【ギリシャ】アテネから近い穴場の島、ケア島

アテネから短時間で行くことができる島旅というと、エギナ島、ポロス島、イドラ島といったサロニコス諸島がよく知られますが、キクラデス諸島最北のケア島(別名ジア島)も、週末など利用して気軽に行ける近場の島としてアテネっ子に人気です。フェリーの所要時間は1時間と短いのですが、出発港へのアクセスが悪いため外国からの観光客は比較的少なく、穴場と言っていいでしょう。

ギリシャの島ならではの美しい海や村の風景、ゆったりと流れる時間を満喫したい人におすすめです。

目次

ケア島へのアクセス

ケア島は空港のない小さな島なので、アクセスはフェリーのみです。

アテネ近郊にはよく知られるピレウス港以外に2つの港がありますが、ケア島行きのフェリーが出るのはラヴリオ港。アテネ近郊にある3つの港のうち一番小さく、アッティカ半島の南東に位置します。アテネから約60km(空港からは30km)と、遠いのが少しネックで、車だとアテネから1時間~1時間半でたどり着きます。

ケア島へのアクセス

私たち含めアテネの人は車で行ってそのままフェリーに乗り込みますが、もし自分で運転できるなら、島内も回りやすいこの方法が一番おすすめです。レンタカーで島へ行っても大丈夫かは、レンタカー会社にご確認ください。

次に、少しコストがかかるけれど楽な行き方はタクシーまたはハイヤー車を利用する方法です。空港からのタクシー料金は50ユーロ弱。複数人数で利用するならそれほど高くはないと思います。

一番安い行き方はKTELバスで、ペディオン・トゥ・アレオス公園横の乗り場から30分~1時間毎にラヴリオ行きのバスが出ています。料金は片道約5ユーロ。ラヴリオまで所要時間は約2時間で、降りてから少し歩くので時間に余裕を持って出発するといいでしょう。

>>KTELバスの時刻表はこちら

ちなみにラヴリオは人気の観光地であるスニオン岬に近いので、スニオンで観光したあとラヴリオのホテルに宿泊→翌朝に島へ出発というプランもおすすめです。

フェリー

ちょっと頑張ってラヴリオ港まで行ったら、フェリーに乗り込んで1時間の船旅をお楽しみください。フェリーは時期によって便数が変わったり少しややこしいので、チケットを買うのは事前に予約サイトでしておくのが安心です。

ケア島の港

フェリーが到着する港は島の北西部に位置するコリシア。

コリシア

カフェやレストラン、土産物店などが建ち並ぶ、典型的なギリシャの港町です。港の近くにも綺麗なビーチがありますが、まずは内陸部に向かってみました。

ライオン像

ケア島のシンボル的なライオン像

今回は日帰りで行ったため時間が限られたので、まずはケア島のシンボル的なライオン像を見に行きました。

集落のはずれにぽつんと建つライオン像は、アルカイック期の紀元前6世紀ごろに作られた、体長8mぐらいの粘板岩の彫像。うっすらと微笑んでいるようなその表情は、まさにアルカイックスマイルですね。

このライオン像については記述があまり多くなく、どういう目的でここに作られたのかも、はっきりとはわかっていないようです。一説には、ある時期に島で悪さをしていたニンフたちを追い払ったライオンだとか。

穏やかなケア島を今も見守っているかのように見えます。

ケア島

ケア島

ライオン像はイウリダの集落に近く、そこそこ歩きますが(車だと結構近くまで行けます)、気持ちのいい散歩コースです。暑い時期は早朝か夕方に行くのがおすすめですが、周辺は街灯がないので暗くならないうちに戻りましょう。

イウリダの集落

イウリダの集落

北寄りの内陸部にあるイウリダ(Ioulida)は、ケア島の中心となる集落です。

イウリダの集落

エーゲ海の島の村らしい可愛らしい町並みで、集落内は車が入れないためゆったりと散策できます。車で来る場合は集落の入口にある駐車場を利用しますが、混雑するハイシーズンは駐車スペースを見つけるのがちょっと難しいかもしれません。

イウリダの集落

ファシアノスの家

ファシアノスの家
<アレコス・ファシアノスの名前がつけられた通り>

あまり時間がなかったので観光は駆け足になってしまったけれど、イウリダでぜひ見てみたかったのがファシアノスの家。

ギリシャを代表する画家のひとり、アレコス・ファシアノスはアテネのアートスクールを出た後パリで暮らしていましたが、ある年に訪れたケア島に魅了され、イウリダに別荘を建てました。毎年、夏の間はケア島のこの家をアトリエとして使い、そこでの創作活動や暮らしを楽しんでいたそう。

ファシアノスの家
<独特なタッチの絵画は、横顔の描かれたものが多い>

ファシアノスの家,ミュージアム

この家がミュージアムとして一般公開されてるので行ってみましたが、ギリシャの小さな博物館にありがちな不規則な営業時間のためか開いてませんでした(大きな祝日の前なので閉まっていたのかも?)。

閉館

そして、残念ながら9月半ばをもって閉館したようです。

ファシアノスの家,ミュージアム

ファシアノスの家,ミュージアム

ケア島のビーチ

ケア島のビーチ

美しいビーチが多いことでも知られるケア島。今回は島の北西部のビーチをいくつか車で回ってみました。

ヤリスカリ

ヤリスカリ(Gialiskari)

港町から徒歩でも行けるヤリスカリ(Gialiskari)は、旅行者にも地元の人にも人気のビーチです。整備されたビーチでパラソルとサンベッド、カフェレストランもあります。木が多く植わっていて日陰も十分。波も穏やかなので子連れにおすすめのビーチです。

オジアス

オジアス(Otzias)

オジアス(Otzias)はケア島北部の丁度真ん中にある丸い形をした湾で、コリシア港からは約5.5km。古代にはこの島で豊富に採れる赤っぽい鉱石を積み込んだ船が出る港だったそう。現在はリゾート地として栄えていて、宿泊施設や飲食店も複数あります。700m以上に渡る砂浜のビーチはケア島の他の場所より風が強く波がありますが、そのため海水浴だけでなくウィンドサーフィンも楽しめます。

クシラ

クシラ(Xyla)

コリシアの港から4.5kmほど南に位置するのがクシラ(Xyla)ビーチ。舗装されてないガタガタ道をゆくので若干アクセスが悪いですが、とても静かで落ち着いた雰囲気のこのビーチは地元の人に人気が高いです。砂浜にパラソルは設置されているものの、カフェやタベルナはないので(スナックスタンドが出ている時もありますが)飲み物など必要なら持参しましょう。

クシラ(Xyla)

ここはパラソル以外に日陰になるものはないので、帰りのフェリーに乗る前に行ってみましたが、日が沈みつつある時間帯の海はとても気持ちよかったです。

ケア島グルメ

ケア島グルメ

ケア島の食事はギリシャの多くの場所がそうであるように、スタンダードなギリシャの家庭料理のようなものが多いです。新鮮なシーフードを楽しめる海辺のタベルナやモダンギリシャ料理のお店も複数あるのでそちらに傾きかけましたが、豚肉を使った郷土料理をぜひ現地で食べたいと思っていたので、イウリダの広場にあるレストランへ入ってみました。

ギリシャの家庭料理

貴重な家畜を有効利用するためにさまざまな保存食を作る技術が発達しましたが、ギリシャにも各地にソーセージやハム類、コンフィのような保存食が多く存在します。ケア島含めキクラデス諸島のいくつかの島で作られるものに「ルゥザ」や「パスパラス」があります。

ルゥザは脂身のない部位で作られる生ハムの一種で、スパイス、ハーブ、ワインを使ったりスモークして仕上げるので独特な風味があります。

パスパラスは、同じ名前のものがギリシャの他の地方にもあったりするのですが、ケア島のそれは豚肉の脂が多めの部位をじっくり加熱したコンフィに似た保存食です。保存食そのものを指す以外に、それを使ったトマト味のスクランブルエッグのような料理のこともパスパラスと呼ばれます。

これら2品の他には、少し酸味のあるスプレッド状のローカルチーズ、青菜のパイなどをローカルワインと一緒に楽しみました。

Kalofagadon(カロファガドン)

  • 住所:Ioulida(役所の前の広場), Kea
  • 営業時間:16:00~0:00
  • 公式サイト:kalofagadon

Kalofagadon(カロファガドン)

食後のデザートにアイスクリームも。チーズや乳製品を生産しているティラキオンのショップがイウリダにあるので立ち寄りました。

実はアテネにも支店があるのですが、せっかくなので現地で食べたいですよね。

チーズやヨーグルト

島の工房で作られるチーズやヨーグルトなどを販売しています。

アイスクリーム

アイスクリームはスタンダードなフレーバー以外に、ちょっと変わったものもあって目移りします。私が特に惹かれたのは、リゾガロ(ライスプディング)、アルバロリザ(ローズゼラニウム)、フラゴシコ(サボテンの実)。

サボテンの実のソルベ

迷いに迷ってサボテンの実のソルベを選びましたが、さっぱりした味わいは食後にぴったりでした。

Tyrakeion(ティラキオン)

  • 住所:Ioulida(タクシー乗り場や駐車場の近く), Kea
  • 営業時間:月~土 8:00~23:30、日 10:30~23:00

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アナグノストゥ直子

アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。

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