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尾瀬の魅力を詳しく解説します!(群馬・福島・新潟)

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
尾瀬は名峰に囲まれ花が咲き乱れる日本最大の山岳湿地です。また、尾瀬の名は「夏の思い出」に歌われるように広く知られています。
そんな尾瀬ですが、まだまだ訪問したことがない方が多いのも事実。僕も2023年まで尾瀬に訪問したことがありませんでした。訪問回数を重ねるごとに季節とともに変化する尾瀬に魅了され、2023年は5回も尾瀬を訪問しました。
どうして尾瀬に魅了されたのか...?その理由はその景色の美しさだと思います。非日常の場所であり、心を豊かに、身体を癒してくれる場所だと僕は感じました。
ぜひ一度、皆さんにも尾瀬に足を踏み入れていただければと思い、尾瀬に関する情報をまとめて記事にしました。1人でも多くの方に尾瀬に触れ、訪問していただければ幸いです。どうぞ最後までお付き合いください。
目次
- 尾瀬の概要
- 尾瀬を代表する景色
- 尾瀬の季節
- 尾瀬の天気
- 尾瀬へ行くときの服装
- 尾瀬へ行くときの持ち物
- 尾瀬の登山口
- 尾瀬のアクセス
- 尾瀬の難易度
- 尾瀬で見ることができる花
- 尾瀬の注意事項
- 尾瀬の山小屋事情
- 尾瀬の公衆トイレ事情
- 尾瀬の昼食事情
- 尾瀬の通信事情
- 尾瀬の朝焼け・夕焼け・星空
- 尾瀬を空撮
- 歩荷さん
- 尾瀬情報サイト リンク集
- 僕の尾瀬訪問集
尾瀬の概要
尾瀬の成り立ち
尾瀬は数百万年前に至仏山(しぶつさん)が誕生したのが始まりと言われています。その後、周囲の火山が噴火して地形が形成され、最後に燧ヶ岳(ひうちがたけ)が誕生して...長~い年月を経て、今の尾瀬ができました。
「遥かな尾瀬、遠い空」と歌にも歌われる尾瀬は、本州最大規模の高層湿原です。尾瀬は国立公園に指定されていて、ラムサール条約(多様な生物を育む湿地を国際的に守る条約)湿地に登録されていて、国の特別天然記念物にも指定されています。
尾瀬国立公園
2007年(平成19年)に全国で29番目の国立公園として、尾瀬国立公園が誕生しました。群馬・福島・新潟・栃木の4県にまたがり、雄大かつ繊細な自然が残ることで知られている尾瀬は、国立公園ならびに特別天然記念物に指定され、ラムサール条約の登録湿地でもあります。
日本有数の高層湿原で、広大な地域で中央に燧ヶ岳(ひうちがたけ)がそびえ、その南側には尾瀬沼、大江湿原が、西側には東西6km南北2kmの広大な尾瀬ヶ原が広がり至仏山へと続きます。西から北にかけては尾瀬の水を集めて落ちる三条ノ滝、横田代、上田代などの田代群が続き御池に達します。尾瀬は気象条件や地形・地質が極めて複雑で、豪雪地帯でもあることから、日本でも有数の植物の宝庫となっています。
尾瀬を代表する景色
尾瀬を代表する景色は尾瀬ヶ原(おぜがはら)と尾瀬沼(おぜぬま)です。パンフレットやガイドブックには必ずこのどちらかの写真が使われています。
尾瀬ヶ原
本州最大の高層湿原。至仏山(しぶつさん)や燧ヶ岳(ひうちがたけ)などの名峰に囲まれた広大な湿原には、池塘や美しい高山植物の群落など尾瀬ならではの風景が広がります。
尾瀬沼
燧ヶ岳の噴火により、川がせき止められてできた沼。燧ヶ岳を映す景色は尾瀬を代表する風景の1つ。周囲約7kmに木道が敷かれ、1周約3時間で散策できます。
尾瀬の季節
尾瀬のシーズンは春(5月中旬~6月)、夏(7月~8月上旬)、晩夏~秋(8月中旬~10月)に区分されます。それにゴールデンウィーク(残雪期のためそれなりの装備と経験が必要)が加わります。
春(5月中旬~6月)の尾瀬
湿原の残雪が消えるころ、ミズバショウが咲き始めます。尾瀬のイメージといえば多分この時期に当たります。したがって春の尾瀬はとても混みあい、尾瀬ヶ原の木道では渋滞が発生します。
夏(7月~8月上旬)の尾瀬
様々な花が咲きわたる最も華やかなシーズンです。夏の尾瀬を代表するニッコウキスゲは夏の尾瀬の風物詩。意外とこの時期の尾瀬は混雑もせず、ゆっくりと散策することが可能です。
晩夏~秋(8月中旬~10月)の尾瀬
夏の花のシーズンが終わると、湿原では草が紅葉して黄金色に輝く草もみじが見頃を迎えます。10月に入ると山小屋の営業も終了し、雪が降り始め、長い厳しい冬の季節を迎えます。
ゴールデンウィークの尾瀬
ゴールデンウィークの尾瀬は年によって違いますが、まだまだ雪の中。しかし、尾瀬ヶ原では雪解け水が満杯に溜まり、天気が良ければ水鏡を見ているようです。オープンしている山小屋が少ないので、静寂の尾瀬を体験することができます。
尾瀬の天気
尾瀬の天気は非常に変わりやすいのが特徴。3日に1日は雨が終日降り続くと言われています。
晴れていると日差しがきついので、サングラスや日焼け止めはシーズン関係なく必携です。
尾瀬へ行くときの服装
帽子とサングラスはどの季節でも必携です。基本は暑かったら脱ぐ、寒かったら着るです。登山靴は燧ヶ岳や至仏山に登山しないのであれば、ローカットでもハイカットでも大丈夫です(スポーツシューズはやめましょう)。
ただし、ゴールデンウィークの残雪期、燧ヶ岳や至仏山の冠雪期はアイゼンを装着するため、靴底が硬く、ハイカットの登山靴を用意しましょう。また、鳩待峠や沼山峠口から軽い気持ちで普段着(軽装)で行くのは絶対にやめましょう。
春(5月中旬~6月)の尾瀬
長袖シャツ、速乾性素材の下着、手袋、長ズボン、登山用の靴下、登山靴です。雨具は上下が分かれたセパレート型が必携です。
夏(7月~8月上旬)
半袖シャツ、速乾性素材の下着、長ズボン、登山用の靴下、登山靴です。雨具も上下が分かれたセパレート型が必携です。雨具は熱を逃がす夏用タイプが便利です。
晩夏~秋(8月中旬~10月)
ウィンドブレーカーなどのジャンパー、長袖シャツ、保温素材の下着、手袋、長ズボン、登山用の靴下、登山靴です。雨具は上下が分かれたセパレート型が必携です。防寒具(ダウンなど)も必ず持っていきましょう。
ゴールデンウィークの尾瀬
冬山登山の服装が基本です。防水防寒のコート、長袖シャツ、保温素材の下着、手袋、長ズボン、登山用の靴下、登山靴です。雨具は上下が分かれたセパレート型が必携です。防寒具(ダウンなど)も必ず持っていきましょう。なお、この時期の尾瀬は雪が降ることもあります。
尾瀬へ行くときの持ち物
通常の荷物にプラス下記を用意すると便利です。
- 雨具
- レジャーシート
- 携帯トイレ
- 100円玉
- 大小ビニール袋(持ち手が付いた口を結べる非透明のもの)
- 口がチャックで閉まる厚手のビニール袋
- 帽子
- 日焼け止め
- サングラス
- ザックカバー
- ウェットティッシュ
- トイレットペーパーまたは水に溶けるティッシュペーパー
- ステンレスのコップ
- カメラなどの予備バッテリー
- スマートフォンの充電バッテリーと接続コード
- 非常食
- 常備薬
- 湿布などの救急用品など
- 虫よけスプレー
- 虫刺され薬
- カナビラ
- 熊よけ鈴
- ヘッドライト
- アイゼン・軽アイゼン・チェーンスパイクなどの滑り止め(冠雪期)
【山小屋に宿泊する時は上記に加えて】
- バスタオル
- タオル
- 寝巻(スウェット上下など)
- 歯ブラシと歯磨き粉などの洗面用具
- インナーシーツ(ほとんどの山小屋が清潔なシーツを用意していますが気になる方は)
- 保温タイプの水筒
- 粉末コーヒー、ティーバッグ、粉末スープなど
- はし、スプーン、フォーク、マドラーなど
- ミニランタンなど
- ミニ三脚
尾瀬の登山口
尾瀬の登山口は下記の5ヶ所です。代表的な登山口は鳩待峠と沼山峠口です。
1. 鳩待峠(はとまちとうげ)
- 標高1,591mにあり、尾瀬ヶ原への玄関口でもあります
- 鳩待峠から尾瀬ヶ原の入口である山ノ鼻までは下り坂で所要時間は1時間、山ノ鼻から鳩待峠は登り坂で所要時間は1時間30分、距離は3.3kmです
- そのほかにアヤメ平、至仏山登山のベースにもなっています
- 鳩待峠へはマイカー規制あり。マイカーは尾瀬第1駐車場、尾瀬第2駐車場、スノーパーク尾瀬戸倉駐車場に駐車。そこから乗合バス・乗合タクシーを利用して約35分です
【2024年の乗合バス・乗合タクシーインフォメーション】
- 乗合バスに関する公式サイト(関越交通)はこちら
- 運行期間:2024年4月19日~2024年11月4日
- 乗車券:大人(中学生以上)片道1,300円
- 運行時間:
【4/19~5/6,5/18~8/18までの毎日、8/24~9/13までの土日祝、9/14~10/20までの毎日】
尾瀬第1駐車場の始発は5:30発・終発は15:30発、鳩待峠の始発は8:40発・終発は16:30発です。
【5/7~5/17までの毎日、10/21~11/4までの毎日】
尾瀬第1駐車場の始発は6:30発・終発は14:30発、鳩待峠の始発は8:40発・終発は15:30発です。
【8/19~9/13までの平日】
尾瀬第1駐車場の始発は5:30発・終発は14:30発、鳩待峠の始発は8:40発・終発は15:30発です。
※運行日、運行時間にご注意ください
※多客日にはダイヤに関係なく増便されます
- 運行間隔:乗合バスは1時間に1本程度の運行ですが、乗合タクシーなら人数が集まればすぐに出発してくれますので便利です
- 所要時間:35分
※尾瀬第1駐車場と尾瀬第2駐車場があります。始発は尾瀬第1駐車場です
※スノーパーク尾瀬戸倉駐車場は復路の降車のみの利用になります
※尾瀬第1駐車場の乗り場にはトイレがありますので、済ませておきましょう。無料で利用できる最後のトイレです
- 鳩待峠の最終16:30発に乗る場合、山ノ鼻を遅くとも15:10頃に出発する必要があります(15:30発が最終の場合は山ノ鼻を14:10頃に出発)
【駐車場インフォメーション】
- 尾瀬第1駐車場(280台)・尾瀬第2駐車場(250台)・スノーパーク尾瀬戸倉駐車場(500台)
- 駐車料金は各駐車場共通で24時間・普通車で1台1,000円
2. 富士見下(ふじみした)
- 標高1,320mにあり、富士見峠を経由してアヤメ平や尾瀬ヶ原へ登山道があります
- 富士見下から富士見峠まで登り坂で3時間、富士見峠から富士見下まで下り坂で2時間20分、距離は6.3kmです
- 富士見峠から竜宮十字路まで下り坂で2時間(4.2km)、見晴まで下り坂で2時間20分(5.7km)かかります
※距離があり、時間がかかりますので、このルートを利用する人は少ないそうです。また、登山の装備が必要です。 - 富士見下までマイカーで行くことができます。駐車スペースが少ないので注意が必要
3. 大清水(おおしみず)
- 標高1,190mにあり、尾瀬沼方面への玄関口となっています
- 大清水から一ノ瀬まで登り坂で1時間20分、一ノ瀬から大清水まで下り坂で1時間15分、距離は3.2kmです
- 一ノ瀬から三平下(尾瀬沼畔)まで登り下りで1時間20分、三平下から一ノ瀬まで登り下りで1時間10分、距離は2kmです
- 大清水から先はマイカー規制があります。大清水から一ノ瀬まで乗合バス・乗合タクシーが運行されています
【2024年の乗合バス・乗合タクシーインフォメーション】
- シャトルバスに関する公式サイト(片品村観光協会)はこちら
- 運行期間:2024年6月15日~2024年10月20日
- 乗車券:大人片道1,000円
- 運行時間:【6/15~8/18までの毎日、9/14~10/20までの毎日、8/19~9/13までの土日】大清水の始発は5:30発・終発は15:30発、一ノ瀬の始発は7:30発・終発は16:30発です。【8/19~9/13までの平日】大清水の始発は7:30発・終発は14:30発、一ノ瀬の始発は8:30発・終発は15:30発です。※運行日、運行時間にご注意ください。
- 運行間隔:乗合バスは1時間に1本程度の運行です。
- 所要時間:15分
- 一ノ瀬の最終16:30発に乗る場合、三平下(尾瀬沼畔)を遅くとも15:10頃に出発する必要があります(15:30発が最終の場合は三平下を14:10頃に出発)。
【駐車場インフォメーション】
- 大清水駐車場(100台)
- 駐車料金は1日・普通車で1台1,000円
4. 沼山峠口(ぬまやまとうげぐち)
- 標高1,784mにあり、尾瀬沼への玄関口になっています
- 沼山峠口から尾瀬沼東岸の尾瀬沼ビジターセンターまで登り下りで1時間10分、尾瀬沼ビジターセンターから沼山峠口まで登り下りで1時間20分、距離は3.3kmです
- 沼山峠口には御池からマイカー規制があります。御池から沼山峠口までシャトルバスを利用します
※この区間はシャトルバスのみの運行となり、乗合タクシーは運行していません。
5. 御池(みいけ)
- 標高1,520mにあり、沼山峠口へのシャトルバスの乗り場でもあり、尾瀬ヶ原への燧裏林道の入口、燧ヶ岳登山のベースでもあります
- 御池から見晴まで登り下りで4時間10分、見晴から御池まで登り下りで4時間10分、距離は10kmあります
- 燧裏林道は完全な登山装備が必要です。登山レベルも中級者向けです
【2024年のシャトルバスインフォメーション】
- シャトルバスに関する公式サイト(会津バス)
- 運行期間:2024年5月18日~2024年10月31日
- 乗車券:大人片道600円
- 運行時間:
【5/18~9/30までの毎日】
御池の始発は6:30発・終発は16:30発、沼山峠口の始発は7:00発・終発は17:00発です【10/1~10/31まで】
後日発表。詳細は会津バス公式サイトにてご確認ください。※運行日、運行時間にご注意ください - 運行間隔:30~40に1本程度の運行です
- 所要時間:20分
- 沼山峠口の最終17:00発に乗る場合、尾瀬沼ビジターセンターを遅くとも15:30頃に出発する必要があります
※この区間はシャトルバスのみの運行となり、乗合タクシーは運行していません。
【駐車場インフォメーション】
- 御池駐車場(400台)
※御池駐車場が満車の場合は手前の七入駐車場へ(880台/無料)。シャトルバスあり。 - 駐車料金は普通車で1台1,000円/回
尾瀬のアクセス
尾瀬の各登山口へのアクセスは尾瀬保護財団の公式サイト(アクセス)にてご確認ください。
尾瀬の難易度
登山口から尾瀬
- 鳩待峠~山ノ鼻:初級者向け
- 鳩待峠~アヤメ平~竜宮または見晴:中級者向け
- 沼山峠~尾瀬沼東岸:初級者向け
- 大清水~尾瀬沼:中級者向け
- 富士見下~富士見峠:中級者向け
- 御池~燧裏林道~見晴:中級者向け
尾瀬内部
- 尾瀬ヶ原:初級者向け
- 尾瀬沼東岸~尾瀬沼北岸~見晴:中級者向け
- 尾瀬沼東岸~尾瀬沼南岸~見晴:中級者向け
統括
初級者が楽しめる行程は、鳩待峠から山ノ鼻を経て、尾瀬ヶ原を周遊するコースです。
鳩待峠から尾瀬ヶ原および沼山峠口から尾瀬沼は日帰りも可能ですが、どちらも登山口までシャトルバスで移動が必要なため、最終バスの出発時間を調べ、帰路につく時間を設定して尾瀬へ入山しましょう。
尾瀬で見ることができる花
尾瀬で見ることができる花は尾瀬保護財団の公式サイト(尾瀬の自然文化データベース)にてご確認ください。
尾瀬を代表するミズバショウは尾瀬の各地で咲きます。標高によって開花時期が異なりますが、尾瀬ヶ原ではゴールデンウィークに咲き始め、5月15日前後に最盛期を迎え、5月下旬にはほぼ終わります。標高が高い尾瀬沼周辺では尾瀬ヶ原より1~2週間遅れで見頃を迎えます。
※本来のミズバショウの見頃は5月中旬から6月上旬ですが、近年は例年の見頃より2週間程度早まっているそうです。
尾瀬沼畔の大江湿原に大群落があるニッコウキスゲ。例年の見頃は6月下旬から7月の中旬頃です。ニッコウキスゲは当たり年と外れ年があるそうで、僕が訪問した2023年は外れ年に当たってしまい、大群落は見ることができず、ポツポツと咲いていました。
尾瀬の注意事項
1.熊
秋もツキノワグマが活発に動きます。尾瀬はツキノワグマの生息地。写真撮影に気を取られ、ツキノワグマの接近に気がつかなかったということがないように気をつけましょう。
- 尾瀬保護財団の公式サイト(ツキノワグマとの共存)やビジターセンターで目撃情報を確認することができます
- 熊よけの鐘があるところでは大きな音で鳴らしましょう
- 自身のザックには熊よけの鈴を付けて自分の存在を知らせながら歩きましょう
- 朝夕の薄暗い時間帯、雨や霧の時は要注意です。山小屋への到着時間を16時までと推奨しているのはそのためです
2. ドロドロのぬかるんだ登山道
尾瀬は湿地帯のため、登山道はドロドロのぬかるんだ道があります。僕の経験上、下記の道は注意が必要です。
- 赤田代(温泉小屋)から三条ノ滝へ向かう登山道
- 燧ヶ岳登山道の見晴から頂上への見晴新道
- 富士見峠から見晴への八木沢道
※他にも雨上がりはドロ道になる区間があります。
※長靴を持参すれば良いのですが、無い場合は最低でもハイカットの防水登山靴を持っていきましょう。
※ぬかるみは道全体に広がり、逃げ道がないところもあります。ズブズブと泥の中に靴が沈んでいきます。さらに滑りやすいのが特徴です。
3.尾瀬ヶ原には日影がない
尾瀬ヶ原には山小屋周辺以外、一切日陰がありません。林の中や拠水林の中では日陰ができますが、尾瀬ヶ原を縦断中は日陰がないと考えてください。休憩できるベンチは各所に配置されているのですが、屋根はありません。
季節に関係なく、晴れると日差しがきついので、帽子や日焼け止めなどの対策をしっかり取りましょう。
4.雨と雷
- 尾瀬は雨が多い地域です。湿原なので3日に1日は雨が降ると言われています
- 雨具は必携です。1日濡れても染み込まない防水の雨具を用意することをおすすめします
- 雨が降ると木道や登山道が滑りやすいのでご注意ください
- また雨に加え、夏場は午後を中心に雷に襲われることもあります。尾瀬ヶ原にいると雨宿りする場所がありませんので、遠くで雷音が聞こえたら、早めに行動しましょう
尾瀬滞在中の注意点
- 尾瀬は自分で出したゴミは自身で持ち帰るのが基本。ペットボトルや食料をたくさん持参すると持ち帰りが大変です。当然少し高いですが、山小屋で購入することも可能です。ドリンク、アルコール、菓子類、カップ麺類など豊富に揃っています。山小屋で購入すると購入したものに限り、ゴミを受け取ってくれます。なお、山小屋にはゴミ箱がありません
- 雨はしっかり降ります。ザックはザックカバーを付けていても雨に濡れ続けると防水機能が低下し、内部へ染み込むこともあります。ザック内の荷物もビニール袋などに小分けにして入れて防水対策をしましょう。特に財布。僕は防水対策が甘く、お札がザックの中で水没してしまいヨレヨレになってしまいました
- 持ち物に保温タイプの水筒とステンレスのコップと書いたのは、山小屋でお湯をもらえるからです(一部の山小屋は有料)。水筒にお湯を入れて、休憩ポイントで絶景を見ながら好きな粉末ドリンクや温かいスープなどを飲むのも楽しみのひとつです
- 尾瀬の水場は山小屋の屋外に設置されています。山から湧き出る天然の水です
- キャンプは指定地以外ではできません
- 尾瀬でも喫煙マナーを守りましょう。吸い殻は必ず携帯灰皿を持参して、帰宅してから処理しましょう。また尾瀬では焚き火は禁止です。コンロも周囲の方々に迷惑にならない場所で使用しましょう
- 湿原には入ってはいけません。木道や登山道から外れてはいけません。また湿原や川にコインを投げ入れるのもいけません。お金は募金箱に入れましょう
- 木道は右側通行です。登山道では上りが優先です
- 尾瀬には病院がありません。救護所もありません。救急車も呼べません。常備薬は余裕をもって持参しましょう
- 尾瀬の生態系を維持し、自然景観を保つために、動物を捕まえたり、植物を採取することは法律で禁止されています
- 至仏山や燧ヶ岳の登山には携帯トイレを持参しましょう。尾瀬ヶ原の散策でも念のため携帯トイレを持参することをおすすめします。トイレ利用は100円が必要です。100円玉をたくさん持参しましょう
- ストックには木道や登山道を傷めないためにもゴム製のキャップを付けましょう
- ペットを連れての入山は禁止です
- 尾瀬の山小屋には各部屋または廊下にコンセントが設置されています。口数が少ないので譲り合って使いましょう
- 尾瀬への訪問時はできるだけ山岳保険に加入しましょう
尾瀬の山小屋事情
『泊まらなければ見られない景色があります』
鳩待峠から尾瀬ヶ原へは日帰りも可能ですが、ぜひ山小屋に宿泊することをおすすめします。天気が良ければ夕焼け、朝焼け、満天の星空を楽しむことができます。山小屋は徒歩でしか行くことができませんので、非日常の時間を過ごすことができ、静寂の世界を体感することができます。尾瀬の山小屋はお風呂に入ることができるのも特徴。
しっかり歩いた後は、お風呂で温まり、それぞれの山小屋で特徴ある食事を堪能することができます。また山小屋では夕食時に生ビールも飲むことができますよ!
山小屋での注意事項
- 早めに到着した場合は荷物を預かってくれます。
- チェックインは13:00前後、チェックアウトは8:00前後
- 16:00までに到着するようにしましょう。山小屋によっては予約時点で16:00過ぎの到着を受け付けてくれないことがあります。
- 入浴は15:30~19:00頃
- 夕食は17:00~18:00、朝食は6:00~7:00です。
- 消灯時間は21:00頃です。消灯後は静かにしましょう。
- 山小屋には暖房(ストーブ)がありますが、廊下は寒いこともあります。山小屋内で着込む上着を持参してください。なお、冷房はありません
- 原則、山小屋のお風呂での石鹸・シャンプー・リンスの使用はできません。コロナ禍で使える山小屋が増えていますが、持参したものの使用は避けてください。設置の石鹸は植物性のボディソープでした。洗面所には石鹸が常備されていますのでご安心ください
- 山小屋のトイレは水洗・洋式がほとんどです。一部の山小屋ではトイレットペーパーを流すことができず、備え付けのゴミ箱へ入れるシステムを取っています
- 売店は19:00頃まで。ソフトドリンク、アルコール、菓子類や土産物など揃っています。売店で購入したゴミは引き取ってくれます
- バスタオルやタオル類は必ず持参してください
- 山小屋には寝巻がありません。スウェット上下などご自身で用意しましょう
- 歯ブラシと歯磨き粉などの洗面用具も各自にて持参です
- 尾瀬の山小屋では熱湯をもらうことができます(一部山小屋は有料)。保温タイプの水筒にお湯を入れておくと便利です
【参考】尾瀬の山小屋で提供された食事(夕食・朝食)
山小屋によってそれぞれ食事にも工夫されています。山小屋でこれだけの食事を食べられるのはありがたいことです。
<とある日(2023年)の東電小屋(ヨッシ堀田代)の夕食>
<とある日(2023年)の尾瀬沼山荘(三平下)の朝食>
<とある日(2023年)の尾瀬小屋(見晴)の夕食>
<とある日(2023年)の温泉小屋(赤田代)の夕食>
<とある日(2024年)の至仏山荘(山ノ鼻)の朝食>
<とある日(2024年)の桧枝岐小屋(見晴)の朝食>
山小屋のリンク集
【】内は2024年の営業予定期間です。一部休業期間がありますので、詳細は公式HPにてご確認ください。
※尾瀬の山小屋は予約制です。2名以上の利用は個室対応、1名利用は相部屋対応となります。
※山小屋によってクレジットカードの使用可否が異なります。
<山ノ鼻地区>
至仏山荘【4/19~10/19泊まで営業】
山ノ鼻キャンプ場(受付は至仏山荘にて)【4/19~10/19泊まで営業】
山の鼻小屋【4/20~10月中旬頃まで営業※4/21~4/25,5/7~5/13は休業】
尾瀬ロッジ【4/25~10/20泊まで営業※5/6~5/21は休業】
<竜宮地区>
竜宮小屋【4/20~10/20泊まで営業※5/7~5/16,8月末~9/6は休業】
<見晴地区>
見晴地区の山小屋
尾瀬小屋【5/18~10/14泊まで営業】
桧枝岐小屋【4/20~10月下旬頃まで営業】
弥四郎小屋【5/17~10/19泊まで営業】
第二長蔵小屋【5/25~10/13泊まで営業】
原の小屋【5/25~10月中旬頃まで営業】
燧小屋【4/27~10月下旬ころまで営業】
見晴キャンプ場(受付は燧小屋にて)【4/27~10月下旬頃まで営業】
<ヨッシ堀田代>
東電小屋【5/18~10/19泊まで営業】
<赤田代地区>
温泉小屋【5/18~10/13泊まで営業※期間中休業日あり】
元湯山荘【2024年現在休業中】
<尾瀬沼東岸>
長蔵小屋【5/18~10/19泊まで営業】
尾瀬沼ヒュッテ【5/21~10/19泊まで営業】
尾瀬沼キャンプ場(受付は尾瀬沼ヒュッテにて)【5/21~10/19泊まで営業】
<三平下>
尾瀬沼山荘【5/18~10/19泊まで営業※毎週月曜日定休】
尾瀬の公衆トイレ事情
尾瀬内の公衆トイレ
山ノ鼻、竜宮、見晴、東電小屋、赤田代、沼尻平、尾瀬沼東岸、三平下、富士見峠にあります。
公衆トイレの利用は有料です。100円玉をたくさん持参しましょう。
【公衆トイレの2024年の利用可能予定日】
- 山ノ鼻(4/19~)
- 竜宮(4/20~)
- 見晴(4/27~)
- 東電小屋(5/18~)
- 赤田代(5/25~)
- 沼尻平(6/1~)
- 尾瀬沼東岸(4/27~)
- 三平(5/18~)
- 富士見峠(6/14~)
登山口の公衆トイレ
- 鳩待峠(4/19~)
- 御池(4/27~)
- 沼山峠口(5/18~)
- 富士見下(4/26~)
- 大清水(4/12~)
- 一ノ瀬(5/10~)
場所によっては1日トイレがない期間がありますので、携帯トイレを必ず持参しましょう。
尾瀬の昼食事情
鳩待峠休憩所、山ノ鼻、見晴、尾瀬沼東岸の山小屋の一部で昼食を営業しています。なお、山小屋によって営業開始日と営業終了日、そして期間中の休業などがありますので、ご注意ください。
尾瀬小屋の昼食は山小屋とは思えない内容でとても人気があります。
山小屋では翌日のお弁当を受け付けています。チェックイン時に受付、代金支払い、夕食時にピックアップとなります。ぜひ利用しましょう。
尾瀬の通信事情
- 尾瀬では携帯電話がほとんどのエリアで使用できません。
- 山小屋および周辺では携帯電話が繋がります。※NTTドコモ、auは繋がりますが、ソフトバンクは繋がりにくいそうです。
- Wi-Fiは山小屋内で利用できますが、通信速度がとても遅いので使えないと思ってください。※パソコンやタブレットを持ち込んでも使えないと考えてください。
尾瀬の朝焼け・夕焼け・星空
山小屋に宿泊するから見ることができる朝焼け、夕焼け、星空です。
山の鼻から朝焼けの燧ヶ岳を望む
尾瀬沼越しに朝焼けの燧ヶ岳を望む
見晴より星空と至仏山を望む
【参考資料】尾瀬付近の日の出・日の入時間
- 5月1日:4:48頃/18:05頃
- 6月1日:4:24頃/18:56頃
- 7月1日:4:27頃/19:06頃
- 8月1日:4:48頃/18:49頃
- 9月1日:5:13頃/18:11頃
- 10月1日:5:38頃/17:26頃
尾瀬を空撮
<撮影者:川内さん(ドローンの免許あり・飛行許可申請済み)>
尾瀬ヶ原の牛首分岐付近上空から南側(至仏山)を撮影。
尾瀬ヶ原の牛首分岐付近上空から北側(燧ヶ岳)を撮影。こうやって見るとたくさんの池塘(池)が点在しています。
平滑ノ滝です。地上(展望台)からは平面にしか見えませんが、上空から見ると滝の大きさがよく分かります。
三条ノ滝です。上空からだと滝の上部から滝つぼまで見ることができます。
歩荷さん
歩荷(ぼっか)さんは各山小屋へ荷物を運ぶポーターの役割を果たしています。車で荷物を運ぶことができない尾瀬はポーターが大活躍。時には100kgを超える荷物を背負って尾瀬を歩いています。歩荷さんを見かけたら邪魔にならないように道を開けてくださいね。歩荷さんの活躍は、YouTubeチャンネルで紹介されています。登山道や木道の状態、花の開花情報等、尾瀬のシーズン中はほぼ毎日更新されていますので、ぜひチャンネル登録してご覧ください。
>>Japanese Porter-尾瀬 歩荷-のチャンネルはこちら
見晴の桧枝岐小屋で歩荷の五十嵐さんに出会いました。ちょうど到着したところで、これから荷を下ろすところです。声をかけると気さくにポーズをとってくれました。
木道を歩いていると、ところどころ木道の外側にこのような足置きがあります。これは歩荷さんが荷物を背負ったまま座れるように設置されたものです。なので、ここで休憩を取るのはやめましょう。
尾瀬情報サイト リンク集
- 尾瀬保護財団
- 尾瀬保護財団公式X
- 尾瀬保護財団公式Instagram
- 尾瀬桧枝岐温泉観光協会(福島県)
- 南会津町舘岩観光センター(福島県)
- 片品村観光協会(群馬県)
- 尾瀬戸倉観光協会(群馬県)
- 魚沼市観光協会(新潟県)
- 山と渓谷オンライン 尾瀬ナビ
- YAMAP
- てんきとくらす
※尾瀬の最新情報は尾瀬保護財団公式サイトにてご確認ください。
僕の尾瀬訪問集
今までの訪問
- 1回目【2023年4月下旬~5月上旬】:ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
- 2回目【2023年6月上旬】:ミズバショウが咲き誇る春(6月)の尾瀬を歩く
- 3回目【2023年7月上旬~中旬】:夏の尾瀬を彩る花たち!カラフルな湿原を見に行こう
- 4回目【2023年8月下旬】:ゆっくりと静かな時間が流れる秋(8月下旬)の尾瀬
- 5回目【2023年10月上旬】:湿原がオレンジ色に紅葉する晩秋の尾瀬(10月)
- 6回目【2024年4月下旬】:6回目の尾瀬はゴールデンウイーク前半に(群馬・福島)
- 7回目【2024年5月上旬】:7回目の尾瀬はゴールデンウイーク後半に(群馬・福島)
- 8回目【2024年6月上旬】:8回目の尾瀬はベストシーズンに初めて日帰りで(群馬)
百名山シリーズ
- 至仏山登山【2023年5月上旬】:【日本百名山】6座目はGWでも雪山!尾瀬の至仏山(群馬県)
- 会津駒ヶ岳登山【2023年8月下旬】:【日本百名山】8座目は雲上の楽園まで急登!会津駒ヶ岳(福島県)
- 燧ヶ岳登山【2023年8月下旬】:【日本百名山】9座目は、もう嫌だ!登りも下りも苦労の連続!燧ヶ岳(福島県)
尾瀬の旅は2024年も続いています...。
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Ranking福島記事ランキング
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。