忍野八海のベストシーズンは? 春・夏・秋・冬ごとの特徴も紹介

忍野八海

国の天然記念物、世界遺産 富士山の構成資産の一部としても認定されている「忍野八海(おしのはっかい)」。神秘的な湧水池と雄大な富士山、茅葺屋根が織りなす光景は「日本の原風景」として根強い人気があります。

そんな忍野八海を訪れるならどの季節がいいのでしょうか。忍野八海のベストシーズンと春夏秋冬それぞれの魅力、季節ごとのイベントなどを徹底解説します。

目次

<1. 気温、天気を元にした忍野八海のベストシーズン>

<2. 花を楽しみたい場合の忍野八海ベストシーズン>

<3. 紅葉を楽しみたい場合の忍野八海ベストシーズン>

<4. 雪景色が見たい場合の忍野八海ベストシーズン>

<5. 観光客少なめ、落ち着いて回りたい場合の忍野八海ベストシーズン>

<6. イベントを楽しむ場合の忍野八海ベストシーズン>

1. 気温、天気を元にした忍野八海のベストシーズン

自然スポットだけに、忍野八海の観光は天気や気温に大きく左右されます。一般的に、天気や気温の観点から忍野八海のベストシーズンといわれているのが、春から秋にかけての4月~11月頃。忍野八海から約十数キロ地点の河口湖の年間平均気温は約11℃で、東京の15.8℃と比べると、5℃近く低くなります。

そのため、夏は避暑地として人気がある一方、都心部に比べ、冬の冷え込みが厳しく感じられます。その点からいえば、冬は避けたほうが快適ですが、空気が澄んでいて、ときに雪景色が楽しめる冬を推す声も少なくありません。忍野八海には春夏秋冬それぞれの魅力があるので、ご自身の好みに合わせて訪れる季節を選んでみてください。

春(3月~5月)

春の忍野八海
<出典元:写真AC

東京と比べ、富士五湖・忍野エリアは春の訪れが遅く感じられます。富士山が雪化粧のまま迎える3月は、平均気温が4.2℃、最低気温が-1.3℃と、まだまだ厚手のコートやマフラーが手放せません。

4月中旬になると、いよいよお楽しみの桜の季節の到来。忍野村の新名庄川沿いの桜並木では、アーチ状に咲き誇る桜と富士山の競演が楽しめます。この時期、日中は日差しが降り注げば春らしい暖かさが感じられるものの、まだまだ一日の寒暖差が激しく、朝晩はぐっと冷え込むため、コンパクトに持ち運べるダウンジャケットなどがあるといいでしょう。

5月になると気温は急上昇。平均気温は14.3℃、最高気温は20.6℃になり、 5月下旬には花菖蒲が見頃を迎えます。天気に恵まれれば、春らしいうららかな陽気が楽しめますが、風が冷たく感じられることもあるので、カーディガンやパーカーなど羽織りものを用意しておきましょう。

春の平均気温/4.2~14.3℃

春の平均降水量/106.1~123.2 mm

※河口湖のデータより。気象庁の平年値による平均気温、月降水量を参照。(他季節も同様)

夏(6月~8月)

夏の忍野八海
<出典元:写真AC

忍野八海は富士北麓の標高約940メートルの高地に位置するため、夏でも比較的涼しいのが特徴。環境省の「名水百選」にも選ばれている忍野八海の湧水は年間を通じて12~13℃を保っており、気温が上がる夏は特に水が冷たく感じられます。暑い夏、涼を求めて名水の地を訪ねるのも粋なものですね。

6月になると気温がさらに上がり、降水量も増えていきます。気になる梅雨入りは6月上旬~中旬頃で、梅雨明けは7月中旬~下旬頃です。

梅雨明け後の8月は、富士五湖・忍野エリアの観光のハイシーズン。毎年8月8日には忍野村最大の祭りである「忍野八海祭り」が開催され、八文字焼きや花火などで大いに盛り上がります。8月は年間で最も暑い月で、平均気温が22.5℃、最高気温が28.1℃になりますが、平均気温26.9℃、最高気温31.3℃の東京と比べると過ごしやすく感じられるでしょう。

夏の平均気温/17.8~22.5℃

夏の平均降水量/157.1~178.4mm

秋(9月~11月)

秋の忍野八海
<出典元:写真AC

東京に比べると秋の訪れが早く感じられる忍野八海周辺。9月の平均気温は18.7℃、最高気温は23.8℃と過ごしやすいですが、9月は年間を通して最も降水量が多い月でもあります。富士五湖エリアの9月の降水量は264.7mmと、東京の224.9 mmと比べても多いため、雨具は必須です。天気や時間帯によっては肌寒く感じられることもあるので、羽織りものも用意しておきましょう。9月下旬になるとさらに気温が下がり、常にジャケットやパーカーが必要になってきます。

10月には平均気温が13.0℃まで低下。最低気温は8.7℃と、10℃を下回ってくるので、薄手のダウンジャケットが必要になることもあります。10月も引き続き雨が多いので、天候の変化には注意しましょう。

紅葉が見頃を迎える11月には冬の足音が聞こえてきます。月の平均気温は7.5℃。最高気温は13.8℃まで上がりますが、最低気温は2.2℃と、1日の寒暖差が大きいのが特徴。特に朝晩は厚手のコートやダウンジャケットなど、本格的な防寒具が欠かせません。気温こそ下がるものの、11月は平均降水量が76.0mmと、9月~10月に比べるとぐっと少なくなるため、晴れの日を狙いやすくなります。

秋の平均気温/7.5~18.7℃

秋の平均降水量/76.0~264.7mm

冬(12月~2月)

冬の忍野八海
<出典元:写真AC

暦の上でも冬を迎える12月にはさらに気温が急降下。平均気温は2.3℃、最低気温は-2.9℃まで下がります。標高が高いぶん、東京に比べると冬の冷え込みが厳しく、しばしば降雪や地面の凍結も見られます。厚手のコートやダウンジャケットを着用するのはもちろんのこと、あったかインナーや帽子、マフラー、手袋、ブーツなどでしっかりと防寒対策をして出かけましょう。

年間で最も気温が下がるのは1月で、平均気温が-0.4℃、最低気温は-5.7℃。1月の東京の平均気温は5.4℃、最低気温は1.2℃なので、東京との気温差が8℃近くになることもあります。

厳しい寒さが続く富士五湖・忍野エリアの冬ですが、12月~2月は年間で最も雨が少なく、晴天に恵まれやすい時期でもあります。空気も澄んでいるので、天気が良ければ冬特有の清涼な青空のもと、雪化粧をした富士山と忍野の田園風景のコラボレーションが楽しめるかもしれません。

また、冬は8つの池の湧水から立ちのぼった湯気が白く凍る「霧氷」という現象が見られることもあります。水蒸気が木々や植物に付着し、氷の結晶となってきらきらと光り輝く光景は、雪景色と並ぶ忍野八海の冬ならではのお楽しみです。

なお、冬に車で忍野八海を訪れる場合、周辺の道路が凍結する可能性があるため、スタッドレスの装着をおすすめします。

冬の平均気温/-0.4~2.3℃

冬の平均降水量/49.8~60.9mm

2. 花を楽しみたい場合の忍野八海ベストシーズン

桜満開の忍野八海
<出典元:写真AC

忍野八海やその周辺では、季節ごとの花々と田園風景、富士山の美しいコラボレーションが楽しめます。桜が見頃を迎えるのは例年4月中旬~下旬頃。忍野村の新名庄川沿いはアーチ状に咲き誇る桜と富士山の競演が堪能できるスポットとして有名で、新名庄川の両岸に植えられたソメイヨシノ約100本の桜並木の向こうに、雄大な富士山を望むことができます。桜の開花時期に合わせて夜間ライトアップも行われるので、日中とはまた違った、しっとりとした風情を楽しむのもいいですね。

また、忍野の田園地帯では、5月下旬から花菖蒲、8月中旬~9月上旬はコスモスやそばの花が咲き誇り、雄大な富士山と季節の花々のコントラストが満喫できます。

忍野だけでなく、周辺の富士五湖エリアも花の宝庫。山中湖畔には「山中湖 花の都公園」があり、約30万平方メートルの広大な敷地にチューリップやヒマワリ、百日草、コスモスといった季節の花々が咲き乱れます。

河口湖畔の大石公園は、富士山とラベンダー畑の競演が楽しめる絶景スポット。毎年6月下旬~7月中旬に見頃を迎え、ラベンダーの開花に合わせて地元の農産物や屋台が並ぶ「河口湖ハーブフェスティバル」も開催されます。ラベンダーのほかにも、4月下旬~5月下旬のチューリップ、5月~6月のネモフィラ、8~9月のコスモスなど、春から秋にかけてさまざまな花が入れ替わりで咲く大石公園。忍野八海を訪れたら、ぜひ河口湖にも足を延ばして、富士山と湖、季節の花々が織りなす絵はがきのような風景を堪能してはいかがでしょうか。

3. 紅葉を楽しみたい場合の忍野八海ベストシーズン

紅葉の忍野八海
<出典元:写真AC

紅葉スポットとしても人気のある忍野八海。忍野の紅葉が見頃を迎えるのは例年10月中旬~11月中旬頃で、秋の行楽シーズンとあいまって多くの観光客で賑わいます。ノスタルジックな茅葺屋根の家屋と富士山、黄色や赤に色づいた木々が織りなす風景は趣満点。「日本に生まれてよかった」と思わせてくれる懐かしい光景です。透明度の高い池の水面に映り込む紅葉もまた粋に違いありません。

忍野八海は河口湖と山中湖の中間あたりに位置しており、周辺にもたくさんの紅葉スポットがあります。富士五湖エリアの紅葉スポットとして最も有名なのが河口湖。河口湖畔北岸ウォーキングトレイル近くには、約60本のもみじの巨木が連なる「もみじ回廊」があり、毎年10月下旬~11月下旬頃には「富士河口湖紅葉まつり」が開催されます。

本栖湖畔の中ノ倉峠 展望デッキ、雄大な富士山と黄色に染まった木々、透明度の高い湖が織りなす絵画のような風景が堪能できる絶好のビューポイント。山中湖畔では、旭日丘緑地公園を中心に、200本超のもみじの回廊がライトアップされる「夕焼けの渚 紅葉まつり」が開催されます。いくつかのスポットを組み合わせて、思い思いのもみじ狩りを楽しんでください。

4. 雪景色が見たい場合の忍野八海ベストシーズン

雪景色の忍野八海
<出典元:写真AC

一般にはオフシーズンとされる冬ですが、日本の原風景を思わせる忍野八海は雪景色がよく似合います。富士五湖・忍野エリアで雪が降るのは12月~3月にかけてですが、本格的な積雪は1月~2月。1月~2月でも必ずしも積雪が見られるとは限りませんが、雪景色の忍野八海を楽しみたい場合は、この時期に旅行を計画するといいでしょう。

空気が澄んでいる冬は、最も美しい富士山の姿が見られる季節。日本の原風景を思わせる8つの池周辺の藁葺屋根に雪が積もった様子はなんとも風情があります。

5. 観光客少なめ、落ち着いて回りたい場合の忍野八海ベストシーズン

観光客が少ない時期に落ち着いて忍野八海を訪れたいなら、12月~2月の冬がおすすめです。積雪があり、冷え込みが厳しい冬の時期は富士五湖・忍野のオフシーズンにあたるからです。

ただし、オフシーズンにあたる冬でも年末年始は観光客が増えるため、観光客の少ない時期を狙うなら年末年始は避けたほうがいいでしょう。また、1月下旬~2月の土曜日に開催される「河口湖冬花火」の日などは、冬でも普段より富士五湖エリアの観光客が増える傾向にあります。観光客が少ない日を狙うなら、イベントカレンダーもチェックしておきましょう。

6. イベントを楽しむ場合の忍野八海ベストシーズン

せっかく忍野八海に足を運ぶならイベントに合わせて訪れたいという人もいるのではないでしょうか。そこで、忍野八海と周辺エリアで開催される季節のイベントをご紹介します。

忍野八海祭り

忍野八海最大のお祭りが、毎年8月8日に開催される「忍野八海祭り」。村の平和と繁栄を願って、村の守護神である「八大竜王」を祀る夏祭りで、宇津湖龍神太鼓の披露や村の学校を舞台にした盆踊り大会、山に火で「八」の字を描く「八文字焼き」、趣向を凝らした花火大会などで大いに賑わいます。

富士山・河口湖山開き花火大会

各地で花火大会が開催される夏。その先陣を切るのが毎年7月の第1土曜日に河口湖畔で開催される「富士山・河口湖山開き花火大会」です。富士山をバックに、富士山の山開きを記念して、早打ちやスターマインなど趣向を凝らした約2,000発の花火が夏の夜空を染め上げます。

山中湖報湖祭 花火大会

富士五湖エリアでは、毎年8月1日から5日間にわたって夏の一大イベント「富士五湖花火大会」が繰り広げられます。その口火を切るのが、山中湖畔で行われる「山中湖報湖祭 花火大会」。夏の風物詩でもある山小屋の光が輝く富士山をバックに、45分間に8,000発もの花火が打ち上げられます。山中湖は富士五湖の中で最も富士山に近く、富士山の迫力も格別です。

西湖竜宮祭 花火大会

「山中湖報湖祭 花火大会」に続き、翌8月2日には西湖畔の竜宮神社で「西湖竜宮祭 花火大会」が開催されます。約500個の灯籠の光がゆらめく中、約700発の花火が夏の夜空を彩るさまはなんとも幻想的。とりわけフィナーレを飾る連続スターマインの美しさは圧巻です。

本栖湖神湖祭、花火大会

富士五湖花火大会の中でも比較的ゆったりと楽しめるのが、8月3日に本栖湖畔で開催される「本栖湖神湖祭」の花火。打ち上げ本数は約1,000本と、規模はさほど大きくないものの、三方向を山に囲まれているため、花火の轟音が心地よく響き、臨場感抜群です。打ち上げ場所から近いところで見られるため、花火を真下から見るような迫力がありますよ。

精進湖涼湖祭 花火大会&精進湖音楽祭

8月4日には、富士五湖最小の精進湖で「精進湖涼湖祭 花火大会&精進湖音楽祭」が開かれます。日中から「精進湖音楽祭」がスタートし、山梨にゆかりのあるアーティストなどが生演奏を披露。夜には約300発の花火が打ち上がり、ムードたっぷりの生演奏と花火のコラボレーションが堪能できます。

河口湖湖上祭 花火大会

河口湖湖上祭花火
<出典元:写真AC

富士五湖花火大会を締めくくるのが、8月4日・5日に河口湖で開催される「河口湖湖上祭 花火大会」。富士五湖最大規模の花火大会として知られ、特大スターマインやミュージカル花火など、2日間で約9,000発の個性豊かな花火が披露されます。花火の他にも、踊りのステージや音楽ライブなど、湖畔の夏を盛り上げるイベントも魅力です。

山中湖イルミネーション ファンタジウム

山中湖イルミネーション ファンタジウム
<出典元:写真AC

山中湖の冬の風物詩が「花の都公園」にて、毎年12月上旬~1月中旬頃に開催される「山中湖イルミネーション ファンタジウム」。満点の星空の下、夜空に浮かび上がる富士山のシルエットをバックに、色とりどりの幻想的なイルミネーションが訪れる人の目を楽しませてくれます。

河口湖冬花火

河口湖冬花火
<出典元:写真AC

冬の河口湖を彩るのが、毎年1月下旬~2月下旬頃に開催される「河口湖冬花火」。全10日間程度に分けて開催されることもあり、規模はそれほど大きくないものの、冬の澄みきった夜空に浮かぶ花火の美しさは格別。夏の花火大会に比べると空いていて、ゆったりと鑑賞できるのもポイントです。

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7. 忍野八海一口メモ

忍野八海
<出典元:写真AC

富士山から湧き出た清らかな水をたたえる池と、ノスタルジックな茅葺屋根、雄大な富士山が織りなす日本の原風景が楽しめる忍野八海は、日本人なら一度は訪れてみたい場所。日本らしい風景が見られるとあって、近年は外国人観光客のあいだでも人気が高まっています。

東京から忍野八海へのアクセスは、JR中央線と富士急行大月線を乗り継いで「富士山」駅下車後、路線バスに乗り換える方法と、新宿駅から高速バスに乗る方法があります。都心からの所要時間は約2時間30分~3時間と日帰りも可能ですが、せっかくなら富士五湖をはじめ、周辺のスポットと組み合わせて周るのがおすすめ。見どころを効率良く周りたいなら、日帰りツアーを利用するのもいいでしょう。

<時間と費用>(目安)

  • 移動時間:約3時間
  • 旅行日数:1日間
  • ツアー費用:約8,000円~約11,000円

>>忍野八海のツアーを探す(外部サイトへリンクします)

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春夏秋冬それぞれの魅力がある忍野八海は一年中がベストシーズンといっても過言ではありません。ぜひお好きな時期に日本の原風景を見に、足を運んでみてください。

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