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タヒチアンダンスの祭典『ヘイバ・イ・タヒチ』に行ってみよう!
イアオラナ~!!
タヒチは最近とっても涼しく過ごしやすくなってきました。タヒチが涼しくなってくると?それはヘイバ、お祭りの季節がやってきたことを意味します。
<HEIVAバックのタネ ©︎Tahitiscape Photography>
<バヒネベジタル ©︎Tahitiscape Photography>
毎年1回行われる歌と踊りの祭典Heiva I Tahitiは今年は7月4日開幕です。
<ヒビナウ白ジュップベジタル ©︎Tahitiscape Photography>
<タムレ2人 ©︎Tahitiscape Photography>
目次
ヘイバの歴史
1797年にタヒチにやってきたイギリスの宣教師たちはタヒチに降り立った際、歓迎のために踊られる開放的で官能的なダンスを見て不道徳だとし、タヒチアンダンスは本来あるべき姿で踊ることを禁止されてしまいました。
その後、ポマレ王朝が興り、ポマレバヒネ4世の時代、1845年ごろからタヒチアンダンスを文化として復興・保存していこうという動きが起こります。
そして、ついにポマレ王朝最後の王ポマレ5世がフランスに政権を受け渡した翌年の1881年の7月からヘイバの先駆けとなるTiuraiという催しが行われるようになりました。Tiurai(ティウライ)というのはタヒチ語で7月を意味し、毎年7月に行われる催しとして、のちのHeivaと名前を変えて今でも7月に行われるのが習わしとなりました。
タヒチアンダンスは、老若男女がこよなく愛すタヒチの文化であり、自分たちのアイデンティティとして誇りを持っています。
今年のヘイバのプログラムと大会の見どころ
<プログラム表紙>
今年のヘイバは13のダンスグループと15の歌のグループがトアタスタジアムに会します。先人たちの伝説を歌い、遠い昔から受け継がれた表現によって、タヒチの文化の心臓を、その鼓動を体現し得るのです。
毎年、Heiva I Tahitiは何千もの参加者と観客を魅了します、それがこの催しの要であり、醍醐味です。毎年、新たな価値を見出すクライマックスには、目に焼き付いて離れない濃縮したメッセージが最高潮に達し、その会場にいるすべての人が一体となるのです。
<ラヒリ>
今年のヘイバ本戦は6日間にわたり行われます。
初日の開会に当たっては、Rahiriと呼ばれる儀式が執り行われます。
この儀式は、平和と静寂を象徴し、すべての参加グループのリーダーと審査団が白い衣装をまとい、大会の最後まで互いに敬意を持つことを誓います。この短い式典は感情の激しい振動を呼び起こし、参加者のみならず、観客にまでこの祭典の情熱を伝えます。
Rahitiが終了すると、本戦が始まります。
歌は、3つのカテゴリーからなり、タヒチ島の歌(Tarava Tahiti)、リーワード諸島の歌(Tarava Raromata'i)、オーストラル諸島の歌(Tarava Tuha'a pa'e)に分けられて競われます。
ダンスは、プロフェッショナルグループ(Hura tau)とアマチュアグループ(Hura ava tau)の2つのカテゴリーに分かれます。
毎日、それぞれのカテゴリーから1~2グループずつがステージに立ち、数か月間練習してきた成果を発表します。
チケットの売れ行きから見ると、7月5日と7月13日は販売初日にセンター席が完売するという人気ぶりだったので注目されているようです。
ヘイバの準備
ヘイバの準備は、とても長く、構想から入れると1年以上を要する壮大なスペクタクルです。
それぞれのグループの歌やダンスにはテーマがあり、そのテーマに沿って物語が展開され、それをダンスや歌で表現をします。7月5日に出場するプログループのHitirevaを例にとると、テーマは「Tupaia-Qui es tu?(トゥパイア、あなたは誰?)」というテーマになっています。
ヘイバ当日プログラムが始まる直前になると会場ではどのようなストーリーなのかをタヒチ語、フランス語、英語で説明してくれるのですが、それまではどんなストーリーなのかは、どのグループも明かさずテーマのみを発表します。
トゥパイアはライアテア島の大司祭だったといわれています。また、イギリスの冒険家キャプテンジェームズクック船長の航海に同行し、まだポリネシアの地図がなかったころ周りの島位置関係を把握する知識を買われて航海の案内役を務めたり、ニュージーランドのマオリ族との交渉の際にマオリ語とタヒチ語が似ていたため通訳を務めたりすることでポリネシア圏の言語的なつながりを発見したりと、クック船長の航海に大きな功績を残した人物です。
そんな彼をどのように物語にして表現してくれるのか、今から想像が膨らんで楽しみになりますね。
それぞれのグループはテーマを基に、シナリオが作られ、それをダンスとそれに伴う音楽とで表現をします。
早いグループは1月からすでにダンサーを集め準備を開始します。大体どのグループでも3月にはダンサーの選考が終了し、本格的な練習に入ります。全員で物語を表現するために、細かい表情や振り付けを覚えるためにあくる日もあくる日もみんなで練習をします。時には、物語の著者やグループのリーダーがストーリーの章ごとにどのような物語でどのような表現が必要なのかを事細かに説明をし、全員が同じ理解になるように努めます。
このように、4か月以上にもわたる練習を経て、それぞれのグループが本番を迎えます。
1グループに与えられた時間は1時間。その1時間を最大限に使ってグループ全体でテーマを、物語を、喜びを、悲しみを、怒りを、愛をダンスと歌に合わせて表現します。この物語と表現が高く評価されたグループが最終的に優勝することとなります。
評価のポイントは、もちろん物語の内容やダンスの表現力・技術力・調和を見られますが、そのほかに衣装や音楽隊の技術、ソロダンサーなどの評価も加わります。
<ミュージシャン ©︎Tahitiscape Photography>
<メイヤーダンサー赤コスチューム ©︎Tahitiscape Photography>
ヘイバは参加者と観客で作り上げるものです。
数か月にも及ぶきつい練習を経てステージに立つダンサーやミュージシャン、アクターのボルテージは最高潮に達し、観客の熱気と相まって大きな生命を感じます。ヘイバの夜には感動という新しい息吹が誕生します。
今年のヘイバは7月4日から20日まで開催しています。また、同時開催でタヒチの伝統競技の重量挙げややり投げなども日中に行われます。
<重量上げ ©︎Tahitiscape Photography>
<やり投げ ©︎Tahitiscape Photography>
本戦は13日で終了し、7月19日と20日には入賞グループのショーをまとめて見られるオイシイ日程もあります。
ぜひ、皆さんも感動で鳥肌が立つ歓喜に包まれてみませんか。
<グロンコスチューム決めポーズ ©︎Tahitiscape Photography>
ナナ~!
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ポエラバ
- タヒチ在住。タヒチの文化に魅せられて移住、メイドインタヒチの生情報を発信します。