

山から山へ旅するライター、もりのりこです。
今回紹介するのは、登山というより、大人の避暑旅。
火山活動が生んだ池や草原、岩峰、苔むした森など、多彩な風景が広がる北八ヶ岳。北八ヶ岳ロープウェイで約7分の山頂駅に着くと、高山植物が群生する坪庭自然園が広がります。ひんやりとした空気に、麓との気温差を感じられる場所です。
手軽に標高2,000mの世界へ行けるとあって日中は多くの観光客で賑わいますが、今回は静かな坪庭を歩く2つのプランを紹介します。
目次
坪庭:美しい雲上の庭園
![]()
<朝露にぬれるハイマツ>
![]()
<朝日が差す坪庭>
坪庭は、八ヶ岳の噴火によってできたすり鉢状の溶岩台地です。本来ならこの標高帯では見られない高山植物が自生し、火山が生み出した独特の景観が広がります。
1周40分ほどの散策路内には、季節ごとに高山植物が咲き、最も多くの花が見られるのは6月下旬から7月上旬です。8月にはトンボが飛び交い、9月下旬頃から紅葉が始まります。
![]()
<始発前の山頂駅>
日中は観光客の笑い声とロープウェイの発着音で終始にぎやか。散策路は立ち止まるのもためらうほど、混雑することもありますが、ロープウェイが動き出す前だけは別世界。荒々しい溶岩を柔らかな緑が包み込む光景は、古代遺跡のようにも見えます。
アクセス 車で日帰り、電車なら小屋泊も
東京から約200kmと距離はありますが、交通の便が良いので、コースを選べば日帰りも可能です。日帰りなら車、公共交通機関を利用する場合は山小屋に泊まり、白駒池まで歩くのんびりプランがおすすめです。
車
中央自動車道・諏訪ICから約25km(北八ヶ岳ロープウェイ利用者用無料駐車場あり)
- 所要時間:約2時間45分(都内からの目安)
- 費用目安:約6,000円(片道・高速料金、ガソリン代の目安)
公共交通機関
新宿駅 → JR中央本線特急「あずさ」(約2時間20分)→ 茅野駅 → アルピコ交通バス「北八ヶ岳ロープウェイ線」(約60分)→ 北八ヶ岳ロープウェイ
- 所要時間:約3時間30分
- 費用目安:約8,000円(片道・特急、バス利用)
※お出かけ前に各交通機関の最新情報をご確認ください。
2つの楽しみ方 ロープウェイ利用の2コース
![]()
<散策マップ>
【周回プラン】早朝発で始発前の坪庭へ。ご褒美はコケモモソフト
![]()
<坪庭からの絶景を独り占め>
- 行程:北八ヶ岳ロープウェイ駐車場→北横岳→縞枯山荘→北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
- 時間:約4時間30分
- 距離:6.8km
- UP:765m
- Down:299m
坪庭を独り占めできるのは、ロープウェイが動き出すまでのわずかな時間。日帰りで行く場合は、始発の1時間30分~2時間前には歩き始めたい。坪庭を満喫したら、針葉樹林の斜面を登って北横岳を目指します。
![]()
<時間をずらせば山頂も独り占め>
北八ヶ岳最高峰の北峰(2,480m)からは、蓼科山や南八ヶ岳、北・中央・南アルプス、浅間山まで、日本を代表する山々が一望できます。
北横岳から雨池峠へ下り、青い屋根が目印の縞枯山荘でひと休み。
![]()
<コーンの先までずっしり詰まったソフト>
山荘から山頂駅までは約20分。帰りはロープウェイで一気に下山し、山麓駅の売店でコケモモソフトを旅の締めくくりにどうぞ。
【縦走プラン】のんびり小屋泊。絶景と苔の森、湖をめぐる旅
![]()
<北八ヶ岳に広がる苔の森>
- 行程:北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅→北横岳→縞枯山荘→縞枯山→茶臼山→麦草峠→白駒池
- 時間:約5時間
- 距離:9.7km
- UP:587m
- Down:728m
![]()
<青い屋根が目印の縞枯山荘>
公共交通機関を利用するなら、1泊2日の縦走プランがおすすめ。
コース上には、北横岳ヒュッテや縞枯山荘、麦草ヒュッテなどいくつかの山小屋が点在しています。
![]()
<ランプが灯る山小屋の夜 撮影場所:縞枯山荘>
山小屋に泊まり、夜は星空を眺め、翌朝は早朝の坪庭を散策。北横岳と茶臼山からの展望を楽しみ、縞枯山、麦草峠を経て白駒池へ向かいます。
山の上の草原、火山がつくった岩の景色、苔むした森、そして高原の湖へ。北八ヶ岳らしい穏やかな風景をのんびりつないで歩く山旅です。
旅のスパイス:坪庭の奥にそびえる3つの岩峰「三ツ岳」
![]()
<ギザギザとした岩の稜線が続く>
のんびりと歩くのもいいけれど、少し刺激が欲しい人におすすめなのが三ツ岳です。
坪庭の奥にそびえる三ツ岳は、北八ヶ岳では珍しい、尖った3つの岩峰からなる岩稜地帯です。
![]()
<三点支持が必要な場面もある>
![]()
<開放感抜群の絶景が広がる>
登山地図では破線ルートとして表示されることもありますが、要所には鎖が整備されています。岩場歩きに慣れていない人には難しく感じるかもしれません。
岩峰から望む大パノラマと、天空のアスレチックを歩くような感覚は、このルートならではの魅力です。
北八ヶ岳を歩くときの注意点
![]()
<早朝や雨後は足元が滑りやすい>
- 服装:山頂駅は標高2,237m。夏でも涼しく朝夕は冷え込みます。薄手の上着や雨具を必ず持参しましょう
- 天気の変化:山の天気は変わりやすく、急な雨や霧(ガス)に見舞われることがあります。特に午後は天気が崩れやすいため、早めの行動を心がけましょう
- 足元注意:足場の悪いところがあります。浮石や濡れた岩は滑りやすいため、足元を確認しながら歩きましょう
- 交通機関の時間:ロープウェイの最終便に間に合うよう、余裕を持った計画を立てましょう。公共交通機関を利用する場合は、バスの本数が限られているため、運行日や時刻を事前に確認してください
まとめ
ロープウェイが動き出す前の静かな坪庭、苔むした森や湖へ続く道。少し時間をずらしたり、歩き方を変えたりするだけで、観光地とは違う北八ヶ岳の表情に出会えます。
ロープウェイが動き出す前の坪庭へ、ぜひ足を運んでみてください。
関連記事

「長野」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『長野』旅行はこちら
※外部サイトに遷移しますRelated postこの記事に関連する記事
Ranking長野記事ランキング
-

もりのりこ
- 東京・渋谷出身。東京と長野を拠点にあちこち巡るヒト。
伝統の中にある新しさ、ここにしかない風景、人との出会いを求め、旅しています。ほんとうに伝えたいことだけをていねいに記事にします。信州登山案内人、全米ヨガアライアンス































