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ご祝儀はリスト式、披露宴は古城で!?愛の国イタリアの結婚式事情
サムネイル:リンク先Pixabay(CC0)
※2018年6月、加筆修正をいたしました。
日本とイタリアではこんなに違う!?現代イタリアの結婚式事情を紹介。
「アモーレの国」イタリア。イタリア人カップルが人目もはばからず愛を語らう様子は、見ているこちらが恥ずかしくなってしまうくらい情熱的です。では、そんなイタリア人たちの結婚式はどのように行われているのでしょうか。やはり情熱的? それともカトリックの国ということで結婚式は厳格なのでしょうか......?
今回は、現代イタリアの結婚式にまつわるアレコレについて、日本の結婚式との違いを比較しながらご紹介しましょう。
※写真はイメージです。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブ・コモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
目次:クリックで見出しに移動します
- イタリアの結婚式は2タイプある
- 花嫁は式に遅れるのがスタンダード
- 披露宴会場は貴族の邸宅や古城、一軒家レストランを貸し切って
- 写真撮影はロマンチックなロケーションで!
- さすがイタリア、桁違いの料理の数々
- ケーキカットは本物を使う
- イタリアの結婚式にはお色直しがない
- ご祝儀は合理的に
- 旅行中に結婚式を見かけたら、祝福の言葉を!
イタリアの結婚式は2タイプある
まず、イタリアでの結婚式は「市役所結婚式」と「教会結婚式」の2タイプがあります。
前者は市役所で市長さんと証人立ち会いのもと行われる、比較的シンプルなもの。カトリック教徒以外や、外国人との結婚式はこちらになります。また、イタリア人でも若者の間では結婚式は簡易的に済ませたいという傾向も近年多くなってきました。
とはいえ、イタリアでは市役所といっても、それ自体が元宮殿や歴史的建造物だったりするので、それなりに雰囲気のある式になります。
※関連記事:要塞のような市役所?フィレンツェの「ヴェッキオ宮殿」
対して教会結婚式は、さすがカトリックのお膝元イタリア。歴史ある現役の教会で行われる式は厳かで重厚感があります。ただし、カトリック教徒にとって教会結婚式は一生に一度のもの。万が一失敗してしまうと、次回からは市役所結婚式となってしまいます。そのため、こちらは特別感の大きな結婚式です。
イタリアは離婚成立までが長すぎる!?
ちなみに、カトリックではかつて離婚は認められていませんでした。現代ではさすがにそのようなことはありませんが、それでも大変と言われています(※)。
というのも、まず離婚には一定の別居期間が必要とされていて、その間の夫婦の過ごし方などに細かい決まりがあります。この別居期間、2015年以前は3年もの期間が必要とされており、ここ数年で改正によって短縮されたものの、それでも2018年現在は6カ月の別居期間が定められています。
さらに、カトリック教徒の場合は役所手続きによる「民事離婚」の成立だけではなく、教会裁判所に離婚を認めてもらう必要があり、これにも時間がかかります。プレイボーイの多いイメージとは裏腹に、イタリアの離婚率が日本よりも低い理由は、離婚成立に時間がかかることも挙げられるでしょう。
※註:カトリックにおいて離婚が認められるようになったのは、1970年からです。
花嫁は式に遅れるのがスタンダード
イタリアでは、花嫁と花婿は別々に支度を済ませます。日本のように揃って登場!というわけではなく、花婿が先に会場で花嫁を待ち、花嫁は遅れてくるのがスタンダード。やはり男性はいつでも女性のために待つ、ということなのでしょうか。
イタリアの結婚式に欠かせない、ライスシャワーとコンフェッティ
日本では、花嫁花婿がチャペルから退場する際、フラワーシャワーでお祝いすることが多いですが、イタリアでは米粒を投げるライスシャワーが伝統的。これは一粒から無数の籾をつける米が、豊饒のシンボルとされてきたからです。ただし、最近は紙吹雪や花びらに米を混ぜて投げることも多いです。
Photo by brunifia[Bomboniera fai da te]CC BY 2.0
同じ理由でアーモンドも多産の象徴とされ、日本では「ドラジェ」や「ボンボニエーレ」の名前でも知られている、アーモンドを糖衣でコーティングした「コンフェッティ」というお菓子がお土産として渡されます。最近ではシャンパンフレーバーなど、変わった味のものも人気だそう。このコンフェッティをいかに可愛くラッピングしてあるか、というのもイタリアの結婚式での注目ポイントです。
披露宴会場は貴族の邸宅や古城、一軒家レストランを貸し切って
イタリアには、日本のようなホテルの結婚式場のようなものが存在しません。では、披露宴は行わないのかというとそうではなく、プールやバー、サロンなどがついた広いヴィラ(別荘)などを借りて行われます。クラシックなウェディングを希望する方に人気なのは、かつての貴族の邸宅や古城、一軒家レストランなど。ファンタジーの世界のような美しい建物を借りることもできてしまいます。
また、イタリアでは多種多様な宗教・価値観に対応するウェディングプランナーが存在します。イタリアで結婚式を挙げてみたい、と思う方はこれらに相談してみてはいかがでしょうか? イタリアならではの立地や歴史的背景は、クラシックで重厚感のある式を可能にしてれくるはずです。
※参考サイト:Wedding villa in Italy(外部サイトに遷移します)
写真撮影はロマンチックなロケーションで!
式が終わり、披露宴のレセプションに行くまでの間は、花嫁と花婿は遺跡や歴史的建造物、豊かな自然をバックに本格的な撮影を行います。格好のロケーションが揃うイタリアならではの習慣で、これだけで一冊の分厚いアルバムができるほど。
さすがイタリア、桁違いの料理の数々
さすが美食の国イタリア。披露宴の料理は一番の注目ポイントで、新郎新婦も料理には最も気を遣います。まずはガーデンで軽くアペリティーボを楽しむところから始まり、場所を変えて本格的なフルコース。
前菜からメインも数種類、デザートに至るまで、食いしん坊のイタリア人もさすがにズボンのファスナーを緩めるほどの豊富な料理が並びます。また、日本のように式場の時間制限がないため、ゆっくり食事をしながらの披露宴はかなりの時間に及びます。
ケーキカットは本物を使う
Photo by caffesargenti[TORTA_MATRIMONIO_ROSE ROSSE]CC BY 2.0
イタリアの結婚式にも、ケーキカットがあります。ただし、日本のように披露宴の中盤ではなく、デザートの頃に行われます。しかも、ケーキはプラスチックのイミテーションではなく、皆で食べるため本物のケーキ。
そのため、人の大きさほどもあるような高さというよりは、高さは3段ぐらいのほどほどで留める代わりに、面積がとても広いケーキが作られる傾向にあります。
イタリアの結婚式にはお色直しがない
イタリアで最近流行りつつあるビーチウエディングなどでは、膝丈のドレスも人気。ですが、まだまだ定評があるのはやはりクラシックなロングドレス。なお、日本のようにお色直しの習慣はなく、花嫁は最初から最後まで一着のドレスで過ごします。
ドレスのデザインはシンプルなものが好まれ、色はほとんどがホワイト。ですが、最近は純白というよりも、シャンパンホワイトやゴールドがかったホワイトなどもトレンドです。また、あえてベールを付けないデザインも増えているのだとか。グッチやプラダなど世界的なブランドを輩出するイタリアだけあって、ドレスのバリエーションも豊富。そして、ドレスはレンタルではなく、オーダーメイドで作るのが主流です。
参考:海外でも人気のイタリア発ウエディングドレスブランド
※Antonio Riva(外部サイトに遷移します)
※Atelier Eme(外部サイトに遷移します)
ご祝儀は合理的に
そして、イタリアではご祝儀の方法がとても合理的。あらかじめ花嫁花婿はデパートなどの店を指定し、その中で欲しいものリストを作成しておきます。参列者は日本のようにお金を包むのではなく、リストの中から商品を購入して送るのです。中には、新婚旅行費を充当してもらうことも。
これを「ウエディングレジストリ」と呼び、最近ではデパートにレジストリ専門の端末があり、参列者はこの端末で品物を選んだり買ったりできるようになっています。
旅行中に結婚式を見かけたら、祝福の言葉を!
やはりカトリックの本場ということで、結婚に対しては一種独特の価値観があるようですね。改めて日本の結婚式と比較すると「宗教に則った手続きがある」「民間での慣習は合理的」な部分が多いと感じられます。
イタリア観光をしていると、しばしば教会での結婚式に遭遇することがあります。その際は、ぜひ日本との違いや素敵な部分に注目してみると面白い経験になることでしょう。愛を誓う二人のために、祝福の言葉をかけるのも素敵ですね。
※註:結婚を祝福するイタリア語は、「Felicitazioni vivissime!(心よりお祝いします)」や「Auguri per matrimonio!(結婚おめでとう)」などの表現があります。
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