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今の船旅ってどんな感じ? 国内を船で移動するメリット・デメリット
国内旅行の移動手段を考える際、電車・車・飛行機の中から選びがちですよね。しかし、海に囲まれた日本ならではの旅行手段として「船旅」を選んでみるのもおすすめです。
国内での船旅であっても、最近はさまざまな楽しみ方があります。移動中も豪華で充実した時間が楽しめる「国内クルーズ」「日本一周クルーズ」などから、目的地へ移動しながら船内の時間も楽しめるフェリーなど、選択肢も豊富です。
今回の記事では、そんな国内の船旅についての情報をまとめました。船旅ならではの楽しみ方や、どんな国内の船旅が展開されているのかなど、詳しく紹介します。
目次
1. 船旅の種類
<出典元:写真AC>
まずは、船旅にはどのような種類があるのかをチェックしていきましょう。
国内クルーズを楽しむ
「クルーズ」とは、大型客船に乗って移動しながら、寄港地を観光する旅行手段の一つです。クルーズといえば、世界一周や海外旅行で長期間移動するイメージがあるかもしれませんが、最近では1泊2日〜2泊3日のショートステイなど、短期間で楽しめる国内クルーズツアーも増えています。まずは、クルーズ船を体験してみたいという人におすすめです。
国内では東京のほか、港のある横浜、神戸発着の国内クルーズツアーが充実しています。長距離移動ができるメリットを生かし、北海道や九州、日本各地の島々、途中で韓国を経由するものなど、目的地の選択肢もさまざまです。
日本一周クルーズを楽しむ
クルーズ船による船旅であれば、日本一周も実現できます。「日本一周」と聞くと長期間かかるようにも感じますが、7〜13日前後で実現できるのは、クルーズ船による船旅ならではです。
北は北海道、南は九州・沖縄まで日本全国各地の観光を楽しみながら、移動中も船内での豪華なひとときを満喫できるのもクルーズの魅力です。船に乗り込むだけで、荷物を持って移動する必要がなく、スムーズに日本一周ができるのもクルーズならではと言えるでしょう。
目的地に船で移動する
「クルーズ船での旅行は少しハードルが高い」という場合は、目的地への移動にフェリーや高速船を使ってみるのもおすすめです。特にフェリーは、クルーズ船に引けを取らないサービスや設備を完備しているものも増え、国内ツアーを展開している長距離用の船もあります。
2. 船旅のメリット・デメリット
<出典元:写真AC>
ここからは、船旅ならではの楽しみ方と、デメリットとして挙げられがちなことを紹介します。
船内が楽しめる
船旅の最大の魅力は、移動中でも船内にある設備やサービスが楽しめる点です。特にクルーズ船やフェリーは、長時間の移動中も楽しめるような設備が充実しています。
◼︎クルーズ船、フェリーの設備例
- 客室(スイートルームがある場合も)
- レストラン、カフェ・バー
- プール
- ウェルネス施設(スポーツジム、サロン、スパなど)
- 大浴場、露天風呂
- エンターテイメント施設(シアター、ステージ、カジノなど)
- ランドリー
移動手段としてだけでなく、ホテルやレストランとしての役割を果たしてくれるのが、船の魅力です。船によっては、エンターテイメントや買い物が楽しめる設備も完備しています。船ごとの個性も豊かなので、設備やサービス面に注目して船から旅先を選んでみるのもいいですね。
船からの絶景が楽しめる
移動中に、普段は見ることのできない海上からの美しい景色が楽しめるのも船旅の魅力です。船旅で利用できる船のほとんどに、美しい海の様子が眺められる展望デッキなどが完備されています。
中には海洋生物を間近で見たり、触れ合えたりするサービスを展開しているものも。旅先で遊覧船に乗れば、美しい水辺の景観も楽しめます。水上を移動する、船ならではの特別な体験ができることでしょう。
移動時間が飛行機や新幹線などと比べて長い
船旅のデメリットとして挙げられるのが、移動時間が比較的長くなる点です。飛行機や新幹線と比べるとどうしても時間がかかるため、移動先での時間を満喫したい場合は船旅は不向きかもしれません。
しかし、いつもの旅行とは異なる、ゆったりとした旅が楽しめるのは船旅ならではです。特にお子さま連れの家族旅行などの場合、船旅なら移動中ものびのびと過ごすことができます。ゆっくり移動する分、宿泊や食事を楽しみながら船内で特別な時間を過ごせるのが、船旅の魅力といえるでしょう。
3. 国内旅行で利用できる船の種類
国内旅行では主に、以下のような船に乗ることができます。
フェリー
<出典元:写真AC>
フェリーは、観光地・目的地に向かうための移動手段の一つです。あくまで移動手段である点が、船内での観光を楽しむのが前提であるクルーズ船との違いです。
しかし最近では、フェリーもクルーズ船と同様に、船内で充実した時間が過ごせる設備が整っているものも増えてきています。運航距離やコンセプトによって、設備やサービス内容もさまざまです。移動しながら船内を楽しみ、かつホテルのように宿泊もできると考えれば、費用的にもお得感があります。小さなお子さま連れなど、家族旅行にもおすすめです。
また、フェリーの中には、車やバイクごと船に乗せて移動できるものも。うまく活用すれば、到着後の移動がスムーズになるのもフェリーならではです。
クルーズ船
<出典元:写真AC>
クルーズ船ツアーは、寄港地での観光だけでなく、船内で過ごす時間も観光に含まれています。その分、大型クルーズ船内に多様な設備が完備されており、充実したクルーズライフを過ごせる点が特徴です。
フェリーなどの他の船よりもワンランク上の豪華な客室や、上質な料理が食べられるレストラン、毎日乗っていても飽きないようなエンターテインメントなど、船内でも非日常的な時間を過ごすことができます。
特に夜には、豪華なコースディナーやショーなど、華やかな時間が用意されています。船によってはドレスコードが必要なものも。クルーズ船でしかできない特別な体験ができるはずです。
高速船
<出典元:写真AC>
高速船は、目的地までの移動を目的とした船です。その名のとおり、他の旅客船と比べて移動速度が速い分、主に短い距離を移動する場所などで運航されています。
短い距離のため、船内にはベンチや座席など、最低限の設備だけが備わっているものがほとんどです。国内であれば、近くの島に移動する場合などに利用されています。
遊覧船やその他
<出典元:写真AC>
そのほかにも、旅先で気軽に乗れる船もあります。例えば遊覧船は、自然の豊かな観光地で川・湖・沼・港湾などを楽しむために乗る客船です。移動することが目的ではない点に、他の船との違いがあります。あくまで景観の美しい水域に向かい、水辺の景色を楽しむための船です。
水上バス、川下りで乗る船、北海道などで乗れる砕氷船なども、遊覧船と同じような目的で運航されています。旅先で自然の美しい景観を間近で体験したいときは、乗船してみましょう。
4. 国内を巡るクルーズ船とフェリー
実際に、日本国内を巡るクルーズ船やフェリーにどんなものがあるのかをご紹介します。
国内を巡るクルーズ船
国内を巡るクルーズ船は、豪華な設備はもちろん、日本ならではの細かいおもてなしやサービスが充実しているものも豊富です。海外で高い評価を受け、日本国内でも運航しているクルーズ船と合わせてご紹介します。
◼︎飛鳥Ⅱ
<出典元:写真AC>
「飛鳥Ⅱ」は、日本最大の大きさを誇るクルーズ客船です。クルーズ専門誌『CRUISE』誌上で開催されている読者投票「クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー」において、2022年度総合部門・日本船部門の2部門で、30回目となる第1位を獲得しました。
参考:「「飛鳥Ⅱ」クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー30回連続受賞」(飛鳥クルーズ 公式サイト)
乗客定員872人でありながら、一人ひとりがゆったり過ごせるスペースが確保されています。船内で食べられるビッフェスタイルのディナーは、フレンチから和食まで幅広く展開。また、最上階には露天風呂付き大浴場があるほか「飛鳥IIオリジナルプロダクションショー」が楽しめるステージやバー・ラウンジなども完備されています。一泊二日のワンナイトクルーズから、ショート・ミドルクルーズと、国内旅行ツアーの種類も豊富です。
◼︎にっぽん丸
<出典元:写真AC>
にっぽん丸は「大人を幸せにする海の上の国」がコンセプトのクルーズ船です。船体はコンパクトですが、その分きめ細やかなサービスとおもてなしにこだわっています。イベント、エンターテイメントにも力を入れていて、入出港時は盛大なボンボヤージュサービスが受けられるのも特徴的です。
また「食のにっぽん丸」とも呼ばれるほど、食事にこだわりがあるにっぽん丸。寄港地ゆかりの旬の食材や、海の幸、山の幸をふんだんに使った食事が楽しめます。
◼︎MSCベリッシマ
<出典元:写真AC>
イタリア生まれの客船「MSCベリッシマ」も、日本国内発着のクルーズを展開しています。
船内には12か所のダイニングや20か所のバー、ウォータースライダー完備のアクアパーク、ブティックが立ち並ぶプロムナードなど、船内にいることを忘れてしまうような設備が充実しています。また、船内に新鋭のデジタル技術を活用しているのも特徴です。全キャビンには、デジタルクルーズアシスタント「Zoe」が完備されています。
フェリー
日本国内を運航するフェリーの中には、長距離移動でも充実した時間が過ごせる豪華な設備を備えたものも登場しています。
◼︎いしかり
<出典元:写真AC>
「いしかり」は、名古屋・仙台・苫小牧間を運航している太平洋フェリーの一つです。これまでフェリー・オブ・ザ・イヤーを20回以上受賞するほど高く評価されています。
参考:「フェリー・オブ・ザ・イヤー受賞紹介」(太平洋フェリー 公式サイト)
3層吹き抜けのラグジュアリーなエントランス、海を見ながら楽しめる広々とした大浴場、シアターラウンジ、カラオケルーム、キッズルームなどの豪華な設備は、クルーズ船にも引けをとりません。客室もそれぞれの旅行スタイルやニーズに応えられるよう、ロイヤルスイートから和室まで幅広く展開されている点も特徴です。
◼︎はまゆう・それいゆ
<出典元:写真AC>
「はまゆう・それいゆ」は、横須賀~新門司間を就航する東京九州フェリーの一つです。海を見ながら楽しめるレストラン、大浴場を完備しているほか、映画やプラネタリウムが楽しめるシアタールーム、スポーツルーム、カラオケなどの施設も充実しています。
また、ペットと一緒に過ごせる客室を完備しているのも特徴です。愛犬と一緒にのんびりと海の旅を楽しみたい人にはぴったりでしょう。
◼︎はまなす・あかしあ
<出典元:写真AC>
「はまなす・あかしあ」は新日本海フェリーの一つで、舞鶴~小樽、敦賀~苫小牧東港を運航しています。国内最大級の大きさを誇る長距離フェリーです。
吹き抜けがある豪華なエントランス、景色が楽しめるフォワードサロン、オープンデッキなど、広々としてゆったりくつろげるスペースが多数用意されています。特に食事は、レストラン、コース料理が楽しめるグリル、カフェと選択肢が豊富です。
海に囲まれた島国である日本は、船旅を楽しむのに最適な環境でもあります。船内での時間も悠々自適に楽しみたい場合はクルーズ船、移動中の時間も観光地での時間も楽しみたい場合はフェリーなど、目的や希望にあわせて選んでみるとよいでしょう。効率よく移動して楽しむ旅行もいいですが、一味違う旅を楽しみたい人は、海上でゆったりとした時間を満喫する船旅を選んでみてはいかがでしょうか。
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