連載特集全8回

「旅するギタリスト」村治 佳織さんの音楽とめぐる情熱のスペイン

Madrid /spain

歴史的見どころを巡る拠点として最適マドリッド

Muraji Kaori

村治 佳織

profile

世界的クラシックギタリスト。15歳でCDデビュー。2026年4月より静岡音楽館AOI第3代芸術監督。国内外で演奏活動を行うほか、TV・ラジオなど各メディアでも活躍中。

マドリッドの街並み

#大好きな街

村治 佳織

直線美を極めた王宮の佇まい 自分の中の「新たな扉」が開く街。

村治さんとマドリッドのつながりも、敬愛する作曲家ロドリーゴさん抜きには語れません。初めて訪れたのは留学のためパリに滞在していた時のこと。アルバム『パストラル』を聴いたロドリーゴさん本人から、パリの村治さんのもとに手紙が届いたそう。「パリから、封筒に書かれたマドリッドの住所を訪ね、ロドリーゴさんの目の前で数曲を演奏するという夢のような機会をいただきました」その時は数日でパリに戻り、留学を終えて帰国した数年後にも、ロドリーゴさんの名曲『アランフェス協奏曲』を村治さんがアランフェス宮殿で演奏するDVD制作の前後3カ月間、マドリッドに滞在。既にロドリーゴさん本人は没していましたが、そのご家族に会いに行ったのだとか。「『人生を楽しみなさい。たまにはギターを忘れてもいいのよ』。ロドリーゴの娘・セシリアさんのこの言葉に、ずっとギター一筋だった私は肩の力が抜けたように感じました」この言葉をもとに、マドリッドで自分の殻を破れたといいます。こうした経験を経た後、村治さんの奏でるギターの音が以前より柔らかくなったとも評されました。「マドリッドは建物の直線美が印象的。端正な宮殿の佇まいにも気持ちがスキッとするようでした」その後、数年間、毎年3~4カ月はマドリッドで暮らす生活を続けたこともあるそう。その時のマドリッドでの暮らしや、マドリッドを起点にスペイン各地を旅したエピソードを次回以降もご紹介していきます。

スペイン代表サッカーチームの優勝パレードで旗を持つ人々
▲スペイン代表サッカーチームの優勝パレードにて。
並木が続くマドリッドのプラド通り
▲2021年世界文化遺産へ登録されたプラド通り。

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「アランフェス協奏曲」

30年間、ステージでも80回以上弾き続けてきたこの曲はその時々の技術や表現を映し出し、音楽家としての私の歩みを見守ってくれた存在。ほかのどんな曲にも、この曲に向けるほどの愛しさで接したいと思わせてくれる曲です。

CDジャケット

村治 佳織

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