインは、地域によってかなり差があるよう。私の住む村では三三七拍子をベースに、ネパールの民族音楽でよくある裏拍が掛け合わされています。とっても、エキサイティングなリズムです!
私の村では、ラケー役は男性にとても人気があります。若い男性と、男の子がやることが多いですね。私の周りのネパール人のおじさまたちは、「俺も若い頃はラケーをよくやったんだ...」と話してくれます。とても、名誉な役目であることが伺えます。
<通る車や人を片っ端から止めて、お布施をもらう。お金をあげるまで車の前をどかない。>
ガイジャトラのもう一つの見どころは、過去1年に亡くなった方を慰霊して、その魂の輪廻転生と田畑の豊穣を表現する子どもたちのパレード。
ラケーが踊り狂いながら村の家々を巡り、その一年に親族が亡くなった家庭からは、子どもたちが連れ出されていきます。ラケーに先導されて、数時間で子どもたちが集合。男の子は牛の格好をして、女の子は田植えをするときの動きやすい野良着を着て集まります。
牛は、亡くなった方の魂を死後の世界に送り届ける乗り物として信じられています。(だから、ヒンドゥ教徒は牛肉を食べません)牛が死者の魂を送り出す様子も、パレードで再現されているんです。
<牛の格好をした子どもたち。親族が亡くなった家の男の子、と決まっている。>
死者の魂を送り出したあとは、牛の格好をした子どもたちが田んぼを耕し、ご飯を食べながら休憩して、女の子たちが田植えをする...稲作の一年間の様子がパレードで再現されます。
地元の人に意味を聞いたところ、一連のパレードは牛に対しての感謝の気持ちを表現しているのだそうです。黄泉の国では死者の魂も送り出してくれ、現実の世界では畑仕事を手伝ってくれる、どちらに対してもありがとう、と感謝をして、今年もよろしくお願いします...とお願いをするんだそうです。
レレ村への行き方
- パタンにあるラガンケルバスパークからローカルバスで約2時間。
- タクシーだと、タメルから約3,000ルピー、1時間半。タクシーだと途中で停まらないので早く着きます。
ラガンケルバスパークの場所
パタンの一番大きなローカルバスのバスパークです。行き先を書いた紙を持っていきバスの近くにいる人に見せれば、乗るべきバスまで案内してくれます!
レレ村の場所
カトマンズ盆地から近い農村です。日帰りで訪れることができるので、最近はカトマンズからのサイクリングツアーも人気です。
お祭りをとおしてネパールのディープな世界を体験してみよう!
ネパールの雨季の代表的な2つのお祭りをご紹介しました。この2つが始まると、ネパールのお祭りシーズン到来、という雰囲気が国内に漂います。ここから半年はお祭りづくしです!
ネパールのお祭りの日は毎年少しずつ変わります。今回ご紹介した2つのお祭りは、毎年大体8月に開催されます。夏休みの時期とも重なりますので、ぜひ、この時期にネパールを訪れてみてはいかがでしょうか。ネットを検索してもらうと、その年のお祭りが何月何日にあるか情報がでてきます。ぜひ、見てみてください!
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ヒヅメ ヒトミ
- ネパール・カトマンズ近郊の農村に住んで、農業中心の生活を満喫しています^^現地の生活者目線で、日本人に伝えたいネパールの文化・旅行情報を発信中!