名古屋観光で行きたい11の穴場!市役所から恐竜のテーマパークまで

名古屋市役所本庁舎の外観

名古屋城と熱田神宮を見て、ひつまぶしを食べたら次はどこに行こう?――名古屋を旅してそう思ったことはありませんか。

そんなときに例えば思い出してほしいのが、森の中で実物大の恐竜が吠えるテーマパークです。場所は名古屋市内の公園で、名鉄の駅から歩いて行けます。ほかにも名古屋駅から徒歩圏に残る土蔵の通りや平日なら中まで入れる重要文化財の市役所など、定番の少し先に寄り道の候補はいくつもあります。

今回はそうした穴場を11ヶ所選び、行き方と料金、出かける前に知っておきたい注意点もまとめました。出張で半日だけ空いた日にも、2度目の名古屋旅行のときにも参考にしてください。

目次

土蔵の並ぶ通りをそぞろ歩き「四間道」

四間道

名古屋駅の高層ビル街から歩いて約15分。「四間道(しけみち)」は、石垣の上の土蔵と古い町家が残る通りです。新幹線までの空き時間を駅ビルでつぶすくらいなら、ぜひここまで足を延ばしてみてください。

始まりは1610年。四間道は名古屋城の築城にあわせて清須(きよす)から移ってきた商人たちの町でした。1700年の大火のあと、延焼を防ぐために道幅を4間(約7メートル)に広げたのが名前の由来とされています。通りの東側には高さ1mほどの石垣が続き、その上に土蔵がずらり。すぐそばを流れる堀川の舟運で栄えた商家の蔵です。

歩くときは民家の屋根にも目を向けて。軒の上に小さな社をまつる「屋根神さま」は尾張地方に伝わる風習で、路地に入ると子守地蔵尊のお堂もあります。南端の浅間(せんげん)神社には、樹齢300年を超えるクスノキやケヤキが立っています。

蔵や町家を生かした飲食店も多く、すぐ近くには円頓寺(えんどうじ)商店街のアーケードも。散策のあとの昼食や夕食の場所には困りません。

地下鉄なら桜通線の国際センター駅2番出入口から約5分。なごや観光ルートバス「メーグル」にも「四間道」停留所があります。通りは車の一方通行路で交通量が多いため、写真を撮るときは後ろに気をつけましょう。

水の流れで中部の地形を描く「白鳥庭園」

白鳥庭園

熱田神宮の最寄り駅のひとつ、地下鉄名城線の熱田神宮西駅。4番出口から神宮とは逆の方向へ10分ほど歩くと「白鳥(しろとり)庭園」に着きます。敷地は約3.7ヘクタールで、東海地方では最大級の池泉回遊式庭園。神宮とあわせて歩ける距離なので、参拝だけで帰るにはもったいない場所です。

庭のテーマは「水の物語」。築山を御嶽山(おんたけさん)に、そこから下る流れを木曽川に、水が注ぐ池を伊勢湾に見立て、源流から海までの風景を歩いてたどれるようにつくられています。池のほとりの「汐入(しおいり)の庭」は、潮の満ち引きで移り変わる海辺の景色を水位の変化で表したもの。水面にチタンのパイプを立てた、日本庭園としては大胆な造りです。

流れのほとりに建つ茶室「清羽亭(せいうてい)」は、白鳥が舞い降りる姿をかたどった数寄屋建築。歩き疲れたら「茶寮 汐入」で休めます。抹茶や煎茶に和菓子が付くセットなどがあり、ラストオーダーは16時です。

駅名は2023年に「神宮西」から「熱田神宮西駅」に変わりました。隣の熱田神宮伝馬町(てんまちょう)駅と間違えないようにしましょう。入園料は大人300円、中学生以下は無料。開園は9時から17時(入園は16時30分まで)で、月曜が休みです(祝休日の場合は翌平日)。

買い物の合間にふらりと寄れる「久屋大通庭園フラリエ」

久屋大通庭園フラリエ

栄で買い物をして、大須で食べ歩き。そのあいだを歩いて移動するなら、途中に無料でひと休みできる庭園があります。「久屋大通庭園フラリエ」は、栄から南へ延びる久屋大通公園のいちばん南の端にあります。

前身は1998年に開園したランの植物園「ランの館」。2014年に入園無料の庭園として再出発し、2024年4月にはアトリウムやレストランが新しくなりました。名前は「ふらり」と「フラワー」、そして「アトリエ」を合わせた造語だそうです。

園内には趣の違う庭がいくつもあります。バラが主役の「ハーモニーガーデン」、池のまわりにアジサイやクリスマスローズが咲く「ウォーターガーデン」、竹やクロトンで東南アジアのリゾートを表した「アジアンガーデン」など。空調の効いた大温室「クリスタルガーデン」は、真夏や雨の日の逃げ場にもなります。

カフェ「BRIOCHE Go.」はブリオッシュと季節のタルトの店。買ったものは庭のテーブルでも食べられます。

庭園は9時から17時30分まで開いていて、休みは年末年始とメンテナンスの日だけ。地下鉄名城線の矢場町駅4番出口から南へ歩いて3分、上前津(かみまえづ)駅1番出口からは北へ5分です。北門と東門だけは17時に閉まります。

別荘の地下にインドが広がる「揚輝荘」

揚輝荘

覚王山(かくおうざん)といえば日泰寺(にったいじ)の参道が知られていますが、その近くに百貨店創業家の別荘があります。「揚輝荘(ようきそう)」は、松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民(すけたみ)が大正から昭和初期にかけて築いたもの。約1万坪の敷地に最盛期は30数棟が建ち、皇族や政財界人を迎える社交場でした。

いま公開されているのは南園の「聴松閣(ちょうしょうかく)」と北園の庭園。聴松閣は1937年に迎賓館として建てられた山荘風の洋館です。1階と2階は英国風や中国風なのに、地階へ下りるとインド様式の舞踏場が現れます。祐民が1934年にインドなどの仏跡を巡った旅の感銘を形にしたとされ、ホールにはインド人留学生の描いた壁画も残っています。

北園は池を巡る庭園で、修学院離宮の橋を模したという「白雲橋(はくうんきょう)」が目印。こちらは無料で入れます。

聴松閣の観覧料は一般450円(中学生以下は無料)。月曜休園(祝日の場合は直後の平日)で、開園は9時30分から16時30分です。10時30分と14時にはスタッフが館内を案内する45分ほどのガイドがあり、時間を合わせて訪ねると細かな意匠まで見落とさずにすみます。地下鉄東山線の覚王山駅1番出口から北へ歩いて約10分です。

平日だけ歩ける昭和の名建築「名古屋市役所本庁舎」

名古屋市役所本庁舎

名古屋城へ向かう人が地下鉄の駅を出て最初に目にする、時計塔をのせた建物。それが「名古屋市役所本庁舎」です。外から眺めるだけではまだ半分しか見ていません。実は中にも入れます。

竣工は1933年。559の応募案から選ばれた平林金吾の設計で、高さ53.5mの時計塔の頂上には四方をにらむしゃちがのっています。これは名古屋城との調和を考えた意匠とのこと。2014年には隣の愛知県庁本庁舎とともに国の重要文化財になりました。

平日の開庁日なら廊下や階段といった共用部分を誰でも自由に見学できます。玄関ホールの柱と階段の手すりに使われているのは、山口県産の大理石「小桜」。国会議事堂で余った石材を使ったもので、この石があるのは議事堂とここだけと言われています。中央広間は高さ約20mの吹き抜け。北側の廊下は全長が約100m。庁舎は映画「笑の大学」や「SP 革命篇」、ドラマ「VIVANT」「虎に翼」などの撮影にも使われています。

現役の庁舎なので、執務室に入るのは不可。写真を撮るときは市民や職員の顔が写らないように配慮しましょう。貴賓室や屋上は例年11月3日の一般公開で見られます。

開庁は8時45分から17時15分で、土日祝は閉まります。場所は地下鉄名城線の名古屋城駅を出てすぐ。名古屋城に行ったついでの20分にちょうどいい見学先です。

青い入口から昭和へ下りる「伏見地下街」

伏見地下街の入口

名古屋は地下街の多い街で、名古屋駅と栄には大きな地下街がいくつも広がっています。そのなかでひとつだけ毛色が違うのが、伏見駅につながる「伏見地下街」です。

開業は1957年11月。繊維問屋が集まる長者町(ちょうじゃまち)の地下街として生まれました。延べ面積は約2,700平方メートルで、栄の「サカエチカ」の5分の1ほど。配管などに昭和の面影が残り、名古屋の地下街のなかでもとりわけ古い部類に入ります。

地上の出入口は真っ青に塗られています。これは「あいちトリエンナーレ2013」で台湾の打開連合設計事務所が手がけた作品「長者町ブループリント」。青い面に白い線で描かれた図が、見る角度によって立体のように浮かび上がります。会期が終わったあとも残されています。

一時は空き店舗が目立っていましたが、2015年ごろからは飲食店が増え、立ち飲みの店をはしごできる場所に変わっています。飲み歩きが目当てなら夕方からがいいでしょう。営業時間は店ごとに違い、日曜と祝日は地下街そのものが原則として閉まります。訪ねるなら平日か土曜に。

伏見駅は名古屋駅から地下鉄東山線でひと駅。東改札を出るとすぐに地下街が始まります。写真を撮るなら、まず地上に出て青い出入口から下り直してみてください。

動物園のあとに夜景を待つ「東山スカイタワー」

東山スカイタワー

名古屋の展望台といえば、栄の「中部電力 MIRAI TOWER」か名古屋駅前の高層ビル。「東山スカイタワー」はそのどちらからも離れた、東山動植物園の隣の丘に建っています。

名古屋市制100周年を記念して1989年に誕生。タワーの高さは134メートルですが、標高80mの丘の上に立つため、展望室の高さは標高180メートルになります。まわりに高い建物がなく、晴れた日には御嶽山や鈴鹿山脈まで見渡せます。「日本夜景遺産」にも認定されました。4階の展望室の中央にはタワーの揺れを吸収して居心地をよくする約20トンのおもりがあり、ガラス越しに実物を見られます。

入館料は高校生以上300円、中学生以下は無料。動植物園にも入るなら880円の共通券がお得です。動植物園だけの観覧券が800円なので、80円足すだけでタワーに上れる計算です。動物園は16時50分に閉まり、タワーは21時30分まで開いています(入館は21時まで)。夕方に動物園を出て、展望室で日没を待つ流れがつくれます。

休みは月曜(祝日の場合は翌平日)と年末年始。地下鉄東山線の星ヶ丘駅6番出口から歩いて約15分です。東山公園駅からも同じくらいですが、未舗装のハイキングコースを通るため、暗くなってからは星ヶ丘側が安心です。

ビルの10階に20世紀の名品がそろう「愛知県美術館」

愛知芸術文化センター

栄の「オアシス21」の隣に建つ愛知芸術文化センター。その10階に「愛知県美術館」があります。ビルの上の階にあるため、前を通っただけでは美術館があるとわかりにくい場所です。

所蔵品の柱は国内外の20世紀美術。クリムトの「人生は戦いなり(黄金の騎士)」やピカソの「青い肩かけの女」をはじめ、ボナール、エルンスト、戦後アメリカのモーリス・ルイスらの作品がそろいます。

知っておきたいのは、コレクション展だけなら一般500円、大学生300円、高校生以下は無料で入れること。企画展のチケットがあれば追加料金なしで観覧できます。展示作品は会期ごとに入れ替わるので、目当ての1点があるなら公式サイトの「現在展示中の作品」を先に見ておくと空振りがありません。

開館は10時から17時、金曜だけ20時まで延びます(入場は閉館の30分前まで)。休館は月曜(祝日の場合は翌日)と年末年始です。金曜の夜なら、絵を見てから栄で夕食という順番も組めます。

ただし、展示替えの期間には注意を。企画展と企画展のあいだは10階がまるごと閉まり、3週間以上に及ぶこともあります。旅行の日程が決まったら、先に開館カレンダーを確かめておきましょう。アクセスは地下鉄の栄駅から歩いて約5分です。

動く機械に時間を忘れる「トヨタ産業技術記念館」

トヨタ産業技術記念館

トヨタの博物館と聞くと車好きのための場所に思えますが、ここの展示は織機から始まります。「トヨタ産業技術記念館」が建つのは、豊田佐吉が1911年に織機の研究のために開いた試験工場の跡地。大正時代の赤レンガの工場を、柱や梁(はり)もそのままに展示館として使っています。

見どころは、古い機械から現代のロボットまでが実際に動くこと。ロビーでは佐吉が1906年に発明した「環状織機」が1日4回、円を描くように布を織り上げます。繊維機械館では糸紡ぎや機織りの機械が動き、自動車館には工場の生産機械と歴代の車両が並びます。金属を溶かして型に流す鋳造の実演や、ロボットによるバイオリン演奏もあります。実演は時刻が決まっているので、入館したら最初に確認を。

入場料は大人1,000円、中高生500円、小学生300円。地下鉄・市バスの「一日乗車券」や「ドニチエコきっぷ」を見せると2割引になります。開館は9時30分から17時(入場は16時30分まで)、月曜休館です(祝日の場合は翌日)。

名鉄名古屋本線の栄生(さこう)駅から歩いて3分。名古屋駅からは、なごや観光ルートバス「メーグル」に乗れば敷地内まで運んでくれます。なお、長久手(ながくて)市にある「トヨタ博物館」は別の施設。名前が似ているので、行き先を調べるときは要注意です。

恐竜世界へタイムスリップ!「ディノアドベンチャー名古屋」

名古屋のテーマパークと聞いて、森の中の恐竜を思い浮かべる人はまずいないでしょう。「ディノアドベンチャー名古屋」があるのは緑区の県営公園、大高(おおだか)緑地の一角。全長約950mのコースを歩きながら、木立のあいだに潜む18種の恐竜を探していく探検型の施設です。

ティラノサウルスにトリケラトプス、ステゴサウルス。実物大でつくられた恐竜は、人が前を通ると体を動かして鳴き声を上げます。順路は一方通行で、1周の目安は約30分。森の地形を残して整備されたコースには坂が多く、歩きやすい靴が欠かせません。コース内にトイレはないので、入場前にチケット売場の横ですませておくと安心です。

入場料は大人900円、3歳から中学生までが700円で、支払いは現金のみ。平日は10時、土日祝は9時に開き、いずれも17時まで(入場は16時まで)。夏季は9時から17時30分です。月曜が休みです(祝日の場合は翌平日)。雨の日も営業しますが、気象警報が出た日は大高緑地全体が閉園になり入場できません。

最寄りは名鉄名古屋本線の左京山(さきょうやま)駅で、歩いて約15分。左京山は普通列車しか停まらない駅で、急行や準急に乗ると通過してしまいます。子ども連れ向けと決めつけず、大人だけで歩いても探検気分に。コース内の撮影は自由なので、恐竜と並んだ1枚が旅のお土産になります。

絞り染めの町家が東海道に続く「有松の町並み」

有松の町並み

江戸時代の東海道を思わせる町並みが、名古屋市内にも残っています。場所は名鉄名古屋駅から名古屋本線で20分あまりの有松駅。駅のすぐそばを旧東海道が通っています。中心部から離れているせいで旅程からこぼれがちですが、準急か普通に乗れば乗り換えなしです。

町が開かれたのは1608年。尾張藩の奨励でできた集落で、耕地が少なかったため副業として絞り染めが工夫されました。これが「有松絞」の始まりです。1784年の大火で村の大半が焼けたあと、建物は漆喰を厚く塗り込めた塗籠造(ぬりごめづくり)に、屋根は茅から瓦に替わりました。卯建(うだつ)や虫籠窓(むしこまど)、なまこ壁を備えた商家はその名残。1790年創業の絞問屋「井桁屋」の服部家住宅がその代表です。

2013年に通りの電線が地中に移され、2016年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。大都市の街道沿いでは初めての選定です。電柱のない空に軒が連なり、写真を撮るにはうってつけの通りです。

絞りについて知るなら「有松・鳴海絞会館」へ。入館料は大人300円、開館は9時30分から17時で、16時30分までは絞りの実演を見られます。ハンカチを染める体験は1,800円(要予約)。「ディノアドベンチャー名古屋」の最寄り、左京山駅は名鉄で隣の駅なので、同じ日に両方を回れます。

有松の町並みについて、こちらの記事も見てみてください。

穴場も押さえて名古屋観光をもっと楽しく!

11ヶ所を路線図に当てはめると、ほぼ3本の路線に分かれます。伏見地下街、愛知県美術館、揚輝荘、東山スカイタワーは地下鉄東山線。名古屋市役所本庁舎、久屋大通庭園フラリエ、白鳥庭園は名城線。トヨタ産業技術記念館、ディノアドベンチャー名古屋、有松は名鉄名古屋本線です。残る四間道は名古屋駅から歩いて行けます。

つまり、その日に乗る路線を1本決めておけば、乗り換えに時間を取られずに2、3ヶ所は立ち寄れます。ただ、月曜が休みの施設が多いので、出かける曜日には気をつけて。

名古屋は定番だけで切り上げてしまうには惜しい街です。穴場も押さえて、市内観光を存分に楽しんでください。

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