【山梨県】果物狩りに行ったらぜひ立寄りたい 甲斐國一宮浅間神社の魅力

両部鳥居

皆さんこんにちは、たびこふれライターのえいたです。

山梨県に行くたびに気になる神社があります。東京から中央道を勝沼I.Cで下りて左右に広がる桃畑を見ながら国道20号線(甲州街道)を石和方面に走っていると、道路わき右手に大きな赤い鳥居が見えてきます。

勝沼や石和界隈を何度も走っているうちに、この鳥居がある近辺で用事があり、少し時間が取れそうでしたのでこの鳥居の神社へ行ってみました。この神社の名は、甲斐國一宮浅間神社(かいのくにいちのみやあさまじんじゃ)と言います。

その様子と周辺の観光スポットをレポートします。

目次

甲斐國一宮浅間神社とは

山梨県笛吹市一宮にある甲斐國一宮浅間神社(以降浅間神社)は、名前にある一宮の通りこの地域の中で最も社格の高いとされる神社です。浅間を社名とする神社は富士信仰の神社で、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめのみこと)を御祭神としています。

今回季節的に見ることはできませんでしたが、夫婦梅と称して2つの実が1つにくっついたご神木が浅間神社にあります。子宝に縁がない人が祈願してこの梅をいただくと子宝を得ると云い伝えられ、遠方より授与を請う者が多いと聞きました。

笛吹市は2004(平成16)年に6町村が合併して誕生しましたが、その6町村の中の1つに浅間神社がある町の名前は、一宮町でした。

鳥居と随神門

浅間神社の鳥居

浅間神社の鳥居はほぼ富士山に向かって建てられています。

隋神門

鳥居を潜ると正面に随神門があります。

随神

左右には御祭神をお護りする神像(随神)が安置されています。

ユニークな手水舎

手水舎

拝殿へ進んでゆくと右手に手水舎がありました。

よく見ると柄杓がありません。新型コロナウイルス感染予防対策で、柄杓を使わず手水が取れるようにしたそうです。

干支の置物

可愛い干支の置物が手水舎にありました。

十二支参りをしよう

拝殿の奥には人型にくり抜かれた石像や十二支まいりの石像が並んでいました。

その年の干支と自分の生まれた年の干支にお参りすると、ご利益があるそうです。

護国社と祓い門
<護国社と祓い門>

祓い門

説明
<祓い門とその説明の銘板>

十二支石造
<十二支石造>

太陽神
<太陽神>

説明がないと何だかわかりませんでした。浅間神社公式サイトに「太陽神」とだけ記載がありました。

富士石
<冨士石>

境内にあるもの

子持石
<子持石>

初宮詣にお参りするそうです。

神楽殿
<神楽殿>

1903(明治36)年に建立されました。年数回神楽を上演するそうです。

七社

七社
<七社>

一般庶民の信仰をあつめる神々を勧請(※)しています。

交通手段がなかった江戸時代以前は簡単にいろいろな場所へお参りに行けなかったので、こうして神様を勧請していたのは合理的というか信仰の深さを感じます。

※勧請:神仏の分霊を請(しょう)じ迎えること

両部鳥居
<両部鳥居>

木造の立派な鳥居です。

現在の鳥居が建つ反対側の入り口に立っていますが、かつては参道入り口に立っていました。

狛犬
<狛犬>

狛犬

狛犬というよりも獅子のような姿ですね。狛犬は神社により表情が異なりますので、作り手や時代背景などによりさまざまなものが見られるのも楽しみです。

ところで、神社によっては狐や牛を狛犬のかわりに置く場合があります。狐は稲荷神社、牛は天満宮に見られ、御祭神のお使いであるとされています。

稲荷神社
稲荷神社

日立製作所甲府工場に祀られていたものを移築したそうです。

大黒様
<大黒様>

浅間神社は七福神の1つかと思いきや、地元の名士の方が寄進したものだそうです。

地域から厚い信仰を受けていることが伺われます。

甲斐國一宮浅間神社へのアクセス・基本情報

浅間神社

浅間神社

浅間神社周辺に公共交通機関の駅やバス停はありません。

JR中央本線の山梨市駅から約5.5kmを徒歩かタクシーか山梨市駅前の街の駅やまなしにあるレンタサイクルでの移動となります。

【レンタサイクル:街の駅やまなし(山梨市地域交流センター)の基本情報】

  • 住所:山梨市上神内川1711
  • TEL:0553-20-7010
  • 利用時間:9:00~17:00
  • 定休日:水曜日
  • 公式サイト:山梨教育旅行サイト

【甲斐国一宮 浅間神社の基本情報】

日本ワイン発祥の地勝沼

シャトー・メルシャン ワイン資料館

一宮のお隣の勝沼(甲州市)は甲州ワインの生産地として有名ですが、浅間神社から車で10分も走らないところに、その歴史に触れることができる施設がありました。

1877 (明治10) 年に創業した日本初の民間ワイン会社、大日本山梨葡萄酒会社をルーツとする歴史あるメーカーであるシャトー・メルシャン勝沼ワイナリーに併設されたシャトー・メルシャン ワイン資料館がそれで、しかも無料で見学ができます。

「山梨県指定有形文化財」「経済産業省 近代化産業遺産」に指定されています。

シャトー・メルシャン ワイン資料館は、1904(明治37)年に「宮崎第二醸造所」として建てられた現存する日本最古の木造のワイン醸造所です。1961(昭和36)年まで使用され、1974(昭和49)年に修復され資料館となりました。館内には当時使われていたままの水車やワイン造りの道具、機器類が展示され、日本のワインづくりの軌跡と功績がパネルで紹介されています

樽

樽

樽

資料

展示物

充実の展示物です。

蔵の中はエアコン完備なので、暑い夏の日の観光にはオアシスのような場所でしょう。

併設のワインショップでは有料でワインのテイスティングもできますが、この日私は車で訪れたのでグッと我慢をしました。

>>シャトー・メルシャン ワイン資料館の公式サイトはこちら(20歳以下は閲覧できないシステムです)

勝沼石和を含む峡東地域が登録された2つの〇〇遺産

ぶどうや桃など果物生産で有名な笛吹市、甲州市、山梨市一帯を峡東地域と呼んでいますが、この峡東地域は日本遺産と世界農業遺産に登録されています

先人から伝わる伝統的な農業や建築、周辺の風景などが対象となっています

日本遺産「葡萄畑が織りなす風景(山梨県峡東地域)」

日本遺産

葡萄畑が織りなす風景(山梨県峡東地域)として登録されています。

日本遺産とは地域に点在する遺産を「面」として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としているのが特徴だそうです。

今回私が訪れた一宮浅間神社も成文化財の1つとして登録されています。

>>山梨県峡東地域の日本遺産についてはこちら

宮光園

シャトー・メルシャン ワイン資料館の通りを挟んだ向かいには日本遺産ビジターセンターとして宮光園があります。

この日は休館日でしたが、内部を見学(有料)することができます。

世界農業遺産「峡東地域の果樹農業システム」

峡東地域の果樹農業システム

峡東地域の果樹農業システム

2022(令和4)年7月に峡東地域(山梨市、甲州市、笛吹市)の「峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム」が世界農業遺産に認定されました。

起伏と傾斜が大きい扇状地の立地や自然条件に適応した、ブドウやモモ、カキなどの落葉果樹の適地適作を昔から今に継承している様子を見ることができます。

>>峡東地域の世界農業遺産についてはこちら

最後に

ブドウ

浅間神社

いかがでしたでしょうか。

浅間神社は、路線バスなどの公共交通機関がなくてちょっと行きにくい所ですが、近隣の方が代わる代わる参拝に来ている姿がとても印象的でした。いくつかの口コミサイトを見てみましたが、多くの方が「一歩鳥居を潜ると神聖な感じがした」「荘厳でご利益を頂けそうだった」等と書き込んでおり、実際に行った私もそう感じました。

ワインの資料館は、歴代のワインボトルが並べられていて、その形状(特に注ぎ口の栓の形)やラベルのデザインの変遷が活字以外でもとてもよくわかりました。明治維新の文明開化のシーンの1つをワイン資料館で見ることができました。

旅先のふとしたきっかけで立寄る場所って心に残る場所が多いものです。

皆さんも果物狩りで山梨県を訪れたら、ぜひこれらのスポットに足を運んでみてください。

旅の思い出がより一層深いものになると思いますよ。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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