要塞のような市役所!?イタリア・フィレンツェのヴェッキオ宮殿とは

※編集部註:2019年10月、加筆修正をいたしました。写真は初出時(2015年3月)のものです。
花の都とも言われるフィレンツェ。この都市を観光するために初めてシニョリーア広場を訪れたとき、まず目をひくのがこちらの建物ではないでしょうか。この建物の名前は「ヴェッキオ宮殿」。要塞のような見た目ですが、実はこちら、フィレンツェ共和国時代には政庁舎として使われ、現在も市役所として使われています。

そんなヴェッキオ宮殿は、建築年数の古さや近隣のウフィツィ美術館へ続く回廊など、見どころ満載。宮殿内を見学できるツアーもあり、フィレンツェの歴史を知る上で見逃せないスポットとなっています。

目次

1.フィレンツェにあるヴェッキオ宮殿とは?

ヴェッキオ宮殿-フィレンツェ-01
<とても市役所には見えませんが......。>

フィレンツェはシニョリーア広場のそばに建つヴェッキオ宮殿は、1299年~1314年に建設されたと言われています。これを手がけたのは、アルノルフォ・ディ・カンビオ(Arnolfo di Cambio)という当時の石工とされています。

当時のフィレンツェは一都市ではなく、フィレンツェ共和国(のちにトスカーナ大公国)だった時期で、ヴェッキオ宮殿は当時の中央政庁として使われていました。また、時の権力者メディチ家が一時期住んでいました(のちにピッティ宮殿へ引っ越し)。

なんと、現在でも市役所として機能しており、700年ほどにわたってフィレンツェの政治にまつわる建物としての役割を果たしているのです。

宮殿と聞くと華美な建築を思い浮かべる方もいると思いますが、ヴェッキオ宮殿は要塞のように荘厳な雰囲気。しかし、内部はルネサンス美術が多数収蔵された、絢爛豪華なものとなっています。

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ヴェッキオ宮殿-フィレンツェ-02
<ヴェッキオ宮殿の奥にはそばにはネプチューンの噴水、建物奥にはウフィツィ美術館があります。>

今回の記事では、「500人大広間」などの内部をご紹介できないことが大変残念なのですが、宮殿内にはメディチ家の当主だったコジモ1世が、16世紀に宮殿を改築した時に作られた「秘密の通路&小部屋」を見学できるツアーもあり、中世のお城を探検する気分が存分に味わえます。

2. "要人専用"の通路「ヴァザーリの回廊」とは

ヴェッキオ宮殿には「ヴァザーリの回廊」と呼ばれる通路があります。これはウフィツィ美術館からアルノ川に架かるヴェッキオ橋の2階部分、川向うの「ピッティ宮殿」までを結ぶもので、1kmにも及ぶ長さを誇ります。この回廊はメディチ家の要人が、庶民の喧噪に巻き込まれない「通勤路」として作らせたという説があり、当時のメディチ家が持っていた、絶大な影響力をうかがい知れることでしょう。

なお、「ヴァザーリ」という名称はメディチ家の人間ではなく、建築を担当したジョルジョ・ヴァザーリの名前から来ています。

ヴェッキオ宮殿-フィレンツェ-03
<ウフィツィ美術館の上を見ると、回廊が!>

ヴェッキオ宮殿-フィレンツェ-04
<ヴェッキオ橋の上部階層がヴァザーリの回廊です。>

ヴァザーリの回廊は、期間限定で一般公開されています。回廊を歩くことは現代でも難しいようですが、ヴェッキオ宮殿を出発地として外から回廊と同じルートを散策するのも、フィレンツェの歴史を堪能できるはず。

ヴェッキオ宮殿-フィレンツェ-05
<すぐそばのグッチミュージアム。歩き疲れたら1階のカフェで一休み。>

3. ヴェッキオ宮殿を見学するならツアーを予約

ヴェッキオ宮殿の内部をじっくり見学する場合は、ツアーを予約しましょう。当日券も販売していますが、事前に訪ねることが分かっているのであれば予約が無難です。見学ツアーは公式サイトから予約でき、さまざまなプランが存在します。たとえば「秘密の通路(Secret Passages)ツアー」や、大ヒット小説/映画「インフェルノ」にちなんだ「インフェルノ(The secrets of "Inferno")ツアー」なども。

また、オプショナルツアーを利用する場合は、日本語ガイドと共に宮殿を見学しながら、近隣の散策もできるプランを販売しています。どちらの方法で見学するかは、なるべく自分でプランを組みたい、日本語でじっくり宮殿のガイドをして欲しいなど、皆さんの目的や条件によって選択してみてください。

4. ヴェッキオ宮殿と一緒に観光したいスポット

ヴェッキオ宮殿の周辺は観光スポットだらけ!先ほど挙げたウフィツィ美術館やヴェッキオ橋、グッチミュージアム(Gucci Garden)はもちろん、ガリレオ博物館、ダンテの家、ポルチェッリーノの噴水も近くにあり、併せて観光するのがおすすめです。

これらを巡るだけでもあっという間に一日が過ぎてしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ヴァザーリの回廊に沿って気になるスポットをできるだけ多く回るもよし、一つ一つの施設見学や美術鑑賞に集中するもよし。関連記事も参考にしながらフィレンツェの歴史や芸術を感じ取ってみませんか?

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※写真:Italyii(イタリィ)編集部

基本情報

  • 名前:ヴェッキオ宮殿(Palazzo Vecchio)
  • 住所:Piazza della Singnoria, 50122 Firenze
  • 開館時間:夏季(4月1日~9月30日):9:00-23:00(木曜は9:00-14:00)、 冬季(10月1日~3月31日):9:00-19:00(木曜は9:00-14:00)
  • 公式サイト:http://museicivicifiorentini.comune.fi.it/palazzovecchio

※最新情報は公式サイトをご確認ください。

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