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1日散歩が楽しい「ビーニャ・デル・マル」
スペイン語でビーニャはブドウ畑という意味で、マルは海なので、直訳すると「海のブドウ畑」という不思議な名前の街があります。首都サンティアゴからバスで2時間弱、ぎりぎり通勤圏でもあり、人口は約30万人、チリの中では大きい街に入ります。また、サンティアゴに住んでいる人たちにとっては、週末にプチ旅行で行くビーチリゾートであり、別荘を持っている人も多くいます。
日本に当てはめれば、東京と、鎌倉・湘南という雰囲気でしょうか。私が住んでいるチリ南部では毎日のように雨が降り寒く憂鬱な季節になりましたが、先日訪ねたこの街で、久しぶりに暖かい日の光を浴びました。現地に住む友人の案内での1日散歩がとても楽しかったので記事にすることにしました。この街のシンボルは花時計。
どこかほのぼのとした明るい観光地で、日本からのツーリストも行きやすいので、今回は私たちの散歩コースを紹介したいと思います。
目次
魚市場とエンパナーダ
海のある街に、シーフードは欠かせません。まずは、ビーニャ・デル・マールと、隣接する港町バルパライソとの間にある「カレタ・ポルタル」という魚市場に連れて行ってもらいました
エビやホタテ、さまざまな魚が並び、値段も手ごろ
その脇にはレストランがいくつもあり、それらのレストランから、ビーチに出ることもできました。
ここでおもしろかったのはワイルドなカモメやペリカン、スペイン語ではlobo marino(海の狼)と呼ばれるアシカ?たちです。
みんな魚市場からのおこぼれを狙って周辺に集まっているようです。アシカたちはかわいいですが名前の通り狂暴らしいので、うっかり近づかないように!
レストランでテイクアウトのエンパナーダを買ってみました。手のひらサイズもある魚介の詰まったエンパナーダは、日本円で700円ほど。チリの物価は決して安くありませんが、旅の思い出におすすめです。
モアイ像のある考古学博物館Museo Fonck
魚市場のエンパナーダで小腹を満たし、次に連れて行ってもらったのが、セントロにある考古学博物館。ここの見どころは入口にたつモアイ像
ビーニャ・デル・マルがある、チリの第5州は、あのイースター島が属する州でもあります。私はチリに住んで12年経ちますが恥ずかしながらイースター島に行ったことがありません。なぜなら、飛行機代も滞在費もとても高いから!同じ理由でチリ人でイースター島に行ったことがある人は実は少数です。
というわけで、ここで初めてモアイ像を見ました。博物館の前に立つモアイは1951年にイースター島から運ばれた本物で、高さは2.9m、火山岩でできています。
博物館は有料ですがモアイは中に入らなくても見られるので散歩がてら足をのばしてみるのがおすすめだそうです。ちなみに博物館の1階はイースター島やチリ南部に住む原住民マプチェ族に関する展示、2階はチリに住む昆虫や動植物に関する展示があり興味のある人にとってはおもしろそうでした。
また考古学博物館から歩いて数分のところにあるパラシオ・リオハの中にもイースター島に関する展示があり、そちらは無料で入ることができました。1900年初頭に作られた石造りの美しい建物で重要建築物となっているので、建築が好きな人にはおすすめです。
チリ人のソウルフード「コンプレート」を食す
さて、その友人に、ご当地グルメを聞いたら「コンプレート」だというので有名店に連れて行ってもらいました。コンプレートは、いわゆるチリ版ホットドッグですが、この国の若者たちにとってはソウルフード的存在。有名店はセントロに隣り合わせにあり、ちょうど昼食時だったのでどちらも行列ができていました。
El guatón
Cevasco
私たちはCevascoの方に入ってみました。スペイン語で「コンプレート」は、完全という意味ですが、コッペパンにソーセージ・トマト・アボカド・ザワークラフトが挟んであり、お好みでケチャップとマスタード、マヨネーズをかけて食べます。びっくりしたのはその大きさ!普通サイズの2倍。
私たちはその前にエンパナーダを食べてしまったので、残念ながら普通サイズをいただきましたが、がっつり食べたい人はぜひビッグサイズを。ビールか、コーラと食べるのがチリ流です。B級グルメを満喫するべし。
この国のソウルフードとはいえ、正直チープな味で、今までファンにはなれなかったコンプレートですがこの店で食べて考えが変わりました。コンプレート、美味しいかも!
ビーチ
期待以上においしかったコンプレートに満足して、次はセントロからバスに乗ってビーチに行ってきました。バスにのること束の間、長く続くビーチがあらわれました。
フンボルト寒流の影響で、夏でも水温は低く、さらに波も荒いので決して海水浴向きではないそうですが、砂は白くとても細かかかったです。ビーチで寝転んで日光浴をしたりちょっと水浴びやビーチバレーなどをして遊ぶにはばっちりそう。私たちが行った日は晩秋の平日で、人はまばらでしたが、週末や夏休みは観光客でとてもにぎやかになるようです。
また、ビーチ沿いは遊歩道になっていて、人間観察をしながらのぶらぶら歩きが楽しかったです。友達のこのエリアでの一押しに連れて行ってもらいました。それは軍施設の向かいにある本物の大砲設備。
なんと運転席に座ってみることができるんです。
この日は午後から曇りはじめ、きれいな夕日は望めなさそうだったので、近くにあるショッピングセンターに行って1日散歩を終えましたが、ショッピングセンターも大きくて楽しかったです。
最後に
少しとりとめのない記事になってしまった感がありますが、この街はほどよいサイズに収まりながら、見どころがちらほらあり、かといって、絶対見るべきものは特にないという(?)、のんびりした散歩ができる街なのだと思いました。チリではこういう街はあまり多くないので貴重です。そして新鮮な魚介類も手に入るし、気候も温暖そうだし住んでも楽しそうな街だと思いました。
さて、この街のすぐ隣には、ディープな港町「バルパライソ」があります。バルパライソは世界遺産の街で、チリで一番アートスティックな街だと言われています。南米らしいごちゃごちゃしたカラフルな街並みやライブ音楽を聴きに遊びに行きたいと思っているのですが、危険な街でもあるので現地に住むチリ人の友達を探して付き合ってもらう必要があります。「バルパライソで夜遊びをする」という夢が実現したらぜひ記事にしたいと思っているので、その時はぜひ読んでくださいね。
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IZUKAWAUSO
- 日本青年海外協力隊員。チリ南部の田舎暮らしも8年半になります。趣味は旅行(特に屋台めぐりと温泉)と料理。地元の週末フリーマーケットでおにぎりと味噌汁売ってます。