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タヒチの台所に欠かせない2つの食材「ココナッツとウル」
イアオラナ~
タヒチのイメージといえば、青い海、どこまでも続く白砂のビーチ、太陽まで届きそうな大きなココナッツツリー。
そしてタヒチでは「ウル」と呼ばれる木の実が歴史的にも重要なキーワードです。
今回は、その2つの食材にフォーカスし、昔からタヒチの人々に親しまれてきた料理方法を紹介します。
目次
その1:ココナッツ
ココナッツは古くからその有用性に注目され、近年ではココナッツオイルが注目を集めましたね。
ココナッツの実は弾力のある固い繊維に覆われており、中には硬い殻の実が入っています。表皮は非常に丈夫で、その昔はココナッツの皮を足の大きさに切り取って靴としても使われていました。また、繊維部分は焚火の際の燃料としても使われます。
ココナッツの実は半分に割ると中にはココナッツウォーターが!その昔タヒチの島々ではまだ海水のろ過技術が十分に導入されていなかった時代、水不足の時には島民の命の水となりました。
ココナッツの実の白い部分は削り取って布で絞るとココナッツミルクとなり、絞らずに天日干しにするとココナッツオイルが抽出されます。絞った後のココナッツの実の繊維はお菓子などの風味づけとして使われます。
削った後の殻はお皿としてつかいます。
ご覧のように、ココナッツは全く無駄なところがないんです。捨てるところはひっとつもありません!
タヒチの家庭料理ポワッソンクリュにはココナッツミルクが欠かせません。搾りたてのココナッツミルクで作ったポワッソンクリュは本当に格別においしいです。
また、ココナッツの実から抽出されたココナッツオイルはタヒチの伝統的な香油・モノイオイルの原料となり、ココナッツオイルにタヒチのお花ティアレ・タヒチを漬け込んで作ったものが代表的です。
タヒチの生活はココナッツなしでは語れませんね。
作ってみよう!ポワッソンクリュのレシピ(2~3人分)
【材料(2~3人分)】
- マグロ・・300グラム
- きゅうり・・1本
- トマト・・1個
- レモン・・お好みで
- 玉ねぎ・・1/2個
- ニンジン・・1/2本
- キャベツ・・1/8個
- ココナッツミルク・・400ml
- 塩・コショウ・・少々
【作り方】
- 1. マグロは小さめにぶつ切りにし、きゅうり、トマト、玉ねぎ、キャベツは小さく刻んでマグロと和える。
- 2. そこにココナッツミルクを和えて、塩コショウで味を調えるだけ!
- 3. お好みでレモンを絞るとさっぱり感がまします。
サラダ感覚で食べられ、ビールのおともに最高です。
その2:ウル
タヒチの食生活に欠かせないものといえば、もう一つ。ウルです。
1788年にイギリスのバウンティー号という船が西インド諸島の奴隷の食料としてウルを採取しに来ました。しかしながら、バウンティー号がタヒチに到着した時、タヒチはウルが不作の時期。船員たちはウルの苗木が育つまで待つこととなります。数カ月をタヒチで過ごすうちにタヒチの人々のやさしさに触れ、中には恋に落ち、タヒチを去りたくないと思う船員も出てきました。
しかしながら、国からの勅命を受けてきたウィリアム・ブライ船長はバウンティー号の出航を断行します。ブライ船長の厳格な性格を受け入れられなかった船員たちは反乱を計画し、ブライ船長を船から追い出し、いかだにのせて追放してしまいます。。。かの有名なバウンティー号の反乱はなんとウルから物語が始まっていたなんて驚きですね。
この反乱は、当時でも大変な話題となり、多くの文学作品や映画を生みました。興味がある方は是非、1984年メル・ギブソン主演の「バウンティ/愛と反乱の航海」を見てみてください。
この注目される木の実はとっても栄養価が高く、調理方法もいたって簡単です。
タヒチでは昔から、たき火にくべて外が真っ黒に焦げるまで焼くと、中がホクホクとしたパンのような食感になることから「パンの木」と呼ばれたともいわれています。実際に食べてみると納得!本当にほんのり甘くてもちもちしています。
なかなかウルをとってきて自分で調理するのは大変ですが、試してみたい方は朝のマルシェに行ってみてください。タヒチの主食になるパンノキ、タロイモ、フェイ(加熱して食べるバナナ)などが入ったパックが500フラン程度で購入できます。
それに少し手を加えてフライドポテトならぬフライドウルにするとこれがまた絶品!!一度食べたら止まりません。
なんだかお腹が空いてきましたね。
今日はここまで。おいしいウルを探しに行ってきます。
ナナ~
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ポエラバ
- タヒチ在住。タヒチの文化に魅せられて移住、メイドインタヒチの生情報を発信します。