青森・奥入瀬渓流のベストシーズンは? 新緑や紅葉が楽しめる時期はいつ?

奥入瀬渓流 青森

青森県屈指の景勝地として知られる奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)。四季折々の自然美は、平山郁夫をはじめ、名だたる画家たちも魅了してきました。

そんな奥入瀬渓流に足を運ぶならいつがいいのでしょうか。奥入瀬渓流のベストシーズンについて、新緑や紅葉など季節ごとの特徴やイベント情報も交えて解説します。

目次

<1. 気温、天気から考える奥入瀬渓流のベストシーズン>

<2. 新緑を楽しみたい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン>

<3. 紅葉を楽しみたい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン>

<4. 雪景色を楽しみたい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン>

<5. 滝の絶景が見たい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン>

<6. 奥入瀬渓流で開催されるイベントを楽しみたい場合のベストシーズン>

1. 気温、天気から考える奥入瀬渓流のベストシーズン

年間を通して冷涼な気候の奥入瀬渓流は、春の訪れが遅く、秋の訪れが早いのが特徴。奥入瀬渓流のある十和田市の月ごとの平均気温は東京に比べて約5~7℃低く、奥入瀬渓流を含む国立公園エリアはさらに気温が低くなります。

四季折々の魅力がある奥入瀬渓流ですが、一般的にベストシーズンとされるのは、新緑が美しい5月中旬~6月中旬頃と、紅葉が見頃を迎える10月中旬~11月初旬頃。避暑地としても人気が高いことから、7月~8月の夏も人気があります。

春(4月~6月)

春の奥入瀬渓流
<出典元:写真AC

東京に比べると、青森にある奥入瀬渓流の春の訪れは遅め。4月の平均気温は8.0℃と、東京の14.3℃に比べると6℃以上も低く、暦の上では春でもまだまだ冬の名残を引きずっているように感じられます。4月下旬になると日によっては最高気温が20℃を超えますが、依然として朝晩の冷え込みが厳しいため、厚手のコートやマフラーが欠かせません。

5月になると平均気温が13.4℃まで上がり、本格的な春の訪れを感じられるようになってきます。ただ、奥入瀬渓流周辺は5月下旬まで雪が残っていることが多いため、パーカーやジャケットなどの上着が必要です。5月中旬になるとようやく草木が芽吹き、6月には目にも鮮やかな新緑が広がる、絵画のような奥入瀬渓流の姿を楽しむことができます。

  • 春の十和田市の平均気温/8.0~16.8℃
  • 春の十和田市の平均降水量/59.7~94.3mm

※気象庁の平年値による平均気温、月降水量を参照(以下同)

夏(7月~8月)

夏の奥入瀬渓流
<出典元:写真AC

避暑地としても知られる奥入瀬渓流だけに、爽やかな夏も魅力的。7月の平均気温は20.6℃、8月の平均気温は22.1℃と、東京に比べると5℃ほど低く、ずいぶんと過ごしやすく感じられるでしょう。

遊歩道は木々で日光がさえぎられるので、夏のハイキングを楽しむのもいいでしょう。あるいは、レンタサイクルで奥入瀬渓流をさっと駆け抜けるのもいいですね。

一方、日中は汗ばむ陽気でも、夜は肌寒く感じることもあるため、夏でもカーディガンやパーカーがあると安心です。特に「山背(やませ)」と呼ばれる北東の風が吹くと気温が急降下します。8月も下旬になると風が冷たく感じられることが増え、早くも秋の気配が漂ってきます。

  • 夏の十和田市の平均気温/20.6~22.1℃
  • 夏の十和田市の平均降水量/146.0~159.8mm

秋(9月~11月)

秋の奥入瀬渓流
<出典元:写真AC

東京ではまだまだ残暑が厳しい9月も、十和田市の平均気温は18.5℃。奥入瀬渓流周辺では、9月中旬頃になると朝晩の冷え込みが強まってきます。奥入瀬渓流が紅葉に彩られるのは、10月中旬~11月初旬頃。赤黄色に染まった奥入瀬渓流を一目見ようと、多くの観光客が訪れます。

10月の平均気温は12.3℃、11月の平均気温は6.3℃と、秋が深まるにつれて急速に気温が下がっていきます。紅葉がピークを過ぎると急速に冬の足音が聞こえてきて、例年11月初旬頃には初雪が見られます。暦の上では秋でも、東京の感覚からするとすっかり冬の趣です。

この時期、とりわけ朝晩の冷え込みは厳しく、天気によっても気温が大きく変動するため、ダウンやマフラーなどの防寒具が必須です。11月下旬頃には「八甲田・十和田ゴールドライン」の名で知られる国道103号が雪のため閉鎖に。ここから青森の長い冬が始まります。

  • 秋の十和田市の平均気温/6.3~18.5℃
  • 秋の十和田市の平均降水量/58.6~159.9mm

冬(12月~3月)

冬の奥入瀬渓流
<出典元:写真AC

12月の平均気温は0.6℃、1月は-1.7℃、2月は-1.3℃と、氷点下が当たり前の十和田市の冬。奥入瀬渓流はそれよりもさらに厳しい冷え込みに見舞われます。

あたり一面が雪に覆われ、渓流沿いの遊歩道も閉鎖されるため、冬は一般的に奥入瀬渓流観光のオフシーズンとされますが、冬ならではのお楽しみもあります。凍てつく寒さで滝が凍った「氷瀑」は、冬の奥入瀬渓流の風物詩。氷瀑をめぐるツアーやスノーシューウォークなど、冬ならではのアクティビティも待っています。夏や秋に比べると圧倒的に観光客が少ないので、静かな奥入瀬渓流をじっくりと堪能できるのも冬の醍醐味です。

寒さが厳しいため、冬の奥入瀬渓流を訪れる際は、スノーブーツや厚手のダウンジャケットまたはスノーウェア、マフラー、帽子など、しっかりと防寒対策をして出かけましょう。

  • 冬の十和田市の平均気温/-1.7~2.2℃
  • 冬の十和田市の平均降水量/35.2~51.2mm

2. 新緑を楽しみたい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン

新緑の奥入瀬渓流
<出典元:写真AC

奥入瀬渓流観光で特に人気があるシーズンのひとつが、新緑の時期。新緑の奥入瀬渓流を楽しみたいなら、5月中旬~6月中旬がおすすめです。

陽の光を浴びると透き通る、淡い緑色に染まった新緑と、透明度の高い川の流れが織りなす渓流美は、まるで絵画の世界のよう。雪に閉ざされた長い冬を経て、ようやく芽吹いた新緑の美しさは格別です。

3. 紅葉を楽しみたい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン

紅葉の奥入瀬渓流
<出典元:写真AC

奥入瀬渓流観光で最も人気があるのが、紅葉の季節。奥入瀬渓流の紅葉の見頃は東京よりも早く、10月中旬~11月初旬頃です。ただ、11月初旬には初雪が観測されることもあるため、美しい紅葉を楽しみたいなら10月中に出かけたほうがいいでしょう。

奥入瀬渓流で人気の紅葉スポットは、3つの川が合流する「三乱の流れ」や、女盗賊の棲み処だったと伝えられる「石ヶ戸の瀬」、激しい流れからその名がついた「阿修羅の流れ」など。赤や黄色に染まった木々のトンネルのあいだを、白糸のような清流が流れるさまは、まさに自然の芸術です。

奥入瀬渓流の紅葉がピークを迎える10月中旬~10月下旬頃には、奥入瀬渓流エコツーリズムプロジェクトの一環として「奥入瀬渓流エコロードフェスタ」が開催され、ウォーキングやガイドツアーなどのイベントが実施されるほか、マイカー交通規制も行われます。

4. 雪景色を楽しみたい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン

奥入瀬渓流の雪景色
<出典元:写真AC

新緑や紅葉も素晴らしいですが、幻想的な白銀世界を楽しめる冬もまた違った味わいがあります。雪化粧をした枯れ木や、こんもりと雪が積もった渓流の岩石、滝が寒さのあまり凍りついた「氷瀑」など、冬だからこそ見られる景色はまるで山水画のように幽玄。なんといっても冬は観光客が少ないため、天然記念物でもある奥入瀬渓流本来の自然美に触れられます。

奥入瀬渓流が雪に覆われるのは例年12月中旬~3月上旬頃。この時期に行われる「氷瀑ライトアップツアー」に参加すれば、神秘的な青やピンクの光に照らされて妖艶な魅力を放つ、氷瀑や氷柱の造形美が堪能できます。

車で冬の奥入瀬渓流を訪れる場合、例年11月下旬~4月上旬頃まで八甲田・十和田ゴールドライン(国道103号)が雪のため閉鎖されることに注意が必要です。奥入瀬渓流沿いの国道は除雪が行われているため車の通行が可能ですが、凍結の可能性があるため、スタッドレスタイヤやチェーンを使用することをおすすめします。

また、冬の奥入瀬渓流周辺を歩くときは、防水・防滑使用のスノーシューズを着用するなど、足元の対策もしっかりと。ホテルからツアーに参加する場合は、ホテルで必要な装備をレンタルできることもあります。あらかじめレンタル可能なアイテムをチェックしておくといいでしょう。

5. 滝の絶景が見たい場合の奥入瀬渓流ベストシーズン

奥入瀬渓流 雲井の滝
<出典元:写真AC

奥入瀬渓流には高さ20メートルの「雲井の滝」、段々の岩の上を滑り落ちるように流れる「九段の滝」など、表情豊かな滝の数々があります。奥入瀬渓流の滝を巡りたい場合、一般にベストシーズンとされるのは、新緑の季節から紅葉シーズンにかけての5月中旬~10月下旬頃。

一方で、滝が凍りつく「氷瀑」が見られる冬も、他の季節とは違った滝の魅力に触れられる季節です。氷瀑や氷柱は、寒い地域ならではの幻想的な滝の表情といえるでしょう。流れる滝が見たいのか、凍りついた滝が見たいのかによって、訪れるべき季節が変わってきます。

6. 奥入瀬渓流で開催されるイベントを楽しみたい場合のベストシーズン

せっかく奥入瀬渓流に足を運ぶなら、その時期ならではのイベントの期間に合わせて予定を立てるのもいいかもしれません。

氷瀑ツアー

奥入瀬渓流の氷瀑
<出典元:写真AC

冬の奥入瀬渓流観光の目玉が、神秘的な氷瀑や氷柱が堪能できる「氷瀑ツアー」。ツアー催行時期は、12月中旬~3月上旬頃です。

日中に行われるデイタイムツアーと夜間に催行されるナイトツアーがあり、ナイトツアーなら、ツアー参加者だけが見られる氷瀑ライトアップも楽しめます。

奥入瀬渓流エコロードフェスタ

「奥入瀬渓流エコロードフェスタ」は、10月下旬の紅葉シーズンに開かれるエコツーリズムイベント。

期間中はマイカー交通規制が行われるだけではなく、ウォーキングイベントやネイチャーイベント、マルシェなど、奥入瀬渓流の自然に親しむプログラムが開催されます。

>>奥入瀬渓流エコツーリズムプロジェクト 公式サイトはこちら

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【奥入瀬渓流一口メモ】

国指定の特別名勝であり、天然記念物でもある奥入瀬渓流は、青森屈指の観光地でありながら、いまだ手つかずの自然が残る場所。四季折々の自然の表情そのものが何よりの魅力です。

公共交通機関で奥入瀬渓流に行く際は、奥入瀬渓流の玄関口である焼山(やけやま)を目指しましょう。焼山へは新青森駅、八戸駅からJRバスが運行しており、新青森駅からの所要時間は約2時間10分です。なお、東京駅から新青森駅までは新幹線で3時間~3時間半前後。バスへの乗り換え時間も含めると、東京から奥入瀬渓流へはトータルで5時間半~6時間程度の道のりです。

公共交通機関でのアクセスが良いとはいえない奥入瀬渓流周辺を効率よく巡るなら、ツアー利用もおすすめ。十和田湖など青森県内観光スポットを巡るツアーや、東北5県を巡るツアーなど、さまざまなラインナップがあるので、ご自身に合ったツアーを探してみてください。

<時間と費用>(目安)

  • 公共交通機関での片道移動時間:約5時間半~6時間(東京発の場合)※新幹線からバスへの乗り継ぎ時間含む
  • 旅行日数:2~4日
  • ツアー費用:約80,000円~約250,000円

>>奥入瀬渓流のツアーを探す(外部サイトへリンクします)

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人気の高い新緑シーズンや紅葉シーズンだけなく、年間を通してさまざまな楽しみ方がある奥入瀬渓流。お気に入りの風景を見つけに、お好きな時期に足を運んでみてください。

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