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上海物干し事情
今回はちょっと視点を変えて「洗濯物の物干し」の目線から上海の街をご紹介します。
どういうこと?と思うかもしれませんが、上海の人たちの洗濯物の干し方は、私たち日本人の感覚とちょっと違っていて、見ているとなかなか面白いのです。
まず大前提として、上海市内で一戸建てに住んでいる人はほぼいません。というより、一戸建てを見ることがまずありません。(別荘地は別ですが)ほとんどの人がマンションやアパート、老房子と呼ばれる昔ながらの古い住宅に住んでいます。
次に、上海の住宅には日本のようなベランダがありません。
洗濯物を干す場所はありますが、そこは日本のように人も一緒に入れる場所ではなく、あくまで洗濯物だけを干す場所なのです。詳しくは次の写真をご覧ください。
各家庭の窓にこのような鉄柵が設置されていて、そこに2mほどの長さの竿が何本か渡してあります。この竿に洗濯物を通して干すのが一般的です。小物から大物まで、全部この竿に通して(掛けて)干します。日本のベランダは横に長く、竿も横にかかっているのが普通ですが、上海は「縦」なのです。まずこれらの竿を部屋の中に引っ張り込み、洗濯物を取り付けたら窓の外に出す、という干し方です。
(なお、高層マンションではこのような干し場はなく、たいてい室内にサンルームがあるので、そこで部屋干しをするのが普通です。)
また、アパートや老房子になると、外に共用の干し場があったりします。居住者なら誰でも使用できますが、いい場所は早いもの勝ちです。
かくいう私も老房子住まいなので、この共用の干し場を利用している1人です。
小物は室内干しでもいいですが、シーツやタオル、布団などはやはりお日様の下でポカポカと干したいですよね。中国では大気汚染が騒がれていますが、ここ上海はさほどひどくないので、カラッと晴れた日や爽やかな晴れの日には、やっぱり外干しをしたくなって場所取りに奔走します。
しかしこちらの人は朝が早いので、私がどんなに早起きしてもすでに場所が取られていることもしばしば。外干しをしたいがために早起きをする日々もありました。特に梅雨時期やしばらく雨が続いた後の晴れの日には、みなこぞって外に干すので、たくさんの洗濯物が干されている光景は圧巻です。
もともとある干し場では足りず自前でロープを引っ張り出してきて干す人や、脚立を使って即席干し場を作ってしまう人、街路樹に竿をひっかける人まで・・・上海の街を歩いていると、ついつい目がいってしまう物干しの風景です。
ところで写真をご覧になると、ずいぶん高い場所に干してあるなあと思いませんか?
男性でも手の届かないような高い場所に干すにはどうしてるんでしょう。観察してみると、長い棒を使って干していました。この棒は各家庭に常備してあるようです。先端のY字型のところにハンガーをひっかけて持ち上げて干す、というやり方です。空間をうまく利用していますよね。
そしてこの高い場所にも大物であるシーツを干してしまう人たち。それ用の巨大ハンガーも売っているんです。
いかがでしたか?物干しひとつとってみても、日本と違う面が見えてきます。現地で生活しているからこそ見られる風景ですよね。今後もこのような面白い発見があればお伝えしていきたいと思います。
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のじママ・のじパパ
- 上海在住6年目。街歩きと食べることが趣味。独身時代から結婚、出産、子育て生活を上海で満喫しています。ローカルな視点で日々変わる上海の街の様子をお届けします。