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京都といえば何だろう? 京都の観光前に知りたい基礎知識
神社や仏閣などの歴史的建造物が立ち並び、いにしえの歴史や文化が今も息づく京都。修学旅行で一度は行ったことがあるという人も多いかもしれません。しかし、改めて「京都といえば何?」と聞かれると、あなたはいくつ思い浮かべることができるでしょうか。
今回は京都の代表的な観光地やお祭り、料理、お土産など、定番のものごとについて紹介していきます。京都観光の前にぜひ基礎的な知識を身に着けておきましょう。
目次
1. 京都といえば?
<出典元:写真AC>
京都は日本のほぼ中央に位置する関西地方のエリアです。県庁所在地の京都市は人口146.9万人を有する大都市でありながら、大阪からは電車で30分ほど、東京からは新幹線で140分ほどという好立地にあります。
京都といえば、平安時代から長きにわたり日本の首都として、文化・政治の中心であり続けた歴史が特徴と言えるでしょう。都として発展してきた背景があったからこそ、皇室と関係性の深い神社仏閣や、抹茶・京野菜などの食文化、舞妓さんなど、今の京都の「和」のイメージは形づくられていきました。
また、京都人の上品で優雅な、余裕のある様子は「はんなり」と形容されることもよくあります。京都弁や舞妓さんが使う「京ことば」は、その他の関西弁と比べるとやわらかでゆったりとしていることから、そのようなイメージを持たれているのかもしれませんね。
2. 京都の観光スポットといえば
京都といえば、伝統的な文化や歴史、美しい景観を楽しめる観光スポットが多数あることが特徴です。ここでは、京都に行くならまず押さえておきたい、定番の観光スポットを紹介していきます。
清水寺
<出典元:写真AC>
清水寺は、京都を代表する寺院の1つ。音羽山にある「音羽の滝」の清らかな水にちなんで名付けられました。建立されたのは778年で、古くから観音さまの霊場として庶民に広く親しまれています。
清水寺にある建造物のなかでも特に有名なのが、「清水の舞台」。何かを決意するときのことわざ、「清水の舞台から飛び降りる」の由来にもなっています。断崖にある本堂から張り出した高さ約13mもの舞台は、釘を1本も使わない懸造り(かけづくり)という伝統的な技法が使われており、国宝に指定されています。
清水の舞台から見る桜や紅葉は絶景。行楽シーズンには夜間特別拝観のライトアップも実施されるので、ロマンティックな光景が楽しめるでしょう。
- 住所:京都市東山区清水1丁目294
金閣寺
<出典元:写真AC>
金閣寺といえば、金箔で覆われた美しい唯一無二の外観が有名です。室町幕府三代将軍の足利義満が別荘として使用したのが始まりで、義満の没後、寺院として建立されました。なお、正式名称は鹿苑寺(ろくおんじ)であり、金閣寺は外観に由来する通称です。
金閣寺は三層構造になっていて各層が異なる建築様式をもつのが特徴的です。一層目が寝殿造り、二層目は武家の建築様式、三層目は禅宗の建築様式となっていて、二層目と三層目に金箔が貼られています。使われた金箔はなんと約20万枚! 豪華な金閣寺の周囲には日本庭園があり、金箔の反射が池に美しい姿を映し出します。
- 住所:京都府京都市北区金閣寺町1
伏見稲荷大社
<出典元:写真AC>
伏見稲荷大社は千本鳥居で有名な京都を代表する神社です。五穀豊穣、商売繁昌などにご利益のある「お稲荷さん」は全国に30,000社あると言われていますが、伏見稲荷大社はその総本宮にあたります。
伏見稲荷大社の最も有名な特徴は、千本鳥居のトンネル。参道の両側に鳥居が立ち並び、神聖な雰囲気を醸し出します。一般的に千本鳥居と言われる「奥宮」から「奥社奉拝所」までは約800基の鳥居がありますが、伏見稲荷大社を有する稲荷山全体には約1万基もの鳥居があります。
また、稲荷山の山中には数多くの奥社が点在します。山岳信仰と深く結びつく伏見稲荷大社と稲荷山に行けば、神秘的で独特な体験ができることでしょう。
- 住所:京都市伏見区深草薮之内町68番地
平等院
<出典元:写真AC>
平等院は世界遺産に登録されている宇治の寺院です。約1000年の歴史をもち、「源氏物語」にも登場しています。
なかでも特に有名な建築物は国宝の鳳凰堂です。1万円札にも描かれている鳳凰像は、だれもが目にしたことがあるのではないでしょうか。
鳳凰堂は平安時代に藤原頼通が建立しました。藤原氏の栄華を現代に残す、唯一の遺構と呼ばれています。鳳凰堂には、金箔の装飾や極彩色の絵画などがあり、きらびやかな平安時代を体感することができるでしょう。
- 住所:京都府宇治市宇治蓮華116
祇園
<出典元:写真AC>
祇園といえば、京都の伝統的な花街のエリアです。現代でも茶屋や料亭が点在し、街では鮮やかな着物を着て歩く舞妓さんや芸妓さんを見かけることができるでしょう。茶屋や料亭ではお座敷遊びと呼ばれるもてなしがおこなわれ、舞妓さんや芸妓さんの踊りを楽しんだり、簡単なゲームで盛り上がったりすることもできます。
もちろんお座敷遊びをしない場合でも、祇園は十分に楽しめる観光地です。日本有数の大規模なお祭りである祇園祭や、おしゃれで現代的なレストランやバーも多い先斗町、美しい景観で有名な鴨川など、京都らしい見どころのつまった場所でしょう。
- 住所:京都府京都市東山区祇園町
嵐山
<出典元:写真AC>
嵐山は美しい自然と歴史的な名所が調和する、京都の有名なスポットです。
桂川に架かる渡月橋は、桜や紅葉の美しい景色が眺められる名所でもあり、嵐山の象徴的な存在となっています。また「竹林の小径」では、青々と茂った竹林のなかを歩く幻想的な体験ができるでしょう。
嵐山は歴史好きにもおすすめです。嵐山は平安時代に貴族の別荘地だったことから、「小倉百人一首」が編纂された場所という言い伝えが残っています。また、平家物語や源氏物語にゆかりのある神社仏閣も点在するため、ゆったりと歴史スポット巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
- 住所(渡月橋):京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町1-5
天橋立
<出典元:写真AC>
天橋立は日本三景の1つにも数えられる京都随一の景勝地です。砂洲(さす)と呼ばれる砂が堆積してできた細長い地形は約3.6kmにわたり、約6,700本もの松が生い茂っています。
天橋立では「股のぞき」という観賞方法が有名です。展望台で天橋立に背を向け、かがんで股からのぞくように見ると、景色が反転して海が空のように見えます。海をつなぐ天橋立が天を登る龍のように見えることから、運気アップの場所としても人気です。
- 住所:京都府宮津市文珠
3. 京都のお祭りやイベントといえば
京都といえば、古くから伝承される歴史的なお祭りが多いことも特徴です。お祭りやイベントが開催されるタイミングを狙って旅行すれば、より京都らしい体験ができることでしょう。ここでは、有名なお祭りを4つ紹介します。
祇園祭
<出典元:写真AC>
祇園祭は毎年7月におこなわれる京都を代表する八坂神社のお祭りです。約1ヶ月という長期間にわたり、祇園はお祭りムードにつつまれ、盛大な祭事やイベントがおこなわれます。
祇園祭では山鉾(やまほこ)と呼ばれる山車や、駒形提灯とよばれるいくつも連なった提灯などを多数見ることができます。34基もの山鉾が祇園の街を巡る「山鉾巡行」は特に毎年注目が集まり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
葵祭
葵祭は毎年5月15日におこなわれる、京都で約1500年続く伝統的なお祭りです。賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)のあいだを、平安装束をまとった参加者が練り歩きます。
天皇の使者や馬に乗った武士、牛車など、総勢500人もの行列は圧巻。約8kmの距離を平安装束のまま歩きます。平安時代をそのままに感じさせる京都ならではのイベントといえるでしょう。
時代祭
時代祭は京都の平安神宮で毎年10月22日におこなわれるお祭りです。1000年以上の歴史があるお祭りが多い京都ですが、時代祭のはじまりは明治28年。平安遷都1100年を記念して開催された、京都のなかでは比較的新しいお祭りです。
平安時代ごろから明治維新まで、京都の1000年を約2時間で振り返る「時代風俗行列」は圧巻の規模。総勢2,000人もの市民が参加する大規模な参加型イベントです。葵祭とは異なり、さまざまな時代の衣装や髪型が登場するため、時代の変化とともに移り変わる京都のファッションを約2時間で一気に体感することができます。
京都五山送り火
<出典元:写真AC>
京都五山送り火は、京都市で毎年8月16日に行われる伝統的な行事です。お盆の終わりに帰っていく先祖の精霊を見送るものと言われています。この行事は京都市内の5つの山でそれぞれの文字やマークを模した火を灯します。以下が五山のそれぞれの送り火です。
- 東山の如意ヶ嶽:「大」(文字)
- 松ケ崎の西山:「妙」(文字)
- 松ケ崎の東山:「法」(文字)※西山とあわせて一山と数え、「妙法」と読む
- 西賀茂の船山:船形(マーク)
- 大北山の大文字山:「大」(文字)
- 嵯峨鳥居本の曼荼羅山:鳥居形(マーク)
特に如意ヶ嶽の「大」の文字は大規模で有名です。お盆に京都に来たなら、夏の終わりの風物詩として親しまれる京都五山送り火をぜひ見ていきましょう。
4. 京都で有名なグルメ、伝統料理といえば
京都といえば、古くから伝わる京都ならではの食文化も見逃せません。ここでは有名な京都グルメを4つ紹介していきます。
おばんざい
<出典元:写真AC>
おばんざいは「お番菜」と書き、常に置いてあるおかず(常備菜)という意味をもちます。昔から京都の庶民は季節の野菜を炊き出して、前菜や副菜を作っていました。
一見質素な作り置き料理のように聞こえますが、旬の新鮮な京野菜を手間ひまかけてじっくり調理し、濃い味付けに頼らず素材の味わいを活かしたおばんざいは、ヘルシーながらも贅沢な京都の食文化を表していると言えるでしょう。
おばんざいは各家庭の味として代々伝わっているのはもちろん、料亭やレストランで観光客が楽しむことも可能です。京都ならではの美食として、おばんざいを堪能してみませんか?
にしんそば
<出典元:写真AC>
にしんそばとは、甘辛く煮たにしんを具にいれた温かいそば。明治時代に茶屋の店主が発案したものです。
にしんは北海道の名産ですが、京都へは船で運ばれて流通しました。周囲のほとんどが山で囲まれている京都は当時、新鮮な海産物に恵まれず、魚は非常に貴重なものでした。内臓を取り除いて三枚におろし、十分に乾燥させた「身欠きにしん」は貴重な魚として京都人に愛され、現代でもそばやおばんざいの具として親しまれています。
湯豆腐
<出典元:写真AC>
湯豆腐は角切りにした豆腐を昆布の出汁で温め、醤油や薬味をつけて食べる料理です。仏教の精進料理が発祥と言われています。
京都はもともと清らかな地下水に恵まれた土地であったことや、寺院が多く精進料理の文化があったこと、また、山に囲まれた土地だったため、大豆は貴重なタンパク源であったことなど、さまざまな理由が重なり、京都での湯豆腐文化は発展していきました。
京漬物
<出典元:写真AC>
京漬物は京都で採れた京野菜を使った伝統的な漬物です。京都三大漬物と呼ばれるしば漬け、千枚漬け、すぐき漬けのほか、壬生菜(みぶな)漬け、花菜(はなな)漬けなどさまざまな種類があります。奈良時代から食べられているという歴史の長い料理です。
カラフルな京野菜で作る京漬物は見栄えもよく、懐石料理などでおばんざいとともによく用いられています。旨味を引き立てるために時間をかけて漬け込まれた風味豊かな京漬物は、うす味ながらも滋味深く、京料理とよく合うでしょう。
5. 京都のお土産といえば
一大観光地の京都はお土産も非常に豊富。和スイーツの八ツ橋などは、「京都といえば」と言われたら真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
そんな八ツ橋を含め、代表的なお土産を4つ紹介します。定番のお土産だけでも絞り切れないほどたくさんあるので、ぜひお土産屋さんを散策してお気に入りの商品を見つけてみてください。
八ツ橋
<出典元:写真AC>
八ツ橋とは京都の伝統的な和菓子。米粉、砂糖、ニッキなどを使った琴の形のせんべいです。触感はカリカリと堅く、ニッキならではのスパイシーな風味があります。
一方、多くの人が「八ツ橋」として思い浮かべるのは「生八ツ橋」のことでしょう。生八ツ橋は焼かずに蒸して作られます。また、多くの場合はあんこが入っていて、三角形の形に畳まれています。生八ツ橋はニッキ味から抹茶味、いちご味、桜味など、さまざまな生地やあんこで作られることが多く、お土産として大人気の定番商品です。
阿闍梨餅
<出典元:写真AC>
阿闍梨餅(あじゃりもち)は餅粉、砂糖、卵などで作られた生地に、つぶあんを挟んで焼いた半生菓子です。皮はしっとり、あんはあっさりした風味で、京都ならではの和菓子として親しまれています。阿闍梨餅の由来は、比叡山で修行する僧にちなんでいます。阿闍梨という高僧の被る笠を模したかたちで作られました。
お土産として購入したら、焼いたり揚げたりして食べるのもおすすめ。家に帰ってもできたてのような京都の味を楽しむことができますよ。
千枚漬け
<出典元:写真AC>
千枚漬けは代表的な京漬物の1つ。京野菜の聖護院(しょうごいん)かぶを薄くスライスして、大量に漬け込むことに由来します。
昆布、唐辛子、酢などの調味料で漬けられていて、酢の酸味や昆布特有のとろみを感じることができる風味のいい漬物です。一方で、塩味は控えめであることから、長期保存には向いていません。お土産として購入する際は、早めに食べきりましょう。
あぶらとり紙
京都のお土産はスイーツや漬物だけではありません。あぶらとり紙も、京都で人気のお土産のひとつです。
あぶらとり紙のルーツは、金箔作りと密接に繋がっています。「金箔を作る過程で使う金箔打ち紙が余分な皮脂を吸収する」という話から、芸妓さんや舞妓さんが不要になった金箔打ち紙を好んで使ったことで広まりました。
寺院などに金箔をあしらう文化があったこと、加えて芸者文化も栄えていたこと、どちらも影響して京都はあぶらとり紙発祥の地となりました。
6. 京都の方言といえば
<出典元:写真AC>
京都の方言といえば、「京都弁」や「京ことば」と呼ばれるものが有名です。地方ごとに異なる京都弁のなかでも、中南部地方の山城方言が一般的に京ことばと呼ばれています。かわいい方言として有名な京都弁(京ことば)をいくつか紹介します。
- おいでやす:いらっしゃい
- ほな:そうしたら
- かんにんえ:ごめんね
- いけず:いじわるな人、いじわるな様子
- たんと:たくさん
- ほかす:捨てる
あなたはいくつわかりましたか? 観光パンフレットや広告などでも京都弁は使われているため、見かけたことがある人も多いかもしれませんね。なお、京都弁は独特のやわらかなイントネーションも特徴です。ぜひ現地で生の方言を聞いてみてください。
自分ならではの京都の魅力を見つけに行こう!
今回は「京都といえば」でイメージされるような代表的なスポットやグルメ、お土産などを紹介しました。しかし、京都はあちこちが名所だらけ。この記事に挙げていないスポットでも、有名な場所はたくさんあります。
この記事を読んで気になる場所やモノがあったら、ぜひその周辺を調べてみてください。四季折々の自然や文化を、あちこちで楽しめる京都。何度も行って、あなただけの楽しみ方を見つけてみてくださいね!
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