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【山梨】南アルプスの天然水のふるさと 北杜市の見どころ
皆さんこんにちは、たびこふれライターのえいたです。
私は今回、山梨県北部にある北杜市を訪れました。
山梨県の北杜市は長野県と境を接し、八ヶ岳連峰や清里、清泉寮など有名観光地を擁するところです。
天然水で有名な南アルプスの麓の街でもある北杜市には水にまつわる観光スポットが点在しています。
今回はそのスポットをいくつかピックアップして皆さんにご紹介したいと思います。
目次
- 清里に行ったらぜひ訪れたい吐竜の滝
- 名水百選に選ばれた湧水のある大滝神社
- 甲州街道の宿場として栄えた台ケ原宿
- 名水百選甲斐駒ヶ岳の伏流水で仕込んだ銘酒「七賢」
- 七賢直営レストラン臺眠(だいみん)でいただく酒蔵ランチ
- 南アルプスの名水で仕込んだ洋酒と言えば「サントリー白州蒸留所」
- 気軽に立ち寄って名水も汲める道の駅はくしゅう
- 最後に
清里に行ったらぜひ訪れたい吐竜の滝
吐竜、どりゅうと読みます。
八ヶ岳から流れ出る川俣川渓谷に落差10m、幅15mに渡って小さい滝が何段にもなって流れ落ちる姿の滝です。
草木に覆われたた岩間から絹糸のように流れ落ちる神秘さから「竜の吐く滝」と名づけられたそうです。
吐竜の滝入口の駐車場は普通乗用車が15台ほど停められるスペースがあります。
駐車場から森の中を10分くらい歩くと吐竜の滝に辿り着きます。滝までの遊歩道はほぼ平坦で整備されているので小さな子どもでもアプローチできるようなルートです。
私が訪れたのは紅葉シーズンの10月中旬の平日の朝8時頃でしたが観光客の姿を数多く見かけました。
<吐竜の滝入口看板>
<森林浴が満喫できる遊歩道>
川俣川の渓流のせせらぎが心地よいです。
高原列車の愛称で知られるJR小海線の鉄橋を潜り、
橋を渡ると、
吐竜の滝に到着です。
10月中旬に訪れましたが、紅葉が見頃を迎えていました。
渓谷の巨岩と色とりどりの紅葉のコントラストが美しかったです。
<東沢大橋までの遊歩道の案内看板>
<真っ赤なアーチが特徴の東沢大橋>
<吐竜の滝入口駐車場の簡易トイレ>
シーズン中しか設置がありません。滝までの間はこのトイレ以外はありませんから、できれば駐車場到着までにトイレは済ませておいたほうがいいかも。
やまなしハイキングコース100選で吐竜の滝や清泉寮を巡るコースが紹介されています。
良かったらご覧ください。
吐竜の滝
- 住所:山梨県北杜市大泉町西井出
- 公式サイト:吐竜の滝
名水百選に選ばれた湧水のある大滝神社
JR小淵沢駅から約2kmの南東に湧水が境内にある大滝神社があります。
神社と遊水地周辺は公園として整備されており、近隣の三分一湧水とともに「八ヶ岳南麓高原湧水群」として環境省の名水百選に認定されました。
湧水の水温は年間を通じて約12℃で、日量約22,000tの豊かな水源が古くから近隣の人々の生活を支えてきたそうで、現在でも水田の灌漑やニジマスの養殖に利用されている大事な湧水です。
私が訪れたときは大量のペットボトルやポリタンクに水を汲んでいる人に出会いました。喫茶店で提供するコーヒーを淹れるため、蕎麦打ちにも使用するようです。私も空のペットボトルを持参して水を汲んできました。
まさに南アルプスの自然の恵みを実感する湧水でした。
<神社拝殿と湧水>
<勢いよく流れる湧水>
<湧水池>
<案内看板>
大滝神社
- 住所:山梨県北杜市小淵沢町上笹尾 2738
- 公式サイト:大滝神社
甲州街道の宿場として栄えた台ケ原宿
台ケ原宿は甲府と諏訪を結ぶ甲州街道のほぼ中間にあり、江戸方面から見て韮崎宿の次の宿で、日本橋からちょうど40番目の宿です。江戸時代から明治時代は本陣、脇本陣のほかに14軒の旅籠が並ぶ宿場町として約1kmの長さに渡って賑わっていました。
国道20号線(甲州街道)の台ケ原下交差点から脇道が旧道となっていて、住宅街の中に宿場町を思い起こさせる歴史的な建物がいくつか建っています。江戸時代末期に建てられた切妻屋根の大型町屋が酒造会社の「七賢」として、旅籠の1つ「まるや」の建物は老舗和菓子屋「台ケ原金精軒」となって今にも残っています。
また、歴史を踏まえた宿場町の景観保全が行われていることから、台ヶ原宿周辺の旧甲州街道は1986(昭和61)年に「日本の道100選」に選ばれています。
<国道20号線から旧道への入口交差点>
<レトロな看板や門構えなどが印象的な街並み>
台ケ原宿
- 住所:山梨県北杜市白州町台ヶ原
- 公式サイト:台ケ原宿
名水百選甲斐駒ヶ岳の伏流水で仕込んだ銘酒「七賢」
日本名水百選にも選ばれた、南アルプス甲斐駒ヶ岳の伏流水で仕込んだ銘酒「七賢」の醸造元です。
築180年の風格ある店舗母屋は、明治13年明治天皇ご巡幸の際、一晩ご宿泊された「行在所(あんざいしょ)」として使用されました。内部は見学することが可能です。また、併設の直売店「酒処大中屋」では数種の七賢の試飲が可能です。
私は車で訪れたので試飲はできませんでしたが、別の日に甲府市内にある七賢直営の居酒屋で吟醸酒の飲み放題を体験しました。浴びる手前まで飲みましたが、飲み口がワインのようで香も味も素晴らしく、しかも翌日に残らない素晴らしい日本酒でした。
酒林とも呼ばれる杉玉は新酒が出来たことを知らせるもので、「搾りを始めました」という意味なのだとか。
タイムスリップしたような店構え。
醸造所敷地内へ自由に入れるエリアがあります。
水の神様の弁財天を祀っていました。
醸造用の井戸水を飲むこともできます。
麹と酵母の菌塚もありました。
往時を偲ぶ店内光景です。
七賢
- 住所:山梨県北杜市白州町台ヶ原2283
- TEL:0551-35-2282
- 営業時間売店(酒処大中屋) :9:00〜17:00 ※試飲は~16:30まで
- 休業日:年始
- 公式サイト:七賢
七賢直営レストラン臺眠(だいみん)でいただく酒蔵ランチ
七賢の酒蔵の近くに蔵元直営レストラン臺眠(だいみん)があります。
木目の外壁が美しい古民家風の一軒家の建物の2階がレストランになっています。
蔵元ならではの仕込み水や、隠し味に使う日本酒、米麴、しぼりたての酒粕等をふんだんに使用した手作りの献立が人気で、平日にも関わらず駐車場には県内外のナンバーの車が並んでいました。
メニューには「七賢」の美酒も並びます。日本酒は8種類、60mlから用意されているので、少しずつ注文して数種類を飲み比べる人も多いそうです。(実際に周囲の座る人々が楽しそうに飲み比べをしていました。羨ましいっ)
大きな銀杏の木が目印の外観。
立派な梁が印象的な店内。
窓の外には南アルプスの山並みが。
今回いただいた臺眠(だいみん)ビーフ定食。
数日かけて煮込んだ牛肉に、隠し味で日本酒や味噌を使った逸品です
ご飯はヘルシーな麦ごはんに切り干し大根などの小鉢が付いていました
左奥の緑色と白の四角いものは酒粕を使ったデザート寒天でした。
<箸で簡単に崩れるほど柔らかなお肉>
完食です!
メインのビーフチューはもとより、副菜の小鉢やデザートまでとても美味しくいただきました。
パンがあったら少し残ったビーフシチューのソースも残らず全部いただきたかったです(笑)
酒粕寒天は想像以上に美味でした。
レストラン臺眠(だいみん)
- 住所:山梨県北杜市白州町台ヶ原2289
- TEL:0551-35-5111
- 営業時間:11:30〜15:30 (15:00 L.O.)/17:00〜20:30
- 定休日:火曜日
- 公式サイト:七賢
南アルプスの名水で仕込んだ洋酒と言えば「サントリー白州蒸留所」
台ケ原宿から国道20号線を諏訪方面に4kmほど走るとサントリー白州蒸留所があります。
白州蒸留所はサントリーが山崎蒸溜所に次いで二番目に設立したウイスキー蒸留所で1973年に設立されました。また、南アルプス甲斐駒ケ岳の麓海抜約700mに位置し、平均気温は年間を通して山崎より5℃低く白州の水は山崎よりも硬度が低い軟水で冷涼な気候にあることが選定の決め手になったと伺いました。
白州の敷地面積はおよそ82万5000平方メートルと日本のウイスキー蒸溜所としては最大で、世界的に見ても最大級の広さであるようです。蒸留所は森林に囲まれており、敷地のうち83%は自然環境保護のために未開発なのだとか。森林に囲まれた様子から「森の蒸留所」とも呼ばれています。
今回はウイスキー製造過程を除く博物館と売店の見学で立寄りました。(※)
※サントリー白州蒸留所は全て事前予約者のみの入場となります。
見学受付のあるビジターセンター建物の背後には雪をかぶった八ヶ岳の姿が。
森林の中を博物館に向かって構内を進みます。
ウイスキー博物館に到着!
館内は1階のみ見学が可能(※)で日本ウイスキーの歩みが展示されていました。
※2023年12月現在
今では市場に滅多に出回らないウイスキー「白州」の歴代ボトルがありました。
こちらは白州工場にちなんだグッズなどが購入できるセントラルハウス売店の建物です。
白州蒸留所のジオラマです。
かなり広い敷地であることが分かります。
JR中央線の小淵沢駅から無料の送迎バスも出ています。
「白州」の試飲をしたい方はこの送迎バスを利用することをおすすめします
今では幻となったシングルモルトウイスキー「白州」が1人1本まで購入できたので買ってきました!
サントリー白州蒸留所
- 住所:山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
- 公式サイト:サントリー白州蒸留所
気軽に立ち寄って名水も汲める道の駅はくしゅう
台ケ原宿とサントリー白州蒸留所の中間くらいにある道の駅です
尾白川渓谷や甲斐駒ヶ岳登山口にあって、地域の農産物などを手にすることができます。
そして、こちらの敷地内にも天然水の水汲み場がありまして大きなポリタンクに水を汲んでいる人を見かけました。
<道の駅はくしゅう外観>
天然水の水くみ場がこちらにもありました。
道の駅はくしゅう
- 住所:山梨県北杜市白州町1308
- 営業時間:
- ファーマーズマーケット:9:00~18:00
- かもしか食堂:平日 11:00~15:00/土日祝 11:00~18:00(ラストオーダー17:00)
- カフェコーナー:10:00~16:00
- 定休日:水曜日と年末年始(4~11月は無休)
- 公式サイト:道の駅はくしゅう
最後に
いかがでしたでしょうか、北杜市の大自然とそこで生み出す銘酒の風景は。
実は北杜市は平成の市町村合併で旧北巨摩郡の明野村、 須玉町、高根町、長坂町、大泉村、小淵沢町、白州町、武川村が合併した山梨県最大の面積を持つ自治体なのです。
今回訪問したスポットもそれぞれの旧町村にありましたので広範囲に渡って点在していましたので数回に分けて取材を行いました。
南アルプスの山、自然、名水とそこから生まれる美味しい料理とお酒。旅心を満たす役者が揃った場所に出会えました。
ただ、自家用車やレンタカーを利用しないと効率的に回ることが出来ず、公共交通機関がないところばかりですので不便は不便です。それでも行く価値はあると認めた方が数多く訪ねていました。
もし、この記事をご覧になって気になるところがありましたら信州方面へお出かけになった帰り道に一つ二つ寄り道するもよし、北杜市の魅力に触れていただければと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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えいた
- 旅の臨場感が届けばうれしいです