2州の間を流れる映画にもなった奇跡の舞台

ニュージャージーとマンハッタンの間を流れるハドソン川。川の名は、1609年にオランダ東インド会社に雇われ航路を探すためにこの川を訪れた、イギリスの航海士ヘンリー・ハドソンにちなんで名付けられました。映画化もされた2009年に起きた旅客機の不時着水事故により、ハドソン川の名前は、日本でもお馴染みになったことでしょう。これは、ニュージャージーのミツワマーケットプレイスから見たマンハッタンのスカイライン。

川の西側は自然がいっぱいの州立公園

ハドソン川は、アディロンダック山地からニューヨーク州の州都オールバニ―を抜け、マンハッタンを通って大西洋に流れていますが、マンハッタンから北上していくにつれ、景色ががらりと変わっていきます。ウエストチェスターのヨンカースあたりからオールバニ―までの間の川の両岸はハドソン峡谷（ハドソン・バレイ）と呼ばれ、その美しさから数々の絵画にも描かれています。紅葉の季節になると、木々がオレンジ色や黄色など色とりどりに染まり絶景となります。その昔、このあたりに集まった画家たちのムーブメントはハドソンリバー派と呼ばれ、多くの素晴らしい作品を残しました。マンハッタンを北上し、ハドソン川をニュージャージー側へ渡ると、ジョージワシントン・ブリッジからタッパンジーブリッジあたりまでの川沿いのエリアは、パリセイド・ステイト・パークという州立公園になっています。実はこの一帯は、マンハッタン側から見える景観が、土地開発などによって損なわれないようにするため、その昔、大富豪のロックフェラー氏が買い取り、その後、ニュージャージー州に寄付したそうです。そうでなければ、川沿いには高層のアパートビルや高級住宅が建ち並んだことでしょう。ジョージワシントン・ブリッジの少し北から、ハドソン川に並行して北に伸びるPalisades Interstate Parkway。その途中には、車を停めて景色を眺めることができるポイントがいくつかあります。ここはRockefeller Lookout。

大統領になるずっと前のセオドラ・ルーズベルトや作家のマーク・トゥエインが夏を過ごしたウェイブ・ヒルがちょうど川を挟んだニューヨーク側にあります。これは、ウェイブ・ヒルで撮った写真。川の向こうにニュージャージー側が見えます。ウェイブ・ヒルから見える、ニュージャージー側の秋の紅葉は絵画のように綺麗です。

サイクリングやハイキングならヘンリーハドソン・ドライブ

Palisades Interstate Parkwayを走るのも良いですが、Rockefeller Lookoutより手前のParkwayに入ってすぐのところに、もっと川に近いHenry Hudson Driveに降りられる道があります。Henry Hudson Driveはどちらかというと、ハイキングやジョギング、サイクリングに適した感じの細い道です。降りたところに駐車場があるので、車を停めてハイキングやジョギングも良いですね。この日も多くのサイクリストたちと遭遇しました。

Henry Hudson Driveは延々と続き、右側に茂った木々の間からハドソン川や対岸の景色がちらほらと見え隠れします。

大分走ると、またParkwayに戻れます。また別のLookoutで休憩。ここにはカフェやトイレもあります。

川に近づくと、断崖が見えます。このあたりは断崖絶壁が続いていることで有名です。

マンハッタンからはレンタカーでもバスでも

レンタカーを借りて観光客に人気のウッドベリーファクトリーアウトレットやアップステイトに行く際に、ここを通って行くのも良いですね。観光もできる上に道も空いています。車がない人は、マンハッタンのポートオーソリティー・バスターミナル（42丁目&８アベニュー）かジョージワシントンブリッジターミナル（地下鉄A線175丁目駅）からロックランドコーチ9番のバスに乗って行くこともできます。