ハンガリー名産のあの野菜を使ったナチュラルスキンケア

目次

ハンガリー料理は〇〇尽くし

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<ハンガリー風ロールキャベツ>

ハンガリー料理を見ると、どれもこれも赤い色。トマトベース?とよく聞かれます。実は、これはパプリカです。種類によって辛さは異なりますが、見た目よりも優しい味わい。欧米のお料理はお野菜少なめなイメージですが、ハンガリー料理にはパプリカがたっぷり入っています。

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市場やスーパーマーケットにはパプリカがずらり。どのご家庭の冷蔵庫にもあるといっても過言ではないほど、当地の食文化には欠かせない野菜です。

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調味料として使うパプリカパウダーやペーストも市販されており、お土産としても人気があります。特に、スパイシーな物がお好きな方には、辛いパプリカで作られたErős Pista(エルゥーシュ ピシュタ)がおすすめです。スープに入れても良し、ステーキに付けても良しの逸品!瓶詰は持って帰りにくいですが、チューブ入りならスーツケースに入れても割れる心配はありません。

美容に欠かせない大発見とは?

「ビタミンCを多く含む食品は?」と聞かれると柑橘類を思い浮かべる方が多いはず。同じ質問をハンガリーで聞くとどうでしょう。皆さんそろって「パプリカ」と答えます。その理由は、世紀の大発見にありました。

なんと、このビタミンCは、ハンガリー人がパプリカから見つけたものだったのです!1937年にノーベル生理学医学賞を受賞したハンガリー出身のSzent-Györgyi Albert(セント・ジュルジ・アルベルト)が見つけ出しました。そのため、当地では「ビタミンC=パプリカ」と認識されています。

そのビタミンC含有量は、野菜の中でもトップクラス。美肌をつくる食材なのです。煮込んだり、炒めたり、新鮮なままサラダで食べたり、酢漬けにしたりとお料理のバリエーションは豊富。ハンガリーでは、子どもからシニア世代まで毎日のように食べる野菜です。

名産品を使ったスキンケアグッズ

さらには、食べるだけではなく、美容グッズにもパプリカを使います。

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<出典:Ilcsi official Facebook>

ハンガリー名産のパプリカをスキンケアに使うのは、この国ならではのアイデア。肌からもその栄養を取ろうという発想です。例えば、ボディーローションやトリートメント、ファイスパックなどの商品があります。

野菜からどのように化粧品を作っているのか気になりお願いしたところ、今回、ある工房を特別に見せていただけることに!

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案内してくれたのは、Ilcsi 現社長のフェレンツ・モルナールさん。中に入ると、柔らかな、どこか懐かしい香りがします。奥の部屋へ行くと、棚にはたくさんのカラフルな瓶。各々にはラベルがついていて、植物の名前が記されています。

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パプリカからエキスだけを抽出するのではなく、独自の製法で植物のパワーを最大限に生かしているそうです。この赤い色から想像するような刺激的な香りはありませんでした。

使用感も気になるところ。実際にパプリカのスキンケアグッズを塗ると肌がヒリヒリします。体質に合わなかったのかな...と思ってしまいますが、これがパプリカの効果。その中に含まれるカプサイシンは、肌に塗ると血行やリンパの流れを良くしてくれるため、火照るように感じるのです。

出かける用事がない時に使用するのがベター。なぜかというと、使った後に肌が少々赤らんでしまうから。時間が経つと赤みは引いていき、肌は引き締まっていきます。

パプリカ製品は、特に顔の血色がよくないとお悩みの方が使っているようです。商品の説明によると、ニキビ肌にも良いそう。またビタミンも豊富に含んでいるので、弾力を失った肌にも◎。

しかし、効果には個人差があります。皮膚に疾患をお持ちの方や敏感肌の場合は、使用前に医師や専門家に相談することをお勧めします。

ハンガリーを代表するエステティックブランド

このパプリカから作られたスキンケア商品を生み出したのは、エステティックブランドIlcsi(以下、イルチ)。ハンガリー政府により、国を代表する価値あるもの(HUNGARIKUM/フンガリクム)として認定されています。

始まりは、現社長のお母さま、美容家のイルチ・モルナールさんが自宅の台所で手づくりしていたクリームから。その評判が口コミで瞬く間に広まっていきました。ホームメイドでは手に負えなくなり、イルチを設立したそうです。そして2018年に60周年を迎えました。

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<出典:Ilcsi official Facebook/自社農園で手摘み収穫>

今でも自社農園でオーガニック栽培したハーブや果実、野菜などを使い、手仕事にこだわった方法でつくっています。

今では、資格を取得できる美容専門コースを設け、教育にも尽力。自家製クリームから始まったイルチは、現在、美意識の高いハンガリー人女性からだけではなく、世界中で愛されるブランドになりました。

旅の疲れを癒すエステサロン

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試してみたい、お土産に買いたい方は、2015年に首都ブダペストでオープンしたイルチ美容サロンを訪れてみてください。多種多様なスキンケア商品が揃っているだけでなく、エステやマッサージなども受けられます。

50分のイルチフェイシャルマッサージは11,000フォリント(約4,400円)。性別に関係なく同じ値段です。お安いわけではないですが、特別な旅の思い出にハンガリーのナチュラルスキンケア体験はいかがでしょうか。

ILCSI SZÉPSÉGMANUFAKTÚRA(イルチ美容サロン)

■住所:1012 Budapest, Attila út 79.
■電話:+36 20 410 8740
■メール:info@szepsegmanufaktura.hu
■HP:http://szepsegmanufaktura.hu/en/
■開店時間:月~木 10:00-20:00/土 9:00-14:00/日曜日は定休日

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武田友里

ハンガリーの首都ブダペスト在住。当地の大学院でメディア学を専攻。現在は、紀行番組を始め、様々なジャンルの取材・撮影を手掛けるコーディネーターです。在住者の医療事情がわかる『ハンガリー暮らしの健康手帖』を運営・執筆中。

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