公開日:
最終更新日:
必見!タイ「アルヒル桟道橋」は泰緬鉄道で知られる有名観光地
みなさん、こんにちは、タイ在住写真家、旅ライターの大里康正です。
切り立った崖とゆったりと流れる絶景のクウェー川。その両側に挟まれた「アルヒル桟道橋」は、かつて旧日本軍が指揮してミャンマーとタイの間の物資輸送のため、泰緬鉄道を通した難所です。
ここはタイのカンチャナブリ県にあり、カンチャナブリ市内から約55kmの場所です。実際に鉄道の上を歩いて観光することができる有名観光地で、現地に行くとどれだけの難工事であったかも体感することができます。
アルヒル桟道橋の全長約300mに渡る曲がりくねったレールは圧巻の迫力!戦時中から利用され、今でも中に入ることができる神秘的なクラサエ洞窟を含め、必見の観光地を歩いてみましょう。
目次
- 歴史があるアルヒル桟道橋(タム・クラセー桟道橋)
- 流れる絶景のクウェー川
- 黄金の仏像がある神秘的なクラサエ洞窟(Tham Kra Sae Cave)
- 安全対策は無いアルヒル桟道橋を歩く際にはご注意を
- まとめ
歴史があるアルヒル桟道橋(タム・クラセー桟道橋)
<415kmの泰緬鉄道をわずか1年4カ月で完成>
アルヒル桟道橋はタム・クラセー桟道橋(Tham Kra Sae Bridge)ともいわれます。この桟道橋は日本軍の指揮により泰緬鉄道が敷設された一部となっています。泰緬鉄道そのものはミャンマーからタイまで約415kmに及びますが、現在でも一部の区間でタイ鉄道ナムトック線として運用されている現役の鉄道なのです。
泰緬鉄道の建設期間は驚異的な早さでした。ミャンマー側から1942年6月28日に着工され、タイ側は1942年7月5日に着工し、完成するのは1943年10月でした。着工当初は5年かかるといわれていたことからも、いかに厳しい工事であったかがうかがえます。
なぜ、たった1年4カ月で完成することができたのでしょうか。それは徹底して迅速さが求められ、旧日本軍が「スピードー!(Speed)」を連呼していたことが記録に残されています。
泰緬鉄道は旧日本軍において「泰緬連接鉄道」と呼ばれていましたが、建設当時は戦時中ということもあり多くの捕虜を使っており、難工事の際に犠牲者が出ています。このアルヒル桟道橋でも多くの犠牲者が出たと記録に残されています。
鉄道を使って観光することもできる有名観光地となっていますが、危険な難所が人の手で作られたということを知っておけば、当時の厳しさを感じることができるのはないでしょうか。
流れる絶景のクウェー川
<南国タイで一息つける美しい川の流れ>
クウェー川は正式にはクウェーヤイ川となっていますが、通称のクウェー川が一般的な呼び方です。戦時下の泰緬鉄道建設を描いたイギリスとアメリカの合作映画「戦場にかける橋(The Bridge on The River Kwai)」で有名になった橋がかかる川としても、知られています。ちなみに映画の舞台はこのアルヒル桟道橋ではなく、もっとミャンマー寄りともいわれています。
ゆったりと流れるクウェー川の源流はミャンマーとの国境地帯となります。そこから合流地点まで全長240kmといわれるタイの西部を流れる川です。タイ観光で泰緬鉄道を巡る旅をすると、何度もこのクウェー川に出合うことになるでしょう。
南国タイの有名観光地、アルヒル桟道橋からの絶景クウェー川の流れを見下ろしていると、暑さを忘れられるかも知れません。美しいクウェー川と周辺を含めた絶景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
黄金の仏像がある神秘的なクラサエ洞窟(Tham Kra Sae Cave)
<奥まで進むことができるクラサエ洞窟>
鉄道脇にクラサエ洞窟がありその中に黄金の仏像があります。ここは多くのタイ人が手を合わせる場所ですが、実は泰緬鉄道に関係する歴史もあるのです。
この洞窟は泰緬鉄道建設工事のとき、旧日本軍によってイギリス、オーストラリア人等の捕虜や周辺アジア人を含む現地労働者の宿泊場所の1つとされた歴史的経緯があります。
そして、出入り口からの印象とは違って奥深く続いている洞窟です。進むほど狭くなり、腰をかがめながらでなければ通れない高さまで天井が低くなります。頭上には注意をしてください。
安全対策は無いアルヒル桟道橋を歩く際にはご注意を
<落下防止などの安全対策は一部にしかない>
木造で出来た桟道橋は高さがかなりあり、迫力があります。安全のための手すりや柵はごく一部にしかありません。サンダルなどの不安定な履物の場合は十分な注意が必要です。
また、現在も鉄道として使われていることから、電車が通る時はよけなければなりません。電車の速度はかなり遅いのですが、慌てることのないように十分にご注意下さい。
まとめ
日本軍が指揮して敷設した泰緬鉄道は、今でもたくさんの批判があります。なぜなら、とても短い工期の難工事であり、そして多くの捕虜や東南アジアの労働者が亡くなっているからです。このアルヒル桟道橋も崖と川の間に作ったということは、岩肌を削る過酷な作業で今でもその痕跡を知ることができるます。
そのような悲しい過去があったことを忘れてはいけないのですが、それでも戦時中のものが今でも使われていることが、少しでも救いになっているといえるのかもしれません。
木造で基礎が作られ、崖と川に挟まれたスリルあるアルヒル桟道橋は、今は有名な観光地となり、世界中から多くの人が集まって笑顔で記念写真を撮る名所です。旧日本軍が指揮した泰緬鉄道であり、クラサエ洞窟を含んだ歴史を感じられる世界的に知られる観光地!現役の鉄道として使われているタイのカンチャナブリ「アルヒル桟道橋」に足を運び、絶景と歴史を肌で感じてみてください。
アルヒル桟道橋
- 住所: 4538+RV6, Unnamed Rd, Lum Sum, Sai Yok District, Kanchanaburi 71150
- アクセス:泰緬鉄道タムクラセー駅下車か、バンコクからのレンタカーなら近くに無料駐車場有り
- 入場料金:無料
関連記事
Rankingタイ記事ランキング
-
大里康正
- 風彩光真 光と影の写真家、世界を歩く旅作家で、日本の全都道府県を3周し各地を観光取材。テレビ番組への写真提供、新聞社からの取材多数。現在はタイ在住。世界遺産を含めたタイの有名な見どころ、そしてあまり知られていない驚くような素晴らしい観光地も紹介していきますよ!