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【四季と宿をめぐる旅】北海道〜山の宿 野中温泉と雌阿寒岳登山〜
GWまで雪が残る北海道。6月に入ると、だいぶ山の上の雪も溶けてきます。いよいよ夏を前にして登山シーズン到来ですね!
そこで今回ご紹介したいのが、オンネトー湖畔に位置する「山の宿 野中温泉」。北海道を代表する秘湯として知られる老舗旅館です。
圧倒的に濃い泉質のお湯を楽しみ、翌朝に日本百名山の1つ「雌阿寒岳(めあかんだけ、標高1,499m)」に登る旅をレポートしたいと思います。
目次
オンネトーの湖畔に佇む秘湯
「山の宿 野中温泉」があるのは、五色に色を変える神秘の湖・オンネトー湖畔。美しい樹林帯の中、雌阿寒岳の湧き立つ噴煙を眺めるロケーションに位置しています。
温泉の名称は初代宿主・野中増次郎(のなかますじろう)さんの苗字をとって。今では4代目となり、女将さんが家族とともにお宿を元気に切り盛りしていらっしゃいますよ。
かつては雌阿寒温泉の名前でも知られていましたが、今では野中温泉の1軒だけの営業です。かつては国民宿舎としても利用され、全国各地のリピーターさんに愛されていいます。
開業からもうすぐ110年ですが、お宿の雰囲気にとても活気があります。お部屋も改装されとても立派です。10畳のお部屋を2人で広々と使わせていただきました。
圧倒的に濃い温泉に浸る
野中温泉が秘湯マニアに愛される理由こそ、他ではなかなか味わうことができない濃い硫黄泉です。総ヒバ造りの大浴場に入れば、硫黄と油が混じった、まるでガソリンのような匂いに鼻腔を満たされます。
源泉掛け流しなので湯温も熱め。濃いお湯にどっぷりと浸かれば、身体の芯から温まることができます。入浴後は、まるで沸々とパワーが湧き上がるような効能を感じる、強烈な印象の泉質です。
長湯しすぎると危険なので、野趣ある露天風呂と内湯を交互に入るのがおすすめ。宿泊中は長時間入るより短時間で何度も入浴すると良いでしょう。強酸泉ではないため、アトピーの中でも気持ちよく入浴できますよ。
昔ながら変わらないおもてなし
野中温泉では、朝夕ともに北海道の食材を使った家庭料理を振る舞っていただけます。華やかではありませんが、おもてなしや人情味が感じられるお料理は、どれも肩の荷が降りる優しい味付けです。
また内容が豪華すぎないのも秘湯らしい情緒。むしろ昔ながらのリーズナブルな宿泊料金を守っていただいていることに感激です。朝夕ともにおかずが盛りだくさんなので、ご飯を何杯もお代わりして、たっぷりと活力を補充させていただきました。
早朝は雌阿寒岳登山
実は野中温泉は、百名山・雌阿寒岳への登山口に位置しています。登山口から山頂までは片道約2時間です。
筆者がおすすめしたいのは、日の出前の早朝から登り、山頂で日の出を見て下山するスケジュール。朝食の時間に間に合うように帰って来ればOKです。
タイトなスケジュールに見えますが、秘湯はお風呂に入ること以外、他にすることがないので早く寝られますし、野中温泉に宿泊するからこそ早朝から登山することができます。
下山後の朝風呂も最高に気持ちが良いですよ。いよいよ本格的な登山シーズン。百名山ハンターの皆様、野中温泉から雌阿寒岳登頂を目指してみてはいかがでしょうか。
山の宿 野中温泉
- 住所:北海道足寄郡足寄町茂足寄159
- TEL : 0156-29-7321
- 予算:1泊2食付き8,850円〜/人
- 関連サイト:民営国民宿舎webサイト
- 公式SNS:Facebook
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土庄雄平
- 1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。