公開日:
最終更新日:
高知の名物はこれ! 行って食べたいグルメ&買いたいお土産
四国の太平洋側に面して、のびのびと広がる高知県。四国山地を背景に、四万十川や仁淀川などの清らかな大河を配したこの県は、美味しいものの宝庫でもありますが、それゆえに旅行者はどこで何を食べたらよいか迷ってしまうかもしれません。
そこで、高知県に移住して8年目の筆者が、県内の名物やおすすめのお店、お土産などをご紹介します。すべて実際に体験したリアルな情報をまとめましたので、ぜひご参考にしてください。
目次
<2. 「これナニ?」見かけたら試してみよう、幻の高知名物!>
1. 高知の名物はこれ!
高知に降り立ったなら、まずこれだけは食べてもらいたいという定番中の定番をご紹介します。
わら焼き鰹のたたき
<出典元:写真AC>
鰹のたたきの中でも、「わら焼き」となると高知県外ではなかなかお目にかかれません。
中が空洞になるようにしっかり乾燥させたわら(藁)に火を点け、1000℃近い高温になったところで、鰹の表面だけをしっかりと炙り焼きます。もともとは魚の臭みを消すためにはじまったわら焼きですが、中の旨味を閉じ込めつつ、わら独特の燻製のような香ばしさを鰹に移すことによって、その味わいに大きな変化を与えます。
初めて食べたときには、筆者はその美味しさにそれまでの鰹のたたきの概念がひっくり返るほどの衝撃を受けてしまいました。たたきを食べる時には、ぜひ「わら焼き」のお店を探して訪ねてみてください。
土佐あかうし
高知県特有の牛肉ブランド、土佐あかうし。知っている方は少ないのではないでしょうか?それもそのはず、高知県のみで生産される土佐あかうしは全国の和牛生産量のうち占める割合がわずか0.1%、出荷数は年間300~400頭ほど。つまり1日に1頭あるかないかという希少さなので、まず県外でほとんど見られないからです。
指定牧場でのんびり放牧されたあかうしの赤身は特筆もので、適度な噛み応えがありながら硬さはなく、肉本来の甘味を初めて知るように感じます。高知に在住していてもめったに食べられない、本当のごちそうです。健康志向の赤身肉ブームもあって、近年注目度が高まっているので、食べるならば早いほうが良いかも!?
室戸のキンメダイ
<出典元:写真AC>
太平洋の荒波が打ち寄せ、海底が急激に深くなる室戸の海は、高級魚として知られる深海魚・キンメダイの一大生息地。獲れたてピチピチの状態で水揚げされてきます。室戸市では、このキンメダイを使った丼を「キンメ丼」と称して、ご当地料理として展開しています。
市内ではキンメ丼の価格は統一されている上、「室戸のキンメダイのみを使うこと」「お刺身と煮つけの両方を載せること」「キンメダイのダシもつけること」など、厳密なルールもあるので、どこで食べても一定以上のクオリティが保証され、食べ比べもまた楽しい。高知は鰹だけではないぞ!という、漁業の町の心意気を感じるメニューです。
土佐清水の清水サバ
<出典元:写真AC>
名勝足摺岬で知られる四国西南端の町、土佐清水市は、高速道路も電車も通っていないため、一説には「東京から最も遠い」と言われるほど、アクセスが困難なエリアです。しかしここは黒潮が流れる県下でも有数の漁業の基地。どんなに遠くてもここの魚が食べたい、という旅行客が絶えません。
特にサバ漁は有名で、「立縄漁」と呼ばれる独特の漁法で、サバを活きたまま港まで持ち帰ることができるため、刺身で食べられます。脂のノリが良く、鮮度抜群でモチモチ感が絶品の清水のゴマサバは、ここまで来て良かった!と感じられる逸品です。
田舎寿司
<出典元:写真AC>
全国的にも珍しい、野菜を使った田舎寿司は、高知のおばあちゃんやお母さんが手作りする素朴な料理。
山間部で魚が入手しにくかった時代に、地元でとれるみょうが、こんにゃく、りゅうきゅう(はすいもの茎)、しいたけなどを使い、寿司に見立てたのが始まりと言われています。彩りが豊かで、今でもお祝いの席や行楽時のお弁当など、幅広く愛されています。道の駅やスーパーでも購入可能で、見かけると、どこかホッとする一品です。
鍋焼きラーメン
<出典元:写真AC>
鍋焼きラーメンは、高知県須崎市が発祥とされる、代表的なB級グルメの1つ。スープは鶏がらベースの醤油味で、歯ごたえのある細麺がぴったり。具材はちくわ、生卵、ネギが定番で、初めて食べてもなぜか懐かしささえ感じます。小さな土鍋で提供されるので、最後までアツアツのまま美味しく食べられ、付いてくるタクワンも、ラーメンの口直しに最適です。締めにはごはんをスープに追加して、最後まで楽しんでくださいね。
2. 「これナニ?」見かけたら試してみよう、幻の高知名物!
高知県内では、県外の人が聞いたこともない食材や料理に当たることもよくあります。地域や季節限定のものも多いので、見かけたらぜひ試してみてくださいね。
どろめ
<出典元:写真AC>
どろめとは、生のシラスのこと。高知を代表する珍味のひとつです。見た目は灰色がかった透明で、とにかく鮮度を保つことが難しく、水揚げ当日でなければ美味しく食べられません。
茹でたシラスとは全く異なる味わいで、まったりとした舌触りとともに磯の香りが口全体に広がり、まさに海そのものを食べている感覚です。高知県では主に安芸市や香南市、高知市などで食べることができます。
いたどり
<出典元:写真AC>
高知の春を知らせるいたどり(虎杖)は、山間に自生するタデ科の植物。全国で見られる植物ですが、食用にする地域は多くはありません。高知県では、このいたどりを主に油炒めにして、好んで食べています。
見た目は地味ですが、醤油やお砂糖とともに炒め煮にするとシャキシャキとした独特の歯ごたえと、ほんのりした酸味が絶品で箸が止まらなくなるから不思議です。県内の郷土料理店や居酒屋などで見かけることができます。
直七(なおしち)
<出典元:写真AC>
すだちの仲間である直七は、現在ほぼ高知県の西部でしか生産されておらず、「幻の柑橘」と呼ばれるほど希少な食材です。
酸味、苦味、甘味のバランスが良く、まろやかなことが特徴で、料理の味を邪魔しないため、特に魚料理に好んで使われます。最近はチューハイやスカッシュなどのコラボ商品も徐々に増えてきていますので、県内で見かけたらぜひ手に取ってみてください。
3. 高知のグルメならまずはこのお店をチェック!
高知には美味しいお店が多く、ハズレが少ないのですが、ここでは特に名物料理を食べるのにおすすめのお店をご紹介します。
明神丸
高知を代表する郷土料理店のひとつが明神丸です。明神丸を運営する明神水産は、常に国内トップクラスの鰹の漁獲高を誇る漁船団・明神丸を擁しており、鰹の扱いを熟知したお店で、いつ行ってもベストな状態のわら焼きの鰹のたたきを食べることができます。
また、ポン酢だけではなく、天日塩をつける塩たたきの食べ方にこだわっているのも明神丸流。どの店舗もたくさんのお客さんで賑わい、焼き立てのわら焼き鰹が頂けます。高知に来たら、まずは足を運びたいお店です。
- 明神丸本店
- 住所:高知県高知市本町1-1-2
- 公式サイト:明神丸
さめうら荘レイクサイドホテル
赤みがかった褐色が特徴の土佐あかうしは、高知県内でもなかなか見かけない希少な土佐和牛。山間部で草を食べて健康に育った、ジューシーな赤身の美味しさは、他の和牛とは一線を画します。そんな土佐あかうしをメインに取り扱うのがさめうら荘。
2018年にリニューアルされたばかりのホテル併設のレストランでは、さめうら湖のレイクビューを楽しみながら食べるステーキやしゃぶしゃぶが大人気です。ハンバーグやカレーなど、カジュアルなメニューもぜひお試しください。
- 住所:高知県土佐郡土佐町田井146-1
- 公式サイト:さめうら荘レイクサイドホテル
料亭花月
室戸市で大正14年に創業された、郷土料理の老舗店。特にキンメダイを使った料理を求めて、訪れる人が絶えない名店です。
室戸のキンメダイの刺身や照り焼きを丼にした名物キンメ丼はもちろん、その他の室戸の地魚料理もバラエティ豊か。店舗は外観・内装ともに老舗の風情が抜群で、畳敷きのお部屋でゆったりと食事をすることができます。名勝・室戸岬の観光を楽しんだあとには、立ち寄らずにはいられないお店です。
- 住所:高知県室戸市室津2586
- 公式サイト:料亭花月
御食事処あしずり
日持ちがせず、一般的には火を通さないと食べられないというサバの常識をくつがえす名物の清水サバを、様々な調理法で楽しめる名店が御食事処あしずりです。ここでは港まで活きたまま運ばれたサバをすぐに活〆しているので、新鮮そのもののお刺身が食べられます。
また、ゴマ油や塩などと頂けば、最上級のレバ刺しのような食感と味わいにビックリ! 肉厚のサバをこんがり焼いて酢飯に載せた焼きサバ寿司もお忘れなく。
- 住所:高知県土佐清水市元町3-15
- 公式サイト:御食事処あしずり
橋本食堂
高知のB級グルメ、鍋焼きラーメンでひときわ人気が高いお店が橋本食堂。もともと鍋焼きラーメンは、昭和50年代に須崎市の谷口食堂(現在は閉店)で始まりましたが、その伝説とも言える味に最も近いと言われているのが、この橋本食堂です。
お店のメニューは、鍋焼きラーメン、ごはん、ビールのみという潔さ。ラーメンのスープはコクがありつつもあっさりとした鶏がら醤油、細麺にちくわ、卵、ネギが載った素朴な定番スタイルです。店内は昭和のまま時が止まったよう。高知の違った一面を覗くならばぜひここへ立ち寄ってみてください。
- 住所:高知県須崎市横町4-19
- 須崎市観光協会ホームページ:橋本食堂
4. 高知で買いたいお土産
ここでは、使い勝手が良く必ず喜ばれる高知のお土産をご紹介します。県内では、いずれの品も空港、道の駅、ひろめ市場、スーパーマーケットなどで見つけることができます。
ミレービスケット(野村煎豆加工店)
高知の気軽なお土産と言えば、まずはミレービスケット。小麦粉をベースに砂糖、食塩、ショートニングを加え、カラリと揚げられたシンプルなお菓子。ほんのりした塩味とサクサク感が後を引き、なぜか「一度食べたらクセになる」。
ご高齢の方からお子さんまで、どなたにも喜ばれることは間違いありません。また、小分けにしたパックは種類が豊富で安価なので、多くの人に配るお土産としてもうってつけです。
芋けんぴ(黒潮物産)
芋を棒状に切ってから油で揚げ、砂糖をからめた芋けんぴは、カリッとした歯ごたえとサツマイモの甘味が懐かしい、昔ながらの高知のおやつです。軽くて日持ちもするので、お土産には最適です。
県内では多くのメーカーが芋けんぴを生産していますが、特におすすめなのはひろめ市場内で店舗を構える黒潮物産で、こちらでは店内で15種類もの味付けをしており、バリエーションがとても豊富です。筆者おすすめは一番人気の塩ニンニクやキャラメル。ぜひお気に入りのフレーバーを見つけてください。
馬路村のゆず製品(馬路村農業協同組合)
人口はおよそ800人、その面積の95%が森林という馬路(うまじ)村は、高知県でもトップクラスのゆずの産地。
実は数十年前の日本では、ゆずはそこまで一般的ではありませんでしたが、馬路村は、村の命運をかけて商品開発に取り組み、ゆずとはちみつのドリンク「ごっくん馬路村」を全国的なヒットにつなげました。その後、馬路村ブランドのゆずはポン酢やゆずコショウ、コスメなど多くの関連商品を生み出し、人気のお土産として定着しています。
姫かつおスティック(土佐清水食品株式会社)
高知名物、鰹を手軽にお土産にするなら、鰹の生節(鰹を加熱処理したのちに、燻製したもの)がおすすめ。中でも高知県産の宗田鰹を使った姫かつおスティックは食べきりサイズの手頃さで、常温で保存もできるので、お土産にぴったりです。
塩レモン、醤油、ピリ辛、ゆずなど味のバリエーションも豊富なので、おかずやおつまみ、おやつとしても、使い勝手は抜群。たんぱく質たっぷりの鰹は、近年は筋トレのお供としても人気急上昇中だそう!
四万十川 川のり佃煮(加用物産)
清流四万十川の河口、海に近いエリアでは、古くからのりの養殖が盛んに行われてきました。ここの青さのり(ひとえぐさ)を主な原料として、優しく炊き上げられたのがロングセラーの川のり佃煮。
塩分は抑えめで、醤油とダシが絶妙に配合されており、毎日食べても飽きないので、つい冷蔵庫に常備してしまいます。合成着色料や化学調味料、保存料は一切添加されていないので、健康面を気にする方やお子さんのいるご家庭にもぴったり。香りと深みが一味違うとリピーターが多いのも頷けます。
雄大な山、川、海に恵まれた高知県は、数多くの美味・珍味に溢れています。また、県外ではほとんど見られない、「ここに来たから味わえる」という新しい味覚との出会いにも驚かれるかもしれません。高知県に行かれる際には、この記事を参考に、ぜひ各地域の名物料理などを楽しんでみてください。
関連記事
Ranking高知記事ランキング
-
七海
- 世界30カ国以上を旅してきました。好きな場所は欧州全般と中国です。ちなみに七つの海は制覇できていません。現在は高知県に在住し、ミラクルワールド・四国の探検を楽しんでいます。旅に出ていないときはもっぱら自宅の古民家リフォームに熱中しています!