

最近は韓国の地方旅を楽しむ人が増えています。ソウルから鉄道やバスを利用して、日帰りでも地方旅を楽しむことができます。
今回は、ソウルからのローカル鉄道旅。
韓国の西側を走る長項(チャンハン)線の2つの駅で降りてみます。
長項線は、忠清南道天安市の天安(チョナン)駅と全北特別自治道益山市の益山(イクサン)駅を結ぶ路線。ソウル方面からは、龍山(ヨンサン)駅や永登浦(ヨンドゥンポ)駅から乗り換えなしのムグンファ号で行くことができます。
少し時間はかかりますが、ローカル列車に揺られて都会を離れ、いつもと違う旅に出かけてみましょう!
目次
長項線「板橋駅」から行く、時間が止まった村
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板橋(パンギョ)駅は、忠清南道舒川(ソチョン)郡にある普通駅。1931年に開業し、現在の駅舎は長項線直線化工事によって2008年に移転・新設された建物です。
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駅から15分ほどのどかな風景の中を歩いていくと、旧板橋駅があった玄岩里(ヒョンアムリ)に着きます。旧駅舎はもうありませんが、駅舎を模したかわいらしい建物が建てられています。その横に案内所があるので、パンフレットなどを入手しておきましょう。
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かつては忠清南道の三大市場に数えられる牛市場でにぎわったという旧駅周辺。駅前広場が当時の面影を残しています。数軒の小さなスーパーや食堂が並ぶ姿や「駅前スーパー」など「駅前」と付いた店名からも、かつてここに駅があり大勢の人が行き交っていた風景が思い浮かんできます。
村全体が登録文化財!板橋駅周辺のレトロな町並み
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タイムスリップしたような町並みは、まさに「時間が止まった村」。ここに駅があった時代から変わらず、そのまま静かに時を刻んできたノスタルジックな雰囲気が漂っています。
最近では、ドラマ『허수아비(ホスアビ/かかし)』の撮影が行われました。
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当時の建物が現在もそのまま残る村は、エリア全体が国家登録文化財に指定されています。それに加えて精米所や劇場、商家住宅など7つの建物それぞれも登録文化財です。展示イベントを開催していたり、内部を見学できる建物もあるので、巡ってみてくださいね。7つの建物以外も、昭和レトロを彷彿とさせる建物が点在しています。
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<板橋劇場>
1961年に公館として建てられました。その後劇場として運営されるようになり、地域の文化施設として役割を果たしてきました。
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<チャンミ写真館>
1932年に建てられた近代商家住宅で、当時としては珍しい2階建ての木造建築。日本人地主の住宅として建てられたと記されており、店舗として使用されてきました。
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ランチは、板橋のにぎわいを見守ってきた45年の伝統を持つ「スジョン冷麺」で。
長年日本に住んでいた社長さんは、日本語も堪能です。
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弾力のある黒っぽい麺とシンプルで酸味が効いたスープはさわやかな味わいで、30度を超える中で歩き回った後の体に染み渡ります。すっきりとした気分で、再び町歩きのスタートです。
수정냉면(スジョン冷麺)
- 所在地(住所):忠清南道 舒川郡 板橋面 鍾板路 882
- 営業時間:11:00~18:00(売り切れ次第閉店)
- 定休日:なし
長項線最古の駅舎「青所駅」を訪ねる
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長項線青所(チョンソ)駅は、長項線に唯一残る簡易駅。1929年に営業を開始し、現在はムグンファ号が1日に8回のみ停車します。現在の駅舎は1960年代に建てられました。旧簡易駅舎の面影をそのまま残す貴重な建物で、2006年に登録文化財第305号に登録されています。
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緑に囲まれた狭いホームに列車が到着しました。単線のため、到着後しばらく列車は停車したままで、反対方面から来る列車を待っています。
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反対方面から来た列車は、青所駅には止まらずに通過していきました。停車していた列車が発車すると、線路を渡って駅舎に向かいます。
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線路の向こうに見える駅舎は、レンガ造りで瓦屋根。初めて訪れたのに、どこか懐かしく感じられます。このような駅舎は、かつて韓国のあちこちの駅で目にした建築様式だそうですが、現在ではほとんどなくなってしまいました。
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正面から見てもかわいらしい佇まい。小さな駅舎の中には、昔のエドモンソン式乗車券(硬券)や駅舎が登場する古いドラマの写真などが飾られています。
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駅舎を背にして進むと道路に突き当たり、レトロな建物が建ち並ぶ道路が左右に続いています。この1980年代の雰囲気が残る町並みで、日本でも大ヒットした映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』の撮影が行われました。
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駅のすぐ横の広場はフォトゾーンとして整備され、主人公が乗っていた緑のタクシーが再現されています。線路と隣接しているので、列車が停止しているときや通過するときなど、すぐ近くで撮影することができますよ。
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道路沿いの建物には、映画の印象的なシーンの写真が飾られています。撮影から10年ほど経っていることもあり、当時の看板がなくなったり新しくなっていたり、閉店してしまった店舗も少なくありませんが、ノスタルジックな風景は今も変わっていません。
板橋駅・青所駅へのアクセスと列車時刻
ソウル方面からは、龍山駅が始発のムグンファ号で乗り換えなしで行くことができます。板橋駅に停車するムグンファ号は1日9往復ですが、青所駅はソウル方面からの下り3回、上り3回のみの停車です。1日で2つの駅を訪ねるコースをシミュレーションしてみました。
(2026年8月現在)
- 龍山駅7:24発(ムグンファ1275)→板橋駅10:39着
- 板橋駅12:30発(ムグンファ1278)→青所駅13:03着
- 青所駅14:06発(ムグンファ1280)→龍山駅16:46着
青所駅に停車する上り列車は14:06が最終なので、下りで1駅隣の大川駅まで行って16:04発の上り列車に乗り換える方法もあります。
- 龍山駅7:24発(ムグンファ1275)→板橋駅10:39着
- 板橋駅13:35発(ムグンファ1280)→青所駅14:05着
- 青所駅15:27発(ムグンファ1279)→大川(テチョン)駅15:36着
- 大川駅16:04発(ムグンファ1282)→龍山駅18:59着
板橋駅から「時間が止まった村」(旧板橋駅)までは徒歩15分ほど。列車到着時間に合わせて待機しているタクシーを利用すれば、移動時間が短縮できます。
板橋駅と青所駅では、駅構内で乗車券の販売をしていないので、列車に乗ってからの購入になります。
おわりに
本数が少ないローカル列車での地方旅行は緊張しそうですが、列車の時間を調べて移動時間や滞在時間をあらかじめシミュレーションしておけば、それほどハードルは高くないと思います。
バスや高速鉄道を組み合わせて乗り換えながらの移動も可能ですが、少し時間がかかっても、のんびり鈍行列車に揺られる旅をおすすめします。
現在、長項線の直線化・複線化工事が進行中で、青所駅区間の工事が完了すると列車が止まらなくなり、現在の駅は廃駅になる予定です。
2027年を目途に進められているとのことなので、ぜひ早めに訪れてみてください。
※この情報は、2026年7月の取材に基づくものです。
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あんそら
- 2005年より「あんそら」のペンネームで韓国のガイドブック(単行本)を企画・製作。2021年12月から、韓国の地方都市でのんびり暮らしています。































