不動産の価格はもはや東京を超えたといってもいい上海、ここ数年で家賃もうなぎ昇りです。そんな上海の賃貸事情をご紹介します。

上海の物件には主にマンション、アパート、老房子（老洋房ともいいます）があります。老房子については以前記事を書いているので具体的な説明は省きますが、このタイプの物件は外国人に好まれます。

こちらは一般的なマンション。上海でマンションというと、たいてい30階ほどはあります。

こちらは外国人や富裕層が多く住む高級マンション。

アパートは5-6階建てが多いです。

老房子はこんな感じの家です。

上海で部屋を借りるには以下の方法があります。

①日系不動産会社

②地元不動産会社

③ネット

④友人の紹介

日本人向けの物件を探すなら①が安心です。日本語でやりとりでき、アフターサービスがしっかりしていることがメリットです。

中国語が話せるのであれば、②がおすすめ。最大のメリットは、扱っている物件数が多く、回答が早いことです。日系だと物件の紹介から内覧まで時間がかかるのですが、地元だと早ければその場で大家さんに連絡してすぐ内覧に行くことができます。ただし、やりとりはすべて中国語になるので、ある程度の中国語力か中国人の友人に同行してもらう必要があります。

ネット上にも様々な不動産サイトがあるので、どんな物件があるかちょっと見てみたいという時には③が便利です。ただ、ネットに掲載している写真と実物が違ったとか、既に契約済みの物件情報が掲載されていたりという話も聞くので、私は参考程度にしか見ていません。また、地元不動産店の中にはSNSで毎日新しい物件情報をアップしてくれるところが多いので、私は頻繁にこれをチェックして、気になる物件があればすぐチャットで担当者に連絡して内覧させてもらっています。

自分が部屋を探していることを周囲に伝えておくと、中国人の友人から「こんな部屋があるけど、どう？」と返事が来ることがあります。(④)上海人の中では自身や親が不動産を所有している人も多いので、こういうこともけっこうあります。友人の紹介になると不動産屋を通さないので仲介料がかからない、家賃の交渉がしやすい、何かあったときに気軽に相談できる、というメリットがあります。

最近では、欧米人向けの不動産店も多く見かけるようになりました。英語対応可能で、欧米人が好む老房子を多く取り扱っているのが特徴です。フランス租界地エリアを歩いていると、このタイプの店をよく見かけます。

ちなみに仲介料は、日系の場合、契約成立後に1か月分の家賃を不動産店に支払います。対して地元不動産店では、国の法律で1か月の家賃の35％と決められています。

アフターサービスについては、日系の中には不動産店が大家との通訳や事務連絡をしてくれるところもあります。対して地元では契約成立後は基本的に借り手は大家と直接連絡をとることになります。（更新の連絡や賃金の交渉も自分でやることになります）

では、気になる家賃はいかほどなのでしょう？

上海のマンションは主に2LDKが多く、広さも日本と比べると広々としています。(2LDKで100㎡前後が主流)物件の所在地にもよりますが、上海で一番不動産価格が高いといわれる静安区の一般マンションでは、2LDKで月10000元前後～、高級マンションになると15000元を下回るところはほぼありません。

アパートや老房子になるとマンションほどの広さはなく、間取りも広さも様々です。だいたい50㎡～80㎡の広さのところが多く、家賃も月5000元前後から借りることができますが、老房子の中にはその建物自体が歴史的建築物に認定されているところが多く、かつ内装がきれいな部屋だと、高級マンション並みの価格になることも。

上海在住の外国人のほとんどはマンションに住んでいますが、上海ならではの生活を楽しむにはアパートや老房子がおすすめです。ご近所さんとの距離も近く、上海人の生活を垣間見ることができますよ。

ひとつ注意点としては、中国での部屋探しは直前にならないとできないということ。この日に引っ越ししたいな、という日の2週間前から探し始めるのが普通です。日本のように前々から物件を下見してじっくり吟味するということができません。大家さんは一刻も早く入居者を決めてしまいたいので、あれこれ迷って返事を遅らせていると、「ごめん、もう他の人に決まってしまったよ」ということもしばしば。なので、上海での部屋探しはスピード勝負。「引っ越すぞ！」と決めてから実際に引っ越すまで1ヶ月で済んでしまいます。（もちろん、大家さんによっては多少の猶予をくれる人もいます）

いかがでしたか？

上海の不動産についてはまだまだ書き足りないことがたくさんありますが、今回は賃貸事情についてご紹介しました。