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【大分】国宝・臼杵石仏とは? 拝観の流れや各石仏を紹介
<TOP画像:山王山石仏>
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
旅先で想像に反して良かった観光地...。時々出会うと思います。
今回、僕が出会ったそんな観光地が、大分県臼杵市にある国宝の臼杵石仏(うすきせきぶつ)です。
元来、仏像を拝むのが好きなので、今回はドンピシャリ。木造ではなく石造という珍しさと、繊細で迫力ある石仏を拝むことができ大満足でした。それでは石仏の魅力へ誘いましょう!
目次
- 国宝臼杵石仏とは
- 拝観の流れ
- 1. ホキ石仏第二群
- 2. ホキ石仏第一群
- 3. 山王山石仏(さんのうざんせきぶつ)
- 4. 古園石仏(ふるぞのせきぶつ)
- 国宝臼杵石仏の御朱印
- 国宝臼杵石仏の拝観を終えて
国宝臼杵石仏とは
『臼杵石仏(うすきせきぶつ)は、凝灰岩(ぎょうかいがん)の岩壁に刻まれた磨崖仏群(まがいぶつぐん)です。
平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫られたといわれていますが、誰がどのような目的で造営したのか、はっきりとしたことは分かっておらず、今なお多くの謎に包まれています。
昭和55年から14年間に及ぶ保存修復工事が行われ、その際に永年頭部のみの姿で親しまれた古園石仏(ふるぞのせきぶつ)中尊の大日如来像も胴と一体となりました。そして平成7年6月、摩崖仏では全国初、彫刻においても九州で初めて国宝に指定されました。木彫りとみまがうばかりの見事は彫刻技術と仏の数では、他に類をみることなく、国内外で文化遺産として高い評価を得ています。<パンフレットより引用>』
国宝臼杵石仏 基本情報
- 所在地:大分県臼杵市大字深田804-1
- 拝観時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
- 拝観料:大人(高校生以上)550円、小人(小・中学生)270円 ※団体割引は30名以上。臼杵石仏と臼杵市内他観光施設との共通入場券があります
- アクセス:
大分空港⇒(空港バスで約1時間)⇒JR大分駅⇒(JR特急利用で約35分)⇒JR臼杵駅⇒(タクシーで約20分または路線バスで約20分)⇒国宝臼杵石仏
JR大分駅⇒(JR特急利用で約35分)⇒JR臼杵駅⇒(タクシーで約20分または路線バスで約20分)⇒国宝臼杵石仏
車の場合は臼杵ICから約5分(無料駐車場あり)
※詳しいアクセスは、国宝臼杵石仏公式サイトにて確認してください
ボランティアガイド(無料)について
僕は初めてだったので何も分からず拝観しましたが、拝観してみてやはりガイドさんの説明があった方が良かったと思いました。ぜひ時間に余裕がある方はボランティアガイドの手配をおすすめします。
- 個人拝観者が対象
- 10:00~15:00の間
- 所要時間は約1時間
- 3日前までに予約が必要
- 予約・問合せ先:臼杵石仏事務所 0972-65-3300(電話受付 9:00~17:00)
※詳しくは、国宝臼杵石仏公式サイトにて確認してください。
また、音声ガイドシステムも無料で聞くことができます。ご自身のスマートフォンで各石仏群に設置されたQRコードを読み込みアクセスしてください。
拝観の流れ
※1周約800m・所要時間は約30分(ゆっくり拝観すると駐車場から駐車場まで約1時間)です
1. 駐車場に面した石仏観覧券発売所で拝観券を購入
2. 看板の誘導通りに小川沿いを進む
3. 観覧券集札所で拝観券を係員に提示
4. 順路の通り、反時計回りに進む
国宝臼杵石仏 拝観の注意事項
観覧券集札所から、1. ホキ石仏第二群、2. ホキ石仏第一群、3. 山王山石仏、4. 古園石仏までの一周は坂道と階段が続きます。入口では杖が用意されています。
1. ホキ石仏第2群
※ホキとは「岸險(がけ)」という意味の地名です
※以下、臼杵石仏の説明文は国宝臼杵石仏の公式サイトから引用しました
2龕(がん)からなり、第1には阿弥陀(あみだ)三尊像が見事な技術で掘り出され、その堂々とした軀体、中尊と両脇侍のそれぞれに異なった豊かな表情など、まことに見事な磨崖仏です。第2龕は、「九品(くほん)の弥陀(みだ)」と呼ばれ、比較的小さな仏像が彫られています。
第1龕「阿弥陀三尊像」
ホキ石仏第2群第1龕
見事な彫刻技術で彫られた、臼杵石仏の中でも最も優れた石仏のひとつ。
中尊阿弥陀如来像(ちゅうそんあみだにょらいぞう)はどっしりと量感豊かで、穀然とした表情は彫技の冴えを感じさせる傑作。【平安後期頃の作】
第2龕「九品の弥陀」
ホキ石仏第2群第2龕
比較的小さな9体の阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)が刻まれている。中央の一尊だけが裳懸座(もかけざ)に座し、彩色も鮮やかに残っているが、他の8体は欠損がひどく惜しまれる。【平安末期頃の作といわれる】
2. ホキ石仏第1群
平安時代から鎌倉期に至るまでの磨崖仏が20数体並び、まさに壮観です。4つの龕からなり、第1龕は、如来坐像3体と菩薩立像2体、第2龕は阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像、如来坐像の3体、第3龕は大日如来像ほか4体、第4龕は地蔵菩薩半跏像並びに十王像の11体です。いずれも秀作ぞろいです。
第1龕「如来坐像3体と菩薩立像」2体
ホキ石仏第1群第1龕
中尊に釈迦如来(しゃかにょらい)を刻み、童顔で親しみやすい表情で語りかけてくる。彫法はやや劣り螺髪の刻み方など簡略化した跡がみられ、素朴な印象をあたえる。【平安末期頃の作】
第2龕「阿弥陀如来坐像・薬師如来坐像・如来坐像」3体
ホキ石仏第1群第2龕
ホキ石仏第一群の中心的な存在である中尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)は、静まった顔で、眉、目、髭を墨で描き、量感あふれる姿が特徴である。三尊とも彫技は優れ、ホキ石仏第二軍の阿弥陀三尊像同様の傑作です。【平安後期頃の作といわれる】
第3龕「大日如来像」ほか4体
ホキ石仏第1群第3龕
中心の三尊は、中尊に金剛界大日如来(こんごうかいだいにちにょらい)を配し、右に釈迦如来(しゃかにょらい)、左に阿弥陀如来(あみだにょらい)が並んでいる。三尊とも膝前が長く広いのが特徴で、如来像の台座には、願文や経巻を納めたであろう円や資格の孔(あな)がある。【平安末期頃の作】
第4龕「地蔵菩薩半跏像並びに十王像」11体
ホキ石仏第1群第4龕
中尊に地蔵菩薩(じぞうぼさつ)をすえ、冥府にあって亡者の罪を裁き救済する十王像を左右に5体ずつ配している。錫杖(しゃくじょう)を持たず、右足を座し左足を立てている地蔵菩薩は、古い様式で珍しく、光背の彩色唐草紋も残っている。【鎌倉期の作】
3. 山王山石仏(さんのうざんせきぶつ)
中央に丈六の如来像と左右に脇侍の様に如来を刻む三体の如来像で構成されています。仏像の顔は輪郭が丸く、目鼻はこじんまりとして童児のそれをおもわせ、今にも語りかけるような口もとなどは、邪気のない純真無垢な童顔そのものです。通称「隠れ地蔵」と言われています。【平安後期頃の作】
4. 古園石仏(ふるぞのせきぶつ)
古園石仏は、大日如来像を中心とする曼荼羅を構成し整然とした陣容をそなえる、臼杵石仏の中心的存在。通称古園十三仏とも言われています。特に中尊の大日如来は日本の石仏の中でも最高傑作の一つといえます。『 高く秀でた眉、切れ長の伏し目に端正な顔、ほのかに紅を刷いた唇にあたたかい御心が通う』きわめて端厳な相好ですが、ゆたかな両頬や、ややとがった二十顎、切れ長の伏し目など幽玄で神秘的な雰囲気がただよいます。制作年代は、平安後期を下らないと言われています。崩壊破損が甚だしかったのですが、修復工事(昭和33〜)により平成5年8月25日には中尊大日如来の仏頭が復位され、昔日の荘厳な姿に復旧しました。【平安後期頃の作】
なお、この先、5. 化粧の井戸、6. 仁王像、7. 真名野長者夫妻像、8. 蓮城法師像、9. 満月寺、10. 石仏梵鐘、11. 宝篋印塔と巡るのですが、時間の都合で4. 古園石仏で拝観を終了しました。
国宝臼杵石仏の御朱印
国宝臼杵石仏では御朱印がいただけます。場所は4. 古園石仏のところに御朱印が置かれていました。書き置きで日付(自分で書き込みました)がないのが残念です。
『臼杵八ヶ所霊場巡拝』が別途設置されています。臼杵市内の八ヶ寺を巡拝するものです。専用の納経帳が用意されていますので、第一番札所である国宝臼杵石仏の売店にて納経帳と納め札を購入して巡拝してみてはいかがでしょうか。
国宝臼杵石仏の拝観を終えて
前述の通り『旅先で想像に反して良かった観光地』だったと思います。
特に期待せず、国宝だから立ち寄ってみようと思ったのが正解でした。坂を上り下りしないといけませんが、よくぞこんなところに!というのと、よくぞこんな素晴らしい石仏が!というのが感想です。誰がどのような目的で造営したのか?分からないのが想像心を掻き立てられました。
国宝臼杵石仏「第一次美仏内閣」として9体の美仏が大臣に選ばれていました。
<ホキ石仏第2群:阿弥陀如来(あみだにょらい)>
<ホキ石仏第2群:不動明王(ふどうみょうおう)>
<ホキ石仏第2群:阿弥陀如来(あみだにょらい)>
<ホキ石仏第1群:地蔵菩薩(じぞうぼさつ)>
<ホキ石仏第1群:大日如来(だいにちにょらい)>
<ホキ石仏第1群:阿弥陀如来(あみだにょらい)>
<ホキ石仏第1群:愛染明王(あいぜんみょうおう)>
<山王山石仏:山王山石仏(さんのうざんせきぶつ)>
<古園石仏:金剛力士(こんごうりきし)>
<古園石仏:多聞天(たもんてん)>
<古園石仏:大日如来(だいにちにょらい)>
皆さんはどの仏さまがお好きですか?
※当記事の内容は2024年1月下旬に拝観した時のものです
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。