夢のような空間!ゴージャス気分に浸るならフィレンツェの「ヴィラ・コーラ」でランチを

フィレンツェの中心部から2kmほどのところに佇むお屋敷......。この建物が建てられたのは19世紀のこと。ナポレオン3世の妻が住んでいたこともある非常に歴史のある建物が、「グラン ホテル ヴィラ コーラ」です。

私が訪れたのは7月でしたので、爽やかな夏風が吹きぬけるエントランスやバラの木で作られたプールサイドに続く小径がとても印象的でした。フィレンツェ市内の観光客でにぎわう雰囲気とはまったく違う、ゆったりした時間が流れています。

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「5つ星よりも豪華」なホテルのレストランへ

「グラン ホテル ヴィラ コーラ(GRAND HOTEL VILLA CORA)」は、現在ホテルとして営業されているので、もちろん宿泊も可能。その豪華さからホテルの星評価は5つ星がついているのですが、ホテルの封筒やエントランスに配備されている表示を見てみると、正しくは「★★★★★L」となっています。「5つ星+L....?」 Lとは、一体何の略なのでしょうか?

このLとは「LUSSO」を略したもの。LUSSOはイタリア語で豪華、という意味で、英語でいうところのLUXURY(ラグジュアリー)です。つまり、最高級の上をいくホテルということ。 シーズンにもよりますが、1泊あたりのお値段はなかなかのもの。泊まるには勇気がいるので、まずは憧れの空間で提供されるランチを楽しむことにしてみました。

タクシーで場所を告げると、カーブの多い緑豊かな坂道を流れるように上っていきます。道中、貴族の館が次々と目の前を通り過ぎていきます。ホテルに着く前からラグジュアリーな雰囲気に心が包まれますが、そのなかでも一層シックな雰囲気のエントランスにタクシーが入っていきました。もうその時点で期待値が急上昇です。

車が停まると、静かにドアが開かれ、レストランの予約をしている旨を伝えると、にこやかな笑顔で迎え入れてくださいました。

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丁寧にお手入れがされている植栽を見ているだけで、あっという間に時間が過ぎてしまいそうです。それほどに見応えがある空間。青い空に映えるグリーンが、日本で見る色と違って見えるのはなぜでしょうか。

溜息が漏れそう...ホテルの美しい内部は必見!

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レストランに向かう前にホテルの内部を通ってみましょう。「せっかくだしね!」と、軽い気持ちで室内に入ったのですが、中に広がっていたのはまるで映画のセットのようなゴージャスな空間。貴族の衣装を身に着けたご夫人がさっと通り過ぎたとしても何の違和感もありません。せっかくなので、オシャレして訪れたい空間ですね。

とはいえ、夏のイタリアは開放的でバカンスルックなゲストも多いので、そんなに気負うこともありません。男性なら夏物のジャケット、女性ならお気に入りのワンピースで十分。オシャレな色のパンツスーツにサングラスという出で立ちのマダムの姿もありました。

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驚きなのは、クラシックだけでガチガチに固めた内装ではないのです。モダンな要素がところどころに組み込まれていて、「さすがデザインの国!」と唸らされること間違いナシ。ぜひ、ロビーの周りをぐるっと散策してみてくださいね。

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バラの小径を抜けた先にある、プールサイドのレストラン

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レストランへ向かうには、「LE POOL BISTROT」と書かれた標識に従ってバラの小径を抜けていきます。そこには、プールサイドに面した気持ちのいい空間が広がっています。テラス席と室内席があり、好みに応じて選べますが、私が行ったときは室内で食べている人はおらず、全員屋外での食事を楽しんでいました。

中にはプールの寝椅子にサンドイッチを運んでもらっている素敵なイタリア人老夫婦も。お気に入りの本を持って静かな時間を過ごしています。音楽もなく、聞こえてくるのは静かな風の音と鳥の鳴き声。「こんなところに定期的に来られたらストレスも吹き飛ぶはず」と思わずにはいられません。

毎朝の通勤列車での席取りバトル、ポジション争いをしていることをふと思い出し、苦笑いです。ここで今、本を読んでいるご夫人が、もし何かの機会で日本の満員電車に乗ってしまおうものなら失神してしまうのではないかとすら思います。

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席についてメニューの説明を受けていると、自然にリラックスした雰囲気に包まれていきます。

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「ホテルだから英語メニューもあるし、イタリア語が分からなくても安心」......と思ったら、なんと日本人のシェフが在籍されているとのこと。

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運ばれてきたゴージャスなお料理たち

お腹の空き具合を相談しつつ、オススメのメニューを聞きます。友達はサラダ、私はスープとパスタをオーダー。パスタの種類も色々ありますが、3種類のトマトのスパゲティを選択。シンプルだからこそ美味しさを感じられる一皿、イタリアに来たら一度は食べたいメニューが「トマトスパゲティ」です。

ブルスケッタ

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前菜として運ばれてきたブルスケッタ。ブルスケッタはイタリア風オープンサンドイッチです。角切りのトマトとガーリック、黒い方はオリーブのペーストです。こちらも素材の味が生きています。日本で食べるトマトとは味の濃さや瑞々しさが違います。

イタリアでは、日本では考えられないような種類のトマトがどのスーパーに行っても並べられていて、ペーストや缶詰なども含めると数えきれないほどです。煮る、焼く、そのまま、スープにする......など、調理用途によって細かく適したトマトを使いこなすそうです。

止まらないクラッカーと美しい盛り付けのお料理

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オリーブが練り込まれたクラッカーが出てきました。ほどよい塩気がきっとお酒にもピッタリ。食べだすと止まらなくなるタイプの食べ物ですね。

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盛り付けも勉強になります。日本でもこれは頑張ったらマネできるかもしれませんね! 胡麻の香ばしさが印象的な一皿です。

ゴージャス過ぎる?ガスパチョ

ところで、私がオーダーしたスープは「ガスパチョ」だったのですが、日本でもおなじみのトマトベースのシンプルな冷たいスープ......と思っていたら、えらくゴージャスな品物が運ばれてきました。それがこちら。

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もはやスープではないですね! 嬉しい驚きと共にほどよい具合で火を通された海老や帆立にスープが注ぎ込まれます。もはやメインディッシュじゃないですか。フォークとナイフを使って優雅に食べるガスパチョ。 冷製スープではなかったので温かいソースがかかったシーフードという印象ですが、美味しいのでスープかスープでないか、ということはこの際一切気にしません。

サラダもゴージャス!

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友達がオーダーしたサラダもゴージャス。さすがホテルのサラダ......。友達は「一人で食べきれないほどのボリューム感」と言っていましたが、一方の私はオリーブが練り込まれたクラッカーもブルスケッタも、具沢山のガスパチョも食べているのに、これからまだパスタを食べようとしているのですから、同じ人間の胃袋とは思えません。

※友達はイタリアでモデルをしているので、体重管理が日常といってもよいほど、なかなかストイックな生活をしているようです。

食べる価値あり!トマトのスパゲティ

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そこへ運ばれてきたのが、3種のトマトを使ったスパゲティ。パスタの茹で具合、ソースの塩加減、トマトの美味しさ、どれをとっても満足度が高いので日本からはるばるイタリアまでやってきた価値を感じずにはいられません。

日本でも美味しいイタリアンレストランのお店はどんどん増えていますが、イタリアで食べる料理は、その場の空気すらご馳走のエッセンスになるのではないかと思ってしまいますね。隣の席の人の笑い声、スタッフの笑顔も美味しい食べ物を心の底から楽しむには欠かせないものです。

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さらに、スタッフさんがチーズを削り入れてくださいます。フワッと空気を含んだチーズはトマトのスパゲッティの上にかぶさり、クリーミーな味わいをプラスしています。スパゲッティと絶妙に絡むあら切りのトマトは甘みたっぷりで、ペロリとたいらげてしまう美味しさです。

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料理自体ももちろん美味しいのですが、この環境の中で食べるということで、より最高に贅沢な気分になれます。ゴージャスなホテルではあるものの気取ったところはなく、スタッフの皆さんもフレンドリーなので、リラックスして食事を楽しむことができます。

デザートにはレモンのジェラートを

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デザートはレモンのジェラート。1人で3スクープもあります。私は昼にしか訪れていませんが、きっと夜はまた雰囲気が変わって素敵なのでしょうね! お食事だけでも十分楽しめるホテルなので、フィレンツェでちょっぴり優雅な気分に浸りたい方には是非オススメしたい、オシャレなレストランです。

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ちなみに、室内の雰囲気はこんな感じでとても女子好み。女同士での旅行や母娘旅行の際にもピッタリの可愛らしい内装です。お喋りが弾みそうですね。

基本情報

名前:グラン ホテル ヴィラ コーラ(GRAND HOTEL VILLA CORA)/レストラン:RESTAURANT LE BISTROT
住所:Viale Machiavelli, 18, 50125 Firenze FI, イタリア
アクセス:サンタマリア ノヴェッラ駅から2km
公式サイト:http://www.villacora.it/en/index.php
https://jp.lhw.com/hotel/Villa-Cora-Florence-Italy/services-amenities/dining
※註:情報は2017年取材時点のものです。

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yukaco

17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。

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