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【オランダ】運河の美しい街ライデン 観光スポットおすすめ10選!<前編>

南ホラント州にあるライデンは17世紀に毛織物産業で栄え、昔ながらの運河や小路が美しい街です。スキポール空港からのアクセスもよく、アムステルダムやデン・ハーグからの日帰り旅行も人気です。ライデンの散策を楽しむおすすめスポットをご紹介します。
目次
- 伝統的な美しい街並みが残るライデン
- 1. デ・ファルク風車博物館
- 2. ライデン世界博物館
- 3. シーボルトハウス
- ライデンの街中で日本語探し
- 4. ベーステンマルクト広場と運河クルーズ
- 5. レンブラント生家跡地とデ・プット風車
伝統的な美しい街並みが残るライデン
<OpenStreetMap (CC BY-SA 2.0)>
アムステルダムの南西約35kmに位置するライデンは、16世紀から17世紀にかけて毛織物産業で栄え、当時はアムステルダムに次ぐオランダ第二の都市でした。旧市街を囲む運河は、かつて城壁の外堀があった場所で、現在でも三角形に突き出した稜堡の地形が残っています。
現在は、オランダ最古のライデン大学を擁する学園都市で画家レンブラントの生まれ故郷や江戸時代の「出島の三学者」の1人であるシーボルトが、日本研究をした街としても知られています。
美術館や博物館、文化財も数多くありますが、運河沿いを散歩したり、路地裏のカフェやアンティークショップ、古書店などをめぐるだけでも十分に楽しめる街です。
ライデン中央駅から徒歩でアクセスできる、おすすめの観光スポット10選をご紹介します。
1.デ・ファルク風車博物館
ライデン中央駅より旧市街に向かって5分ほど歩いたところに、『デ・ファルク (De Valk)』という風車が立っています。周辺は緑地になっていて、レインスブルヘル橋 (Rijnsburgerbrug) からは、運河越しの美しい風景が眺められます。
1743年に製粉風車として建てられた『デ・ファルク』は7階建て(41m)で、オランダで最も高い風車のひとつです。かつてライデンの城壁内には19基の製粉風車がありましたが、時代とともに取り壊され、現在では『デ・ファルク』を残すのみとなりました。
20世紀には『デ・ファルク』もまた取り壊しの危機にさらされたものの、自治体が所有者となって保護し、1966年には風車博物館がオープンしています。博物館では、風車内部の急な階段を上り下りしたり、5階のバルコニーから街を眺めたり、27mの羽根が回る様子を間近に楽しめます。
私は、風車内に設けられた小さく可愛いらしい居住スペースを覗いたり、稼動する風車の力強さを体感するのが好きで、機会があるたびにオランダ各地で風車を見学しています。ライデンにいらっしゃる方はぜひ、オランダならではの風車見学を楽しんでみてください。
デ・ファルク風車博物館 (Molenmuseum De Valk)
- 所在地:2e Binnenvestgracht 1, 2312 BZ Leiden
- 営業時間:火-土10:00-17:00, 日曜・祝日15:00-17:00
- 定休日:月曜休,10月2日-3日, 12月25日, 1月1日
- 料金:5ユーロ
- 公式サイト:デ・ファルク風車博物館 (Molenmuseum De Valk)
2.ライデン世界博物館
『デ・ファルク』を眺めたレインスブルヘル橋を渡ると、すぐ右側には『ライデン世界博物館 (Wereldmuseum Leiden)』があります。2022年までの名称、『民族学博物館 (Museum Volkenkunde)』でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
ライデン世界博物館は、1837年に創立されたヨーロッパ初の民族学博物館で、世界中の様々な民族文化の資料を展示しています。かつてオランダが支配したオランダ領東インド(現在のインドネシア)をはじめ、アジア、オセアニア、アフリカ、中南米、ネイティブ アメリカンやイヌイットなど、異文化に触れられる豊富なコレクションは見応えがあります。
ライデン世界博物館はもともと、江戸時代の「出島の三学者」の一人であるフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796-1866)が日本で収集した、5,000点にのぼるコレクションがきっかけとなって開館しました。そのため、出島に関する展示も充実しています。
<Photo: Wereldmuseum Leiden, Rene Gerritsen>
シーボルトのお抱え絵師として知られる川原慶賀(1786-1860)が1836年頃に描いた唯一の現存する屏風は、出島を中心に長崎湾を一望する傑作です(上写真)。AR(拡張現実)を活用した専用ウェブアプリ『出島エクスペリエンス』では、屏風の超高解像度のデジタル画像を鑑賞でき、出島や川原慶賀について学ぶことができます(英語・オランダ語)。
ライデン世界博物館(Wereldmuseum Leiden)
- 所在地: Steenstraat 1, 2312 BS Leiden
- 開館時間: 10:00-17:00, 月曜休/ 1月1日, 4月27日, 10月3日, 12月25日は休館
- 料金: 15ユーロ
- 公式サイト:ライデン世界博物館(Wereldmuseum Leiden)
3. シーボルトハウス
出島のオランダ商館医として、およそ6年間の日本滞在を終えたシーボルトは、1830年にオランダに帰国すると、ライデン大学を拠点にして日本研究を続けました。シーボルトが日本で収集した植物標本や剥製、美術品、工芸品、地図などは数万点にのぼり、西洋の日本学の発展に貢献しています。
2005年にはシーボルト旧邸に、収集品を展示するための博物館『シーボルトハウス (Siebolthuis)』がオープンしました。バーチャルミュージアムで公開されている企画展もあります。
- 「パノラマ展示室」には、日本の日用雑貨や仏具、工芸品、戦国時代の甲冑、日本家屋や船の模型が展示されています
- 「動植物の間」には川原慶賀作の写生画や、シーボルトが日本人妻お滝から「オタクサ」と命名したアジサイの標本、「サクラ」と名付けた愛犬の剥製などがあります
- 博物館の建物は16世紀初頭に建造されたもので、18世紀の地下室も見学できます。天井は低く、壁にはデルフト焼きのタイルがあしらわれていました
シーボルトハウスは日本センターとして、日蘭の文化交流事業も実施しています。毎年5月にはシーボルトハウスが主催者になり、2000年5月25日の天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)のライデンご訪問を記念した、『ジャパン・マーケット (Japanmarkt)』が開催されています。
2023年のジャパン・マーケットは、南駐オランダ大使とヘンリ・レンフェリンク・ライデン市長の臨席のもとに開幕し、シーボルトハウスの前の通りは、およそ300mにわたって多くの屋台で賑わいました。
シーボルトハウスでは、よさこいのパフォーマンスが行われ、近隣の『ライデン大学植物園 (Hortus botanicus Leiden)』や、『国立古代博物館 (Rijksmuseum van Oudheden)』では、なぎなたや剣道、柔道などの演武が披露されました。
「2000年5月25日の天皇皇后両陛下ライデンご訪問を記念して」と書かれたプレートを外壁に取り付けている家もありました。
シーボルトハウス(SieboldHuis)
- 住所: Rapenburg 19, 2311 GE Leiden
- 開館時間:火-日10:00-17:00, 月曜休/ 1月1日, 4月27日, 10月3日, 12月25日は休館
- 料金:10ユーロ
- 公式サイト:シーボルトハウス(SieboldHuis)
ライデンの街中で日本語探し
日本学の発展に大きく貢献したシーボルトの功績により、ライデン大学には1855年に世界で初めての「日本学科」が設置されました。150年を経た現在もなお、ライデン大学では多くの学生が日本語を学んでいます。街中では壁に描かれた日本語探しを楽めます。
「東風吹かば匂ひをこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」 菅原道真
- 所在地: Rapenburg 73, 2311 GJ Leiden (ライデン大学植物園内)
「荒海や佐渡によこたふ天の川」 松尾芭蕉
- 所在地:Rapenburg 73, 2311 GJ Leiden
『川または州』 新国誠一
- 所在地: Pieterskerkgracht 17, 2311 SZ Leiden
4. ベーステンマルクト広場と運河クルーズ
旧市街の北西部にある「ベーステンマルクト広場 (Beestenmarkt)」は、カフェやレストランが並ぶ賑やかな場所で、観光中に一息ついたり、食事をするのに便利なスポットです。オランダのパンケーキハウスやハンバーガーショップ、中国料理、インドネシア料理、南米料理、日本のお寿司やしゃぶしゃぶまで、多彩なレストランがあります。
16世紀から20世紀にかけては、牛などを売買する家畜市場がありましたが、現在は市民の憩いの場となり、噴水の周りには楽しそうな子供たちの声が響いています。音楽ライブやフードイベントが開催されたり、移動遊園地がやってきたりと、地元の人の暮らしを垣間見ることができるスポットです。
私の楽しみは、晴れた日にテラス席で飲むビールです。この日はオランダビール「ヘルトーフ・ヤン (Hertog Jan)」を注文して、広場の眺めを満喫しました。ひとつ気をつけていただきたいのは、頭上を飛び交うカモメです。テーブルに糞を落としてくることがあるので、パラソルの下に座ることをお勧めします。
ベーステンマルクト広場はアウデ・シンゲル運河 (Oude Singel) に面していて、運河クルーズが発着しています。55分間のクルーズで、旧市街の中心部や南部を巡ります。
運河クルーズ(Rederij Rembrandt B.V.)
- 発着所: Blauwpoortshaven 5 (Beestenmarkt), 2312 EL Leiden
- 所要時間:55分
- 料金:12ユーロ
- 日本語のオーディオガイド有
- 公式サイト: 運河クルーズ(Rederij Rembrandt B.V.)
5.レンブラント生家跡地とデ・プット風車
オランダ黄金時代を代表する画家、レンブラント・ファン・レイン (1606-69) は、ライデンで生まれ育ちました。ウェッデステーグ (Weddesteeg) 29番地にある生家跡地の建物には、「レンブラント・ファン・レイン 1606年7月15日 生誕の地」と彫られた石版が埋め込まれています(上写真)。
生家跡地の前にある「レンブラント広場 (Rembrandtplein)」には、レンブラントの自画像が描かれたカンバスと少年の像があり、それを見下ろすように、隣の建物にもレンブラントの自画像が掛けられています(上写真)。
広場の北側には、「レンブラント橋 (Rembrandtbrug)」と名づけられた木造の跳ね橋があり、レンブラント一家の姓「ファン・レイン」の由来になった、ライン川の支流アウデ・レイン川を眺められます(上写真)。
防波堤の上にある『デ・プット風車(Molen De Put)』は、1619年当時の製粉風車の基礎と防波堤を利用して1987年に再建されたものです。四角い小屋が太い柱の上に建つ、オランダで最も古いタイプの風車で、オランダ全国でも現存するのは46基のみです。
レンブラントの家族も製粉業を営んでおり、この近くに同じような製粉風車を所有していました。少年時代のレンブラントが毎日のように眺めたであろうデ・プット風車は、現在も製粉所として稼動していて、土曜日には風車で挽いた小麦粉を購入できます。
レンブラント橋を渡り北に進むと、1668年に建てられた城門、『モールス門 (Morspoort)』があります。ライデンに元々あった8つの城門のうち唯一残っているもので、正面にある『モルスポールト橋 (Morspoortbrug)』とともに、オランダの国家遺産に登録されています(上写真)。
モールス門は長い間刑務所として使われていましたが、現在はカフェやレストランに囲まれて和やかな雰囲気です。
デ・プット風車(Molen De Put)
- 住所: Park de Put 11, 2312 BR Leiden
- 営業時間:土曜日 12:00-16:00/ 2023年12月23日, 30日, 2024年7月14日は休業
- ボランティアの方々によって運営されているため、不定期に休業することがあります。公式サイトで事前にスケジュールをご確認ください。
- 公式サイト: デ・プット風車(Molen De Put)
※施設の詳細など掲載内容は2023年11月時点のものです。
<後編>に続きます。。。
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Kayo Temel
- オランダ在住。アムステルダムの美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターとして活動中。20年の在蘭経験を活かして、オランダを満喫するためのローカルな情報をお届けします。