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台湾パイナップルケーキの名店「サニーヒルズ」の東京店。日本限定素材のスイーツがいただけます
台湾発のスイーツブランド「SunnyHills(サニーヒルズ)」のとびきりおいしいパイナップルケーキ。台湾のお土産はこれでなくては!と私も含めて熱狂的なファンが数多くいます。そんな銘菓が日本限定の素材でつくられ、都内にある2つの店舗で買うことができるのを知っていますか?
目次
理想の手土産
台北で購入したSunnyHillsのパイナップルケーキ。家で味わい、旅の余韻に浸ります
パイナップルケーキといえば、お茶に並んで台湾を代表するお土産。さまざまなパイナップルケーキが台湾内にある各社の直営店やお土産店に並んでいます。スイーツ好きな私はこのケーキ特有の豊かなバターの風味と、甘さと酸味のほどよいバランスの虜になっているのですが、なかでもSunnyHillsの商品に強く惹かれています。
簡素なパッケージも魅力。創業者マイケルが自転車に乗るイメージのロゴがかわいい
一年中陽光が満ちあふれる、温暖な台湾・南投県の畑で育まれる無農薬パイナップル。その上質な果実をじっくりと煮込み、熟成させたジャムを用いたSunnyHillsのパイナップルケーキ。保存料や合成添加物を用いず、手間を惜しまずにつくられています。口にするたびに、つくり手の誠実な心が伝わるおいしさに深い感銘を覚えます。また、クラフト紙を使ったモダンでシンプルなパッケージの持ち運びにほどよいサイズ、手提げ袋のサービスも気が利いていて、贈る相手が喜ぶ顔が思い浮かび、嬉しい気持ちで買い求めています。直営店も台北市内では中心部の「SunnyHills To-Go新光三越店」や、台北松山空港近くの「SunnyHills台北店」、台湾桃園国際空港第2ターミナル内の持ち帰り専門店「SunnyHills To-Go 桃園空港」、それぞれが滞在から帰国までの流れのなかで、スムーズに買える絶妙な立地。そうした購入者の利便性や満足感を熟知した販売の体制を称賛したくなります。
神聖なヒノキの安らぎに包まれるフラッグシップ店
南青山の閑静な住宅街に建つ、ヒノキの木組みが特徴的な「SunnyHills南青山店」。一度組むとはずせないほど強固な構造となるため「地獄組み」と呼ばれています。
2年前、台北の旅から戻った私は、東京・南青山にSunnyHillsのパイナップルケーキが購入可能な直営店があることを知り、すぐに訪ねました。有名ファッションブランドのショップが並ぶ華やかな通りから分け入る静かな路地沿いにその直営店は立っています。東京オリンピックのメイン会場、新国立競技場を設計する隈 研吾さんが手がけた建物。伊勢神宮でも用いられている岐阜県東濃地方産のヒノキを組んだ建物全体がまるで森のように見えます。日本の木造建築に伝わるこの木組みは内部から外に貫通する梁を支える役割も果たしています。ぬくもりある木を活かす建築を探求している隈さんならではの設計といえましょう。建物全体のふんわりとやわらかなかたちは地域の景観によくなじんでいます。
お客さんを迎えるグランドフロア。階段脇には植物が茂り、庭が建物内に続いているように見えます。森に抱かれるような、安らかな心地になります
自分の力で漕ぎ、自動車のように楽はできない移動手段。手を抜かず、手間を惜しまないSunnyHillsのお菓子づくりのシンボルと考え、自転車を店に展示しているそうです
奉茶の精神でおもてなし
木洩れ日のような灯りになごめる1階。お客さんにブランドを紹介しながら、おもてなしする空間で、管楽器の表面板にも用いられる木材トウヒでつくったテーブルを配置。
グランドフロアから階段を上がった1階には、サニーヒルズ南青山店の特徴的な空間が控えています。台湾・南投県で創業した当初、店舗をもたなかったSunnyHills。お菓子づくりをする南投県の創業者の住居兼工房までパイナップルケーキを求めに遠くから買いに訪ねてきたお客さんが多くいたそうです。台湾には家まで遊びに来てくれた人をお茶でもてなす「奉茶」の習慣が伝統的にあり、わざわざ足を運んでくれたお客さんに、お茶とパイナップルケーキをふるまったとか。その奉茶の精神を踏襲して南青山店ではブランドの説明をしながら、台湾のお茶とパイナップルケーキでもてなしています。
パイナップルの輪切りをデザインした、パッケージは日本だけのもの
木製の椅子トーネットに腰掛けてリラックス。この名作椅子、しかも目立たない黒色を選ぶことからも高い美意識が伝わってきます
お客さんに供するお茶とパイナップルケーキ。日本で販売するケーキは台湾のものと異なり、いちばん甘くなる夏季に収穫されたパイナップルだけを使用。またクッキー生地にはフランス産の発酵バター「エシレ」を用いていて(台湾のものはニュージーランド産のバターですっきりとした味わい)、口にした瞬間に芳醇な香りが立ち上がってきます。日本人の嗜好をリスペクトした、日本限定のケーキなのです
石草流の先生が活けた草花。周囲の環境に溶け込み、主張しない活け方が、自然を大事にするSunnyHillsのスタイルにフィットしています
やさしい酸味とほのかな甘みのパイナップルジュースも販売。添加物は未使用。完熟した果実をじっくり煮詰め、シンプルな工程でつくられています
上層(2階)の打ち合わせ室。こんな気持ちのよい場所で働いてみたい!
持ち帰り専門の自由が丘店
2018年4月27日、自由が丘にオープンした「SunnyHills To-Go自由が丘」
この春、身構えずに、気軽にふらっと立ち寄れる直営店「SunnyHills To-Go 自由が丘」がオープンしました。こちらは持ち帰り販売のみの店舗で、新商品をいちはやく買える場にもなります。この街はスイーツの人気店が集まり、週末には駅の北口側が賑わいます。そこで、ゆったりとした心地で手土産の買い物を楽しんでほしいという配慮から、静かな南口側の喧騒から離れた路地を開店の場所に選んだそうです。取材時に、店の周辺を歩きまわってみたのですが、自転車に乗った地域住民の人たちが目立ち、通り中央の緑地帯にはベンチで休んでいる人も多く見かけました。平穏、静寂を尊ぶ気遣いに感心した次第です。
自由が丘駅南口側の九仏川緑道。大きな木が並び、茂る葉が広く影を落とします
スチールパイプ構造の内装は棚板が可動式。新商品のお披露目展示、カウンター、ベンチなど用途に応じてアレンジできるよう工夫されています
日本限定発売のりんごケーキ
現在の店頭販売は「SunnyHills To-Go自由が丘」のみの「りんごケーキ」
5月2日に「SunnyHills To-Go自由が丘」で販売が始まった日本限定・数量限定商品「りんごケーキ」がスイーツ好きの間で話題を呼んでいます。青森県産の紅玉からつくられた紅色のフィリングがクッキー生地に詰まっていて、りんごそのままの酸味と甘みを楽しめるケーキ。水分を多く含み、繊細な味わいのりんごは本来、長期保存には向かず、手土産に使えるような賞味期限のものはジャムのかたちのものが多く、一般のりんご素材のケーキは添加物や化学保存料を用いるのが現状です。そんな素材の課題を、香りや酸味が飛ばないよう、じっくりりんごを煮こむことで解決。素材のよさをストレートに引き出すていねいな仕事によって、ほかにないケーキを生み出したのです。7月にはほんのりと甘い台湾産の茶葉・紅玉紅茶にドライフルーツをたっぷり入れたフルーツティーの販売を予定しているそうで、こちらの登場も待ち遠しいです。
ポップで洒落ている「りんごケーキ」のパッケージ。手土産としてプレゼントしやすいサイズにしているそうです。左より、5個入り1,500円、10個入り3,000円、15個入り4,500円(すべて税込)。価格とパッケージの大きさはパイナップルケーキと共通
店舗情報
▼SunnyHills 南青山店
- 住所:東京都港区南青山3-10-20
- 電話:03-3408-7778
- 営業時間:11:00~19:00 無休(年末年始を除く)
▼SunnyHills To-Go 自由が丘
- 住所:東京都世田谷区奥沢5-23-15-101
- 電話:03-6421-1330
- 営業時間:11:00~19:00 無休(年末年始を除く)
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ヤスヒロ・ワールド
- 東京佃島生まれ育ちの江戸っ子。旅行ガイドの編集者。
フェイクは苦手ですが、ケイク(ケーキ)は大好物。