

東京から新幹線で約45分と、思い立ったらすぐに足を延ばせる熱海。温泉街として有名ですが、海や歴史建築、絶景スポットなども凝縮されていて、車がなくても十分に楽しめるのが魅力です。ただそれでも「路線バスの乗り換えは難しくない?」「坂道が多いって聞くけれど大丈夫?」と不安に思う方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、電車やバス、タクシーを使いこなしながら、車なしで身軽に熱海を満喫するコツを紹介。観光中の荷物問題への対処法からおすすめスポット、具体的なモデルコースまでをまとめました。徒歩や公共交通機関をうまく取り入れて、ストレスフリーな熱海旅を叶えてみましょう!
※記載の料金等は執筆時点のものです。最新情報を公式サイト等でお確かめください。
目次
熱海観光は車なしでもOK?
「熱海観光は車がないと不便では?」と心配する声もありますが、車なしでもまったく問題ありません。
熱海駅に降り立てば、主要な観光地へのアクセスは電車・バス・タクシーの組み合わせでほぼカバーできます。有数の温泉観光地として長年整備されてきたこともあり、交通手段に困ることはまずないでしょう。
ただし、注意点もあります。
「坂道が多い街」ということを知っておく
熱海は坂道が多いので、地図では近く見えても、実際は急な上り坂が続くことがあります。足腰に不安がある人、膝や腰に持病がある人などは、無理に歩かず公共交通を上手に使うのが賢明です。
熱海の地形は「海側に下り、山側に上り」が基本。熱海駅自体が海より高い位置にあるため、駅前から海や商店街方面へは下り基調。逆に、來宮(きのみや)神社やMOA美術館など山側へ向かうと、上り坂が待ち構えています。
すべてを徒歩で回ろうとすると、気づかないうちに体力を消耗しがち。特に夏場や荷物が多い日は、少しの移動でも負担に感じやすくなります。歩きやすい靴を履く、詰め込みすぎない、そして「上りは乗る、下りは歩く」という使い分けを意識するのがポイントです。
足腰に不安がある人のための現実的な対策
シニアや体力に自信がない人でも、熱海観光を十分楽しめます。ポイントは「歩数」だけでなく「立ちっぱなしの時間や待ち時間」を減らすこと。バス停やタクシー乗り場まで歩く距離を最小限に抑え、途中で座れる場所があるルートを意識して選ぶと、体への負担を抑えられます。
來宮神社へは熱海駅からバスで約20分。JRの来宮駅下車なら徒歩5分程度です。MOA美術館も駅からバス1本で行けます。「車がないと行ける場所が限られる」と思いがちですが、熱海はそうでもありません。駅周辺、海辺、商店街、主要観光地を組み合わせれば、初めての人でも動きやすいモデルコースが組めます。
熱海の公共交通機関事情
車なしで熱海を回るなら、現地で足となる公共交通機関の特徴を押さえておきましょう。熱海市内は電車、バス、タクシーが利用でき、目的地や移動ルートに合わせて賢く選べば驚くほどスムーズに移動できます。
電車
熱海へのアクセスで最もポピュラーなのが電車。東京駅から熱海駅まで、新幹線「こだま」で約45分(「ひかり」は約35分だが本数が少ない)、特急「踊り子」なら約80分。在来線の東海道本線でも、横浜や小田原方面から乗り換えなしでアクセスできます。
熱海駅は、1番線が伊東線(伊東・伊豆急下田方面)専用、2・3番線が東海道本線下り(三島・沼津・静岡方面)、4・5番線が東海道本線上り(小田原・東京方面)です。伊東線へ乗り換える場合は、在来線改札から直接1番線にアクセスできます。乗り換え時間が短い場合は、あらかじめ降車位置を確認しておくとスムーズです。
伊東線は熱海から伊東まで約22分、330円(IC運賃)。本数は1時間に2本程度で、伊豆半島の東海岸沿いを走るローカル線。伊東方面へ足を延ばす予定がある人は、この路線を覚えておくと行動範囲が広がります。
なお、2026年3月のダイヤ改正以降、東京~熱海間は「新幹線経由」と「在来線経由」を明確に区別する仕組みに変更されました。新幹線経由のきっぷで在来線に途中下車することはできなくなったため、経路を事前に確認しておく必要があります。
バス
熱海市内の移動では、路線バスがおもな移動手段になります。熱海駅を起点に、來宮神社、MOA美術館、伊豆山神社、網代(あじろ)方面など主要スポットをカバーしています。
特に便利なのが「東海バスフリーきっぷ 熱海1日券」。大人800円、小人400円で、熱海市内の東海バス路線バスが1日乗り放題になります。さらに、このきっぷを提示すると市内14施設で割引特典が受けられるため、複数のスポットを回る予定ならほぼ必須と言っていいでしょう。
販売場所は、熱海駅前の東海バス案内所など。バスの本数は路線によりますが、主要スポットへは1時間に1~2本程度であることが多く、土日や観光シーズンは道路混雑によりダイヤが乱れやすいため、移動時間には少し余裕を持たせておきましょう。
タクシー
「少し疲れた」「時間が足りない」というときはタクシーが重宝します。タクシー乗り場は熱海駅改札を出て左側のロータリーにあり、新幹線から来た人は在来線乗換改札を通って改札を出れば徒歩1分程度です。
「駅から山側の目的地まで行くときにタクシーを使い、帰りは下り坂を歩いて観光する」といったメリハリのある使い方をすると便利です。
熱海での荷物の預け場所
車なしの観光では、荷物を手軽に預けられるかが快適さを左右します。熱海駅周辺にはコインロッカー、手荷物一時預かり所、手荷物配送サービスと複数の選択肢があります。それぞれの特徴と使いどころを見ていきましょう。
コインロッカー
JRの熱海駅には、改札内・改札外に複数のコインロッカーが設置されています。料金はサイズにより300円~800円。改札外のみどりの窓口横や、駅前の「熱海第一ビル(ATAMIX)」1階の各所にも設置されており、小サイズなら100円~400円と駅構内より安めの場所もあります。
ただし、大型のスーツケースが入るロッカーは数が限られており、土日や観光シーズンは満杯になっていることも。朝早い時間帯に確保するのが無難です。
手荷物一時預かり所
「コインロッカーが満杯」「大型スーツケースが入らない」「荷物の出し入れを頻繁にしたい」といったときは、手荷物一時預かり所を利用するのが便利です。
前出の「熱海第一ビル」1階には複数の手荷物預かり所があります。基本的に、大型スーツケースを含むほとんどの大きさの荷物を預かってくれます。
営業時間は9:00~18:00など(店舗により異なるので注意)。「熱海第一ビル」は飲食店や雑貨店も入るレトロな商業ビルで、駅前から雨に濡れずにアクセスできます。コインロッカーを併設している店舗も多く、状況に合わせて使い分けられるのも利点です。
手荷物配送サービス
「チェックイン前に荷物を送りたい」「チェックアウト後も身軽に観光したい」ときには、手荷物配送サービスが役に立ちます。
「熱海第一ビル」地下1階にある「手ぶらでGO」は、10:00~13:00に預けると、15:00までに提携宿泊施設へ配送してくれます。料金は片道1,000円、往復1,800円(1個あたり)。団体割(4個以上)や学割もあり、学割往復なら1,500円で利用可能です。
チェックイン前に荷物を送っておけば、到着後すぐに温泉や観光を楽しめます。チェックアウト後も身軽に駅まで戻れるため、最終日の観光にも便利です。
車なしの観光でおすすめのスポット
ここからは、車なしの熱海観光で無理なく回れるスポットを5つピックアップして紹介します。海、商店街、美術館、歴史的建造物、神社と、ジャンルもさまざま。自分の興味や旅のテーマに合わせてチョイスしてみてください。
熱海サンビーチ
![]()
青い海と白い砂浜、立ち並ぶヤシの木が南国リゾートの雰囲気を醸し出す「熱海サンビーチ」。熱海を代表するランドマークであり、爽やかな潮風を感じながらの散策にぴったりのエリアです。
熱海駅からは徒歩で15分ほど。ビーチ沿いにはアーティスティックなオブジェ、地中海のリゾートを彷彿とさせるムーンテラスなど、散策路としてのコンテンツが充実。少し距離を感じるなら、駅から路線バスを利用して「サンビーチ」バス停で下車すれば数分で到着できます。
波打ち際を歩くのはもちろん、遊歩道のベンチに腰掛けて穏やかな相模湾を眺めるだけでも特別な時間に。夜になると日本初のビーチライトアップが実施され、昼間とはまた違う幻想的な景観が広がります。
熱海駅前の商店街
![]()
熱海駅の改札を出てすぐ目の前に広がる平和通り商店街と仲見世商店街は、旅の始まりや締めくくりに欠かせない活気あふれるスポット。アーケード街になっているため、雨の日でも濡れずに買い物や食べ歩きができます。
出来立ての温泉まんじゅう、干物やかまぼこなど、小腹を満たせるテイクアウトグルメがいろいろ。老舗の干物店やレトロな喫茶店も立ち並び、昭和ノスタルジーな雰囲気を味わえます。
駅から目と鼻の先の立地なので、帰りの電車を待つちょっとしたスキマ時間やお土産をまとめて買いそろえたいときにも重宝します。
MOA美術館
![]()
相模灘を見下ろす高台に建つMOA美術館は、絶景とアートを同時に堪能できる文化スポットです。国宝や重要文化財を含む約3,500点のコレクションを収蔵。また、洗練された建築美や広大な日本庭園も見どころです。
高台に位置するため徒歩での移動は厳しいですが、アクセスはシンプル。熱海駅バスターミナル8番乗り場から発着する「MOA美術館行き」のバスに乗れば約7分、終点下車すぐ。タクシーなら約5~7分です。
メインエントランスから展示室へと続く万華鏡のドームや超長尺のエスカレーターは迫力満点。館内のカフェやレストランで海を眺めながら過ごすカフェタイムも一味違った贅沢を感じさせてくれます。
起雲閣(きうんかく)
![]()
起雲閣は「熱海の三大別荘」の1つとして大正時代に建てられ、のちに日本を代表する文豪たちに愛された名旅館へと生まれ変わった歴史的建造物。和館の伝統的な建築美と、洋館に施されたステンドグラスやタイルの装飾が見事に調和した上質な空間が魅力です。
熱海駅からは路線バスで10分ほどの「起雲閣前」や「天神町」バス停からすぐ。街中の平地に近いエリアに位置しているため、立ち寄りやすいスポットです。
緑豊かな回遊式庭園を客室から眺める贅沢なロケーションは、まるで昔の時代にタイムスリップしたかのよう。太宰治や山本有三など著名な作家が滞在した部屋も残されており、歴史や文学に思いを馳せながら静かな時間を過ごせます。入館料は大人610円、中高生360円、小学生以下無料。開館時間は9:00~17:00(最終入館16:30)、毎週水曜日休館(祝日の場合は開館)。
來宮神社
![]()
古くから熱海の地を守る鎮守の神として崇められ、近年は屈指のパワースポットとしても高い人気を集める來宮神社。本殿の奥には樹齢2,100年以上といわれる御神木「大楠」が鎮座し、その大きな樹幹と長い年月を感じさせる姿は一見の価値ありです。
アクセスは、熱海駅から伊東線で1駅の来宮駅で降りて徒歩約5分とスムーズ。または熱海駅からバスで約20分、「來宮神社前」下車すぐです。参拝時間は9:00~17:00(祈祷の受付は9:00~16:30)まで。
境内にはおしゃれなオープンカフェが併設されており、スイーツを味わいながらひと休みするのもおすすめ。夕暮れ以降には大楠周辺がライトアップされ、幻想的な木漏れ日プロジェクトの灯りに包まれます。
來宮神社について詳しくは以下の記事もご覧ください。
車なしの場合の熱海の上手な回り方
車なしで効率よく熱海を巡るには、スポット同士の位置関係と地形の特徴を押さえたルート選びをするのが基本。バスのフリーきっぷもうまく活用すれば、車がなくてもストレスなく観光を楽しめます。
下り坂を有効活用する
前述したように、熱海観光を車なしで回るなら、歩くときは下り坂を積極的に利用しつつ、上り坂はなるべく乗り物を使うように意識するのがコツです。
たとえば、來宮神社→起雲閣→駅周辺商店街→熱海サンビーチの順で回れば、ほぼ下り坂で移動できます。逆に、海側から山側へ上りながら回ると、気づかないうちに体力を消耗するので注意。山側に向かうときはためらわずにバスやタクシーを利用しましょう。
バスフリーきっぷを賢く使う
市内の観光スポットを複数巡るなら、お得な一日乗車券を活用しない手はありません。「東海バスフリーきっぷ(熱海1日券)」は、熱海市内の指定エリア内の東海バス路線が1日乗り放題になるチケットです。
主要な見どころを網羅しているため、乗り降りを繰り返すほど交通費の節約になります。さらに、提携する観光施設や美術館で提示すると入館料が割引になる特典が付いているのも嬉しいポイント。
チケットは窓口だけでなく、東海バスの公式サイトやスマホアプリでも購入可能。デジタルチケットなら、乗降時に画面を見せるだけで済むため、小銭を用意する手間も省けます。
1日で満喫! 車なしモデルコース
車を使わずに名所を凝縮して巡る、おすすめの1日ルート(日帰り)を2つのパターンで紹介します。自分の体力や興味に合わせて選んでみてください。
Aコース:主要スポットを網羅する欲張りプラン
- 熱海駅到着・手荷物預け(手ぶらでスタート)
- 路線バスでMOA美術館へ(高台からの絶景とアートを鑑賞)
- バスで熱海駅へ戻る→熱海駅前商店街(海鮮ランチ&食べ歩き)
- JR伊東線で來宮神社へ移動(来宮駅下車、徒歩5分で参拝)
- 來宮神社から熱海サンビーチへ徒歩で下る(海沿いを散歩)
- 熱海駅へ戻る(お土産を購入して帰路へ)
Bコース:欲張りすぎない余裕プラン
- 熱海駅到着・手荷物預け(手ぶらでスタート)
- 來宮神社へ移動(JR伊東線で1駅、参拝30分)
- 起雲閣へ(バスで10分、見学40分)
- 熱海駅前商店街(徒歩で戻り、ランチ&食べ歩き)
- 熱海駅へ戻る(お土産購入)
Aコースは、熱海の主要スポットをほぼ網羅する欲張りプラン。MOA美術館の鑑賞時間を1~2時間とると、丸1日かかるスケジュールです。
Bコースは、山側の移動を最小限に抑えた余裕プラン。半日(約5~6時間)で回ることも可能で、体力に自信がない人や、温泉やカフェでゆっくり過ごしたい人に向いています。
上手に熱海観光を楽しもう!
海と山に囲まれた豊かな自然や歴史ある街並み、そして美味しいグルメも味わえる熱海は、車を使わない観光スタイルがマッチする街でもあります。
電車やバス、タクシーなどの公共交通機関をルートに合わせて組み合わせれば、駐車場の混雑や狭い坂道での運転に気をもむことなく、自分のペースでゆったりと観光を満喫できます。駅前のコインロッカーや配送サービスを上手く使って身軽になるのも、快適な旅行を叶えるためのポイントです。
この記事で紹介したスポットやモデルコースを参考に、自分なりの熱海観光を見つけてみてください。車なしだからこそ、街の風景や人々の営みをゆっくり味わえる旅になるはずです。

「静岡」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『静岡』旅行はこちら
※外部サイトに遷移しますRelated postこの記事に関連する記事
Ranking静岡記事ランキング
-

国内の人気観光地研究部
- 定番、流行、穴場、全国のあらゆる観光スポットをご紹介!
































