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街全体が世界遺産!リグーリア州の「ポルトヴェーネレ」を訪ねて
※2018年4月、加筆修正をいたしました。
リグーリア州の海岸沿いにある街ポルトヴェーネレ(Portovenere)。 ここは、独特の歴史を持つと共に風光明媚な景観で知られ、街全体が世界遺産として登録されています。
どのような表情を見せる街なのか、なぜ世界遺産に登録されたのか、そしてこの街の魅力はなにか。 それらについて、ご紹介しましょう。
目次:クリックで見出しに移動します。
「砦」の街、ポルトヴェーネレ
イタリア半島の付け根にあたる、リグーリア州はリビエラ海岸の東端にある街「ポルトヴェーネレ」。この街は断崖と集落が一体化し、かつて州都であったジェノヴァの出城として築かれた歴史を持ちます。
「ポルトヴェーネレ(Portovenere)」は「女神の港」と言う意味なのですが、これは「Porto(港)」と「Venere(金星)」に分けられます。
金星と言えば英語名だと「Venus」、つまりローマ神話の美と恋を司る女神「ヴィーナス」を意味します。 その名前に違わず、ポルトヴェーネレの景観はまさに「美しい」のです。
現在はものものしい雰囲気は薄れ、美しい港の風景が広がり、カラフルな家が並びます。
港にカラフルな家が並ぶのは、ヴェネチアの離島の一つ「ブラーノ島」の街並みを彷彿とさせます。ブラーノ島は冬季に霧が深くなるという地理的な条件から、漁に出た人々が自分の家にたどり着けるよう、色が隣り合うことのないように家の壁をカラフルに塗った、と言う説があります。
とはいえ、ヴェネチアとポルトヴェーネレは、現在でも列車で数時間はかかる距離。交通が発達していない時代を考えると、険しい山道を抜けてポルトヴェーネレにたどり着くか、船で大回りをしていたのか......と空想してしまうほど、地理的に離れています。
なぜ、同じように家の壁がカラフルなのか、気になるポイントですよね。ポルトヴェーネレを含むリグーリア州の歴史について、より詳しく学びたいと感じました。
関連記事:ヴェネチアでムラーノ島、ブラーノ島、トルチェッロ島の一日離島巡り
現在も、たくさんの船が停泊しています。
街全体が世界遺産として登録された理由は......
険しい崖とわずかな土地に並ぶカラフルな家、そして美しい海という異様ながら素晴らしいこの集落は、約1000年にわたって維持されているそう。周囲の景観との溶け合い方は、まるで絵画のような絶景です。
歴史的に貴重な生活様式と風光明媚な土地柄などの観点から、1997年には「ポルトヴェーネレ、チンクエテッレと小島群(Portovenere, Cinque Terre e Isole)」として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に指定されています。
ポルトヴェーネレが持つ、3つの魅力
さて、そんなポルトヴェーネレは、港町ならでは、ジェノヴァならではの魅力が詰まっています。訪れたときは、3つのポイントを中心に観光してみてください。
1:猫が多い街!
街のあちこちで見かけるので、猫がお好きな方はたくさん写真を撮ってしまうかも? 日本で見かける猫と海外で見かける猫とでは、どこか顔つきや振舞いも違っているもの。
どんな猫と出会えるかも、ポルトヴェーネレ観光の楽しみです。
2:ポルトヴェーネレの名産パスタと魚介類を楽しんで
ポルトヴェーネレは、「トロフィエ」と呼ばれる麺をねじったようなパスタを使った料理が名産品。同じリグーリア州のジェノヴァの名前を冠したパスタソース「ジェノヴェーゼ」も名物料理です。
また、現在も漁業が盛んなので魚介類も楽しめます。ぜひ、ワインと一緒にどうぞ!
3:裏路地も歩いてみましょう
住宅で挟まれた通りは狭く急勾配ですが、のんびりとした雰囲気が味わえます。 お時間があるときは、ゴツゴツとした岩肌と美しい海の対比を楽しみつつ、かわいい路地裏散策も楽しんでみては。
青く澄んだ海に浮かべば、日常のストレスもどこかへ行ってしまいそう。
思い思いにバカンスや観光を楽しむ人々。
要塞のように見えるけれど実は教会!「サン・ピエトロ教会」
まるで要塞のような石造りの建物は、「サン・ピエトロ教会」と呼ばれる、ポルトヴェーネレの観光名所。教会周辺は「詩人達の入り江」と呼ばれています。
その由来はかつて英国詩人たちがこの入り江を訪ねたからなのだそうですが、この風景を眺めていると詩人ではない方も、その気持ちを何とか言葉にしてみよう、と感じてしまうほどロマンティックな景観です。
お土産屋がにぎやかに並ぶ城壁通りを抜けた先に広がる光景は、感動的とも言えるほどの絶景です。
なお、サン・ピエトロ教会では結婚式を挙げることもできるそう。 新婚旅行の行き先でイタリアを検討されている方は、ポルトヴェーネレも訪ねてみてはいかがでしょうか?
大切な人と一緒に訪れて、ここで結婚式を挙げる......そんな夢が膨らみそうなほど美しい景観です。 のんびりとした空気の中、とっておきのバカンスを楽しんでは。
撮影:Italyii(イタリィ)編集部
ポルトヴェーネレ 基本情報
名前(イタリア語):ポルトヴェーネレ(Portovenere)、サン・ピエトロ教会(Chiesa di S.Pietro)
住所(サン・ピエトロ教会):Lungo Calata Doria, 19025 Portovenere SP,
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