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厳しい冬のルーマニアで欠かせない保存食「ザルザバ」つくり
ブカレストで冬の平均気温がマイナス0.8度、山間部では、最低気温がマイナス30度になるところもあるルーマニアの冬。降雪も多く、かつては真冬になれば、お店の店頭に生野菜が全く並ばなくなってしまったのです。そんな冬が厳しいルーマニアには保存食作りが欠かせませんでした。
今では、スーパーマーケットが至る所にでき、季節を問わずいろいろな野菜が購入できるようになりましたが、それでも今なお、冬の保存食作りは継承されているのです。その理由は簡単。美味しくて便利なのです!ルーマニアの豊穣な大地で育った野菜は、一年中スーパーに並ぶ輸入物の野菜とは味が全く異なります。本当に美味しいルーマニアの夏野菜を、ギュッと濃縮しておく知恵から来た、美味しい保存食なのです。
そんな、ルーマニアの郷土の味とも言うべき、冬の保存食「ザルザバ」(=トマトピューレ)の作り方を知人のマリア・ニコラエさんに紹介してもらいました。
まずは近所の地場産業物を扱う市場でちょっと小ぶりのトマト10キロ購入保存食用でお値段もお買い得(1キロ2.5~3レイ)です。*2017年10月のレートで80円~90円
水洗いして、ざく切りに。
このテーブルに固定して使う手回し式のすり潰し器で細かく潰します。このレトロ感が素敵ですね。
上から見たところ。この機械はあら潰しできるのが特徴。電気ミキサーにかけたりすると、細かく潰れすぎて、口当たりがクリーミーになってしまうのです。
これに、アルディ(=パプリカ)のみじん切りとハーブを加え、火にかけること2時間。
鍋いっぱいあった材料が、ここまで煮詰まりました。
ここでちょっと一工夫。日持ちを良くする為に粉末の『保存料』を一袋。
最後に殺菌も兼ねて再度加熱です。瓶詰にして、オーブンに入れて約30分。瓶の中身がグツグツ沸騰してきたタイミングで火を消します。タイミングを間違えると、瓶が割れてしまうので要注意ですよ。瓶の数が少ない時は、瓶ごと水を張った大鍋の中にいれ、沸騰させる場合もあります。これで完成。冬の間はバルコニーの外で保管します。外は天然の冷蔵庫なのです。
この「ザルザバ」いろいろな料理に使われますが、代表的なのが「チョルバ」(=ルーマニア風酸味のあるスープ)ザルザバに水と塩、胡椒を加え味を調えた、ルーマニアのトマトスープ。地元産の夏のトマトをたっぷり使った熱々のスープ。ルーマニアの冬のご馳走です。ザルザバづくりやチョルバの味は、各家庭でそれぞれ異なります。いわゆる「おふくろの味」ってやつですね。
我が家のお姑さんは、チョルバには玉ねぎを加え、塩漬けしたトマトとアルデイを使います。とっても便利な保存食ザルザバ。簡単なのでみなさんもぜひチャレンジしてみてください。
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マドモワゼル・ヒロコ
- マラソン大会で出会ったパートナーはルーマニア人、2006年に嫁いだ先は東欧の国。ラテン民族の陽気さと大らかさにすっかり魅了され、首都ブカレストでの日々をご紹介。ヨーロッパ・マラソン遠征にも出かけます♪