アムステルダム最古の「ARTIS動物園」完全ガイド!子ゾウ誕生&水族館リニューアル

アムステルダム観光で、運河沿いの街歩きや美術館めぐりとあわせて訪れたいのが、市内中心部にある「ARTIS(アルティス)動物園」です。1838年に開園したオランダ最古の動物園で、世界各地の動物たちに出会えるだけでなく、美しい庭園や歴史的建造物、科学やアートにも触れられます。

2025年12月24日にはアジアゾウの男の子の赤ちゃん「モーク・ウム」が誕生し、翌2026年2月4日には女の子の「ユキ」が生まれました。ARTISの歴史で初めて、群れの中で2頭の子ゾウが一緒に成長するという嬉しいニュースです。

2頭がじゃれ合う姿や母親、群れの仲間たちに見守られる様子は、今しか見られない見どころのひとつです。

目次

188年以上の歴史を持つ動物園

ARTISは、アムステルダム中心部のプランタージュ地区(Plantage)に位置しています。

旧市街や主要な観光エリアからアクセスしやすく、トラムなどの公共交通機関を利用して気軽に訪れることができるのも魅力です。

ARTIS動物園のペンギンやライオンなどたくさんの動物たち

1838年に開園したARTISはオランダ最古の動物園で、ヨーロッパでも歴史ある動物園のひとつです。園内では約300種の動物に出会えるほか、約800本の樹木がつくる緑豊かな景観も楽しめます。哺乳類や鳥類、爬虫類など多様な生き物を観察でき、動物の生態や自然環境について学べる展示も充実しています。

RTIS動物園の豊かな緑に囲まれた歴史あるプラネタリウム建物の外観

また、園内にはプラネタリウム(上写真)や昆虫館、蝶のパビリオンなどがあり、2026年6月には長期修復を終えた水族館も再オープンしました。動物園のチケットで、これらすべての施設を利用できます。

私は動物のスケッチをするためによくARTISを訪れるので、年間パスを購入し、さまざまな楽しみ方をしています。休憩がてらプラネタリウムに行ったり、水族館の中で水槽を眺めながら佇んだりと、贅沢な時間をすごせるお気に入りの場所です。

動物の暮らしを尊重する展示

ARTISの大きな魅力は、動物をただ見せるのではなく、それぞれの生態や暮らしにしっかりと目を向けていることです。展示エリアには動物の行動や環境に配慮した工夫が施され、訪問者は動物たちの自然な動きや、仲間同士の関わりを観察することができます。

池の上に張られたロープを渡るクロクモザルや園内の展示

動物たちができる限り自然に動けるよう、池の上にはクロクモザル用の縄が張られ(写真1)、ワオキツネザルの居住スペースからは、木々へとつながる網状の通路が張り巡らされています(写真2)。険しい山岳地帯に生息するアイベックスは岩山で暮らし(写真3)、蝶はパビリオン内を自由に羽ばたいています(写真4)。

近年、動物園では飼育する動物の種類や数を増やすことだけでなく、一頭一頭がよりよい環境で暮らせるようにすることが重視されています。ARTISも「動物の数を減らし、飼育環境を向上させる」という哲学のもと、動物福祉や種の保全を意識しながら展示環境の改善を進めています。

以前のライオン展示の様子と現在のアフリカのサバンナをイメージした広大な新しいライオンエリア
<以前のライオンの展示(左写真)、リニューアルしたアフリカのサバンナをイメージした展示スペース(左写真)>

ライオンたちはかつて、走ることも身を隠すこともままならない小さなテラスで暮らしていましたが、2023年10月3日に、アフリカのサバンナをイメージした新しい居住スペースがオープンしました。広さは旧施設の約10倍で、起伏のある地形、砂地、草地、岩場、水辺などが設けられ、ライオンが自然な行動をとりやすい環境が整備されています。

ARTISでは今日も動物たちに少しでも自然に近い環境を提供するための投資と努力が続けられています。

歴史的建造物やパブリックアートが美しい庭園

曲がりくねった小道と歴史的建造物が調和する英国式庭園のような園内風景

ARTISの園内は、曲がりくねった小道や木々、花壇、池、歴史的な建物が織りなす、英国式庭園を思わせるつくりです。次の角を曲がると何に出会えるのだろう、と探検気分で散策できます。

春には花々が咲き、夏には木陰が心地よく、秋には葉の色づきが景色に深みを添えます。動物の展示を順番に回るのではなく、庭園そのものを楽しみながら散策するのがおすすめです。

国定記念建造物の外観と建築や自然、動物のパブリックアート

園内には26件の国定記念建造物があり、19世紀以来の歴史を今に伝えています。さらに、建築や自然、動物と調和したパブリックアート作品にも出会えます。歴史やアートに関心がある方には、美術館とは少し違った、屋外ならではの文化体験が待っています。

家族連れに嬉しい充実の設備

庭園の自然や建築と調和するように展示された屋外スペース

家族旅行でARTISを訪れるなら、ゆったりと過ごせる環境も見逃せません。園内にはいたるところにベンチがあり、食事やおやつにはカフェやレストランを利用できます。食べ物や飲み物の持ち込みも自由なので、天気のよい日には芝生の上で、木々を眺めながらピクニックを楽しめます。

子どもが体を動かせる遊び場もあり、動物を見て回る合間に遊ぶ時間も設けられます。動物よりも遊具に夢中になってしまう子どもたちも多く、滑り台からアスレチックまで、いくつかの遊び場があるのも嬉しいところです。

キリンやシマウマを眺めながら食事ができるカフェレストランDe Waterkantのテラス席からの景色

カフェレストラン「De Waterkant」は、キリンやシマウマを眺められる水辺のテラス席が人気です。

待望の水族館リニューアルオープン!

2026年に修復オープンした1882年建築の歴史的建造物である水族館の内観

2026年6月13日、約5年にわたる修復工事を経て、水族館が待望のリニューアルオープンしました。1882年に開館した歴史的建造物を守りつつ、現代的な展示技術を駆使した水族館へと生まれ変わりました。

魚や海の生き物の生態を伝える水槽展示のみにとどまらず、水が地球上のあらゆる生命を支えていることを伝えるさまざまな展示が加わりました。最新技術を使用したインタラクティブな展示も多く、子どもから大人まで楽しみながら学べる仕組みになっています。

企画展のスペースも新設され、現在はオラファー・エリアソンによる「Deep seeing currents」展が開催されています。暗闇に包まれながら、光や音、振動によって深海へと誘われるイマーシブアートで、体の奥に響くようなクジラの歌がとても印象的でした。

まとめ:ARTIS動物園 施設情報

木漏れ日が差し込むARTIS動物園の美しい緑と散策路

ARTISはアムステルダム観光に「自然」と「文化」の楽しみを加えてくれる魅力的なスポットです。賑やかな街歩きの合間に動物園でゆっくり過ごす時間をつくれば、街の違った表情に出会えます。

アムステルダムの中心部に位置しているため旅程に組み込みやすく、入園料ひとつで園内のすべての施設を楽しめるコストパフォーマンスの高さも大きな魅力です。動物を見て回りながら、フォトジェニックな庭園を散策し、歴史的な建物を眺め、プラネタリウムで宇宙を旅し、水族館で水の世界に浸るなど、実に多彩な体験が叶います。

そして何より、2頭の子ゾウという「今しか見られない」特別な体験が待っています。緑豊かな木陰や芝生で休憩しながら、自分たちのペースで心ゆくまで楽しめるARTISを、ぜひ次の訪問先候補に加えてみてください。

ARTISチケットのお得情報

ARTISのチケットは公式サイトまたは窓口で購入できます。年間パス(96ユーロ)を購入すると、パス所有者の他に大人3名の無料チケットがついてきますので、実質4名分のチケットになります。

4名で訪問する際は、チケットを4枚(31.5ユーロ×4名=126ユーロ)購入するよりもお得になります。また、年間パスの所有者は、アムステルダム滞在中に何度でもARTISに入園できます。

ARTIS動物園      

  • 所在地:Plantage Kerklaan 38-40, 1018 CZ Amsterdam
  • 電話:+31 (0) 20 5233 670       
  • 開園時間:9:00~18:00
  • 閉園日:無し    
  • 入園料:大人 31.5ユーロ、3~12歳 28.5ユーロ, 2歳以下 無料(年間パス 大人 96ユーロ, 年間パス 3~17歳 72ユーロ)
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりトラム14番で10分Artis/Holocaustmuseum下車徒歩2分
  • 公式サイト:ARTIS動物園

※開園時間:12月24日~26日 9:00~17:00/12月31日 9:00~16:00/1月1日 10:00~17:00

※施設の詳細やアクセス方法などは2026年10月時点のものですので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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Kayo Temel

山形県出身。オランダのアムステルダムにある美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターやライターの仕事をしています。渡欧以来、訪れた国は23カ国。旅をするたびに、文化の多様さに感銘を受けます。また、住み慣れたオランダでも、まだまだ新しい発見がつきません。25年の滞在経験とアートの視点を活かし、、オランダの魅力を深く味わうための情報をお届けします。

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