静岡観光を日帰りで満喫したい場合のおすすめスポットと回り方

大淵笹場

静岡といえば、富士山を仰ぐ絶景をはじめとして、歴史ある社寺、湖畔のリゾート、温泉に動物園と、旅の好みがバラバラなグループでも「全員が楽しめる場所」を見つけやすい、まさに観光のデパートのようなエリアです。

しかも東京や名古屋からの新幹線などを使ったアクセスが抜群。朝出発すれば夕方には帰宅できる、「日帰り」も楽しみやすい県です。とはいえ、いざ行こうと思うと「静岡って広すぎて、どこから回ればいいの?」と途方に暮れてしまう方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、静岡県を「東部・富士エリア」「中部・静岡市エリア」「西部・浜松エリア」「伊豆エリア」の4つに分けて、日帰りで楽しめる厳選スポットをご紹介します。旅のスタイルや出発地にあわせて、自分にぴったりのルートを探してみてください。

目次

静岡の日帰り観光のポイント、見どころは?

静岡県は「富士山」「お茶」「温泉」「海」を一県でぜんぶ体験できるという、ほかにはなかなかない観光地です。まずは全体のポイントをざっくりつかんでから、自分のプランを組み立ててみましょう。

静岡県は「4エリア」に分けられる

静岡県は東西に長い県で、観光エリアは大きく4つに区分されます。それぞれに個性が異なるため、まず「どこを訪れるか」を決めることが、日帰り旅を成功させる第一歩です。

  • 東部・富士エリア:三島・富士宮を中心に、富士山を間近に望む絶景スポットが集中。吊り橋、滝、茶畑など「写真映え」する場所が多い
  • 中部・静岡市エリア:世界文化遺産の三保松原や、静岡浅間神社など歴史スポットが充実。新幹線「静岡駅」から回りやすいのも魅力
  • 西部・浜松エリア:浜名湖という絶好のレジャーフィールドと、浜松城などの歴史観光をあわせて楽しめる
  • 伊豆エリア:温泉、断崖の海岸線、動物公園、ロープウェイと、アクティビティの選択肢がとりわけ豊富

アクセスは抜群。でも「エリア内の移動」には注意

新幹線「ひかり」を使えば、東京駅から約1時間、名古屋駅からも同じく約1時間で静岡駅に到着します。

ただし、静岡県内はとにかく広い。たとえば東端の熱海から西端の浜松まで、在来線で2時間以上かかります。日帰りでは欲張りすぎず、「1エリアに絞る」か「隣接する2エリアを組み合わせる」のが賢い選択です。

日帰りを快適にする3つのポイント

静岡への日帰り旅をスムーズにするには、以下のポイントを押さえておきましょう。

・午前中に移動を済ませる
主要スポットの多くは午前9~10時にオープン。新幹線の始発・早朝便を使えば、ゆとりのあるスケジュールが組めます。

・レンタカーとの組み合わせを検討する
三保松原や大淵笹場など、郊外のスポットは公共交通機関でのアクセスがやや難しい場所も。新幹線+現地レンタカーが機動力抜群。

・グルメも旅の主役にする
桜えびのかき揚げ、しらす丼、静岡おでん、浜松餃子など、静岡のご当地グルメは日帰りでもぜひ外せない要素。昼食を「そのエリアの名物」で選ぶと、旅の満足度がぐっとアップします。

【静岡東部・富士エリア】絶景を望む日帰り旅

富士山を「下から」「横から」「茶畑越しに」とさまざまな角度で楽しめるのが、東部・富士エリアの最大の魅力です。

三島・富士宮・富士市にまたがるこのエリアは、東京方面からのアクセスも良好で、日帰りでも満足度の高いスポットがそろっています。

日本一長い吊り橋「三島スカイウォーク」

三島スカイウォーク

JR三島駅からバスで約20分の場所にある三島スカイウォークは、全長400m・高さ70mを誇る日本最長の歩行者専用の吊り橋です。

橋の上から眺められるのは、日本一高い富士山と日本一深い駿河湾という2つの「日本一」が視界に入る豪快なパノラマ。晴れた日は悠然とした富士山が望め、眼下には緑豊かな箱根西麓の山並みが広がります。

吊り橋を渡り切るのにかかる時間は片道10~15分ほど。橋を渡った先の施設内にはジップラインやフォレストアドベンチャーなどアクティビティが充実。スカイガーデンでショッピングや食事も楽しめるので、所要時間は1時間半~2時間程度見ておくとよいでしょう。

なお、標高が高く遮るものがないため、風が強い日は想像以上に体感温度が下がることも。1枚羽織るものを用意しておくと安心です。

>>三島スカイウォークの公式サイトはこちら

美しい名瀑「白糸ノ滝」

白糸ノ滝

富士宮市にある白糸ノ滝は、高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁を、大小数百の細い滝が一斉に流れ落ちる名瀑。

繊細で幻想的な景観は、一度見たら忘れられない印象を与えてくれます。富士山に降り積もった雪解け水が長い年月をかけて溶岩の壁から湧き出すという自然の神秘が生み出した光景で、ユネスコ世界文化遺産「富士山」の構成資産にも含まれています。

JR富士宮駅から富士急静岡バスで約30分でアクセスでき、滝周辺をゆっくり散策するなら30分~1時間程度の滞在が目安です。

すぐ近くに勢いよく落ちる「音止の滝」もあり、白糸ノ滝の優美さとは対照的な迫力が楽しめるため、セットで巡るのがおすすめです。

>>白糸ノ滝の公式サイトはこちら

写真映えする茶畑「大淵笹場(おおぶちささば)」

大淵笹場

富士市の大淵笹場は、裾野まで広がる緑の茶畑の向こうに富士山がどっしりとそびえる絶景スポットです。

地元の景観保存会が観光茶園として無料開放しており、入場料なしで富士山×茶畑の風景を観賞できます。富士山がすっきりと見えるのは午前中なので、早い時間帯に訪問するのが得策です(年中無休・24時間開放)。

新東名富士ICから車で約10分と車でのアクセスが便利で、JR新富士駅からはレンタカーで30分ほど。特に4月中旬~5月上旬の新茶の季節は、新緑の茶畑と残雪をたたえた富士山のコントラストが最も美しい時期です。インスタグラムなどSNSでも人気が高く、休日の早朝は多くのカメラマンが三脚を構えている光景も見られます。

>>大淵笹場の公式サイトはこちら

東部・富士エリアの日帰りモデルコース例

三島スカイウォーク・白糸ノ滝・大淵笹場は互いに近接しており、車を使えば1日でまとめて回ることができます。

たとえば午前中に三島スカイウォークで絶景と吊り橋を満喫し、お昼は富士宮名物の「富士宮やきそば」で腹ごしらえ。午後は白糸ノ滝と大淵笹場をセットで巡るというルートが定番です。

電車+バスのみで回る場合はスポット間の移動に時間がかかるため、三島スカイウォークに絞ってじっくり楽しむか、JR新富士駅でレンタカーを借りるかの二択が考えられます。

【静岡中部・静岡市エリア】歴史ロマンとパノラマビュー

静岡市エリアは、世界文化遺産の海岸松林、山頂からの360度ビュー、極彩色の社殿群など「絶景」と「歴史」の両方が凝縮されたエリア。

JR静岡駅を起点に動きやすく、新幹線で訪れる日帰り旅行者にとって特に回りやすいのが特徴です。

富士山・松林・海の三拍子「三保松原」

三保松原

静岡市の三保半島に広がる三保松原は、約5kmにわたる海岸線に約3万本の松並木が続き、その向こうに富士山が浮かぶ景勝地です。

2013年には「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。葛飾北斎や歌川広重の浮世絵にも描かれた日本を代表する景勝地であり、日本三大松原にも数えられています。

JR静岡駅から路線バスで約50分、もしくはしずてつジャストラインの「三保山の手線」を使ってアクセスできます。

「羽衣の松」と呼ばれる天女伝説ゆかりの老松は必見。松林越しに望む富士山は、晴れた冬の午前中に最もくっきりと見えます。寄せては返す波の音を聞きながら砂浜を歩けば、浮世絵の世界に迷い込んだような不思議な感覚を味わえるでしょう。

建築と絶景の融合「日本平夢テラス」

日本平夢テラス

三保松原と対をなすようにして楽しみたいのが、日本平山頂にある日本平夢テラスです。

世界的建築家・隈研吾氏が設計した木造の展望施設で、360度のパノラマから富士山・三保松原・駿河湾・南アルプスが一望できます。

2018年のオープン以来、建築ファンからも自然愛好家からも評価が高い施設です。静岡県産の木材をふんだんに使用した建物は、木の温もりと香りに包まれ、周囲の景観に見事に溶け込んでいます。

JR静岡駅からバスで約45分のところにある日本平ロープウェイ乗り場から、ロープウェイで久能山東照宮(徳川家康を祀る社)へも足を延ばせます。

夜間はライトアップも行われ、日没前後の時間帯はとりわけ美しい眺望が広がります。日本平夢テラスの所要時間は30~60分ほどで、ロープウェイや久能山東照宮ともセットで回れば、半日コースとして充実した内容になります。

>>日本平夢テラスの公式サイトはこちら

極彩色の社殿群「静岡浅間神社」

静岡浅間神社

JR静岡駅から徒歩約20分、または市内バスで気軽にアクセスできる静岡浅間神社は、「おせんげんさん」の名で市民に親しまれてきた歴史ある神社です。

境内の社殿群26棟が国の重要文化財に指定されており、足を踏み入れると鮮やかな朱と金の社殿群が連なる光景に思わず息をのみます。江戸時代後期に造営されたもので、日光東照宮にも引けを取らない華麗さです。

徳川家康が幼少期を過ごした地でもあり、歴史的な背景を知ってから参拝すると、より一層味わいが深まります。社殿の細部まで施された彫刻や彩色はじっくり見ごたえがあり、所要時間は45分~1時間が目安。

周辺には静岡のご当地グルメが揃う「青葉横丁」も徒歩圏内にあるため、参拝後の腹ごしらえにも困りません。

>>駿河國総社 静岡浅間神社の公式サイトはこちら

中部・静岡市エリアの日帰りモデルコース例

静岡駅を起点に、午前中に三保松原でゆっくり散策し、昼食はしらす丼などの海鮮グルメを堪能。午後は日本平夢テラスで絶景を楽しんだあと、夕方に静岡浅間神社へ立ち寄り、青葉横丁で静岡おでんを締めに食べて帰路につく、というルートが充実度高くまとまります。

三保松原と日本平はいずれも車かバスが必要になるため、レンタカーを使うと移動時間を大幅に短縮できます。

【静岡西部・浜松エリア】湖畔のレジャーと出世の街

浜松エリアは、徳川家康ゆかりの歴史スポット、日本最大級の湖・浜名湖を舞台にしたレジャー、そして工場見学まで、バラエティ豊かな観光が楽しめるエリアです。

JR浜松駅を起点にバスやレンタカーで動くと、半日~1日でぐるりと回れます。

徳川家康が築いた出世城「浜松城」

浜松城

浜松城は、若き日の徳川家康が17年間を過ごした城として知られ、「出世城」の異名を持つ歴史スポットです。

家康はここを拠点に天下統一への礎(いしずえ)を築いたとされ、その後、浜松城主から出世した武将も多かったことから、この呼び名が定着しました。現在は浜松城公園として整備されており、天守閣からは浜松市街と遠州灘(えんしゅうなだ)を見渡すことができます。

JR浜松駅から徒歩約15分とアクセスしやすく、天守閣内は歴史博物館としても機能しています。

所要時間は散策込みで1時間程度。家康公を祀る「浜松元城(もとしろ)東照宮」も隣接地にあり、歴史好きにはたまらないエリアです。

>>浜松城の公式サイトはこちら

社会科見学を楽しめる「うなぎパイファクトリー」

「夜のお菓子」として知られる浜松銘菓・うなぎパイの製造工程を無料で見学できるのが、春華堂(しゅんかどう)が運営するうなぎパイファクトリーです。

ガラス越しに職人の手作業や機械による大量生産の様子を眺めながら、工場の仕組みを体感できるとあって、子ども連れから大人まで幅広い層に人気があります。

工場見学は無料で、所要時間は30~40分ほど。見学後はショップで焼きたてのうなぎパイが購入でき、お土産選びも同時に済ませられます。浜松に来たら外せない定番コースのひとつです。

>>うなぎパイファクトリーの公式サイトはこちら

浜名湖畔の「はままつフラワーパーク」

はままつフラワーパーク

浜名湖のほとりに広がるはままつフラワーパークは、四季折々の花々が咲き誇る植物公園です。

約3,000種の植物が植えられており、春のチューリップや桜、初夏のバラ、冬のイルミネーションと、訪れる時季によって異なる表情を見せてくれます。

新幹線「浜松駅」からバスで約40分。広大な園内の所要時間ははゆっくり歩いて1時間半~2時間が目安です。隣の動物園「はまZOO」も同時に回ると長くなります。

浜名湖越しに見える風景も開放感があり、花と湖の両方を楽しめる贅沢(ぜいたく)なスポットです。

>>はままつフラワーパークの公式サイトはこちら

西部・浜松エリアの日帰りモデルコース例

午前中に浜松城で歴史散策を楽しみ、昼食は駅周辺で浜松餃子をたっぷり味わいましょう。午後はうなぎパイファクトリーで工場見学とお土産購入を済ませ、夕方前にはままつフラワーパークへ移動して花と湖の景色で旅を締めくくる、というルートがバランスよくまとまります。

車があれば移動がよりスムーズです。

【伊豆エリア】温泉と自然のアクティビティ

伊豆エリアは、断崖の海岸線、個性豊かな動物公園、富士山を望む絶景テラスと、静岡の中でも特に幅広いアクティビティが体験できるエリアです。

温泉地としても名高く、観光の合間に日帰り入浴を組み込めるのもこのエリアならではの楽しみ方です。

断崖絶壁のスリル「城ヶ崎海岸」

城ヶ崎海岸

伊豆高原の城ヶ崎(じょうがさき)海岸は、約4,000年前の大室山(おおむろやま)の噴火によって形成された溶岩海岸で、荒々しい断崖と紺碧(こんぺき)の海が織りなす景観が見ごたえ抜群のスポットです。

岩場の上に架かる「門脇吊橋(かどわきつりはし)」は長さ48m・高さ23mで、足元の隙間から海が見えるスリリングな造り。吊り橋を渡ったすぐそばにある門脇灯台(かどわきとうだい)に上ると、伊豆七島まで見渡せる開放的なパノラマが広がります。

海岸沿いのハイキングコース(約9km)は片道2時間ほどの行程です。全部歩かなくても、門脇吊橋周辺だけでも十分に迫力ある景観を楽しめます。所要時間は1時間~1時間半が目安です。

カピバラがいる「伊豆シャボテン動物公園」

温泉に浸かるカピバラ

伊豆シャボテン動物公園は、1,500種以上のサボテン・多肉植物と、カピバラをはじめとする動物たちが共存するユニークな動物公園です。

カピバラの露天風呂は冬季の風物詩として全国的に有名で、温泉に浸かるカピバラのまったりとした姿は思わず顔がほころびます。園内では動物たちがかなり近い距離にいて、子どもだけでなく大人も夢中になれる空間です。

伊豆急行「伊豆高原駅」からバスで約10分。所要時間は1時間半~2時間が目安で、城ヶ崎海岸と組み合わせると伊豆高原エリアを1日でまとめて楽しめます。

>>伊豆シャボテン動物公園の公式サイトはこちら

富士山を眺める特等席「伊豆パノラマパーク 碧テラス」

碧テラス

伊豆パノラマパークは、伊豆の国市にある観光施設です。

ロープウェイで山頂へ上がると、標高452mの葛城山(かつらぎやま)山頂に設けられた「碧テラス(みどりてらす)」から、富士山・駿河湾・伊豆の山並みを一望できます。テラスには洗練されたカフェや足湯も併設。景色を眺めながらゆっくり過ごせる滞在型スポットとなっています。

JR三島駅から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換えて約20分の伊豆長岡駅が最寄り駅で、そこからバスで約15分、ロープウェイで山頂まで約7分です。

三島スカイウォークとも鉄道でつながっているため、三島を起点にした日帰りプランに両方を組み込むことも可能です。所要時間は1時間~1時間半ほどです。

>>伊豆パノラマパーク 碧テラスの公式サイトはこちら

伊豆エリアの日帰りモデルコース例

伊豆高原を目的地にするなら、午前中に城ヶ崎海岸でハイキングを楽しみ、昼食は伊豆高原駅周辺でひと息。午後は伊豆シャボテン動物公園でカピバラと対面し、帰りがけに伊豆の日帰り温泉に立ち寄るルートがおすすめです。

三島方面なら、伊豆パノラマパークと三島スカイウォークをセットにした「絶景づくし」のルートも組み立てられます。

静岡の日帰り観光を楽しもう!

静岡県は、エリアごとにまったく異なる顔を持つ、懐の深い観光地です。富士山の絶景を求めるか、歴史ロマンに浸るか、湖畔でのんびりするか、はたまた伊豆で自然のスリルを味わうか――旅のスタイルや出発地によって、最高の1日はひとつではありません。

本記事で紹介したスポットをあらためて振り返ると、それぞれのエリアにこんな個性があります。

  • 東部・富士エリア:富士山を多彩な角度から楽しみたい人に
  • 中部・静岡市エリア:世界遺産と歴史、パノラマビューを欲張りたい人に
  • 西部・浜松エリア:歴史散策と湖畔レジャーをバランスよく楽しみたい人に
  • 伊豆エリア:自然のアクティビティと温泉をセットで満喫したい人に

日帰り旅でよくある失敗が、「欲張りすぎて移動だけで疲れてしまった」というもの。静岡県は広いので、1エリアに絞ってじっくり過ごすか、隣接する2エリアを緩やかに組み合わせるくらいのペースが、結果として満足度の高い旅につながります。

まずは「行ってみたい!」と思ったスポットをひとつ決めて、そこを軸にプランを組み立ててみてください。富士山の雄姿でも、カピバラの温泉姿でも、出会いたい景色はきっと静岡のどこかで待っています。

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